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更新日:2024年6月21日
ハンセン病とは、「らい菌」に感染することで起こる病気です。かつては、「らい病」と呼ばれていましたが、らい菌を発見した医師の名前をとって、現在は「ハンセン病」と呼ばれています。
ハンセン病は感染症ですが、「らい菌」は感染力が弱く、非常にうつりにくい病気であることが明らかになっています。しかし、かつては恐ろしい伝染病であると考えられており、日本では、1931年(昭和6年)に「癩予防法」が成立し、すべてのハンセン病患者を本人の意思に関係なく、強制的に療養所に入所させる政策がとられていました。その結果、患者や患者の家族に激しい苦痛を与えてしまいました。そして、人々の心の中にハンセン病は恐ろしいというイメージを植え付け、それが偏見や差別を助長させてしまいました。
「らい予防法」は1996年(平成8年)にようやく廃止されましたが、今なおハンセン病に対する偏見や差別は根強く残っています。ハンセン病問題を解決していくために、ハンセン病に関する正しい知識を身につけ、私たちが何をするべきなのかを考えることが必要です。
・ハンセン医師が発見した「らい菌」による感染症です。「らい菌」は感染力が弱く、非常にうつりにくい病原菌です。
・現代においては感染することも、発病することもほぼありませんが、感染し発病すると、手足などの末梢神経が麻痺し、汗が出なくなったり、知覚障害が起こるなど、皮膚に様々な病的な変化が起こります。また、治療法がない時代は、体の一部が変形するといった後遺症が残ることがありました。
・現在では、早期に発見し、適切な治療を行えば、顔や手足などに後遺症を残すことなく、治るようになっています。
〇ハンセン病について 詳しく知りたい方はこちら(国立ハンセン病資料館)(外部サイトが開きます)
・ハンセン病の療養所は全国で14ヶ所(国立13ヶ所、私立1ヶ所)あります。
・令和6年5月1日現在、720名の方が、療養所に入所しています。
〇ハンセン病問題について 詳しく知りたい方はこちら(国立ハンセン病資料館)(外部サイトが開きます)
〇ハンセン病の向こう側(指導用パンフレット 厚生労働省)(外部サイトが開きます)
〇ハンセン病の向こう側(生徒用パンフレット 厚生労働省)(外部サイトが開きます)
ハンセン病問題については、今なお解決すべき問題が多く残されています。とりわけ、社会に根強く残る偏見、差別の解消、ハンセン病の元患者が、地域社会から孤立することなく、安心して平穏に暮らすことのできる基盤整備は大きな課題です。
こうした問題の解決を促進するため、元患者等による議員立法制定のための努力が重ねられ、「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」が平成20年6月に議員立法により成立し、平成21年4月から施行されました。
・令和元年(2019年)11月15日に、議員立法により「ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律(令和元年法律第55号。以下「法」という。)」が成立し、同年11月22日に公布・施行されました。また、令和6年(2024年)6月12日に、議員立法により「ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律の一部を改正する法律」が成立し、同年6月19日に公布・施行され、補償金の請求期限が令和11年(2029年)11月21日まで延長されました。
・ 法の前文では、ハンセン病の隔離政策の下、ハンセン病元患者家族等が、偏見と差別の中で、ハンセン病元患者との間で望んでいた家族関係を形成することが困難になる等長年にわたり多大の苦痛と苦難を強いられてきたにもかかわらず、その問題の重大性が認識されず、これに対する取組がなされてこなかった、その悲惨な事実を悔悟と反省の念を込めて深刻に受け止め、深くおわびする旨が述べられています。法に基づき、対象となるハンセン病元患者の御家族の方々に補償金を支給しています。
請求に関する御相談については、厚生労働省(健康局難病対策課ハンセン病元患者家族補償金支給業務室)の上記の担当窓口に御連絡ください。
〇ハンセン病元患者家族に対する補償金制度について 詳細はこちら(厚生労働省)(外部サイトが開きます)
ハンセン病問題の事実、実態を明らかにし、今後の教訓とするため、検証会議を設置し、検証活動が行われ、平成18年度に報告書が取りまとめられました。
〇長野県ハンセン病問題検証会議について、詳細はこちら
令和3年2月、明治期に作成されたハンセン病に関する患者台帳(※『明治三十二年 癩病患者並血統家系調』)がオークションサイトに出品され、ハンセン病回復者やそのご家族に大きな不安を与える事案が発生したことを受け、県ではこのような事案の再発を防ぐため、ハンセン病に係る公文書の保管状況等の調査や、この台帳の流出経路に関する調査を行いました。
〇ハンセン病回復者やご家族の情報が記載された文書について(県民の皆様へのお願い)について、詳細はこちら