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更新日:2024年1月19日
野菜花き試験場
野菜花き試験場ではそばの新しい品種の育成や、栽培技術の改良、開発を行っており、そばは収穫して収量や容積重などの特性を調査します。その後、子実の表面のそば殻を取り除く作業を行います。すると、そばの実は淡い緑色をした「丸抜き」になります。
収穫して間もないそばの丸抜きは淡い緑色ですが、収穫から時間が経つと緑色はくすんでしまい、麺も緑色が抜けて、コンビニエンスストアやスーパーで見かける灰色っぽい麺になります。そのため、そば打ち職人や製粉、製麺業者は丸抜きの緑色が鮮やかな原料を、新鮮なものとして求めるのです。こうした要望に応えるため、12月から1月にかけて、そばの実を丸抜きにして、その緑色の程度を調査しています。
丸抜きを作るためには、専用のそば脱皮機を用います。そばの実を加速してプラスチックの壁にたたきつけ、そば殻を割る仕組みです。こうして得られた丸抜きは色彩色差計という機器で色を計測し、緑色が鮮やかな品種を選抜するのです。
そうした取り組みにより、野菜花き試験場では日本の主要なそば品種のなかで丸抜きの緑色が最も鮮やかな品種を育成しました。それが「長野S11号」で、2014年に誕生した信州そばの新ブランド、「信州ひすいそば®」を担う品種です。「長野S11号」から作られたそばは鮮やかな緑色をしており、宝石のひすいになぞらえ、ひすいそばと名付けられました。緑色の鮮やかさを表すa*(エースター:色を数値化する表色系の一種で、数値が小さいほど緑色が鮮やか)は、長野県の主力品種「信濃1号」の丸抜きの-1.6に対し、「長野S11号」は-4.5と、3ポイントも数値が小さく、緑色が鮮やかです。
そば脱皮機
色彩色差計
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