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更新日:2023年4月11日
環境保全研究所
黒江美紗子・柳澤俊一・岸元良輔
長野県全域で2012-2021年に収集されたツキノワグマの春季目撃情報を対象に,傾向分析及び関連する気象条件を明らかにした.クマの目撃件数は,同じ山地を有する地域間で同調性が見られた.また5,6月の目撃件数には,当月の気象条件だけでなく,前月の気象条件も影響していることが明らかとなった.
中下留美子・鈴木彌生子・岸元良輔・黒江美紗子
長野県小谷村で2011-2021年に春期捕獲されたツキノワグマの体毛および骨コラーゲンを対象に,食性履歴を明らかにする炭素・窒素安定同位体比分析を行った.これらの個体は,人為的な食物に依存せず山中で採食する個体であったことから,人里の食物を利用しない「山のクマ」の基準値として役立つものと考えられる.
小澤秀明・佐々木一敏
ダイオキシン類の測定分析の観点から,分析実験室の室内光条件下での光分解実験を行い,その安定性を検討した.長期(16ヶ月間)および短期(10日間)露光実験によりPCDDs/DFs及びDL-PCBsの3物質群の減少の程度を比較し,見かけの半減期(t'1月2日)を算出した.
宮川あし子・小山和志・上沼由佳・土屋としみ
牛乳中の残留農薬一斉試験法について,選択性に優れるGC-MS/MSを用い,35農薬,41項目について2濃度,2併行,5日間の妥当性評価を実施した.その結果,33農薬,39項目が妥当性評価の目標値に適合した.また,妥当性が認められなかった項目について,濃縮方法およびマトリックス添加法について添加回収試験を行い検討した.その結果,回収率および検量線の決定係数(R2)の値に改善が見られた.
渡辺哲子・小口文子・安藤景子・中山隆・北原清志・清水健志・吉田富美雄・森下陽平
長野県内の河川・湖沼におけるマイクロプラスチックの予備調査の結果をまとめた.河川は信濃川水系(大関橋,小市橋,千曲橋),天竜川水系(天白橋,広瀬橋)で表層水と河岸の泥を,湖沼は諏訪湖と野尻湖の表層水と各湖沼で湖岸2地点の泥の採取を行った.
山下晃子・本間健
野尻湖の植物プランクトンを計数調査し,同時期の水質との関連を整理し考察した.植物プランクトンは季節遷移し,湖水の循環による水中の栄養塩濃度の変化に適した種が優占していることが推測された.また季節遷移は,気温変動や日射量の変化にも影響を受けていた.
原田勉
松本市における大気中の二酸化炭素濃度の日内変動とその要因を解析した.地表付近の濃度は風速が小さい条件で明確な日内変動がみられ,早朝の6から7時が最大で15から16時が最小になることが多く,内陸盆地における接地逆転層の影響と考えられた.
浦山佳恵・畑中健一郎・両角英晴
霧ヶ峰高原における最後の伝統的火入れとなった,2018年の茅野市北山柏原財産区による草地の火入れの実施体制と方法を,火入れ地の現地調査,2018年の火入れの動画記録を用いた財産区民への聞取り調査,財産区資料の収集を行い把握した.
原文(1)(PDF:3,120KB)、原文(2)(PDF:14,408KB)※容量の都合上分割して掲載しています。
葉田野希
諏訪湖の流入河川における河床堆積物と懸濁泥の主要元素組成を検出した.支流の河床堆積物は,背景地質の違いを顕著に表すが,給源域での化学風化により組成改変が生じている.本地域の堆積物組成は,水理学的分別・分級作用による特定の鉱物・元素の濃集・枯渇によって,上流から下流にかけて空間的に変化することが明らかとなった.
尾関雅章・浜田崇
中央アルプス固有種で長野県の特別指定希少野生動植物となっているコマウスユキソウ(ヒメウスユキソウ)Leontopodiumshinanense(キク科)の分布および生育地の植生環境を,山岳地への携行の容易な小型軽量ドローンを用いて把握した.
竹内道子・加茂奈緒子・西澤佳奈子・中沢春幸・塚田竜介・小野諭子・和田純子
2018/19インフルエンザワクチン株に対するHI抗体保有率と感染症流行予測調査のHI抗体保有率を比較し,流行予測調査HI抗体保有率が高かったとしても,流行するウイルスの抗原性がワクチン株と異なる場合には流行につながるおそれがあるため,流行初期のウイルスの抗原性を把握し,注意喚起をしていく必要性が認められた.
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