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更新日:2024年9月4日
植物の中には、薬理作用の強いものがあったり、使い方によっては有毒になるものがあり、「薬と毒は紙一重」とも言われています。採取した山菜や薬草を間違って使ったりすると、大きな中毒事故につながります。芽生えや幼い頃は、見分けがつきにくいものが多く、注意が必要です。ここでは、過去に誤食事故があったものをいくつか紹介していますので、参考にしてください。
科名 | ナス科 | |
別名 | ユキワリソウ、莨菪(ロート)、走野老(ハシリドコロ) | |
中毒症状 |
視力障害、口渇、幻覚・錯乱、痙攣・昏睡して死に至る。 |
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間違えやすい植物 | フキ、タラノメ、ハンゴンソウ、オニドコロ | |
特徴 |
・谷間の湿った木陰に生える多年草。 ・地下茎は、くびれのある太い塊で横にはう。形状はヤマノイモやオニドコロに似る。 ・茎は、直立してまばらに枝分かれし、高さ20~40cmとなる。 ・花の色は、外側が暗紫色で内側は淡緑黄色。
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科名 | キンポウゲ科 | |
別名 | カブトギク、カブトバナ、ウズ | |
中毒症状 |
中枢神経に作用して呼吸麻痺、痙攣、心臓麻痺で死に至る。 |
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間違えやすい植物 | ニリンソウ、ゲンノショウコ(JPG:103KB) | |
特徴 |
・新芽は同科のニリンソウに酷似している。 ・山野に見られる多年草で、地下茎は塊根がある。 ・茎は、直立して円柱形で草丈は1m。 ・葉は互生で、葉柄は長く、3~5裂に深く裂けている。 ・花は、青紫色の兜(かぶと)状。 ・ゲンノショウコの葉には毛があるのに対してトリガブトの葉には毛がない。
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科名 | ユリ科 |
(画像2;バイケイソウ(左)、コバイケイソウ(右)) |
別名 | ハエドクソウ、ハエコロシ | |
中毒症状 | 血管拡張から血圧低下を引き起こし、呼吸麻痺や意識喪失して死に至る。 | |
間違えやすい植物 | ||
特徴 |
・普通は湿地に自生する大型の多年草。 ・茎は直立し、葉は広い楕円形で互生し、縦の脈が目立つ。 ・花は、茎頂に緑白色の花を房状につける。 ・同属のコバイケイソウも同様に危険植物。
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科名 | セリ科 | |
別名 | オオゼリ、イヌゼリ | |
中毒症状 | 呼吸困難、痙攣、嘔吐、意識障害などで、死に至る場合もある。 | |
間違えやすい植物 | セリ(JPG:76KB) | |
特徴 |
・セリに比べて全てが大型で、草丈は80~100cmになる。 ・芽出しから大きく、特に葉柄が長くなる形がセリと大きく異なる。 ・葉にセリ特有の香りがない。 ・根元に大きな根茎があり、緑色でタケノコ状の節があり、節間は中空。
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科名 | ヒガンバナ科 | |
別名 | ||
中毒症状 | 中毒初期は激しい嘔吐があり、反射的に吐き出すため重篤化は稀。鱗茎に毒成分が多く、死亡例がある。 | |
間違えやすい植物 | ニラ、ノビル、アサツキ(JPG:70KB) | |
特徴 |
・観賞用としてよく庭園に植えられている多年草 ・スイセンには、臭いがないがニラにはニラ臭があり、ノビルにはネギのような臭いがある。 ・ニラは髭根だが、本種は鱗茎がある。 ノビルやアサツキの葉は円柱状だが、本種は板状。
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科名 | ユリ科 |
画像2(JPG:58KB) (ドイツスズラン) |
別名 | 君影草 | |
中毒症状 | 嘔吐、頭痛、眩暈、心不全、血圧低下、心臓麻痺などの症状を起こし、重症の場合は死に至る。 | |
間違えやすい植物 | ギョウジャニンニク(JPG:165KB) | |
特徴 |
・高山などに自生する多年草で、花には強い芳香がある。 ・ドイツスズランは花茎が葉と同じ高さだが、本種は花茎が短い。有毒性はいずれも同じ。 ・スズランの下部の葉柄の基部は、さや状の鱗片葉に包まれ、臭いはない。 ・ギョウジャニンニクの下部の葉柄の基部は、茎を抱えニンニクのような臭いがある。
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科名 | ドクウツギ科 |
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別名 | 一郎兵衛殺し、ネズミゴロシ、イボノキ | |
中毒症状 |
中脳、運動麻痺、痙攣中枢を刺激して激烈な痙攣を起こさせ、のち麻痺させて呼吸停止により死に至る。 |
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間違えやすい植物 | きれいな果実で、おいしそうに見える。 | |
特徴 |
・路傍や荒れ地に自生する落葉低木で、高さ1~2m。 ・果実は初め赤く、熟すと黒紫色になる。 ・ドクウツギの実はおいしい木の実のような印象も与える。中毒事例は好奇心の盛んな子どもに多い。
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科名 | ゴマノハグサ科 |
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別名 | キツネノテブクロ | |
中毒症状 |
強烈な心臓毒。不整脈、頻脈、悪心・嘔吐などの副作用を経由して、心機能停止により死にいたる。 |
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間違えやすい植物 | コンフリー(JPG:78KB) | |
特徴 |
・観賞のため庭や公園などで栽培される越年草。 ・株立ちをし、草丈1m位、全体に柔らかい毛におおわれる。 ・ 夏に、花茎の下の方から紅紫色の花を順次開花する。花色は品種改良により色々とある。
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科名 | キンポウゲ科 |
フクジュソウ ミチノクフクジュソウ |
別名 | 元日草(ガンジツソウ) | |
中毒症状 |
嘔吐、脈の乱れ、呼吸困難、心臓麻痺を起し死に至る。 |
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間違えやすい植物 | ||
特徴 |
・観賞のため庭や公園などで栽培される多年草。 ・地下茎は短くて太く、暗褐色でやや太い針金状の支根を生ずる。 ・早春新葉とともに3cmばかりの黄色の花を開く。野生の種は3月頃に花を開く。
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