ここから本文です。
更新日:2024年9月12日
子宮頸がんは、子宮の頸部という子宮の出口に近い部分にできるがんで、若い世代が発症する女性のがんの中で多くの割合を占めています。日本では毎年、約11,000人の女性が発症し、約2,900人が亡くなっています。HPV (ヒトパピローマウイルス)は、女性の多くが“一生に一度は感染する”といわれるウイルスです。感染しても、ほとんどの人ではウイルスが自然に消えますが、一部の人で子宮頸がんになってしまうことが分かっています。また、HPVの感染は、主に性的接触によって起こるので、感染のリスクは一生のうちに何度も起こりえます。
HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となるHPVの感染を防ぎ、将来の子宮頸がんを予防できると期待されています。
〇【動画】子宮頸がんとHPVワクチンについて(Youtube)(別ウィンドウで外部サイトが開きます)
【関連リンク】
〇長野県のがん情報(保健・疾病対策課のページ)
〇愛は子宮を救うin長野(長野県細胞検査士会)(別ウィンドウで外部サイトが開きます)
HPVワクチンは、平成25年4月に定期予防接種に位置付けられました。しかし、接種後にワクチンとの因果関係を否定できない持続的な痛みなどの症状が報告されているとして、2か月後の平成25年6月に、厚生労働省は積極的な接種勧奨を差し控えるよう全国の自治体に勧告しました。
その後、国の検討部会や調査会において、最新の知見を踏まえ、改めてHPVワクチンの安全性について、特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められました。そして、令和3年11月26日付の厚生労働省通知により、HPVワクチンの積極的な接種勧奨が再開されました。なお、市町村からの個別通知は、基本的に令和4年4月から順次実施されます。
※接種を検討・希望される際は、厚生労働省が作成した以下のリーフレットを必ずお読みください※(令和4年2月改訂)
【小学校6年~高校1年相当の女の子と保護者の方へ】
概要版 | 詳細版 |
定期接種の対象者
小学6年生~高校1年生相当の女子
(12歳となる日の属する年度の初日から16歳となる日の属する年度の末日までの間にある女子)
積極的勧奨が差し控えられていたことにより接種の機会を逃した方に対しては、令和4(2022)年4月~令和7(2025)年3月までの3年間、救済措置(以下、キャッチアップ接種)として、改めて公費でHPVワクチンを接種できる機会が設けられることになりました。
キャッチアップ接種の対象者
・平成9年度生まれ~平成19年度生まれまで(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性
【留意点】
キャッチアップ接種の対象者には、住民登録をしている自治体から、順次お知らせがあります。長野県に住民登録をしており、進学や就職等により県外の医療機関で接種を希望する方は、事前に手続きが必要な場合があるため、住民登録をしている自治体の予防接種担当部門にお問い合わせください。
接種を検討・希望される際は、厚生労働省が作成した以下のリーフレットを参考にしてください。
○ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種のご案内~(厚生労働省)(外部サイト)
HPVには200種類以上のタイプがあり、子宮頸がんの原因となるタイプが少なくとも15種類あることが分かっています。そのうち、HPV16型と18型は子宮頸がん全体の50~70%の原因とされています。
現在、日本で定期接種として受けることができるHPVワクチンは、HPV16型と18型に対する抗原を含んでいる2価ワクチン(サーバリックス)と、尖圭コンジローマ等の原因となるHPV6型と11型も追加されている4価ワクチン(ガーダシル)、HPV31型・33型・45型・52型・58型が追加された9価ワクチン(シルガード9)※です。
※令和5(2023)年4月から、9価ワクチン(シルガード9)も定期予防接種の対象として公費で受けられるようになりました。
HPV未感染者を対象とした海外の報告では、感染および前がん病変の予防効果に関して両ワクチンとも高い有効性が示されています。初回性交渉前の年齢層までに接種するのが、最も効果が高いですが、それ以上の年齢で接種しても、ある程度有効性があることが、国内外の研究で示されています。
ただし、HPVワクチンの接種を受けた場合でも、免疫が十分につかない場合や、ワクチンに含まれている型以外の型に感染することによって、子宮頸がんを発症する可能性はありえます。そのため、20歳を過ぎたら定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。
○ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~(厚生労働省)(外部サイト)
HPVワクチンを接種する際には、健康状態や体質などを担当の医師にしっかり伝え、予防接種の必要性、リスク、効果について十分な説明を受け、よく理解した上で接種を受けてください。
HPVワクチン接種後には、多くの方に、接種部位の痛みや腫れ、赤みなどが起こります。また、接種直後は、注射による痛み、恐怖などをきっかけとした失神が現れることがあります。接種後30分ほどは背もたれのある椅子に座っていただき、なるべく立ち上がることを避けて、様子をみるようにしてください。接種後に気になる症状が現れた時は、担当の医師に相談してください。
○HPVワクチンを受けたお子様と保護者の方へ(厚生労働省)(外部サイト)
HPVワクチン接種後に、稀に重い症状(呼吸困難やじんましん等<アナフィラキシー>、手足の力が入りにくい<ギラン・バレー症候群>、頭痛・嘔吐・意識低下<急性散在性脳脊髄炎>)が起こることがあります。因果関係が不明なものや接種後短期間で回復した症状を含めて、HPVワクチン接種後に生じた症状として報告があったものは、接種10,000人あたり、約10人です。このうち、報告した医師や企業が重篤と判断したものは、接種10,000人あたり、約6人です。
日本で承認されているすべての予防接種で使用しているワクチンについて、ワクチン接種によって入院治療などの医療が必要となったり、生活に支障がでるような障がいが残る等の健康被害が生じた場合に、医療費等を請求することができる救済制度があります。
定期接種によって生じた健康被害のご相談は、お住まいの市町村の予防接種担当部門にお問い合わせください。
予防接種健康被害救済制度について(厚生労働省)(外部サイト)
任意接種によって生じた健康被害については、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法による救済制度の対象となります。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)(外部サイト)
長野県では、HPVワクチンに関する電話相談窓口を設置しています。
HPVワクチン接種後に体調の変化や気になる症状が現れたら、まずは接種を行った医療機関の医師にご相談ください。また、HPVワクチン接種後に生じた症状の診療を行う協力医療機関への受診を希望する際は、紹介状が必要となる場合があるため、接種を行った医師又はかかりつけの医師にご相談ください。
〇厚生労働省 「感染症・予防接種相談窓口」
電話番号:050ー3818ー2242
受付時間:平日9時~17時(土曜、日曜、祝日、年末年始は除く)
相談内容:HPVワクチンを含む予防接種や感染症全般について
※この相談窓口は、厚生労働省が業務委託している民間業者により運営されています。
〇いたみ医学研究情報センター 「痛み相談窓口」(厚生労働省「からだの痛み相談支援事業」)
電話番号:0561-57-3000
受付時間:平日9時~17時(土曜、日曜、祝日、年末年始は除く)
相談内容:予防接種後に痛みが生じた場合の対応等について
○全国の協力医療機関はこちら(厚生労働省)(外部サイト)(別ウィンドウで外部サイトが開きます)
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください