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更新日:2024年8月2日
林業総合センター
育林部(育種、育苗、造林、育林、森林保護、水土保全) |
27号(2013年) |
過密人工林管理技術の開発(PDF:1,656KB) |
大矢信次郎・近藤道治 |
間伐が行われず過密状態となっている針葉樹人工林において,その林分構造を明らかにするとともに,間伐施業が残存木の成長量及び気象害発生に与える影響を調査した。県内5か所に設定した過密人工林間伐試験地の間伐前の林分状況を調査したところ,いずれの試験地においても立木の胸高直径には優劣が付いており,直径階分布は正規分布型を示していた。また,過密林分内の立木配置をIδ指数により評価したところ,林分内の優勢木は一様分布していた。これらのことから,間伐の際には直径階上位から残存候補木を選木することによって,残存木の配置を均一にすることが可能と考えられた。次に,過密人工林間伐試験地における間伐後の残存木の直径成長量を解析した結果,中庸木は間伐を行うことによって直径成長が促進されることが確認でき,特に強度間伐区においてその傾向が顕著であった。一方,劣勢木は間伐を行っても成長の停滞が継続し,優勢木は間伐の有無にかかわらず成長量に大きな変化がなかった。次いで,間伐後に発生した気象害の状況を解析したところ,列状間伐では劣勢木が残存してしまうため,特に形状比が高い個体が気象害を受けやすい傾向が認められた。また,優勢木を優先的に伐倒・搬出する上層間伐を強度に行った場合には,形状比が高い劣勢木が残存し気象害が誘発されていた。これらのことから,過密人工林を間伐する際には,残存木の成長促進を図ると同時に気象害の発生を抑制するために,原則として優勢木を残存候補木とすることが必要と考えられた。 キーワード:過密人工林,強度間伐,列状間伐,下層間伐,上層間伐,成長量,気象害 |
27号(2013年) |
針広混交林の育成に向けた下層広葉樹の育成管理技術 -広葉樹林化のための更新予測及び誘導技術の開発-(PDF:1,180KB) |
小山泰弘*・近藤道治・岡田充弘・大矢信次郎 |
針葉樹人工林の中でも下層に広葉樹が混交している事例が多いカラマツ人工林を対象として,針葉樹林から針広混交林へ誘導するための手法を検討するため,上木の伐採方法や下木の管理方法が異なる林分を対象として事例収集を行った。下層に高木性広葉樹が認められるカラマツ林で,林床を整理して点状の強度間伐や列状間伐を行ったところ,萌芽により広葉樹が更新したが,帯状伐採後に林床整理を繰り返すと灌木や草本の繁茂で高木性広葉樹の成長が阻害される場合があった。なお,帯状伐採を行う際に下層の広葉樹を残した場合でも,直径が細く形状比が高いものが枯損した。また,下層に発生した広葉樹の樹高成長は,上木の枝下高に近づくことで成長が停滞するため,下木が成長した段階で,上木の本数管理を行う必要があり,上木の本数管理を行わずに放置すると光環境の悪化で下木が枯損する場合もあった。 キーワード:針葉樹人工林,下木の成長,光環境,帯状伐採 |
27号(2013年) |
ブナの保全単位の設定に関する保全遺伝学的研究(PDF:6,941KB) |
小山泰弘* |
近年,ブナ等の広葉樹を地域の自然再生を目的として植栽される事例が増えている。しかし,ブナは葉面積などの形態や遺伝的な構造が日本海側と太平洋側で異なっている。日本海側と太平洋側では気象条件等が大きく異なるため,両者間で種苗を移動させると,植栽された環境に適合できない場合や,植栽個体と自生集団の交雑による将来の適応度が低下するなどの懸念があるが,実態が把握されていない。そこで,本研究では長野県におけるブナを植栽する場合に必要となる管理区分である「保全単位」の設定を試みた。研究はまず,長野県のブナ天然林30集団と人工林20集団で葉緑体DNAのハプロタイプを決定した。その結果,長野県内の天然林は明瞭な地理的な構造を持った4種類のハプロタイプが検出されたが,人工林では日本海側の多雪地域に分布するハプロタイプのみが検出され,太平洋側の寡雪地域に位置する人工林集団は,天然林集団の系統と異なる苗木が植栽されていた。次に,長野県を含む本州中央部のブナ天然林25集団で核マイクロサイトを遺伝マーカーとして地理的変異を調査したところ,日本海側と太平洋側の集団間に明瞭な遺伝的分化は認められず,緯度に沿った連続的な変異が生じていた。さらに,本州中央部のブナ天然林38集団で,適応的な表現形質である葉面積を測定したところ,日本海側と太平洋側の間で緯度に沿った連続的な変異となっていた。その上で,ブナ苗木の移植試験を行い,稚樹の生残と成長に及ぼす影響を調査した。その結果,日本海側のブナ苗木を寡雪地へ移植すると先枯れにより成長停滞が起き,太平洋側のブナを豪雪地へ移植すると雪害により成長阻害を受け,地域を越えた移植は成長に悪影響を及ぼしていた。これらの結果から,長野県におけるブナの保全単位は,長野県を南北に二分することが望ましいと判断し,長野県の広域行政圏に配慮した保全単位を設定した。 キーワード:ブナ,遺伝的多様性,保全単位,人工林,影響 |
26号(2012年) |
カツラマルカイガラムシによる広葉樹被害に関する研究(pdf形式3,535kb/16ページ) |
岡田充弘・近藤道治・小山泰弘・山内仁人 |
カツラマルカイガラムシによる被害は、県北部の森林を中心に拡大するとともに、飛び地的な被害や緑化木、広葉樹苗木などへの被害がみられた。森林での被害は、激害化後には強力な天敵である寄生蜂(Pteroptrix sp.)などの影響で終息傾向になっていた。本被害を受けたナラ類は、水分通道に障がいがでるため、ナラ枯れ被害が助長される場合があった。アセタミプリド2%液剤50倍液樹幹注入処理は、カツラマルの殺虫効果が高いと判断された。 キーワード:カツラマルカイガラムシ、広葉樹、枝枯れ、樹幹注入処理 |
26号(2012年) |
ナラ類集団枯損の予測方法と環境低負荷型防除システムの開発(pdf形式880kb/10ページ) |
岡田充弘・小山泰弘・山内仁人 |
カシノナガキクイムシを合成フェロモン(ケルキボロールラセミ体)で誘引捕獲するための好適条件として、天頂方向からの光が樹冠層に遮蔽されて、横方向からの光が入るような林縁、ギャップ縁が望ましかった。カシノナガキクイムシを合成フェロモンで誘引捕獲する際に、協力物質としてエタノールを一定以上付加することで、誘引効果が高まることが明らかになった。また、トリホリン乳剤による樹幹注入処理は、既存薬剤と同等の枯損予防効果が得られた。 キーワード:カシノナガキクイムシ、フェロモン、樹幹注入処理、萎凋病 |
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25号(2011年) |
カシノナガキクイムシ等広葉樹類の昆虫被害防除技術に関する研究 -カシノナガキクイムシによるナラ類枯損被害-(pdf形式1,127kb/11ページ) |
岡田充弘・山内仁人・近藤道治・小山泰弘 |
