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更新日:2021年6月14日

環境保全研究所

自然環境部業務紹介

自然環境部のしごと

 長野県は、3000m級の山岳地と8つの水系を有し、県内には多種多様な野生動植物種が生育・生息しています。
 一方、里山管理や山岳域の適正利用、野生鳥獣の保護管理、気候変動対策など、自然環境の保全に関わる多くの課題を抱えています。
 自然環境部は、これらの課題解決に必要な科学的情報を他の研究機関や市民と協力して収集し、県行政へ提供するとともに、学会や情報誌、WEBサイト等で発信しています。

<お問い合わせ先>

長野県環境保全研究所飯綱庁舎 自然環境部

 住所 〒381-0075 長野市北郷2054-120

 電話 026-239-1031 FAX 026-239-2929

 Eメール kanken-shizen<at>pref.nagano.lg.jp(<at>を@に)

主な調査・研究事業

生物多様性、希少野生動植物保護・保全

 長野県の生物多様性は、日本でも有数のこの地域の美しい自然環境を特徴づけています。この生物多様性のもたらす恵みを未来の世代に引き継ぐため、「生物多様性ながの県戦略」が平成24年に策定されました。この「戦略」に示された目標と行動計画の達成手段をあきらかにし、その達成に貢献することを目的とした調査研究を行っています。
 特に、信州の山岳高原の生物多様性がもつ地域資源としての価値を、SDGsおよび観光・文化・教育など地域づくりに役立つ分野で活用していただける知識として発信することを目指しています。
 その一環として、情報発信サイト 信州 山岳高原 生物多様性ホットスポットガイド(別ウィンドウで外部サイトが開きます) を平成31年4月に開設し、順次情報を追加しています。

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信州の代表的な生物多様性ホットスポットの一つ、霧ヶ峰草原

 

野生鳥獣の保護・管理

 野生鳥獣(カモシカ・シカ・イノシシ・クマ・サル・魚食性鳥類など)が県内で分布域を広げ農林業や生活被害が増加して大きな問題になっています。対策が十分に担えない、高齢化が進む中山間地域では、農地の耕作放棄が進むなど、地域社会の維持にとっても大きな課題となっています。
 県では、法に基づき、種ごとに対策計画を策定し、「野生鳥獣被害対策本部」を設置して総合的な被害対策の展開を図っています。当所では、本研究で得られた各種の生態に関する知識や捕獲個体の年齢、シカやイノシシの密度マップ等を対策本部に提供しています。

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牧場内を移動するニホンジカの群れ

気候変動・温暖化影響

 気候変動の影響を抑えるためには、原因となる温室効果ガスの排出を抑制するとともに、既に顕在化している気候変動に適応することが避けられません。長野県は、気候変動に関する情報の収集、分析、発信と、さまざまな主体の適応の取組促進を担う機関として2019年4月1日に「信州気候変動適応センター(当所と環境政策課)」(別ウィンドウで外部サイトが開きます)を設置しました。
 センターでは、県内の気候変動の実態把握や予測を行うとともに、適応する主体が必要とする情報を提供することが求められています。
 本研究では、気候変動に関する基礎的な情報とともに、さまざまな適応主体にとって有用な、ユーザー視点にたった使いやすい情報が何かを明らかにしていきます。

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気候変動の影響が最も懸念される高山帯、南アルプス最南端イザルガ岳

調査研究事業一覧(令和3年度)

信州の生物多様性の保全および自然資源の価値共有手法の開発

 研究期間:H29(2017)~R3(2021)年度

 山岳や高原で特徴づけられる信州の自然の特色は広く知られています。しかしその特色や希少性を地域の価値として科学的基盤(生物多様性・地形地質・気候条件等)にもとづいて社会的に広く共有し活用することは十分行われていません。そこで本研究は、これらの科学的な知見にもとづく地域の価値を統合的に示し、危機に直面する自然環境の保全対策に活かすとともに、特色ある自然資源の持続可能な活用につなげることを目的として行っています。

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草原環境を維持するための火入れ(小谷村)

侵略的外来種への新たな対策技術に関する調査研究

研究期間:R2(2020)~R4(2022)年度

 外来種(外来生物)の中には、生物多様性、農林水産業や人身への被害などへ影響を及ぼすものがあり、それら外来種を「侵略的外来種」と呼んでいます。その影響は多様で、程度もさまざまです。国では、外来生物法、生態系被害防止外来種リスト、外来種被害防止行動計画の枠組みで対策を実施しています。
 侵略的外来種による被害を防止するには、侵入予防・早期発見・拡大防止が重要です。当所では、長野県内の外来種対策のために、生息状況の把握や駆除方法などを検討します。

