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更新日:2022年1月31日

環境保全研究所

「山と自然のサイエンスカフェ@信州」を開催しました:令和3年度(2021年度)

「山と自然のサイエンスカフェ@信州」は、当研究所の研究員や外部からお招きした研究者が、信州の大きな特色と魅力の源である“山と自然”に関する話題や社会的な注目度が高まっている“気候変動“に関する話題を提供し、参加者のみなさまとともに気軽に語り合うというイベントです。

ここでは、令和3年度(2021年度)の開催の様子をお伝えします。

令和3年度(2021年度)の開催日程

テーマ 開催日 備考
第1回 2050ゼロカーボンへの鍵:信州のカラマツ林 11月10日(水曜日) 開催済み
第2回 コロナ禍でも花は咲くーサトイモの推し事 12月10日(金曜日) 開催済み
第3回 諏訪湖の地史を考える~過去2万年間の堆積物記録~ 1月25日(火曜日) 開催済み
第4回

信州の生物多様性 2030年に向けて

2月14日(月曜日) 中止

第1回と第2回は県立長野図書館3階「信州・学び創造ラボ」で実施。第3回はオンライ開催。

 

 第1回「2050ゼロカーボンへの鍵:信州のカラマツ林」

概要

今年度の初回(通算第52回)となる「山と自然のサイエンスカフェ@信州」を開催し、多くの方々がご参加くださいました。皆さま興味深くお聞きいただき、また、多くの質問、活発な意見交換をありがとうございました。

 

  • 日時:令和3年(2021年)11月10日(水曜日)17時30分~18時30分
  • 参加人数:15名
  • 話題提供者:尾関雅章、栗林正俊(長野県環境保全研究所・自然環境部)
  • 講演概要配布資料(PDF:781KB)
  1. ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎博士が1969年に発表した「大気海洋結合モデルによる気候計算」について概説しつつ、今日に至るまでに進化した気候モデルによる長野県の気候予測について紹介しました。将来の気候変動を抑制するためには、2021年6月に策定した長野県ゼロカーボン戦略の削減目標を達成することが重要で、森林の二酸化炭素吸収量を増やすことで目標達成に貢献できます。
  2. 長野県は人工林の半分以上をカラマツ林が占めていますが、高齢林の割合が90%に達して二酸化炭素を吸収する能力が低下しています。そうしたカラマツ林が気候に応答して展葉・落葉するタイミングを、林床に設置したカメラとドローンで観測して評価しました。
  3. 観測されたカラマツ林の展葉・落葉のタイミングと積算気温の関係を陸域生態系モデルに組み込んで、長野県の気候予測値をこのモデルに入力すると、2050年のカラマツ林の炭素収支をシミュレーションできます。2050年のカラマツ林の二酸化炭素吸収量を増やすためには、どのような森林管理が効果的なのかもモデルの感度実験で評価しました。

 

当日の様子

「2050年という比較的近い将来をターゲットにしたカラマツ林の施業の影響について、イメージしやすく分かりやすい説明であった。」「環境保全研究所での最近の研究内容を知ることができてとても面白かったです。長野の気候変動に関して、ピンポイントに知る機会はなかなかないので、是非またお話を聞ける会を開催してください。」などの反響をいただきました。

 20211110_チラシ 20211110_写真  

 

 

 第2回「コロナ禍でも花は咲くーサトイモの推し事」

概要

今年度の第2回(通算第53回)となる「山と自然のサイエンスカフェ@信州」を開催し、多くの方々がご参加くださいました。皆さま興味深くお聞きいただき、また、多くの質問、活発な意見交換をありがとうございました。

 