長野県におけるナラ枯れ被害は,平成22年3月現在13市町村まで拡大した。被害は、急激に近接地で拡大していくとともに、その移動方向は被害区域から東方向への拡大速度が速かった。本県のカシノナガキクイムシ発生期間は、6月中下旬から10月まであり、標高などの温度条件で発生開始時期が前後した。調査した被害林分では、成立していたナラ類立木の7~8割が枯損するとともに、下層植生の条件によっては、高木性樹種による回復が難しい場合があった。カーバム剤による被害木伐倒処理は、辺材部にチェーンソーによる有傷処理を行うことで、カシノナガキクイムシ材内幼虫に対する十分な殺虫効果が得られた。 キーワード:ナラ枯れ、カシノナガキクイムシ、被害林分、伐倒処理 |
25号(2011年) |
針広混交林造成に向けた更新技術の開発(pdf形式981kb/16ページ) |
小山泰弘・山内仁人 |
長野県内の針葉樹林で林床植生を調べたところ、アカマツ及びカラマツ林分では収量比数と関係なく林床植生が発達し、ササ地などの一部を除いて後継樹となる高木性広葉樹が成立していた。しかし、スギ及びヒノキ林分では、林床植生が少なく、高木性広葉樹の発生本数が少なかった。長野市のスギ人工林で、林床植生内への高木性広葉樹の侵入状況を調べたところ、近接する広葉樹林からの距離に依存して,50m以上離れると急激に減少していた。広葉樹林に隣接するが林床植生が欠落していた高森町のヒノキ過密人工林で、間伐強度を変えた間伐を行ったところ、間伐強度が高いほど実生稚樹は発生したが、その発生量は1,000本/haと少なかった。塩尻市楢川にある32年生のヒノキ林で、施業履歴と高木性広葉樹の定着条件の関係を調べたところ、林冠閉鎖前に高木性広葉樹が侵入定着していた場合のみ、高木性広葉樹が混交していた。塩尻市の林業総合センター構内の林床植生が欠落した18年生スギ林、ヒノキ林で3残1伐の列状間伐を実施したところ、間伐列では、光環境の改善により林床植生が発生したが、高木性広葉樹の発生は認められなかった。 キーワード:針葉樹人工林、針広混交林、侵入広葉樹、発生要因 |
25号(2011年) |
長野県におけるブナ人工林の地理的変異とその影響 -健全な広葉樹林整備のための地域集団における遺伝的多様性の研究-(pdf形式1,663kb/20ページ) |
小山泰弘 |
長野県の広葉樹種苗の中には、自家採取を行わずに購入している種子も多く、自家採取している場合も天然林からの採取事例は少なかった。 長野県のブナ天然林におけるDNAの地理的変異は、葉緑体DNA、核DNAともに日本海側の系統と太平洋側の系統が存在し、両者には比較的明瞭な地理的構造が認められた。 長野県内に植栽されているブナのほとんどは日本海側系統であり、自生地外の中南部に植栽すると、冬芽の先端が枯損する先枯れが発生した。先枯れは県北部では発生せず、また中南部でも樹高2mを超えると被害率が低下することから、植栽初期の成長停滞を招く被害と判断できた。同様の被害は苗畑でも発生しており、県北部産の種子に由来する苗を中部に植栽した場合には、やはり先枯れによる頂芽枯損が発生していた。 また、県内のブナ人工林の中には、日本海側の系統ではあるが、県内では認められない系統が植栽されており、これらの個体は県内由来の個体に比べて開葉時期が早かった。 キーワード:ブナ、葉緑体DNA、核DNAマイクロサテライト変異、地理的構造、開葉フェノロジー |
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24号(2010年) |
ニホンジカの食害による森林被害の実態と防除技術の開発(pdf形式827kb/24ページ) |
小山泰弘・岡田充弘・山内仁人 |
長野県では江戸時代にニホンジカが多く生息していたが、明治期に大きく減少した。近年、生息域は県下全域に拡大し、地域によっては非常に高い生息密度となっている。 塩尻市で実施したライトセンサス調査でニホンジカの個体数が年々増加していることが確認された。夜間撮影機能付デジタルビデオカメラをライトセンサス法に使用することで、視認率が上昇し、映像が記録できた。ニホンジカ推定生息数とササ類の食害程度には相関があり、ササ食害が一定以上になるとヒノキの幹剥皮が始まっていた。ニホンジカは、イチイやヤナギ、ミズキ、リョウブなどの特定樹種を好むと判断された。 防護柵は、わずかな隙間があるとニホンジカに侵入され、特に下部の隙間は侵入されやすかった。 キーワード:ニホンジカ、狩猟効果、個体数、幹剥皮、防護柵 |
24号(2010年) |
ツキノワグマによる樹幹剥皮被害防除対策の検討(pdf形式667kb/10ページ) |
近藤道治・岡田充弘 |
県内のツキノワグマによる剥皮被害は近年増加傾向にあり、2008年には上伊那、下伊那や木曽地方を中心に県内27市町村で被害が確認された。被害樹種はヒノキが圧倒的に多く、スギ、カラマツ、サワラ、ドイツトウヒなどで認められた。 ツキノワグマによる剥皮被害木は、ヒノキでは10~15年経過すると材内部に変色・腐朽が発生し、剥皮被害最上端から上方へ0.2~1.1m広がっていた。また、ドイツトウでは被害から9年経過すると材内部に変色・腐朽が発生し、全周囲の1月2日程度の被害を受けた場合、剥皮被害最上端から上方へ変色が6.5m、腐朽が3m広がっていた。 剥皮被害防止を目的として、(1)「バンド処理」、(2)「間伐材等積み上げ処理」、(3)「バンド処理」と「間伐材等積み上げ処理」併用、の効果試験を行ったところ、「バンド処理」は被害防止効果がみとめられたが、「間伐材等積み上げ処理」では間伐材を積んでいない方向からの被害が発生した。 キーワード:ツキノワグマ、剥皮被害、変色・腐朽の広がり、被害防除技術 |
24号(2010年) |
里山林保全を目的とした山林火災跡地における森林整備技術の開発 -里山に発生したニセアカシア管理技術-(pdf形式762kb/19ページ) |
小山泰弘・片倉正行 |
1987年5月、マツタケが発生していたアカマツ林で発生した山林火災跡地は、被災後に植栽したアカマツが樹高7m程度に回復し、アミタケなどアカマツ林に特有のキノコ類も確認されはじめた。2002年3月に発生した山林火災跡地で、高密度に発生したニセアカシアを駆除するため、平成15年から刈払いを続けたが、16回目の刈払いを終えた平成20年でもニセアカシアを根絶することはできなかった。 しかし、刈払いを続けたことでニセアカシアは衰退し、コナラ林へと推移した。松本市牛伏川流域でニセアカシアの分布が拡大した原因は、20年に一度の伐採を2回繰り返したことが原因と判断できた。 キーワード:山林火災跡地、アカマツ林、ニセアカシア、分布拡大、薬剤散布 |
24号(2010年) |
長野県民有林の土壌(pdf形式506kb/14ページ) |
片倉正行 |
長野県民有林の土壌型別分布面積をとりまとめた。土壌群別面積率は、褐色森林土群79%、ポドゾル群4%、黒色土群16%、その他1%だった。褐色森林土群と黒色土群の土壌理化学性を比較した。 キーワード:長野県、民有林、土壌,適地適木 |
24号(2010年) |
