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更新日:2023年1月30日

水産試験場

信州サーモンについてのQ&A

信州サーモンQ&A

Q:信州サーモンって、バイテク技術で作ったって聞いたけど、安心して食べられるのかしら?

A:バイオテクノロジー ( biotechnology :生物工学)にもいろいろな種類があるんじゃよ。一般的なイメージだと、ある生物にまったく違う生物の遺伝子を導入するという遺伝子操作が思い浮かぶが、信州サーモンは遺伝子操作ではなく、染色体操作によって作られておるんじゃ。
 信州サーモンはニジマスとブラウントラウト(ヨーロッパ原産の鱒)を掛け合わせた品種で、バイテクによって染色体のセットを普通の魚より1セット多い3セット持たせておるんじゃ。染色体は、両親のニジマスとブラウントラウトが持っていたものなので安心して食べらるんじゃよ。

   

Q:人工的に作った魚が自然界に出たら、生態系に影響があるんじゃないですか?

A:信州サーモンは、養殖専用の品種として作り出されたんじゃ。水産試験場から養殖業者へ信州サーモンの稚魚を出荷する際には「絶対に自然界へ出さないこと」を約束してもらっておるよ。
 万が一養殖場から逃げ出した場合の影響として、(ア)野生の魚と餌の取りあいになること、(イ)信州サーモンは成長が早く大型になるので小さな魚を食べてしまうこと、が考えられるが、信州サーモンは卵を持つことができないので、川などの自然界で子孫を残すことはできないんじゃ。したがって、万が一逃げ出してもその影響は小さく、しかも一代限りなんじゃよ。

   

Q:信州サーモンは"色揚げ"で肉を赤くしてると聞きましたが、何となく人工的な感じがするのたけど・・・

A:天然のサケやマスの肉の赤い色は、オキアミなどの餌に含まれるアスタキサンチンという色素によるものでな、養殖魚でも、餌にアスタキサンチンを混ぜることで天然魚と同様の赤い肉になるんじゃよ。
 飼料にアスタキサンチンを添加することは、食品安全委員会の食品健康影響評価で安全性が確認されておるんじゃ。信州サーモンだけでなく、国内外で養殖されているサケ・マス類に広く使われておるよ。
 アスタキサンチンには高い抗酸化作用があり、サプリメントや化粧品として多くの製品が販売されてもおる。

(食品安全委員会:国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の下に、規制や指導等のリスク管理を行う関係行政機関から独立して、科学的知見に基づき客観的かつ中立公正にリスク評価を行う機関)

   

Q:お刺身で食べるのは寄生虫が心配よね・・・

A:信州サーモンの飼育環境は、寄生虫との接点がないので寄生虫がつく心配がなく、安全じゃよ。淡水で養殖されるマス類に関しては、これまでに6,300件もの検査を行っておるが、寄生虫が見つかったことはないんじゃ。

   

Q:養殖魚は、お薬をたくさん使っているイメージがありますが安全なの?

A:養殖場では、魚が病気にかからないように厳重に魚の健康管理をしておるんじゃ。それでも病気にかかってしまった場合は、法律で認められた医薬品を適正に使用し、使用した場合には、使用記録をつけ、その医薬品の種類ごとに決められた休薬期間(薬を使用しない期間)を経過した安全な魚だけが出荷されておるんじゃよ。
 近年は、ワクチンの開発等により医薬品の使用は少なくなっており、養殖業者は公的な検査機関に依頼して医薬品の残留について検査をしておるんじゃ。

 

Q:「信州サーモン」って、サーモンて名前がついているけど「サケ」なんですか?

A:そうじゃなぁ、サーモン(salmon:日本語訳はサケ)というと海に下るもの、トラウト(trout:日本語訳はマス)というと淡水にすむものという印象が強いなぁ。じゃがなぁ、英語でも日本語でもきちんと区別して使われているわけではないんじゃ。
 たとえば、湖にすむヒメマスは英語でコカニーサーモン(Kokanee salmon)と呼ばれておるし、海に下るサクラマスやカラフトマスはマスサーモン(Masu salmon)、ピンクサーモン(Pink salmon)と呼ばれ、洋の東西を問わず、サケとマスは厳密に区別されていないのが実態じゃよ。
 学問的にはニジマスはギンザケやベニザケと同じサケ科太平洋サケ属の、ブラウントラウトはアトランティックサーモンなどと同じサケ科大西洋サケ属の魚なんじゃ。そして、「信州サーモン」は、サケに負けない大きさで、その身体が銀色で美しいこと、身の紅色とあいまってサーモンという名が付けられたんじゃ。まぁ、言ってみれば愛称、ブランド名じゃな。もちろん、一般に販売される場合は、「ニジマス×ブラウントラウト(交雑種)」と表示されるんじゃよ。

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所属課室:長野県水産試験場 

長野県安曇野市明科中川手2871

電話番号:0263-62-2281

ファックス番号:0263-81-2020

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