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南信、東信、中信のいくつかの湖沼に生息するウチダザリガニ

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県内各地で繁茂する北アメリカ原産のオオハンゴンソウ

高山生態系モニタリングに関する調査研究

 研究期間:R1(2019)~R3(2021)年度

 長野県の自然環境を特徴づける高山生態系は今、気候変動やニホンジカの増加による影響を受け始めています。これまでの調査により、ニホンジカが少ないと考えられてきた北アルプス北部の高山でも、ニホンジカが確認されたほか、イノシシによるお花畑の掘り起こしも確認されました。

 高山の自然環境を長期的にモニタリングする取り組みは全国的に少なく、気候変動の影響が顕著かつ深刻な生態系と考えられている高山生態系に関するモニタリングは、長野県の生物多様性保全のほか、気候変動適応の観点からも重要な課題です。

 この研究では、山岳地の気象・残雪・地質に関する調査・観測のほか、ニホンジカをはじめとする高山帯の動物相や植生の変化などについて取り組んでいます。高山生態系のシンボル種であるライチョウについては、登山者にも協力を呼びかけて監視をしていくこと、またその結果からライチョウの生息状況を推定することを計画しています。 

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高山帯生態系のアイコン、ライチョウ

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チングルマ(背景は白馬鑓ヶ岳)

野生鳥獣の保護管理にむけた生態及び被害対策に関する調査研究

 研究期間:R1(2019)~R5(2023)年度

 野生鳥獣による農林水産物等の被害軽減と、野生鳥獣と地域社会の共存が行政課題となっています。本研究の目的は、本課題に資する科学的情報を提供することです。具体的には、採集試料を用いた生態解明及び基礎資料の蓄積、野外調査による生息および被害状況の把握、統計解析による行動や生息数に関する傾向分析、被害対策に関する知識や技術の普及、です。 

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千曲川で営巣するカワウ

気候変動適応に必要な基盤情報の整備と情報発信

 研究期間:R2(2020)~R6(2024)年度

 長野県における気候変動の適応を一層推進するため、気候変動の実態や将来予測等の研究と情報収集・分析を継続しながら、基盤情報の整備と充実を行うとともに、適応策の実施主体の求める情報を把握し、ユーザー視点にたった使いやすい情報の発信をします。

 

長野県内の湖沼とその集水域における土壌環境の中長期的保全・管理に向けた調査研究

 研究期間:R2(2020)~R4(2022)年度

 長野県の湖沼では、水質汚濁や特定生物の大量発生・大量死、湖底の貧・富栄養の拡大といった水質・生態系に関わる問題が度々発生しています。そこには、私たち人間による生活・産業排水や土地利用のほかに、集水域の地質・土壌環境が関与しています。県内湖沼の水質・生態系を持続的に保全していくためには、人間活動、集水域の地質・土壌環境、それらの相互関連の理解が必要です。
 本研究では、現在とは異なる気候条件下にあり、人間による環境への干渉が少なかった地質・先史時代の湖沼環境と集水域の土壌環境の変動履歴を調べることで、現在~将来の湖沼の水質・生態系を決定する環境要素の把握を目指します。

 

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諏訪盆地で得られたボーリングコア(2.5万年前の地層)

情報デザインによる地域自然環境の学びの場の共創

 研究期間:R3(2021)~R4(2022)年度

 信州の自然環境(生態系・生物多様性)は気候変動などさまざまな危機にさらされています。多くの環境問題は、2030年までに対応しないと取り返しがつかなくなると考えられています。世界規模の環境問題を信州の特性に落とし込んで考え、私たち一人一人が暮らしのなかでどのような行動をとれるのか学ぶ場を作ります。

 具体的には、信州の自然環境(生態系・生物多様性)の成り立ち、直面する問題、問題の解決(Why, What, How)をわかり易いストーリーにまとめ、飯綱庁舎のエントランス展示やホームページ等を通じて発信します。

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後立山連峰の小蓮華山・雪倉岳方面を望む

これまでに取り組んだ調査研究課題

1 生物多様性とその保全 

2 野生鳥獣保護管理

3 地球温暖化の影響とその対策

4 新版長野県地質図の作成

5 冬季五輪の自然環境への影響

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お問い合わせ

所属課室:長野県環境保全研究所 

長野県長野市大字安茂里字米村1978

電話番号:026-239-1031

ファックス番号:026-239-2929

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