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更新日:2023年11月6日
果樹試験場
長野県果樹試験場は昭和45年からリンゴの育種試験を開始し、これまでに、「高嶺」、「シナノスイート」、「シナノレッド」、「シナノゴールド」、「シナノドルチェ」、「シナノピッコロ」、「シナノプッチ」、「シナノホッペ」及び「シナノリップ」を育成しました。育成した品種の来歴・特性の概要は以下の通りです。
昭和45年に「レッドゴールド」より採取した種子から生じた実生を選抜、育成し、昭和59年に品種登録されました。(登録番号527号)
育成地(長野県須坂市)では9月下旬から10月上旬に成熟する中生種。
果実の形は円形で、果実の大きさは350~400gで大きい。
果皮は黄緑の地色に、赤く着色し、縞は無い。
果肉の硬さは中程度、きめはやや粗く、果汁が多く、果肉に蜜が入る。
糖度は14~15%、酸度は0.3%程度、芳香があり、食味は良い。
三倍性品種で栽培が難しく、日持ちが短い。
日持ちが短いため、寒冷な地域でのみ栽培が可能です。長野県では標高概ね800m以上の地域で、直販用として僅かに栽培されています。
昭和53年に「ふじ」に「つがる」を交配して得た実生から選抜、育成し、平成8年に品種登録されました。(登録番号5139号)
育成地(長野県須坂市)では、10月上・中旬に成熟する中生種。
果実の形は円から長円、果実の大きさは300~350gで大きい。
果皮は黄緑の地色に赤く着色し、縞は明瞭である。
果肉の硬さ、果肉のきめはいずれも中、果汁の量は多く、果肉に蜜は入らない。
糖度は14~15%、酸度は0.3%程度で、甘味が強い。
低暖地では着色が淡い品種であるため、寒冷な地帯での栽培に適します。長野県では標高で概ね500m以上の地帯が栽培適地です。平成25年の長野県における栽培面積はおよそ682haです(園芸畜産課調べ)。
昭和58年に「つがる」に「ビスタベラ」を交配して得た実生から選抜、育成し、平成9年に品種登録されました。(登録番号5867号)
育成地(長野県須坂市)では8月上、中旬に成熟する早生種。
果実の形は円から長円、果実の大きさは250~300gで中程度。
果皮は黄緑の地色に濃赤色に着色し、縞は明瞭である。
果肉の硬さは硬く、果肉のきめは中程度で、果汁の量は多い。
糖度は13%程度、酸度は0.4~0.5%で、食味は甘味と酸味のバランスがよく、爽やかな味。
平成24年の長野県における栽培面積はおよそ15.3haです(特産果樹生産動態調査)。
昭和58年に「ゴールデン・デリシャス」に「千秋」を交配して得た実生から選抜、育成し、平成11年に品種登録されました。(登録番号7328号)
育成地(長野県須坂市)では10月中・下旬に成熟する中生種。
果実の形は円から長円で、果実の大きさは300g程度で大きい。
果皮は黄緑の地色に浅黄色に着色し、縞は無い。
果肉の硬さ、果肉のきめは中程度で、果汁の量は多い。
糖度は14~15%、酸度は0.5%程度で、食味は甘味と酸味のバランスがよく、濃厚な味。
寒冷な地帯で栽培された果実は、酸味が強い。
貯蔵性に優れる。
既存のリンゴ栽培地域ならどこでも栽培できますが、長野県では甘酸のバランスが良い果実がとれる温暖な地域を中心に奨励,しています。平成25年の長野県における栽培面積はおよそ258haです(園芸畜産課調べ)。
昭和58年に「ゴールデン・デリシャス」に「千秋」を交配して得た実生から選抜、育成し、平成17年に品種登録されました。(登録番号12732号)
育成地(長野県須坂市)では9月上、中旬に成熟する早生種。
果実の形は円から長円で、果実の大きさは300g程度で大きい。
果皮は黄緑の地色に赤色に着色し、縞は明瞭である。
果肉の硬さは中程度、果肉のきめはやや粗で、果汁の量は多い。
糖度は14~15%、酸度は0.5%程度で、食味は甘味と酸味のバランスがよく、濃厚な味。
寒冷な地帯で栽培された果実は、酸味が強い。
既存のリンゴ栽培地域ならどこでも栽培できますが、温暖な地域では着色がやや困難です。平成25年の長野県における栽培面積はおよそ38haです(園芸畜産課調べ)。
昭和54年に「ゴールデン・デリシャス」に「あかね」を交配して得た実生を選抜し、平成18年に品種登録されました。(登録番号14317号)
育成地(長野県須坂市)では9月中、下旬に成熟する早生種。
果実の形は円から長円、果実の大きさは150~200g程度で小さい。
果皮は黄白の地色に濃赤色に着色し、縞は不明瞭。
果肉の硬さは中程度、果肉のきめは緻密で、果汁の量は多い。
糖度は14%程度、酸度は0.4%程度で、食味は甘味と酸味のバランスがよい。
果実が小さく丸かじりに適する。
既存のリンゴ栽培地域ならどこでも栽培できます。平成24年の長野県における栽培面積はおよそ2.5haです(特産果樹生産動態調査)。
昭和61年に「つがる」に「さんさ」を交配して得た実生から選抜、育成し、平成22年に品種登録されました。(登録番号19262号)
育成地(長野県須坂市)では9月中、下旬に成熟する早生種。
果実の形は扁円、果実の大きさは150~200g程度で小さい。
果皮は赤色で着色が容易であり、外観が優れる。
糖度は13~14%、酸度は0.3%程度であり、酸味が少ないスイートタイプで果肉がパリパリとしており、食味が良好である。
果実が小さく、丸かじりした時に果皮が気にならないこと、果肉の褐変が遅いことなどから、丸かじりや食べきりサイズに適した品種である。
既存のリンゴ栽培地域ならどこでも栽培できます。
昭和62年に「あかね」に「ふじ」を交配して得た実生から選抜、育成し、平成25年に品種登録されました。(登録番号22366号)
育成地(長野県須坂市)では10月下旬から11月上旬に成熟する晩生種。
果実の形は扁円、果実の大きさは300g程度である。
果皮は赤色で着色が容易である。
糖度15~16%程度、酸度0.3~0.4%程度で果肉は硬く甘酸適和な食味である。
標高の低い地域でも着色が良好です。既存のリンゴ栽培地域ならどこでも栽培できます。
平成12年に「千秋」に「シナノレッド」を交配して得た実生から選抜、育成し、平成30年に品種登録されました。(登録番号第26584号)
育成地(須坂市)では8月中下旬に成熟する早生種である。
果実の形は円形で、大きさは300g程度である。
果皮は紫紅色で、着色は容易である。
糖度14~15%、酸度0.4%程度で食味は良好である。
果汁が多く、歯触りのよい触感が特徴である。
標高の低い地域でも着色が良好です。既存のリンゴ栽培地域ならどこでも栽培できます。
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