複層林の上木間伐に伴う下木損傷軽減と複層林造成に関する研究(pdf形式807kb/68ページ) |
近藤道治 |
近年、森林に対する国民の要望は多様化し、とくに複層林は非皆伐であり公益的機能を維持する効果が大きいことから、全国で造成されている。 しかし、技術的裏付けが不十分なままに実行が急がれており、上層木が閉鎖して林内が暗く、下層木の成長が抑えられている林分も多い。このため、早急に上木間伐が望まれるが、その際、下木に多数の損傷が発生することから、下木損傷を軽減する作業方法の確立が大きな課題となっている。本論文では、上木伐採にともなう下木損傷の発生と損傷を受けた下木のその後の生育状況を分析し、下木損傷を軽減する作業法と複層林造成法を提案した。 その内容は以下のとおりである。 (1)複層林の上木間伐にともなう下木損傷の実態を、林型の異なる複層林で調査したところ、上木と下木をランダムに植栽した点状複層林では多数の下木に損傷が発生し、3残2伐列状複層林(3残2伐列状間伐を行った伐採跡に下木を列状に3列植栽した複層林)で下木損傷が少なかった。 (2)カラマツ-ヒノキ複層林で、カラマツの間伐により損傷を受けたヒノキの5成長期経過後の生育状況を調査したところ、伐採により倒伏したヒノキは回復していなかった。また、傾斜したヒノキの33.3%は立ち直っていなかった。幹や梢端が折れたヒノキは、折損部分が「S字状」や「ほうき状」になるものが多くみられた。また、ヒノキの枝が25%以上折れると傾斜するものが多く、「曲がり材」になる可能性が高いと考えられた。樹皮剥離面積の大きいヒノキでは変色や腐朽が広がり、劣化が進んでいた。 (3)上木間伐にともなう下木損傷軽減法を、列状複層林と点状複層林を対象に検討した。その結果、点状複層林では、ア)最大傾斜方向に対し偏角20度未満で伐採すること、イ)列状に伐採すること、ウ)山側に向けて伐採すること、列状複層林では、ア)植栽列に沿って伐採すること、イ)山側に向けて伐採すること、が重要であることを明らかにした。 (4)今後複層林を造成するためには、上木を3列以上残す列状(帯状)複層林と最終間伐時に残存木を300本/ha程度まで少なくする点状複層林が良いと考えられた。また、管理及び作業のしやすさという視点から路網密度を高めることが重要であり、路網間隔は100mを目標とすることが望ましいと考えられた。 キーワード:複層林、上木間伐、下木損傷軽減、複層林造成 (東京大学博士学位論文) |
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23号(2009年) |
獣害回避のための難馴化忌避技術と生息適地への誘導手法の開発 -加害初期のサル群に対する被害対策の検討-(pdf形式1,084kb/12ページ) |
岡田充弘・山内仁人・小山泰弘 |
飯田市及び安曇野市において、農作物への加害初期のニホンザルの被害対策として、農地周辺の環境改変、防護柵の設置及び農地からの追跡による群れの排除を組み合わせて実施し、その効果を検証した。 農地周辺の環境改変では、侵入ルートのスギ林の皆伐などで農地と森林の間に開放環境を形成することで、群れの主な行動域が農地周辺から森林に移動するなどの行動の変化がみられ、除伐、刈り払いなどでは、短期間ではあるが農地への侵入頻度が低下した。 農地周辺の環境改変は、サルの警戒心を高める効果があること、人がサルを発見しやすくなることの他に、人がサルを農地から排除する際に、歩行追跡しやすい環境を作り出していた。 また、防護柵による囲い込みにも、サルの警戒心を高める効果が認められた。 追跡による農地からの群れの排除では、追跡者とニホンザル双方が互いを認識した状態で威嚇・追跡することが有効であった。 また、群れの排除を地域住民が継続した農地では群れの利用頻度が低下する傾向がみられた。 キーワード:ニホンザル、農地周辺の環境改変、防護柵、追跡、総合的防除 |
23号(2009年) |
ナラ類集団枯死被害防止技術と評価法の開発(pdf形式833kb/10ページ) |
岡田充弘・山内仁人・加賀谷悦子*・近藤道治 |
合成フェロモン製剤によるカシノナガキクイムシ捕獲試験で、透明トラップが既存の人工トラップに比べ捕獲効率が高かった。 樹幹注入によるナラ枯損予防試験で、ベノミルの樹幹注入処理の枯損予防効果が認められた。飯山市、信濃町で殺菌剤樹幹注入処理木と合成フェロモンを組み合わせた「おとり木トラップ」による捕獲試験を実施し、合成フェロモン設置位置周辺の樹幹注入処理木へのカシノナガキクイムシの大量穿孔が確認できた。 キーワード:ナラ枯れ、カシノナガキクイムシ、合成フェロモン、殺菌剤樹幹注入 |
23号(2009年) |
平成18年7月豪雨により岡谷市等で発生した土石流の発生状況と自然環境要因(pdf形式1,319kb/13ページ) |
片倉正行・小山泰弘・山内仁人 |
平成18年7月豪雨により、県下57か所で土石流が発生した。被害の大きかった岡谷市の小田井沢川・本沢川・志平沢川の土石流を主な対象として調査を行った。 土石流は極めて水分の多い黒色泥流で、土石流源頭部は岡谷市湊花岡渡戸を中心とした半径1km円内の標高905~1,045m(平均970m)に集中していた。周辺森林にはカラマツ人工林が多かったが、土石流発生地にはアカマツ二次林及びコナラ混交林もみられた。 土石流の発生原因は大量の降水が厚さ2~3mのローム質土層を飽和させたところに、さらに随所からパイプ流による地下水噴出が起こったためと推定された。 なお、ローム質土層の飽和素因として透水性不良な埋没性黒色土層の存在が考えられた。これら黒色土層は縄文時代以降、断続的に存在した草原的植生により形成されたものと推定された。対象地域の山腹に、江戸時代中期から明治・大正時代にかけて造成された桑畑が起源と推定される階段状地形が広く認められた。 キーワード:土石流、埋没黒色土、カラマツ、御牧、縄文 |
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22号(2007年) |
長期育成循環施業に対応した高性能林業機械化等作業システムの開発(ii) -機械化作業が森林に与える影響-(pdf形式10,995kb/22ページ) |
近藤道治・今井信 |
高齢化しつつある林分を対象とし、間伐作業による残存木損傷について調査したところ、立木密度が低い林分や道路上から直接間伐木をプロセッサなどで掴んで集材できる林分での損傷率が低かった。循環型森林施業方法を確立するため複層林管理に必要な技術について検討したところ、複層林の上木伐採に伴う下木損傷は列状複層林の方が点状複層林よりも少なく、上木を3列以上残す列状複層林がもっとも少なかった。 複層林の上木伐採により倒伏した下木ヒノキは回復できず、伐採直後30度以上傾斜したヒノキも半数が立ち直れなかった。また、幹折れや梢端折れが発生したヒノキは折損部分からS字状やほうき状になるものが多くみられた。複層林の上木伐採に伴う下木損傷軽減法として山側伐採と列状伐採の組合せが現実的な作業方法と考えられた。 キーワード:機械化作業、間伐、複層林、残存木の損傷、林地撹乱 |
