自動車が水没した場合の対処方法
車の周囲が水に浸かると、車体が水に浮いたり、エンジンが停止したりして、車をコントロールすることができなくなる場合があります。水深が深くなると、水圧でドアが開かなくなる場合があります。「このくらい大丈夫」とは思わず、冠水道路には近づかないようにしましょう。
冠水道路には近づかない!
- 立体交差になったアンダーパスなどは、冠水しやすい場所です。
- 突然の雷雨やゲリラ豪雨、台風による大雨が発生した際は、通行を避け、迂回するようにしましょう。
- すでに、冠水している状況が見受けられるときは、絶対に進入してはいけません。
- 「このくらいなら大丈夫」という誤った判断が、立ち往生などのアクシデントにつながります!
冠水道路では車は動かなくなる!脱出不能になるおそれが!
- 吸気口から浸水するとエンジンが停止。再始動しなくなる。
- 水深がドアの下端にかかると、水圧により車内からドアを開けることが困難。水がドアの高さの半分を超えると、ほぼ開けられない。
- マフラーに水が入るとエンジンが停止。再始動しなくなる。
- タイヤが完全に水没すると車体が浮く。水流があると、車両ごと流される。
- 水深が床面を超えると、電気装置が損傷。スライドドアやパワーウインドウが動作しなくなる。
など、脱出不能のおそれがあります。
およそ水深50センチメートルで、ドアが開かなくなる!
車種にもよりますが、おおむねドアの半分くらい(およそ水深50センチメートル)まで水没すると、ドアを車外から押す力(水圧)が高まり、ドアを開けるのが非常に困難になります。
水深1メートルで、1万トンの力が必要!
水深1メートルの水圧は、1万パスカルです。仮にドアの面積が1平方メートルの車両が水没し、ドアの中心が水深1mの位置にあるとすると、ドアにかかる力の大きさは1万ニュートン。1万ニュートンとは、水約1トンの重さと同じ力です!
万が一水没したら、いち早く脱出を!
- 水位が低いうちは、ドアを開けて脱出しましょう。ドアが開かなければ、窓から脱出しましょう。
- 水深が浅く、車内に浸水がないときは、外部の水が少なくなり、水圧が小さくなるまで待ちましょう。
ドアが開かない、窓も開かない場合
- 脱出用ハンマーを使って窓ガラスを割りましょう。万が一に備えて、脱出用ハンマーを車内に搭載しておきましょう。
- 水が窓に達する前に窓を張って脱出!水が勢いよく車内に入ってくることがあります。
- 脱出用ハンマーは、カー用品店などで販売しています。
注意:「合わせガラス」の窓ガラスは、脱出用ハンマーを使っても割ることはできません!運転車両の窓ガラスが「合わせガラス」かどうか、事前に販売店に確認しておきましょう。
水没しても、すぐには沈まない!
いち早く119番通報(救助要請)することが重要!
- 水没したとしても、すぐに車は沈むことはありません。車が浮いている間に脱出しましょう。
- 最初に沈むのは重量のあるエンジンルームです。エンジンが車の前方に配置されている車は、フロントから沈みます。
つまり、後部は浮いている時間が長いということです。
- 水没した車内に閉じ込められてしまったら、
- まず、119番(消防)へ通報し、救助を求める!
- 脱出できないときは車内の後方に移動する。ハッチバックタイプなら荷室へ移動!
関連サイト
一般社団法人日本自動車連盟(JAF)ホームページ
一般社団法人日本自動車販売協会連合会ホームページ