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更新日:2023年11月6日
果樹試験場
昭和30年代から加工に適したあんずの育種試験を開始し、これまでに、「信州大実」、「信山丸」、「信陽」、「信月」、「信州サワー」を育成しました。
「信州サワー」は甘みが強く、生食にも適した品種です。
昭和34年に「新潟大実」に「アーリーオレンジ」を交配して育成され、昭和55年に品種登録されました。(登録番号36号)
成熟期は育成地(長野県須坂市)では7月中旬に成熟する晩生種。「新潟大実」より約10日遅い。
果実の形は円形。果実の大きさは80~90g程度で大きい。
果皮は橙黄色でやや淡く、陽光面は紅色に着色する。裂果の発生は少ない。
果肉の色は橙黄色。
糖度はBrixで10%前後。甘味は中程度である。果汁の酸度はpH3.2程度である。
核は離核である。
加工は二つ割シロップ漬け用に適する。
現在のアンズ栽培地域での適応性は十分である。
昭和34年に「山形3号」の自家受粉の実生を選抜、育成した品種で、昭和55年に品種登録されました。(登録番号37号)
成熟期は育成地(長野県須坂市)では6月下旬から7月上旬に成熟する早生種。「平和」よりやや遅い。
果実の形は短だ円形。果実の大きさは40~50g程度でやや小さい。玉ぞろいは良好である。
果皮は橙色で濃い。裂果の発生は少ない。
果肉の色は橙色。肉質は繊維が少なく、極めて緻密である。
糖度はBrixで10%前後。甘味は中程度である。果汁の酸度はpH3.1程度である。
核は離核である。
加工適性は丸アンズシロップ漬け用に最適で優れた製品ができる。
現在のアンズ栽培地域での適応性は十分です。
昭和36年に「山形3号」に「甚四郎」を交配して育成した品種で平成2年に品種登録されました。(登録番号2290号)
成熟期は育成地(長野県須坂市)では6月下旬から7月上旬に成熟する早生種。「平和」より4~5日遅れる。
果実の形はだ円形。果実の大きさは50~60g程度である。玉ぞろいは良好である。
果皮は赤橙色で陽光面はやや着色し、外観は美しい。裂果の発生は少ない。
果肉の色は橙黄色。
糖度はBrixで10~12%。甘味は多い。果汁の酸度はpH3.4程度である。「平和」や「山形3号」に比べると酸味は少なく、甘酸適和で食味良好である。
核は離核である。
加工適性は劣るので生食専用である。
現在のアンズ栽培地域での適応性は十分です。
昭和36年に「新潟大実」に「チルトン」を交配して育成した品種で、平成4年に品種登録されました。(登録番号3175号)
成熟期は育成地(長野県須坂市)では7月中下旬に成熟する晩生種。「信州大実」より4~5日遅い。
果実の形は短だ円形。果実の大きさは80g程度で大きい。
果皮は橙黄色で、陽光面の着色は少ない。裂果の発生は少ない。
果肉の色は橙色。
糖度はBrixで10%前後。甘味は中程度である。果汁の酸度はpH3.4程度である。
核は離核である。
生食用及び加工用に適し、加工は二つ割シロップ漬け用に適する。
現在のアンズ栽培地域での適応性は十分です。
昭和53年に「信陽」に「L-62」(「山形3号」×「チルトン」)を交配して育成した品種で、平成20年3月5日に品種登録されました。(登録番号第16163号)
果形が楕円形、果実の大きさがかなり大。育成地(長野県須坂市)では6月下旬から7月上旬に成熟する早生種である。
樹姿は中間、樹勢は強である。花粉の多少は中である。開花期は4月上中旬で「平和」「信州大実」と同時期である。
果実の外観は楕円形、果頂部の形は突形、果実の大きさはやや大きく70~80gである。果皮の地色は橙、陽光面の着色は中、果肉の色は橙で、果肉繊維の多少、果肉の粗密及び甘味は中、酸味は多である。糖度は12~13%で「平和」「信州大実」と比べて1~2%高い。酸度はpH3.6程度で「平和」「信州大実」と比べて少ない。
収穫期は6月下旬頃で「平和」「信陽」よりも成熟が4日程度遅く「信州大実」より1週間程度早い。
生食のほかシロップ漬けやジャムの加工に適する。
胴枯病、コスカシハ゛等の枝幹障害に対して比較的強い。
現在のアンズ栽培地域での適応性は十分です。
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