ここから本文です。
更新日:2023年11月6日
果樹試験場
昭和60年からモモの新品種育成試験を開始しており、早生種から晩生種まで、長野県に適応性が高く、既存の品種より高品質で栽培の容易な生食用品種の育成を目標としています。現在まで「なつき」、「なつっこ」「サマークリスタル」「紅晩夏」の育成を完了しました。
昭和63年に「川中島白桃」に「ちよひめ」を交配して育成した品種です。平成11年に品種登録されました。(登録番号7327号)
育成地(長野県須坂市)では7月下旬に成熟する早生種。
果形は扁円形。果実の大きさは250g前後。
果皮の着色はやや多く、裂果の発生はなく、果面は滑らかである。
果肉の色は乳白色でやや紅色を帯びる。果肉は密で締まり、肉質は溶質である。
核は粘核である。
糖度はBrixで11~13%。酸度はpHで4.8前後で少ない。
生理的落果は少ない。
日持ち性は「日川白鳳」並みの中程度。
花粉はないが、「白鳳」「あかつき」と交雑和合性が高い。
無袋栽培ができ、省力性が高い。花粉がないため受粉樹が必要。
県下全域で栽培が可能ですが、収穫期が梅雨明け後の地域が望ましいです。平成24年の長野県における栽培面積はおよそ5.5haです(特産果樹生産動態等調査)。
昭和62年に「川中島白桃」に「あかつき」を交配して育成した品種です。平成12年に品種登録されました。(登録番号8565号)
育成地(長野県須坂市)では8月中下旬に成熟する中生種。
果形は扁円形。果実の大きさは300~350gと大きい。
果皮の着色は多く、色つきは良い。裂果の発生はないが、無袋栽培では果点が荒れやすい。
果肉の色は乳白色で、果肉内の着色は少ない。果肉は密で締まり、肉質は溶質である。
核は粘核である。
糖度はBrixで14~17%と高く、食味良好。酸度はpHで5.0前後で少ない。
生理的落果は少ない。
日持ち性は「川中島白桃」並みに良好。
無袋栽培では果面が荒れるため有袋栽培を基本とする。
県下全域。
平成25年の長野県における栽培面積はおよそ87haです(園芸畜産課調べ)。
平成2年に「スイートネクタリン晶光」に「NJN76」を交配して育成した品種です。平成17年に品種登録されました。(登録番号12589号)
育成地(長野県須坂市)では7月中下旬に成熟する早生種。
果形は円形。果実の大きさは150~200g程度。
果皮の着色は良く、全面に着色する。裂果の発生は少ないが、果点の荒れがやや見られる。
果肉色は白色。果肉内の着色は少ないが、果皮着色が極めて多い場合は、果肉内の着色が多くなる傾向がある。果肉は密で締まり、肉質は溶質である。
糖度はBrixで10~12%程度。果汁の酸度はpHで4.1前後。ネクタリンとしては酸味が少ないため食べやすい。核は粘核である。
日持ち性は「秀峰」「フレーバートップ」並の中程度と推察される。
長野県内において、既存のネクタリン栽培地域での適応性はあるものと予想される。平成24年の長野県における栽培面積はおよそ5.5haです(特産果樹生産動態等調査)。
平成4年に「紅錦香」(くにか)に「フレーバートップ」を交配して育成した品種です。平成20年に品種登録されました。(登録番号16785号)
育成地(長野県須坂市)では9月上中旬に成熟する晩生種。
果形は扁円形。果実の大きさは400g前後と大きく、500gを越える果実もある。
果皮の着色の程度はかなり多い。果面障害はほとんどなく外観良。
果肉色は白色。果肉内の紅着色は少ない。核周囲の紅着色は中程度。肉質は溶質で、やや粗いが軟化するとあまり気にならなくなる。
核は粘核である。
糖度はBrixで12%前後。果汁の酸度はpH4.5前後。
日持ち性は中程度と推察される。
無袋栽培は可能。花粉がないため受粉樹が必要。
長野県内においてはこれまでに大きな問題は生じていません。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください