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更新日:2023年12月14日
長野県立総合リハビリテーションセンター
身体に障がいのある方が、社会参加を果たすための様々な福祉的制度の支援策を受けるために必要な証明書です。『身体障害者手帳』を持っている場合のみ、法律上『身体障害者』となります。
身体に障がいがあっても、『身体障害者手帳』を取得するかどうかは、個人の自由で、強制されるものではありません。ただし、『身体障害者手帳』がないと利用できない福祉制度などがありますので、ご留意ください。
身体障害者手帳による補装具費支給制度以外に、次のような補装具の給付を受けられる制度があります。
どの制度を使うかという優先順位が決まっています。
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」での給付を受ける場合に身体障害者手帳が必要となります。
ただし、同法律の指定難病である場合は、身体障害者手帳の取得が必要ないものもありますので、市町村窓口にてご相談ください。
身体上の障がいを、軽減または除去するための医療が『自立支援医療(更生医療)』です。『自立支援医療(更生医療)』を受けるためには、法律上、身体障害者と認められていることが必要で、そのため『身体障害者手帳』を持っていることが条件となります。
ただし、身体障害者手帳に記載された傷病名・障害名によって、受けられる『自立支援医療(更生医療)』の内容は異なります。
福祉の制度を利用するための条件の一つが『身体障害者手帳』です。しかし、福祉の制度が必要な方は身体障がい者だけではありません。例えば次の場合は、他の制度によって福祉の制度を利用できる可能性がありますので、お住まいの市町村の福祉担当課などにご相談ください。
対象となる障がいについては、『身体障害者福祉法』に定められています。
『高次脳機能障がい』だけでは、身体障害者手帳の対象とはなりません。精神障害者保健福祉手帳の対象となる場合があります。
失語症や身体の麻痺などがあり、認定基準に該当する場合は、身体障がいと認定される可能性があります。
『認知症』など、精神機能の衰えによって日常生活ができない場合は、「精神障害者保健福祉手帳」の対象となることがあります。
なお、長期にわたって寝たきりとなるなどで身体の機能低下があり、認定基準に該当する場合は、身体障がいと認定される可能性があります。
事故や病気によって『意識不明』や『遷延性意識障がい』の状態にある場合、その状態であることをもって身体障がいと認定することはできません。しかし、長期にわたって寝たきりであり、回復の可能性が少ないと判断され、体の機能が身体障がいの認定基準に該当する場合は認定される可能性があります。
基本的には、おおむね3歳からとされています。
体の機能が発達していく段階での肢体不自由の認定は、正確にその障がいを認定できない場合が多くあります。
ただし、先天性の欠損、事故等による切断など、発達とは関係のない明らかな障がいは認定される可能性があります。
また、おおむね3歳未満であっても脳波による聴力検査等で客観的に障がいがわかる場合には認定される可能性があります。
年齢の上限は特には決められていません。
ただし、高齢で体が動きにくくなったというだけでは対象とはなりません。
在留カード等により居住地が明確で在留資格が有効な方であれば申請できます。一時的な滞在や、違法な在留の場合は対象外となります。
お住まいの市町村に申請します。『福祉事務所』、『障がい福祉課』、『福祉健康課』、『住民課福祉係』など市町村により、さまざまな名称で呼ばれていますが、『身体障害者手帳の申請窓口』と言ってお訪ねください。
原則として身体障がい者ご本人に申請していただきます。ご本人が直接申請できない場合は、ご本人の親族等が行えますが、詳しくは市町村窓口にお尋ねください。
15歳未満の児童は、保護者(親権を行うもの及び後見人)などが申請できます。里親制度を利用している場合または児童福祉施設に入所中の場合は、里親または児童福祉施設長が代わって申請できます。
基本的に、次の書類が必要です。証明写真以外の様式は市町村の窓口にあります。
身体障害者手帳のための診断書を作成できるのは、『身体障害者福祉法第15条指定医師(以下、15条指定医)』として県などの自治体に認定されている医師です。それぞれの障がいについて、一定の臨床経験(おおむね5年、肢体不自由は6年)が必要で、診断書を作成できる障害種別が指定されています。
診断書には、症状の経過を記載する必要があるので、申請者の傷病について経過を知っている主治医などに書いていただくのが望ましいです。しかし、主治医などが15条指定医に認定されていない場合は15条指定医に書いてもらうことになります。他の医療機関にかかる場合は、主治医などの情報提供書が必要となる可能性がありますので、主治医・医療機関とご相談ください。
証明書として本人であることを確認できることが求められますので、次の条件の写真をご用意ください。
容貌が変わり、手帳の写真では本人確認が難しい場合には、新しい写真で再発行するため、再発行(再交付)申請が必要となります。新しい写真をご用意の上、お気軽に市町村窓口へ申し出てください。
同じ市町村内であれば、その市町村の身体障害者手帳の申請窓口で手続きが可能です。他の市町村や、県外に引越しされた場合には、転出先の市町村の身体障害者手帳の申請窓口で申請します。ただし、福祉施設に入所中の方については別の取り決めがありますので、お住まいの市町村窓口にお問い合わせください。
なお、住所の変更の場合は、窓口で係員が新しい住所を身体障害者手帳に記入し、証明印を押してすぐお返しします。
身体障がい者の施設、知的障がい者の施設、児童福祉施設などに入所中の方の申請先は、その施設のある市町村ではなく、入所前の援護地の市町村となります(居住地特例)。
『身体障害者手帳』は日本全国で使用できます。他自治体で交付された手帳をそのままお使いいただけます。ただし、障がいの程度が変化したり、障がいの追加がある場合、紛失・破損等で再発行の場合は、長野県の手帳を新規に申請していただくことになります。
内容 | 手続き | 必要なもの |
---|---|---|
障害等級に変更はない | 市町村で手続きし、新しい住所を記載してもらい、証明印を受けてください | 現在お持ちの手帳 |
障害等級が変わる可能性がある | 新規交付と同じ手続きをします(申請書は再交付) | 意見書・診断書 証明写真 |
紛失・破損など | 現在お持ちの手帳の障害内容と障害等級を引き継いで、長野県として新規に交付(以前の内容の記載有)します。以前の発行資料(手帳の写しなど)があれば意見書・診断書は不要です。 | 破損の場合はその手帳 証明写真 |
市町村窓口で氏名変更の手続きをしてください。
新しい名前での手帳の再発行も可能ですので、証明写真をご持参いだだき、市町村に再交付申請をしてください。交付までおおむね1~2週間ほどお時間をいただきます。
ご家族や支援者の方が市町村の身体障害者手帳の申請窓口に申し出てください。その場で手続き可能です。
亡くなられた方の手帳を無くしてしまった場合でも、窓口で手続きが必要です。
また、身体障害者手帳を遺留品として所持していたい希望がある場合には、「無効処理」をしてお返しすることができます(即日不可)ので、窓口にてお申し出ください。
市町村の身体障害者手帳の申請窓口に必要書類をそろえ再発行申請してください。新しい手帳が届くまで、これまでの手帳をお使いください。
身体障害者手帳に限らず、知的障がい者のための療育手帳、精神障がい者のための精神障害者保健福祉手帳の取得申請自体は無料です。
ただし、診断書の作成費用、証明写真の費用、診断のための受診費用や申請のための交通費などは個人の負担となります。
申請書類は、長野県の場合(長野市・松本市を除く)は長野県立総合リハビリテーションセンターに送られ、審査されます。
交付された手帳は、市町村に送付されますので、市町村からお受け取りください。
診断書に記載された15条指定医のご意見(意見等級)を参考とし、審査を進めますが、そのとおりに認定されないことがあります。
意見等級が認定基準と一致しないなどの疑義がある場合は、審査会に諮問し、複数の専門医師が審査して等級を決定します。
診断書の障がいおよび等級判定上の疑問や記載ミスなどがあった際には、追記や訂正をお願いするため書類をお返ししています。診断書を記載した15条指定医に内容訂正をお願いしてください。
この調査は、障がいの認定に必要であるため、訂正・再提出されないと障がいの認定ができません。
却下通知が出されるのは、申請された診断書の内容を審査会で審議して、「障がいに該当しない」あるいは「障害程度変更申請があったが、等級の変更はない」という場合です。
新規の交付申請で却下となった場合には、手帳は交付されません。
すでに手帳をお持ちの方で、障害程度が変わらない、あるいは障がいが追加されない場合には現在の手帳をそのままお使いいただけます。
いずれの場合も、障害程度に変化が生じた場合には再度申請することで、交付・再交付される可能性はあります。
『却下』となった理由については、原則として市町村を通して回答しております。
『肢体不自由』の場合に『7級』がありますが、軽度な障がいであるため、『7級』のみでは手帳交付の対象にはなりません。『7級』該当が複数あった場合やほかの障がい(心臓機能障害、視覚機能障害など)がある場合には、手帳が交付されます。
結果についてお問い合わせがある場合、市町村の窓口を通していただくようお願いします。診断書の内容や認定基準をもとにご説明します。
なお、『却下』、『7級該当』については、審査会で複数の専門医によって審査された結果です。診断書を記載した医師あての理由書をお渡ししますので、15条指定医とご相談ください。
行政不服審査法による「審査請求」を行う場合は、結果について知った日の翌日から数えて3か月以内に行うことになっています。提出先は、県庁障がい者支援課です。詳しくは、長野県庁障がい者支援課、長野県立総合リハビリテーションセンター更生相談室、市町村にお尋ねください。
障がい・症状が急激に変化したり、前回の診断書の記載内容に追加情報があったりするなどで、障害程度にあきらかな変化が認められれば、再交付申請により新たな等級に認定される可能性はあります。
しかし、診断書の記載内容で、障害程度の変化が認められない場合には、現在の等級のままとなる可能性があります。
障がいの程度は、高齢化、病気の再発、手術などによって変化します。そこで次の場合には、再度審査を行い等級が適切であるかを判断する必要があります。
再認定は、該当する障がいの診断書を提出していただくことになります。この診断書は、最新の状態に基づき記載されたものが必要です。前回の診断書は使用できません。
これについては『身体障害者程度の再認定の取扱いについて』という通知で、永続的な障がい以外は受けることが義務づけられています。再認定が必要な場合には、通知文が渡されます。その場合には、必ず受けていただく必要があります。
再認定を受けないまま手帳を使いつづけると、返還しなければならない場合もあります。
また、再認定年月日は有効期限ではありませんが、制度等が利用できない場合もあります。
障害程度が変わらなくても、新たに診断書を提出し、再認定を受ける必要があります。
なお、障がいに該当しなくなった場合は、市町村の窓口で返還手続きが必要ですが、審査を要しないため、医師の診断書は不要です。
障がいが軽減されて基準に該当しなくなれば手帳を返還しなければなりません。
例えば、『更生医療』は障がいの軽減のために行う医療ですが、これにより障がいに該当しなくなることがあります。
国の基準では申請を受け付けてから、交付までおおむね60日以内を想定しています。長野県では、申請書、証明写真に問題なく、診断書に記載された障がいの内容と程度が認定基準に合致する場合には、おおむね1カ月半程度で交付しています。
紛失・破損による再交付(再発行)については、2週間程度で市町村に発送しています。
ただし、記載内容に不備があって再調査を行ったり、審査会に諮問する場合は数か月かかることがあります。
福祉制度の利用可否については、市町村や使いたい制度を運用している機関にお問い合わせください。
様式については、別のページをご参照ください。
身体障がいの程度によって『等級』がつけられます。等級は1~6級まであり、数字が小さいほど障がいが重いとされています(1級が最も重い等級)。
補装具、日常生活用具などの福祉制度を利用する場合、自動車税の減免を受ける場合、郵便による不在者投票などにおいて、上肢の機能障害、下肢の機能障害及び体幹機能障害のそれぞれの等級に応じた給付の範囲や資格が決まっています。これらの制度を受けやすくするために表記しています。
公共交通機関をご利用される場合の割引基準です。
第1種と第2種の区分は、障がいの内容と等級によって決められています。
例えば『心臓機能障害』ではすべての等級が第1種となりますが、聴覚障害では3級以上が第1種で、4級、6級は第2種です。肢体不自由の場合には、同じ3級であっても『体幹機能障害』は第1種、『一上肢の機能障害』は第2種となります。
『身体障害者手帳』は福祉制度を利用しやすくする役割も持っています。その原因疾患によっては、特別な疾患として福祉制度が適用できる場合があります。また、将来、その原因疾患のための福祉制度ができる可能性もあります。
なお、長野県の手帳の様式では、プライバシー保護のため表紙の提示する部分には障害名が表記されないようになっています。
利用方法については、別のページで解説していますのでそちらをご参照ください。
身体障がいのある方のために、ご家族等が福祉制度等の手続きを行うこと(代行)は問題ありません。障がいのある方を扶養している場合には税金の控除等があります。
しかし、ご家族がご本人の身体障害者手帳を使って、制度などを利用することはできません。例えば、障がい者ご本人が乗車していないのに有料道路割引を受けることは、割引指定された自動車であっても認められません。
なお、有料道路割引、運賃割引等を利用する場合には、身体障害者手帳を持参していただく必要があります。
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