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更新日:2023年12月5日
畜産試験場
今年も長野県に白鳥が飛来する季節となりました。野鳥ファンにとっては嬉しいニュースですが、我々畜産関係者にとっては、鳥インフルエンザの要警戒シーズンに入ったことを意味します。
今シーズンは11月25日に佐賀県の養鶏場で国内1例目の高病原性鳥インフルエンザが確認されました。昨シーズンは、過去最多のおよそ1,740万羽の鶏などが殺処分されました。採卵鶏は全体の1割弱が処分され、玉子パックの価格が高騰したり購入制限がされたことが記憶に新しいと思います。日本では、鳥インフルエンザに対するワクチン使用は行わず有効な治療法もないため、発生した場合は殺処分となります。したがって、発生予防はもちろん、万が一発生した場合は被害を最小限に食い止めるため迅速な対応が最も重要です。そのため、畜産試験場では11月2日(木曜日)、防疫対策の強化と発生対応を目的とした防疫演習を実施しました。
演習後、出席者からは、良い意識付けとなった、消毒や着替えといった基本を徹底したい、防疫対策についてのディスカッションの場をまた設けたい、といった感想が聞かれました。防疫演習を行うことで、職員全体で試験場の現状と鳥インフルエンザについての情報共有をするとともに、ウイルスを持ち込まない、鳥インフルエンザを発生させないという強い決意を新たにしました。
なお、畜産試験場では、防疫と衛生管理を重視した飼養管理技術を模索する中で、畜舎内での感染症の原因となる微生物に対して効果的な消毒方法を検討しています。具体的には、人や家畜に害のない次亜塩素酸を主成分とするハセッパー水を畜舎の空間消毒に応用する技術の開発に向けて、実証試験を行っています。今後、有益な研究成果が得られれば、その情報を提供していきたいと思います。
防疫演習の様子
鶏舎エリア外周に消石灰を散布する様子(1)
鶏舎エリア外周に消石灰を散布する様子(2)
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