  • 日時:令和3年(2021年)12月10日(金曜日)17時30分~18時30分
  • 参加人数:20名
  • 話題提供者:高野宏平(長野県環境保全研究所・自然環境部)
  • 講演概要配布資料(PDF:6,736KB)
  1. サトイモ科植物について紹介しました。世界で125属、約3750種のサトイモ科植物が知られています。ほとんどのサトイモ科植物は、肉穂花序が仏炎苞(ぶつえんほう:葉が変化したもの)に囲まれる花の構造をもちます(ミズバショウ、ザゼンソウ、カラー、モンステラ、ポトス、コンニャク、テンナンショウ(マムシグサ)など)。
  2. タロイモ(英語でtaro)とはサトイモのことです。生物学的種としてのサトイモ(Colocasia esculenta)の中に世界では2300以上の栽培品種があります。信州の伝統野菜として「飯山市木島の坂井芋」「木曽・上伊那・下伊那のあかたつ(唐芋:とうのいも)」「駒ヶ根市(上赤須)の赤須さといも」が認定されています。最近は長野市で「さといも善光寺」という品種の栽培も広まっています。青木村の「沓掛温泉の野生里芋」は長野県天然記念物に指定されています。東南アジアではタロイモショウジョウバエ属(Colocasiomyia)の仲間がサトイモの花粉を運び、種子繁殖を支えています。信州で食べられているサトイモも、故郷ではタロイモショウジョウバエと共生しながら進化してきました。
  3. ナベクラザゼンソウは、飯山市鍋倉山で発見され、2002年に新種記載されました。本州(岩手~福井県)の多雪地帯の湿地に分布し、長野県と国のレッドリストで絶滅危惧II類に指定されています。雪解け直後に開花・展葉するため、気候変動(少雪や雪解け時期の変化)の影響が心配されます。展葉直後の葉はツキノワクマに食べられ、果序はネズミ類に食べられます。繁殖成功や個体群動態の調査を2018年以降継続してます。開花中の花が発熱するため、その生態的意義(花粉管伸長のため?花の匂いをより遠くへ飛ばし虫を誘引すため?)を調べています。

 

当日の様子

「サトイモ愛にあふれている様子がうかがえて楽しかったです。勉強になりました。」「会場が落ち着いて良い感じでした。話が面白く良かったです。信州サトイモ連合いいね。」「植物と虫との関係が面白いです。」などの反響をいただきました。

 211210チラシ 211210講演写真

 第3回「諏訪湖の地史を考える~過去2万年間の堆積物記録~」

 概要

今年度の第3回(通算第54回)となる「山と自然のサイエンスカフェ@信州」をオンラインで開催しました。県内外の多くの方々にご参加いただき、活発な意見交換をありがとうございました。

 

  • 日時:令和4年(2022年)1月25日(火曜日)18時00分~19時30分
  • 申し込み人数:30名
  • 話題提供者:葉田野 希(長野県環境保全研究所・自然環境部)
  • 講演概要:諏訪湖の3つの特徴(広い集水域を有すること、構造運動でできた湖であること、高い山に囲まれた高標高湖であること) に注目し、諏訪湖とその周辺地域で起きたと考えられる最終氷期以降の環境変動を紹介しました。また、諏訪湖で採取された堆積物コアの研究を紹介し、地層からどのように古環境を解析するのか解説しました。

 当日の様子

 今回はオンライン開催ということで、研究地域となっている諏訪湖周辺にお住まいの方々にも多くご参加いただき、アンケートでも、「遠方から参加できてよかった。」とのお声をいただきました。また、「Zoomのチャットやリアクション機能をつかったクイズの答え合わせなどが楽しかった。」「チャットで質問し終わる前に話がすすんでしまい質問できなかったことが心残り。」といったご意見をいただきました。

 講演内容に関しては、「ボーリングコアから多くの情報が得られることに驚いた。」「ボーっとみている諏訪湖の見方が変わった。」「今後の研究がとても楽しみ。」「考察がすこし難しかった。」「諏訪湖の水位と気象現象との関係が知りたい。」などの反響をいただきました。皆さまの声をもとに、今後のサイエンスカフェのスタイルを模索していけたらと思います。県外も含め、様々な地域からご参加いただき、ありがとうございました。

チラシ

 

研究所からの配信の様子(司会進行役と進行補助)

Zoomによる配信画面

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お問い合わせ

所属課室:長野県環境保全研究所 

長野県長野市大字安茂里字米村1978

電話番号:026-239-1031

ファックス番号:026-239-2929

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