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更新日:2024年10月2日
畜産試験場
今年は9月に入っても厳しい残暑が続き、畜産試験場の牛たちも長引く暑さに苦しんでいます。暑さは家畜の食欲に影響を与え、牛では乳量が減ったり、繁殖力が低下したり、お産後に病気になるなど、生産性に大きな影響を及ぼします。そんな中、9月中旬から飼料用トウモロコシの収穫期を迎えました。
畜産試験場では、約15ヘクタールの面積で飼料作物を栽培しています。飼料用トウモロコシは「青刈りトウモロコシ」と呼ばれ、茎、葉、実をすべて使ってサイレージ※として調製し、通年で牛たちの飼料として利用しています。このサイレージは、良質な繊維が豊富で栄養価も高く、飼料作物の中では収量と栄養の面から最も経済的な飼料になります。
収穫作業は、1台のトラクターがトウモロコシを刈り取り、もう1台のトラクターが並走して細断型ロールベーラー(写真1)を牽引し、刈り取ったトウモロコシを受け取るという組み作業で行います。トウモロコシは細断型ロールベーラーで細かく粉砕され、緊密に丸く成形されます。その後、ラッピングマシン(写真2)で専用フィルムに包んで密封し、発酵を促すことでサイレージが完成します。
今年は、高温の影響で生育が早まると予想していましたが、雨天の影響で昨年より1週間ほど遅い収穫となりました。しかし、雑草防除がうまくいったこともあり、収量は昨年より約2割増しで、品質も良好です。良質なトウモロコシサイレージが期待できるので、牛たちにしっかり食べてもらい、良質な乳をたくさん生産してほしいと考えています。
試験場では、秋が深まるにつれて、牧草やソルガムなどの収穫作業が続き、10月中旬まで続く予定です。
※サイレージ とは、牧草や飼料作物など高水分の飼料を適度な水分を保ったまま密封し、乳酸発酵を主とする嫌気的発酵(サイレージ発酵)を行うことで貯蔵性を高めた飼料。
(写真1)青刈りとうもろこし収穫作業の様子
(写真2)ラッピングの様子
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