22号(2007年) |
カラマツ林、アカマツ林、コナラ林の現存量と炭素貯留量、ならびにアカマツ林伐採後の土壌炭素量の変化 (森林吸収源計測・活用体制整備強化事業)(pdf形式7,796kb/23ページ) |
片倉正行・山内仁人・小山泰弘 |
カラマツ人工林、アカマツ二次林、ならびにコナラ二次林の立木現存量等を測定し、炭素貯留量を明らかにした。樹種別にD2Hと現存量ならびに炭素貯留量の相対成長関係などを示した。 アカマツ二次林を皆伐後に造成したヒノキ造林地では落葉層の炭素量減少が顕著だったが、土壌の炭素量減少は小さかった。 キーワード:カラマツ、アカマツ、コナラ、炭素貯留量、現存量、バイオマス、土壌、皆伐の影響 |
22号(2007年) |
マツ材線虫病抵抗性苗木の選抜育苗に関する研究(pdf形式2,740kb/5ページ) |
岡田充弘・小山泰弘 |
長野県産アカマツ2年生山行苗木からの抵抗性個体の選抜の可能性を検討することを目的として、マツノザイセンチュウ接種試験を3か年(890本)実施した。 生存木は計7本で、そのうち5本は、第2回接種を行ったところすべて枯損した。 このことから、県内産アカマツ山行苗木から材線虫抵抗性を持つ個体を選抜することは難しいと考えられた。また、下伊那郡喬木村、上田市に導入植栽した岩手県産の接種検定済み抵抗性家系実生2年生苗木には、植栽2年後まで異常がみられず、順調に生育していた。 キーワード:マツ材線虫病アカマツ、改良剥皮接種法、マツ材線虫病抵抗性苗木 |
22号(2007年) |
長野県の森林における森林浴の効果 -森林浴がもたらす人の生理的効果の解明-(pdf形式11,596kb/22ページ) |
小山泰弘 |
長野県北部の戸隠高原で森林浴実験を行い、都市環境として長野駅前を対照地としたところ、森林は都市に比べて快適環境にあり、心理的にもリラックス効果が得られた。このような傾向は夏の長野県内森林浴コースでの調査結果でも同様だった。 森林環境と人の心理的状態との関係について次の知見を得た。 1)物理的な明るさと心理的な明るさは相関しなかったが、見通しの良い林は明るいと評価された。 2)森林の音環境は基本的に音圧変化が小さく、心理的に静かな印象がある。 3)長野県の森林浴コースでは都市に比べて心理的に涼しく、温熱環境としての満足度が高い。 4)森林浴では、少雨でも一定の心理的リラックス効果が得られる。 森林内の環境として香り成分に注目してアカマツ林内の揮発性物質を測定したところ、揮発性物質は夏に多く冬に少なかった。 キーワード:森林浴、心理的効果、生理的効果、環境把握、フィトンチッド |
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21号(2006年) |
松くい虫激害地の被害拡大現状に関する研究 -マツ材線虫病被害の被害減少要因の検討-(pdf形式4,791kb/9ページ) |
岡田充弘・小山泰弘 |
マツ材線虫病被害が激害化したのち被害が減少した長野市松代地域、若槻地域を対象として、被害の減少原因を自然環境及び被害駆除圧などから関係解析したところ、標高800m以上、あるいはMB指数21未満という温度条件(低温)が被害発生を抑制していた。 また、初期感染源からの距離も罹病の制限要因であるといえた。なお、標高800m以上、MB指数21未満であっても、猛暑などで被害が発生する可能性が認められた。調査地域で被害発生が減少した主な要因は、被害木全量伐倒駆除等の被害防除努力(被害抑制圧)と判断された。 キーワード:マツ材線虫病、アカマツ、伐倒くん蒸、標高、被害沈静化 |
21号(2006年) |
木材チップの分解速度と植生制御効果 -林内散布等の木材チップが森林環境に与える影響調査-(pdf形式3,559kb/7ページ) |
山内仁人・古川仁*・竹内玉来*・片倉正行・小山泰弘 |
木材チップを林内及び造林地に散布し、周辺環境への影響や、チップの分解速度、造林地での植生制御効果を調べた。 調査地及び周辺植生に、ならたけ病の発生や、成長阻害等の悪影響は観察されなかった。チップの現存量は1年間に4~20%ずつ減少し、乾燥地より湿潤地の方がチップの分解が速かった。造林地で20cm厚に散布したチップの植生抑制効果は3、4年だったが、10cm厚では1年で無散布と同程度の植被率となり、抑制効果が無くなった。 キーワード:木材チップ司分解速度、マルチング、植生制御 |
21号(2006年) |
花粉生産量予測システム普及事業(pdf形式4,674kb/10ページ) |
近藤道治 |
秋のスギの雄花着生状態を目視観測し、翌年春の花粉生産量を予測する技術の確立を目的として調査を行った。 県内3か所のスギ林で、11月~12月に雄花の着生状況を双眼鏡で目視観測し雄花指数を算出するとともに、3月から7月までトラップを設置して落下した雄花を回収し、雄花生産量を算出した。雄花指数と雄花生産量との関係を調べたところ、両者に強い相関関係がみられ、スギ雄花の着生状況を観測することで、翌年春の雄花生産量を予測することが可能と判断できた。「クマスギ」と呼ばれるスギ在来さしき品種は、ほとんど雄花がみられず、雄花生産量は常に少なかった。 キーワード:スギ・ヒノキ花粉生産量、花粉生産量予測システム |
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20号(2006年) |
ブナを主体とする広葉樹林の造成管理技術の開発 -多様な広葉樹林の育成管理技術の開発-(pdf形式9,963kb/20ページ) |
小山泰弘・岡田充弘 |
ブナを主体とする広葉樹林の育成管理に必要な技術について検討した。 ブナの植栽適地は、標高1,000~1,500m、年降水量1,300mm以上の多雪地域だった。乾燥環境と、温量指数85以上の地域は、ブナの植栽不適地と判断できた。ブナの植栽には、保育期間の短縮や誤伐防止などの点から大苗の利用が望ましく、豪雪地域では、林分の平均樹高が最深積雪深を超える時期に刈出しを行うことで成長促進が期待できる。成林したブナは、若齢期だけでなく壮齢期にも間伐効果が認められ、積極的な間伐により大径材への早期誘導が可能である。ノネズミが多い地域では苗木の根元に防除資材の巻きつけなどの対策が必要であった。また、ノウサギの食害に防止効果のあるシェルターは、樹木の成長に悪影響を与える可能性があり注意が必要である。 キーワード:ブナ、適地、人工林、間伐、シェルタ一、クワカミキリ |
20号(2006年) |
森林施業が森林環境に及ぼす影響 -森林資源調査データ解析事業の調査結果から-(pdf形式3,662kb/10ページ) |
近藤道治・小山泰弘 |
