ここから本文です。
更新日:2022年5月10日
環境保全研究所
感染症を予防し、安全な生活の維持に役立てるため、特発的に発生する感染症の原因となる病原体の究明や、日常的な感染症の発生動向を調査するため細菌及びウイルスの検査を行っています。また、食中毒の防止や、流通食品の安全確保のための、細菌やウイルスなどの検査も行っています。
顕微鏡を用いた細菌観察(グラム染色)
リアルタイムPCR装置と増幅曲線
感染症対策の一環として、県内で発生した感染症の原因となる細菌やウイルスの動向を把握するため、医療機関から搬入された検体の検査をしています。
全数把握対象疾病:新型コロナウイルス感染症や腸管出血性大腸菌感染症など、診断された全数について検査をする疾病
定点把握対象疾病:インフルエンザや手足口病など、あらかじめ指定された定点医療機関から検体が搬入される疾病
安全キャビネット内で検査する様子
幅広い年齢層から採取した血液や下水を用いて、県民の病気に対する免疫力や病原体の有無を調査し、国の予防接種計画や感染症対策に役立てています。(本県はインフルエンザ、麻しん及び風しんなどの感受性調査を実施しています。)
麻しんの感受性調査に係る検査
食中毒の原因となるノロウイルスなどの検査や腸管出血性大腸菌O157などの遺伝子学的検査を行い、感染経路特定のための調査の一端を担っています。
シーケンサー パルスフィールドゲル電気泳動像
食品の安全を確保するため、食品中に病原菌が含まれていないか、基準を超えていないかなどの細菌検査を行っています。
食品検査で使用する培地 希釈をしている様子
風しんはワクチンで予防できる病気ですが、抗体価が低い人の間で大流行することがあります。妊娠初期の女性が風しんにかかると、出生児に先天性風しん症候群と呼ばれる障がいを引き起こすことがあります。このため、社会全体で風しんの流行を起こさないよう対策していくことが重要です。そこで、感染症流行予測調査を通じて、県内にお住いの方々の風しん抗体保有状況や、ワクチン接種による抗体獲得状況等を分析し、接種勧奨などのより有効な対策につなげます。
感染症や食中毒原因菌の検査をする際にはマニュアルに従って実施しますが、マニュアルに記載されていない細かな検査手技等によって検出率にバラつきが生じることがあります。本研究では、感染症や食中毒原因菌の検査技術に関する基礎的な手技や検査に使用する器具等の違いによる結果の検証を行い、原因菌の究明のため検出率の向上に繋げていきます。
2018年6月の食品衛生法の改正により、広域的な食中毒事案への対策強化やHACCPに沿った衛生管理の制度化等の措置が講じられました。本研究では、ノロウイルスをはじめとする食中毒等事例における原因病原体の遺伝子解析を含む試験データと保健所等で収集した疫学的データを総合的に分析し、関係機関と情報共有することにより、食中毒等感染拡大防止対策に寄与します。さらに、効果的な衛生管理を実施するための基礎的なデータを収集・解析し、食品等事業者をはじめとする県民の皆さまに対し食中毒等予防対策の正確な情報を提供します。
感染症に関して当所でまとめた資料を掲載しています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検体の搬送・取り扱いの注意点について(PDF:1,584KB)
令和2年度長野県臨床検査技師会 新型コロナウイルス感染症等の核酸増幅(PCR等)検査技術基礎研修会(PDF:2,095KB)
関連リンク
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください