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更新日:2024年3月27日
畜産試験場
畜産試験場では2月から3月にかけて、小海町と伊那市で生産現場の声を聞きながら試験研究の紹介や情報交換を行う「お出かけ試験場」を開催しました。
2月28日に小海町役場での酪農家を対象にした開催では、生産者や関係機関など18名が参加しました。試験場からは「バルク乳中の脂肪酸検査の取り組み」、「家畜排せつ物からの温室効果ガス削減」、「高品質で使いやすい家畜ふん堆肥の作り方」についての情報提供がありました。また、JA佐久浅間からは「家畜ふん堆肥の流通促進に向けた取り組み」に関する報告もありました。
参加者からはバルク乳中の脂肪酸検査結果の情報提供に係る質問や、メタン削減の経済的メリットについての質問がありました。さらに、堆肥の積極的な利用が病害虫の発生抑制につながる可能性の検証や、地域の食品副産物を飼料に利用するための情報提供などの要望が出されました。
次に、3月8日にJA上伊那での開催では、受精卵移植に関心のある生産者や関係者など17名にご参加いただきました。畜産試験場からは「生体内卵子吸引-体外受精(OPU-IVP)による対外受精卵の効率的生産」に関する情報提供を行いました。OPU-IVPとは、専用の超音波装置を用いて牛体の卵巣から直接未成熟卵子を吸引・回収し体外受精卵を作成する技術です。従来のホルモン剤を複数回投与する過排卵処理により体内受精卵を回収する方法とは異なり、ホルモン剤の一回投与で2~3週間に1度の間隔で未受精卵子を採取可能であるため、生産できる受精卵の個数が格段に増加します。参加者からは、受胎率向上の方法やOPUにおけるホルモン処理の注意点に関する質問が寄せられました。この取り組みは県内ではいまだ限定的ですが、畜産試験場では関係機関と連携し、今後、県内への普及に向け技術支援を図っていく予定です。
コロナ禍を経て、久しぶりに「お出かけ試験場」を開催し、参加者から積極的な意見が出されました。対面での情報交換は相互理解と共に、試験研究へのモチベーションを高めることにもなります。畜産試験場では今後も定期的にこうした機会を設け、生産現場の声を試験研究に反映させていきます。
佐久地域「お出かけ試験場」
上伊那地域「お出かけ試験場」
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