林業機械による施業が森林環境に及ぼす影響について、間伐や皆伐を実施して2~5年経過した林分で調査した。 間伐による残存木被害率は、トラクタ集材、タワーヤーダ集材ともに列状間伐が点状間伐に比べ低かった。機械走行による植生への影響は、皆伐と間伐のトラクタ集材で、走行回数の多い場所で低木類の発達が遅れていたが、植生が再生しないような場所はみられなかった。皆伐作業やトラクタによる間伐作業で林地攪乱は発生していたが、尾根を乗り越えて架線集材する部分を除いて、有機物が消失するような激しい林地攪乱は発生していなかった。 キーワード:森林施業、森林環境への影響、施業方法 |
20号(2006年) |
アカマツ林の土壌表面における温室効果ガスの吸排出 -メタン及び亜酸化窒素の吸収・排出量と施業影響の評価-(pdf形式3,958kb/9ページ) |
小山泰弘 |
アカマツ二次林内で地表面における温室効果ガス(二酸化炭素・メタン・亜酸化窒素)の吸排出量を測定した。 二酸化炭素は、年間を通じて土壌表面から排出されていたが、季節による大きな変動が見られた。メタンは年間を通じて森林土壌に吸収されており、その量は-49.8~-88.3ngCH4/m2/sであった。亜酸化窒素は、ごく微量が排出されている程度と判断できた。 アカマツ二次林内で間伐を行い、間伐後1年半にわたって温室効果ガスの吸排出量の変化を調べたところ、二酸化炭素の排出量は減少したが、メタン及び亜酸化窒素の吸排出量には変化がなかった。 キーワード:二酸化炭素、メタン、重酸化窒素、温室効果ガス、間伐施業 |
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19号(2005年) |
ヒノキ及びカラマツ人工林の長伐期施業に関する研究 -長期育成循環施業に対応する森林管理技術の開発-(pdf形式7,436kb/16ページ) |
片倉正行・山内仁人・古川仁* |
高齢なヒノキ人工林及びカラマツ人工林を調査し、120年生までの樹高成長曲線を求めた。 ヒノキ人工林の樹高曲線は既往樹高曲線に比べて高齢期の成長低下が少なかった。ヒノキ、カラマツの樹幹解析結果から一番玉の採材長別末口直径を求め、高齢林における大径木出現率を明らかにした。収穫予想表を調整した。MicrosoftExcel(XP)による簡易な収穫予想システムを作成した。 キーワード:カラマツ、ヒノキ、高齢林、長伐期、収穫予想 |
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18号(2004年) |
天然性過密アカマツ林管理技術の開発(pdf形式3,941kb/10ページ) |
近藤道治・小山泰弘 |
天然性アカマツ林は、収量比数が0.90を超えると自然枯死木が発生し、林床植生の衰退がみられた。 長野県中部の坂北村、麻績村では私有林に、こうした過密アカマツ林が広く分布していた。過密アカマツ林3か所に強度間伐区(本数間伐率50~60%)、弱度間伐区(30%)、無間伐区を設け、枯損木や倒伏木等の発生状況を継続して調査した。 強度間伐区では枯損や倒伏等の発生はみられなかったが、弱度間伐区、無間伐区では形状比の高いアカマツを中心に枯損、倒伏、幹折れなどが発生した。強度間伐区では間伐後に連年成長量が急激に増加したが、弱度間伐区では増加せず、過密アカマツ林で本数率30%程度の下層間伐を実施しても、残存木に成長促進効果は現れないといえた。 キーワード:アカマツ林、過密林分、間伐、気象災害 |
18号(2004年) |
野生獣類による被害防除のための適正な個体数管理と生息環境整備技術に関する調査(pdf形式4,544kb/8ページ) |
岡田充弘・小山泰弘 |
ニホンザルによる針葉樹樹幹剥皮被害は、県北多豪雪地域の小谷村や、山ノ内町から県南少雪地域の飯田市までの全県に及び、被害市町村数は17市町村である。 県外では,栃木県、福島県でも被害が発見され、被害は今後とも拡大する可能性が認められた。スギが加害されると激しい材変色がみられ、カラマツと同様に被害が大きくなる樹種といえた。集団捕獲を行った群れが、2群に分裂するとともに個体数減少した例を認めた。この群れは山地の行動圏の高標高部を低下させ行動圏面積を縮小したが、晩夏から春にかけて農地を利用する行動様式に変化は生じなかった。農地周辺で人的干渉を行った群れは,その農地を避ける傾向が認められた。 キーワード:ニホンザル、スギ、剥皮被害、集団捕獲 |
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17号(2003年) |
機械化作業システムに適合した森林施業法の開発 -機械化作業が森林に与える影響-(pdf形式4,544kb/8ページ) |
近藤道治・宮崎隆幸・今井信 |
列状間伐と点状間伐で作業実施にともなう損傷発生割合を比較したところ、車両系、架線系ともに列状間伐の方が低かった。 また、残存木の損傷発生は作業者の注意により減少することができた。カラマツの木質部に達する損傷部からは変色が発生し、時間経過とともに腐朽に至っていた。トラクタの全木土引き走行や、タワーヤーダによる全木集材により林地攪乱が発生したが、攪乱程度は軽微で面積も小さかった。トラクタ走行により土壌表面は堅密化し、この影響は10年程度継続していた。トラクタ走行により表層土壌の粗孔隙量は減少したが、原状回復しつつあった。列状間伐では、残存カラマツ立木に明らかな樹冠偏倚が発生していたが、樹冠偏倚と幹の偏心の間に相関はみられなかった。幹の偏心と相関がみられたのは常風の風向であった。 キーワード:機械化作業、間伐、残存木の損傷、残存木の偏心、林地撹乱 |
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16号(2002年) |
ブナを主体とした広葉樹人工林の初期管理技術の開発 -冷温帯地域における広葉樹林施業技術の確立-(pdf形式10,260kb/22ページ) |
小山泰弘・岡田充弘・古川仁 |
ブナは長野県のほぼ全域に分布しているが、八ヶ岳周辺や浅間山麓では極めて少なかった。 ブナの群生は県北部及び南アルプス地域に偏っていた。栄村の天然生ブナ林で1995年に609個/m2の種子が落下し稚樹の発生が認められたが、1996年から3年間結実せず、1999年に種子がわずかに落下したが稚樹は発生しなかった。ブナ人工林の造成初期における成林阻害要因として、ノネズミの根系食害、ノウサギの梢端食害、コウモリガの主軸樹皮食害、下刈り誤伐が認められた。誤伐は重大な成林阻害要因で、累積誤伐率が60%に達する林分もあった。ブナの育苗には高密度環境が成長促進の重要な因子といえ、これは人工造林についても同様と考えられた。 キーワード:ブナ、天然更新、人工林、冷温帯、広葉樹 |
16号(2002年) |
野生獣類に関わる森林被害防除法の開発並びに生息数推移予測モデル確立のための基礎調査(pdf形式4,843kb/9ページ) |
岡田充弘・小山泰弘 |
ニホンザルによる針葉樹樹幹剥被害が、県内12市町村のスギ、ヒノキ、アカマツ、カラマツ造林木に発生していた。 被害は、樹皮厚およそ3~4mmの幹で発生し、材の変色を伴っていた。被害発生時期は、樹皮が剥けやすい5~8月だった。樹幹剥皮の原因は、立木の形成層組織に含有される糖質摂取のためと推定された。サルの群れは、植物の新芽や展開直後の新葉を摂食するため、春から夏にかけて山を登り、夏から秋にかけては人間の生活圏周辺に降りて、廃果、廃棄野菜などを摂食対象として越冬していた。 キーワード:ニホンザル、針葉樹造林樹種、剥皮被害 |
