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更新日:2023年12月28日
長野県立総合リハビリテーションセンター
補装具は「身体障がい者の日常生活や社会生活の向上を図るために、その失われた身体機能や損傷のある身体機能を補うための用具」であり、障がい者リハビリテーションの柱の一つである代償能力獲得の重要な手段となるものです。
(1)申請者から市町村へ申請書の提出(事前に相談の上、必要書類を揃える)※必ず申請は製作前(事前)であること
(2)判定依頼が必要な種目や内容であれば、市町村から身体障害者更生相談所(以下更生相談所)へ判定依頼
(3)内容を確認し、更生相談所より、判定書を市町村へ交付
(4)更生相談所の意見に基づき、市町村で補装具費支給決定通知を交付
(5)申請者と補装具事業者で契約の上、補装具製作依頼
(6)完成後、市町村・医療機関・更生相談所等により適合判定を実施(種目問わず)
(7)申請者に適合していることを確認の上、補装具の引渡し
(8)、(9)申請者より自己負担金及び請求書兼委任状を補装具事業者へ提出
(10)補装具事業者より市町村へ補装具費請求
(11)市町村より補装具事業者へ補装具費支払い
調査により、補装具が必要と判断される場合、次の事項を確認して、障害者総合支援法による補装具費の支給の適否を検討します。
障害者総合支援法では、補装具費の支給は身体障害者手帳を所持していることが前提となります。認定された障がいに対応する補装具が対象となるため、支給する補装具によっては、手帳の障害内容の変更が必要になる場合があります(例:聴覚障害の手帳で眼鏡の支給は不可なので、視覚障害の手帳を取得することが必要です)。
なお、政令で規定された難病(別ウィンドウで外部サイトが開きます)等に該当する場合には、身体障害者手帳の所持を要件とせず、補装具費の申請が可能です。ただし、あくまでも所持を要件としないものであって、障害状況は身体障害者の障害程度等級表に該当している必要があります。
障害者総合支援法でない他法(介護保険法、労働者災害補償保険法、戦傷病者特別援護法等)で補装具支給(貸与)が可能な場合は他法を優先します。
例えば、介護保険法の対象となる方の介護保険で貸与されるものについては、障害者総合支援法では支給しません。
治療段階における症状の回復・改善のために処方される「治療用装具」は、医療保険各法で対応しており、障害者総合支援法にいう補装具とは区別されます。
≪治療用装具の例≫
断端成熟までの仮義足、眼球摘出後の眼窩を保護する義眼等、症状に対する治療段階で使用する義肢・装具
同じ種目の補装具でも、様々な価格の製品が販売されています。補装具費には障害者総合支援法により基準となる告示額があり、その価格内での支給が原則です。同じ機能を持った製品であれば、より安価である方を支給することとされています。
ただし、身体状況や環境上、やむを得ない理由により必要性が認められる場合は基準額を超えた支給となることもあります。
補装具の個数は、原則として1種目1個ですが、身体障がい者・児の障害状況を勘案し、職業上または教育上必要と認めた場合は、2個とすることができるとされています。
種目が違うものでも、目的が一緒である場合は併給が難しいことがあります。日常生活上必須であるものが支給対象であることから、併用できるものは併用していただくことが原則です。
補装具の種目ごとに耐用年数が定められていますが、耐用年数はあくまでも「当該補装具が修理不能となるまでの予想年数」とされており、使用頻度等により、実際の耐用年数は前後することがあります。
そのため、一概に「耐用年数が経過していなければ再支給できない」また、「耐用年数が過ぎたから再支給する」というものではありません。当該補装具の状況が「修理不能である」状態をもっての再支給となります。再支給は実情に沿って、慎重に判断することとなります。
なお、災害等により、補装具を失ったり毀損したりした場合、耐用年数にかかわらず、新たに必要とする補装具を支給することができます。
更生相談所(リハビリテーションセンター)に来所していただき判定を行う方法と、更生相談所(リハビリテーションセンター)が行う巡回相談をご利用いただく方法があります。また、書類により判定をする方法もあります。補装具の種類により、いずれかの判定を行います。
直接判定では、内容の修正の有無により変動はありますが、おおむね判定後2週間以内に更生相談所の意見書・判定書を交付しています。
書類判定では、返戻になる場合を除きおおむね2週間以内に更生相談所の意見書・判定書を交付しています。返戻についてもおおむね2週間以内に送付しています。
直接判定(来所・巡回) | 書類判定 | |
---|---|---|
(1) | 申請者より、直接判定の種目の申請書を市町村へ提出 | 申請者より、書類判定の種目の申請書を市町村へ提出 |
(2) | 市町村から更生相談所へ判定の予約…※日時は毎年度末市町村へ通知、2週間前までに予約及び必要書類の提出 | 市町村から更生相談所へ判定依頼 |
(3) |
当日、申請者・市町村・補装具事業者に更生相談所か判定会場(中信・東信・南信)へ来所いただき、判定実施 その後更生相談所にて各種書類を準備する |
更生相談所にて書類の内容を精査し、調査が必要であれば、市町村・医療機関等へ照会 照会回答後、再度(3)を実施 |
(4) | (3)の結果をもって、更生相談所から市町村へ判定書を交付 | (3)の結果で調査の必要がなければ、更生相談所から市町村へ判定書を交付 |
(5) | 市町村で支給決定し、支給決定通知書を申請者へ送付 | 同左 |
(6) | 補装具完成後、市町村から更生相談所へ適合判定の申し込み※実施日2週間前まで | 補装具完成後、市町村・医療機関等により適合判定実施 |
(7) |
当日、適合判定実施し、問題なければ後日適合判定通知書を市町村へ交付 |
適合していれば市町村より補装具費の支払い |
1 義肢(義手・義足)
2 座位保持装置(車椅子又は電動車椅子に取り付けるものを含む)
3 電動車椅子(手動簡易型のものを含む)
4 特例補装具で書類による判定が困難なもの
5 その他、更生相談所が特に必要と認めるもの
※1~3は新規支給に限る
1 義肢(義手・義足)の再支給(処方内容の変更を伴うもの)
2 ソケット交換を伴う義足の修理(処方内容の変更を伴うもの)
3 各種装具(上肢・体幹・靴型・下肢装具 等)
4 車椅子(オーダーメイド)
5 補聴器
6 重度障害者用意思伝達装置
7 各種特例補装具
8 直接判定を要する種目のうち、来所・巡回による判定が困難なもの
※3~6は新規交付に限る
指針により、義眼、眼鏡(矯正眼鏡、遮光眼鏡、コンタクトレンズ、弱視眼鏡)、車いす(レディメイド)、歩行器、盲人安全つえ及び歩行補助つえ(一本つえを除く)に係るものであって、補装具費支給申請書等により判断できる場合は、更生相談所の判定を要せず、市町村が決定できます。
上記補装具については、購入又は修理の必要性を、申請者の身体障害者手帳等により市町村長が判断できる場合は「補装具費支給意見書」を省略することができるとされています。
社会福祉施設等入所利用者の車椅子等は、施設が備品(既製品)として用意すべきものですが、本人の障がい状況や体格などにより、一般的な既製品では対応できない場合に限り、障害者総合支援法で支給できます。
一般的な既製品では対応できない理由について明確にし、申請をお願いします。
補装具の支給は、前述のとおり原則として1種目につき1個です。
既に支給・判定を受けているものと同種の補装具を2個支給する場合は、必要性を記した判定依頼書を送付してください。
ただし、職業上・教育上及び生活環境上必須である等、2個支給の必要性が認められ、医学的判定を要しない場合は、市町村で判断の上支給決定可能です。
再支給・修理の際、特に医学的判定を要しないと認められる場合(身体に影響を与えない部品(車椅子のブレーキやタイヤ等)の交換や老朽化した補装具と全く同じものを、再支給することで対応できると市町村長が判断できる場合等)、更生相談所の判定は不要です。
ただし、判定を要する項目のうち、児童(18歳未満)の時に支給されていたものを、成人後に再支給する場合には判定依頼が必要となります。
身体障がい者・児の障がいの現症、生活環境その他真にやむを得ない事情により、告示に定める種目で、その名称・型式・構造等によることができない補装具が真に必要であると市町村が認めた場合は、更生相談所の判定等により支給することができます。
身体障がい児の場合、更生相談所の判定を要さず、市町村で判断可能です。しかし、主治医意見書等に基づく判断が困難な場合や、専門性の高い補装具(起立保持具や高額な補聴器・補聴援助システム等)である場合は更生相談所に助言を求めることができます。
「判定依頼書」に「補装具費支給意見書」、「採型表又は処方箋」、「判定依頼調査書(各種)」、「特例補装具調査書」、見積書を添付してください。
なお、判定依頼書、判定依頼調査書、特例補装具調査書は、原則として市町村担当者が記載してください。
車いす採型表又は電動車いす採型表に特別な構造を希望する部品名を記載し、その部品の必要な理由を明記してください。
書式集の中に示されていますので、ご参照ください。
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