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更新日:2024年10月31日
森林には、水源の涵養等様々な機能があり、私たちの生活に恩恵をもたらしています。しかし、所有者や境界がわからない森林の増加、担い手不足等が大きな課題となっています。
このような現況の下、平成30(2018)年5月に成立した森林経営管理法を踏まえ、パリ協定の枠組みの下における温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るための森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する「森林環境税」が創設されました。
林野庁:森林環境譲与税パンフレット「森林を活かすしくみ」(別ウィンドウで外部サイトが開きます)
森林環境税・森林環境譲与税とは?
森林環境税とは、2024(令和6)年度から、国内に住所のある個人に対して課税される国税であり、市町村において、個人住民税均等割と併せて1人年額1,000円が徴収されます。
その税収が、国によって森林環境譲与税として都道府県・市町村へ譲与されます。
○ 令和6年度からの税徴収開始に先立ち、令和元年度から市町村及び都道府県に譲与開始されました。
○ 令和6年度より譲与基準が変更され、私有林人工林面積が100分の55、人口が100分の25の譲与割合となりました。
総務省 令和6年度税制改正の大綱の概要(令和5年12月22日閣議決定)(別ウィンドウで外部サイトが開きます)
なお、災害防止・国土保全機能強化等の観点から、森林整備を一層促進するために、令和2年(2020年)3月に「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」の一部が改正され、令和2年度(2020年度)から令和6年度(2024年度)までの各年度における森林環境譲与税について、地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金を活用し、交付税及び譲与税配布金特別会計における譲与税財源の借入れを行わないこととした上で、森林環境譲与税の譲与額を前倒しで増額することとなりました。
また、令和6年度からは、森林環境譲与税の譲与基準が私有林人工林面積が55%、人口が25%に変更されました。
〇 森林環境譲与税は、市町村においては、間伐等の「森林の整備に関する施策」と人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の「森林の整備の促進に関する施策」に、また、都道府県においては「森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用」に充てることとされています。
〇 都道府県・市町村は、インターネットなどを利用してその使い道を公表しなければなりません。
〇 県内の森林環境譲与税の活用額は、年々増加しており、令和4年度は82%、R5年度分の執行率は103%を見込む
〇 市町村は、森林経営管理制度に基づく意向調査等に主に活用されてきたが、年々森林整備への活用割合が増えている状況
〇 県は、主に「市町村体制支援」や「担い手確保・育成」に活用している状況
県内の市町村では、森林環境譲与税を活用して、間伐などの森林整備、森林整備に必要な境界明確化等の準備、林道・作業道の整備、林業従事者の確保や、公共施設等の木材利用や木育など、様々な取組みが行われています。
このほか、県外の自治体と県内市町村が連携した森林整備などの取組みも行われています。
ここでは、森林環境税・森林環境譲与税の概要および使途、活用状況と森林環境譲与税を活用した、令和5年度の県内市町村の様々な取組みについて、ご紹介します。
市町村における森林環境譲与税の主な取組み(PDF:4,945KB)
松くい虫被害木の伐倒駆除を実施し、被害拡大防止を図ることができました。
目視による確認が難しい箇所についてはドローンを活用し、今年度発見したものは全量伐倒駆除を行いました。
林産物・美しい景観を守り次世代に繋いていけるよう、持続的に事業を実施していく方針です。
町内2箇所のモデル地区において竹林整備に継続して取り組み、景観向上と防災、鳥獣対策の効果検証を行っています。
伐採により文化財の歴史景観の再生が進んだことがきっかけとなり、地域住民からなる愛護団体によるイベントが開催されるなど、住民の活動意欲の増進に繋がりました。
中長期的な森林整備計画を策定、長年懸念されていた人家裏の支障木の伐採を実施し、倒木の危険が解消されました。
伐採した木材は薪用に地域住民へ配布し、木質バイオマスとして活用しました。
また、村内のカシノナガキクイムシ被害木の対策を行い、伐採木は白馬村公式キャラクターの顔を印字した「マウスパッド」を製作し、白馬高校に寄贈しました。
森林の手入れの必要性を理解していただくために、森林セラピー基地を基軸にした「およりての森イベント」を実施しました。
子どもたちへの森林での体験活動など、町内高校とタイアップした森林教育カリキュラムの作成が進んでいます。
災害や老朽化により維持管理を必要としている林道の補修・修繕を行いました。
今後の森林整備等に活かしていきます。
令和4年度に林地台帳整備事業補助金を創設し、林業経営に適した山林において境界明確化の取組を支援しています。
立会等による境界明確、境界杭等の設置及び測量等を行う現況調査を令和5年度から実施しています。
現況調査の結果は、林地台帳及び森林簿・森林計画図の反映に活かし、精度向上を図っています。
市町村が県外自治体と連携して森林環境譲与税を活用した取組みをご紹介します。
県内市町村の県外自治体との連携事例(PDF:1,474KB)
(としまの森) |
東京都豊島区との交流事業として「としまの森」整備事業を実施。区と森林整備に関する協定を締結して区の費用負担で間伐、作業道開設を実施。豊島区は長野県「森の里親促進事業」CO2吸収評価認証制度によるCO2吸収量承認を受けています。
(おもちゃの贈呈) |
平成5年に愛知県日進市と森林資源の培養などを目的として、「平成日進の森林」の分収造林に関する協定を締結。令和3年から日進市の譲与税を利用した森林管理を開始。令和4年、30周年の節目を記念に、両自治体の小学1年生にヒノキの箸を入学祝として贈呈、公立保育園10園にもおもちゃを贈呈しました。