16号(2002年) |
カラマツ根株心腐病の被害実態の解明と被害回避法の確立(pdf形式3,415kb/7ページ) |
岡田充弘・小山泰弘・古川仁 |
カラマツ根株心腐病被害は、土壌中の水分が停滞しやすい山腹平衡緩斜面あるいは石礫が多く風当たりが強い尾根下斜面の林分に多かった。 被害は、幹の傷から腐朽するタイプと、根系から腐朽が始まるタイプに分けられた。30~40年生カラマツ林における本病被害木の平均的腐朽高は地際断面における腐朽直径の約10倍に達し、腐朽進展速度は3~5cm/年と推定された。胞子を伝染源として伝染・拡大する既知病原菌以外に、被害木から菌糸束を伸長させて伝染・拡大する未同定菌が確認された。 キーワード:カラマツ、根株腐朽病害、腐朽高、腐朽速度 |
16号(2002年) |
スギ人工林炭素貯留量の定量と、細り表・材積表の調整 -下伊那郡天龍村スギ人工林-(pdf形式2,857kb/7ページ) |
片倉正行・近藤道治・岡田充弘・古川仁・畠山竜哉 |
スギ人工林の炭素貯留量を明らかにするため、県南部の天龍村で林分現存量調査を行った。 収量比数0.70を管理基準線とする中庸仕立てスギ林の炭素貯留量は無間伐林の70%程度だった。40年生無間伐スギ林の地上部炭素貯留量は約170t/haだった。立木の枝、葉ならびに枯れ枝の現存量も明らかにした。幹細り表ならびに材積表を作成した。 キーワード:スギ林、炭素量、細り表 |
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15号(2001年) |
市街地環境緑化に関する研究 -緑化樹の生育と路面凍結防止剤-(pdf形式4,948kb/11ページ) |
古川仁・片倉正行・遊橋洪基 |
塩尻市周辺の幹線道路路側帯一部の緑化樹に衰退が見られ、その原因として冬季に散布される路面凍結防止剤に起因する土壌のアルカリ化が考えられた。イチイ、アカマツの苗木土壌に高濃度の塩化カルシウムを添加したところ、退色あるいは褐変などの葉色異常が生じ、翌春に発生した新葉は矮小化した。葉色異常を呈した葉のCa量は通常の2倍量だった。 |
15号(2001年) |
混交林等多面的機能発揮に適した森林造成管理技術の開発(pdf形式6,138kb/14ページ) |
古川仁・片倉正行 |
長野県下に混交林は120,000ha分布し森林面積の18%を占めた。 松本、上伊那、下伊那地域はアカマツを主要種とする混交林が多く、佐久地域ではカラマツ、上小地域はコナラ、北安曇地域はナラ類、ブナ、そして北信地域ではブナを主要種とする混交林が多かった。40年生前後のカラマツ林を収量比数0.50程度に間伐すると、林床に矮小生育していたミズナラの成長が促進され、カラマツーミズナラの二段林を経過してカラマツ・ミズナラ混交林の形成が可能と推定できた。カラマツ一斉林の混交林化施業モデルを作成した。 |
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12号(1998年) |
カラマツの材質向上のための施業技術に関する研究(pdf形式47,287kb/112ページ) |
武井富喜雄 |
カラマツの強度性能やねじれなどの材質向上のためには、成長初期の段階から植栽本数の増大、裾枝払いなどの保育行為によって肥大成長を抑制する施業が有効と考えられた。 樹幹の連年成長量の垂直分布を示す比例定数(Lgi)と心材材積率との関係を検討し、心材形成制御を目標とした林分施業管理モデルを作成した。また、Lgiと胸高位置での年輪幅との関係式から、年輪幅制御を目標した年輪幅管理モデルを作成した。 (三重大学審査学位論文) |
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11号(1997年) |
優良育種苗木の生産技術に関する研究(pdf形式6,696kb/15ページ) |
岡田充弘・小山泰弘・遊橋洪基・唐沢清・奥村俊介 |
1912年から1994年までの長野県におけるカラマツ種子の豊凶状況と花芽分化期の気象因子及び球果の採取方法と種子の豊凶との関係について検討した。前年の6月下旬の気温が高く、6月下旬から7月上旬までの日照時間が多い場合豊作となる傾向が認められた。1970年以降の豊凶には、球果採取の際に数年後に球果が着生する枝までも切り落とすことが影響していると推定された。箕輪町の県営ヒノキ採種園でヒノキ球果着果枝への袋掛け処理による種子吸汁被害防除試験を行ったが、カメムシ類の生息密度が低く、袋掛け効果は認められなかった。 |
11号(1997年) |
長野県におけるニホンザルによる農林産物被害の実態と防除技術に関する研究(pdf形式14,169kb/43ページ) |
岡田充弘・小山泰弘・古川仁・遊橋洪基・唐沢清 |
長野県におけるサルの生息分布は、1978年の調査とほぼ一致したが、新たに生息分布が拡大したとみられる市町村は23市町村であった。 サルによる農林産物被害は、サルの生息している76市町村中49市町村で発生していた。その被害発生時期は、集落周辺への出没時期にあたる春と秋に多くみられた。聞き取り調査から、集落周辺へのサルの出現が始まった当初に被害対策を講じなかったことが、被害の増加を招いていると考えられた。長野県における主要造林樹種のアカマツ、カラマツ及びヒノキで発生している梢端付近の剥皮被害について調査を行い、本被害がこれまでのサルによる広葉樹剥皮と形態及び剥皮時期が異なっている新たな被害であることを明らかにした。 |
11号(1997年) |
スギノアカネトラカミキリ防除技術に関する調査 -誘引器の生息密度低減効果と枯れ枝打ちのトビクサレ被害防止効果-(pdf形式6,881kb/16ページ) |
片倉正行・小島耕一郎・古川仁 |
スギノアカネトラカミキリが生息するスギ林に、メチルフェニルアセテートを誘引物質とする衝突板式プラスチック製黄色誘引器を4年間継続して架設し、交尾・産卵期の成虫を捕獲し続けた結果、一定面積内のスギノアカネトラカミキリ生息密度は低下した。 捕獲成虫量は大きな年変動を示し、この原因は冷夏等の温度環境と推定された。捕獲成虫の93%が雌で、これらの83%が卵を保有していた。脱出した雌成虫の38.5%が捕獲され、誘引器の最大誘引距離は50mと推定された。調査地におけるスギノアカネトラカミキリの生活環は5年と判断された。被害防除のために枯れ枝打ち試験を行ったが、枯れ枝切断面からの幼虫侵入が認められ、枯れ枝打ちでは完全な被害防除はできないといえた。 |
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10号(1996年) |
マツノマダラカミキリの生物的防除法の究明(pdf形式10,116kb/26ページ) |
小島耕一郎・岡田充弘 |
