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更新日:2023年5月24日

環境保全研究所

長野県内の湖沼とその集水域における土壌環境の中長期的保全・管理に向けた調査研究

期間

令和2(2020)~令和4(2022)年度(3年間)

目的

県内湖沼の水質・生態系を持続的に保全していくためには、人間による生活・産業排水や土地利用のほかに、気候変動やそれによる湖沼・流域の自然環境の変動とその要因を把握する必要があります。本研究では、現在とは異なる気候条件下にあり、人間による環境への干渉が少なかった過去の湖沼環境と流域の土壌環境の変動を調べることで、現在~将来の湖沼の水質・生態系を決定する環境要素を把握することを目指します。特に本研究では、21世紀末の温暖化のアナログとして注目される最終氷期末から完新世の気候変動下における県内湖沼・流域の環境変動に注目しています。

内容

2020年度と2021年度に諏訪湖の湖岸2カ所においてボーリング調査を実施し、2本の堆積物コア(地層から抜き取られた円筒状の堆積物試料)を採取しました。これらコアの解析により、過去約2万5千年間(最終氷期以降)の環境変動(諏訪湖の面積、流域の土壌・植生、水圏生物活動など)とそれらの変動要因を検討しました。また、諏訪湖と県内河川の河床堆積物と増水時の懸濁泥を採取し、流域の土壌構成・土壌流出の検討と河川堆積物の化学・鉱物組成のデータ作成を行いました。

toyoda諏訪湖湖岸でのコア掘削の様子

諏訪湖湖岸でのコア掘削の様子。諏訪湖の湖岸2地点において連続コアを採取。

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掘削された堆積物コアの一部。

 

研究成果

情報発信

論文

  • 福地亮介・葉田野 希・朝日啓泰・沢田 健(2023)諏訪湖堆積物コア中の古土壌層におけるn-アルカン,ホパンの特徴.日本有機地球化学会学会誌, 39, 1-14.
  • Nozomi Hatano・Ritsuho Kawano・Kohki Yoshida (2023) High-frequency depositional sequence of the upper Quaternary deposits conrtolled by sediment supply: A case study of an inland basin in central Japan. Palaeogrography Palaeoclimatology Palaeoecology, 614. DOI: 1016/j.palaeo.2023.111439(2023年2月22日長野県プレスリリース)
  • 川野律歩・葉田野 希・吉田孝紀(2021)最終氷期以降における諏訪盆地周辺の風化環境の変遷. 信州大学理学部環境科学年報, 53, 43-56.

報告書

 


本研究の実施にあたり、(公財)アサヒグループ財団、(公財)河川財団、(公財)住友財団、(公財)藤原ナチュラルヒストリー振興財団から支援をいただきました。また、本研究は信州大学、北海道大学等と共同で実施しました。


 

 


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お問い合わせ

所属課室:長野県環境保全研究所 

担当者名:葉田野 希

長野県長野市大字安茂里字米村1978

電話番号:026-239-1031

ファックス番号:026-239-2929

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