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更新日:2025年3月10日

畜産試験場

畜産技術研修会を開催しました(令和7年2月21日)

 畜産技術研修会を2月21日に塩尻総合文化センターで開催しました。この研修会は「酪農・肉用牛生産の持続的展開に向けた新たな技術」をテーマに畜産試験場が主催し、長野県畜産技術協会、一般社団法人長野県獣医師会獣医畜産部会の協力を得たものです。生産者、JA、市町村、関係団体、大学及び県機関から53名の出席がありました。
 研修会では、まず、宇都宮大学農学部農業環境工学科の池口厚男教授から「酪農肉用牛におけるスマート技術の進展」について講演がありました。スマート農業の目的は「省力化」と「生産性の向上」で、導入理由を明確にして目標が達成できているか評価することが重要であると指摘されました。また、具体的な事例に基づきわかりやすく解説をいただきました。
次に、農研機構畜産研究部門の樋口浩二上級研究員から「牛のゲップに含まれるメタンを減らす技術」について講演がありました。日本の畜産分野の温室効果ガスのうち、8割が牛由来でメタンが多く、牛の第一胃内の嫌気的発酵によって生じ、呼気から出てくるため、「ゲップに含まれる」と表現されるが、異常発酵ではなく正常な生理現象である。メタン抑制資材は様々なものが商品化していて、話題のカギケノリ(※)は大きな効果があるが、一部の国では発がん性の指摘があり、なかなか決定的なものは決まっていないと解説がありました。
また、笹崎獣医科医院の笹崎真史獣医師から「ETの進展と農場の収益性(一経営体におけるETの取組み)」について講演がありました。乳牛の牛群改良には改良速度が重要で、未経産牛に雌の乳牛性判別精液を人工授精し、経産牛は和牛のETまたはAIを勧める。未経産のほうが受胎率はよいが、継続的な牛群改良のほうが利益は大きいと解説がありました。質疑応答も活発で、参加者の理解が深まったと思います。
畜産試験場からは情報提供として(1)深度カメラを用いた乳牛の体型測定システムの開発 (2)長野県におけるバルク乳中の脂肪酸組成の指標値 (3)スリック遺伝子牛で夏をのりきろう!! (4)オーチャードグラスの刈取り危険帯について各研究員から発表を行いました。
 畜産試験場では、様々な技術を駆使し、生産性の向上と経営の健全化に向けた試験研究と普及に取り組んでいきます。
※カゲキノリ:牛などの反芻動物の餌に混ぜることによって、胃で発生するメタンガスを抑制する効果を持つ海藻

 R6畜産技術研修会会場の様子

 

お問い合わせ

所属課室:長野県畜産試験場 

塩尻市大字片丘10,931-1

電話番号:0263-52-1188

ファックス番号:0263-51-1316

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