マツノマダラカミキリの天敵微生物であるボーベリア・バッシアーナを付与したキイロコキクイムシを寄生させたアカマツ丸太に、マツノマダラカミキリを産卵させたところ、孵化幼虫の81%がボーベリア菌に罹病した。 キイロコキクイムシにボーベリア菌を付与し森林内に放虫する機器が有効であることを実証した。マツノマダラカミキリが寄生するアカマツ立木内にボーベリア菌を侵入させる手法として「種駒法」の効果を検証したが、その効果は低かった。マツノマダラカミキリの天敵としてキツツキ類がある。「ねぐら用底なし巣箱」のキツツキ類による利用状況を調査したところ、85%の巣箱に利用痕跡が認められ、巣箱はキツツキ類によく利用されたといえた。 |
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9号(1995年) |
複層林施業における伐出方法と作業能率(pdf形式8,048kb/15ページ) |
遊橋洪基 |
複層林における伐木造材作業量は約6m3/dayで、単層林の12m3/dayの1月2日といえた。アカマツを上木とする複層林の上木間伐では、アカマツの倒伏により下層木の30%に何らかの被害が生じた。これに対してカラマツが上木で、下木が大きい場合には、上木間伐に伴い発生する下層木の被害が3%という例もあった。 |
9号(1995年) |
カラマツ及びアカマツを上木とする二段林の管理技術に関する研究(pdf形式5,686kb/14ページ) |
片倉正行・遊橋洪基・大木正夫・古川仁 |
ヒノキなどの下層木の成長を大きく阻害しない林内相対照度を25%とした場合のカラマツ林の収量比数は0.52、アカマツ林は0.64といえた。 同一の収量比数ではカラマツ林よりもアカマツ林の林内が明るかった。胸高断面積を指標として、間伐後の林内相対照度の推定を行った。カラマツ-ヒノキ帯状複層林では、カラマツ直近の下層ヒノキの樹高成長は中央部より7%程度少なかった。カラマツ-ヒノキ二段林の林床植生が10年間で1月5日に減少した例が見られた。 |
9号(1995年) |
組織培養によるカラマツ及びコナラ等の増殖技術に関する研究 -カラマツの冬芽培養及びコナラのカルス増殖-(pdf形式3,087kb/7ページ) |
古川仁・奥村俊介 |
カラマツ冬芽の初代培養でカイネチンのみのホルモン添加は苗条育成・根源基形成を阻害した。コナラカルスの増殖用培地として、1月2日MS培地にIBA1.0mL/L、BAP0.1mL/Lの添加が有効だった。 |
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8号(1994年) |
スギ・ヒノキ材質劣化害虫防除に関する総合研究(pdf形式12,022kb/33ページ) |
小島耕一郎・片倉正行 |
スギ・ヒノキ立木の材質劣化害虫であるスギノアカネトラカミキリに対するベンジルアセテート剤を誘引物質とした場合の誘引器の効果的な色彩は黄白色だった。 スギ林内に生息するスギノアカネトラカミキリ成虫は燻煙剤(ダーズバン剤)では捕捉できず、その原因として、生息密度が低いこと、飛翔していないことが考えられた。枯れ枝打ちは被害防除として十分な効果を発揮しなかった。誘引器の効果的な設置数は30m間隔といえた。誘引捕獲された成虫の85%が雌だった。長野県のトビクサレ被害は北部で多く、広域・激害といえる。県下で明らかになった主な被害地を整理した。 |
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7号(1993年) |
広葉樹類の耐陰性について -広葉樹林の造成と利用に関する研究(i)-(pdf形式3,980kb/10ページ) |
片倉正行 |
人工被陰施設(RLI=5%,10%,20%)と露地(RLI=100%)で13種の広葉樹苗木を生育させ相対照度と成長量の関係を検討した。 すべての樹種が相対照度の低下とともに成長量の低下を示した。成長量低下はケヤキが最も少なく、ブナ、コナラ、ミズナラがこれに続いた。ケヤキ、ブナの樹高成長は全天条件よりも弱度被陰条件で良好だった。成長低下が最も顕著だったのは、イヌエンジュとミズメだった。 |
7号(1993年) |
若齢キハダ林の成長について -広葉樹林の造成と利用に関する研究(ii)-(pdf形式3,694kb/10ページ) |
片倉正行 |
11年生(適潤性褐色森林土)と15年生キハダ林(弱湿性表層グライ化褐色森林土)で調査を行った。 最も成長良好な林分では、11年生で、上層樹高9.5m、胸高直径11.6cm、林分密度1,800本/haだった。キハダの適地は、弱湿性土壌あるいは適潤性土壌と判断された。内皮の収穫量は、地位「上」では20年生で3.60ton/ha(80℃乾燥重量)といえた。樹高成長曲線を求め、胸高断面積を因子として林分材積表を作成した。 |
7号(1993年) |
マツ枯損の激化抑止技術(pdf形式11,486kb/34ページ) |
小島耕一郎・唐澤清・岡田充弘 |
枯損木に寄生するマツノマダラカミキリ幼虫は6~8月枯損木に多い。被害地、無被害地でキツツキ類の調査を行い、両者ともにコゲラ、アカゲラの生息が確認された。樹洞性巣箱はキツツキ類以外にシジュウカラ、ヒガラにより利用されていた。マダラカミキリ幼虫に対する拮抗生物としてのキイロコキクイムシを大量捕捉するのに適した時期は4月中旬から9月中旬であり、その間に3回の発生期がある。ボーベリア菌付与キイロコキクイムシを媒介者としての、材内マツノマダラカミキリ幼虫ボーベリア菌罹病率は、樹皮下幼虫で63%、材内幼虫では44%だった。 |
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6号(1992年) |
落葉広葉樹林帯における有用広葉樹の開花結実特性に関する調査(pdf形式5,942kb/15ページ) |
奥村俊介・大木正夫 |
林業総合センター構内でシラカンバ、コナラ、ケヤキ、ミズキ、ホオノキを対象に調査した。 シラカンバ、コナラ、ケヤキの開花期は5月中旬で、ミズキ、ホオノキは5月下旬から6月上旬だった。これらの種子落下最盛期は10月といえた。主な種子落下範囲は、シラカンバで樹高を半径とする範囲、コナラ、ミズキは樹下といえた。コナラ、ミズキの種子稔性は落下最盛期の種子が高かったが、シラカンバ、ケヤキは特定のピークを持たなかった。シラカンバは連年結実種と判断できたが、他は不明だった。 |
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5号(1989年) |
コナラ二次林の萌芽更新と成木林肥培(pdf形式5,210kb/13ページ) |
片倉正行・奥村俊介 |
秋に伐採した切り株から発生した萌芽は、3年間で高さ130cm、株当たり本数14本となった。 伐採1年後の萌芽整理は、萌芽成長を促進しなかった。施肥は萌芽成長を促進した。伐採株の樹皮下及び萌芽の随に侵入するカミキリムシ類が株枯損等の甚大な被害を与えた。20年生前後の林冠閉鎖したコナラ林に、N100kg/ha及び50kg/ha施肥を3年間継続したが成長促進効果は見られなかった。この原因は林分密度が高く、葉量増加が得られなかったためと推定され、肥料効果発現には胸高断面積合計10.0m2/ha以下の低密度が必要と考えられた。 |
5号(1989年) |
ケヤキ人工林の成長(pdf形式3,875kb/9ページ) |
片倉正行・奥村俊介 |
林齢26~140年生のケヤキ林を調査した。 樹高最大値は45年生21.9m、胸高直径最大値は140年生49.4cmだった。単位面積当たりの最大胸高断面積は40m2/haと推定した。生産力の低い立地では、幹曲がりや双幹木が多かった。幹の心材率は、30年生、樹高16m、胸高直径16cmの立木で約50%だった。辺材の厚さは2.0~4.4cmで、幹高8.0mまではほぼ同じ厚さを示した。林分密度、樹高、胸高直径の成長曲線を明らかにした。 |
5号(1989年) |
松の年越し枯れ等新症状を踏まえた被害拡大防止技術の開発(pdf形式3,693kb/9ページ) |
小島耕一郎・奥村俊介 |
松くい虫被害林分で被害木を全て搬出し続けたところ、新規被害発生は著しく低下するか無くなった。マツノマダラカミキリの材内幼虫に対してカーバム剤(1m3/0.5L)の燻蒸で駆除効果が認められた。除間伐木を放置してもマツノマダラカミキリの増殖源とならない伐採時期はなかった。 |
5号(1989年) |
林業総合センタ-構内の植物(pdf形式12,872kb/42ページ) |
大木正夫 |
出現した植物は、5門、9綱、49目、120科、465属、848種、4亜種、24変種、27品種、1園芸種で、これらについて植物目録を作成した。 特筆される自生種として、クマノミズキ、ナンキンナナカマド、ニッコウマイズルソウ、スズラン、オニノヤガラ、ジガバチソウ、ヒトツボクロ、白花のヤエウツギがあげられた。 |
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4号(1988年) |
林地貯水能の定量化に関わる因子の測定・分析に関する試験(pdf形式2,868kb/7ページ) |
片倉正行 |
スギ林、ヒノキ林及びカラマツ林の貯水能は、草原のそれより明らかに大きかった。 樹種比較すると、貯水能(粗孔隙量)は、スギ>カラマツ>ヒノキという順に低く示され、土壌透水性もこれに類似する傾向を見せた。落葉層の供給・分解速度などから、先の差について検討したが、十分な説明はできなかった。今後、土壌動物あるいは化学性からのアプローチが必要と考えられた。 |
4号(1988年) |
スギ・ヒノキ穿孔性害虫被害の防除技術に関する総合研究 -スギノアカネトラカミキリによるスギ立木被害の実態とその対策-(pdf形式16,286kb/41ページ) |
小島耕一郎・三原康義・吉野安里・橋爪丈夫・吉田孝久・武井富喜雄・奥村俊介 |
スギノアカネトラカミキリによりスギ立木に発生するトビクサレ被害は県北部に多かった。 被害は20年生頃から始まり、加齢により被害程度が大きくなる。樹皮型、チョークタケの着生有無、枯れ枝の多少など、外観的特徴から被害発生推定を行うことはできなかった。被害発生と自然環境の間に相関は認められなかった。被害部は加害後20~30年間は、材変色(暗赤色)にとどまるが、これ以上になると腐朽が始まる。枝打ちにより被害発生を軽減できた。市売り市場における被害材の混入率は落札価格に影響していなかった。被害材の強度は健全材と差が無く、建築基準法施行例規定の材料強度225kg/cm2を満たしていた。製材の外観変色率が5%を超えると曲げ強度に劣化がみられた。 |
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3号(1987年) |
長野県のコナラ・クヌギ林の成長と心・辺材及び樹皮厚(pdf形式2,038kb/6ページ) |
片倉正行 |
コナラ立木の樹高、直径と樹齢の間ならびに心材直径と皮内直径の間に高い相関がみられた。心材はコナラで直径4cm、クヌギで6cmから認められた。辺材の平均厚はコナラ2.1cm、クヌギ2.6cmだった。樹皮厚は直径と相関し、コナラの樹皮厚は直径の4%、クヌギでは6%だった。 |
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2号(1987年) |
カラマツ構造材生産の施業技術に関する研究 -カラマツの立地条件と生長について-(pdf形式3,665kb/9ページ) |
武井富喜雄・片倉正行 |
長野県には広くカラマツ人工林が分布する。これらカラマツ林における効率的な構造用材生産技術構築を目標として、民有林150林分で調査を行い、地位指数スコア表を作成した。 地位指数に大きな影響を与えた因子は、土壌型、土性、石礫、腐植などだった。マイナス要因は土壌の乾性、土壌の緻密性、浅い土壌深度ならびに高標高だった。 |
2号(1987年) |
寒冷地方におけるアカマツ枯損動態に関する研究(pdf形式6,744kb/16ページ) |
小島耕一郎・奥村俊介 |
長野県のマツ材線虫病は昭和56年に木曽郡山口村で発見され、62年には18市町村に被害が拡大している。 被害は、標高700m以下、年平均気温10℃以上の場所で発生している。被害は通年的に発生している。当年枯れは8月に発生し始め、多くの枯損は9月以降となる。年越し枯れは感染翌年の3月~8月に発生し、11月に及ぶ場合もある。枯損木から検出されるマツノマダラカミキリは樹冠上層部の枯れ枝や幹の中上部で多い。マツノマダラカミキリの発生期間は6月中旬~9月上旬で、最盛期は7月である。幼虫穿入孔数に対する成虫の羽化脱出率は6~53.9%だった。マツノマダラカミキリ蛹室上壁は材表面から約20mmの深さに存在し、成虫の脱出孔直径は約6mmだった。 |
2号(1987年) |
山腹急傾斜地の緑化に有効な基礎工に関する研究(pdf形式2,348kb/6ページ) |
大木正夫 |
山腹基礎工施工地20か所で調査を行った。 山腹工の多くで工作物の破損はみられず、斜面安定が進み、緑化も進行していた。補助工として木質資材を使用する場合は耐久年数が短いので、緑化植物の成長促進として追肥や追播などが必要である。水路工の適正配置がなされないと溢水により土砂移動が発生し、緑化不良になる例があった。 |
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1号(1986年) |
なだれ防止林の造成に関する研究(pdf形式2,879kb/7ページ) |
大木正夫 |
施工後1~30年が経過した、なだれ防止林39か所(小谷村、飯山市、鬼無里村)で調査を行った。 階段工、柵工の施工物に破損は見られなかった。なだれ防止林造成用樹種にはスギが多く使用され、タニガワハンノキの混植もみられたが、植栽後の保育管理が不十分で、植栽木がススキ、ヨモギに被圧されていた。これらで試験的に下刈りを実施したが、不成績林地となる可能性が高かった。 |
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