ここから本文です。
更新日:2022年12月16日
水産試験場
こんにちは。 外来生物(がいらいせいぶつ)が問題になっているって聞いたことがあるけど、魚にも外来生物っているんですか? |
|||||||
外来生物は昔からその地域にすんでいなかった生き物で、人間がもちこんだものをこう呼んでるよ。外から来た生き物という意味だね。
魚にも何種類か外来生物がいて、外来魚(がいらいぎょ)って呼ばれているんだよ。 |
|||||||
へぇ~、どんな種類がいるの? | |||||||
ブラックバスやブルーギル、他にみんなも食べたことあるニジマスも外来魚なんだ。 | |||||||
問題になってるのは、何でなの?。 | |||||||
外来魚のすべてが問題になってるわけじゃないんだ。生き物たちの社会、これを生態系(せいたいけい)というんだけど、昔からそこにすんでた生き物たちが長い時間をかけて築き上げたものなんだ。湖や川にも独自の生態系があるんだよ。 そこに外来魚が入ってくると、それまでの生態系が壊れてしまうことがあるんだ。 |
|||||||
ふ~ん。ブラックバスとブルーギルは釣ったことがあるよ。 | |||||||
わたしは、どっちも見たことないな。 | |||||||
じゃあ、ブラックバスとブルーギルがどんな魚なのか見てみよう。 |
|||||||
写真の左側がオオクチバス、右側がコクチバスだよ。 オオクチバスは頭から尻尾にかけて黒いしまもようがあって、コクチバスは背中からおなかにかけてのしまもようがあるよね。 それにオオクチバスは目の後ろまで口があるけど、コクチバスは目の下までなんだ。これがオオクチ(大口)とコクチ(小口)という名前の由来になっているんだよ。 場所にもよるけど3年で30cmくらいになるよ。最大では60cmになるといわれてるよ。オオクチバスは流れのない場所、コクチバスは流れがない場所にも、流れのある場所にもすんでるよ。 |
|||||||
ブルーギルもブラックバスに近い仲間の魚で、北アメリカに住んでいたんだ。 ブラックバスより体高があって平べったい魚で、流れのない池や湖にすんでるよ。 えらぶたに濃い青のもようがあるよね。青は英語でブルー、えらはギルというので、青いえらの魚という意味から名づけられたんだ。 大きさはブラックバスより小さくて最大でも25cmくらいといわれているよ。よく見かけるのは15cmより小さいサイズが多いよ。 |
|||||||
生態系が壊れるって、日本の魚とちがうのかな? | |||||||
そうだね。日本に昔からいた魚ブラックバスとブルーギルには、日本に昔からいた魚とはちがう性質があるよ。
ブラックバスとブルーギルで共通するのは、すごく増えやすいってことなんだ。どちらも湖や川の底に産み付けた卵やふ化した子どもを他の魚に食べられないようにオスが守るんだ。 |
|||||||
たくさんの子どもが育ったら、食べるえさがなくなっちゃうよ。 | |||||||
いいところに気が付いたね。ブラックバスとブルーギルのえさを見てみよう。 |
|||||||
ブルーギルは雑食性でプランクトンや昆虫、他の魚の卵や稚魚(ちぎょ)を食べるよ。食べ物がなくなったら水草なんかも食べて生きのびることができるんだよ。
|
|||||||
たくさん増えたブラックバスやブルーギルがえさを食べたら、他の生き物がいなくなっちゃうね。生態系がこわれるってそういうことかぁ。 | |||||||
小さな池でブラックバスやブルーギルが増えてしまうと、残るのはブラックバスの口に入らないくらい大きなコイやフナしかいなくなっちゃうんだ。大きな湖でも小魚が減ったり、いなくなってしまう種類もいるよ。 これでは困るので、漁業協同組合(ぎょぎょうきょうどうくみあい)の人や地域の人たちがブラックバスやブルーギルの駆除(くじょ)をしているよ。水産試験場でも調査をしたり、駆除技術の研究をしているんだ。 |
|||||||
ふ~ん、たいへんなんだね。僕たちはどうすればいいの? | |||||||
そうだね。まずはブラックバスやブルーギルがすむ湖や川をこれ以上増やさないために「生きたまま持ち出さない」「他の場所から持ち込まない」ことを守って欲しいな。これは外来生物法(がいらいせいぶつほう)という法律で禁止されていることなんだよ。他の種類の魚を川や湖に放流したいときも、放流しても問題がないか、学校の先生や水産試験場にきいてみてね。
|
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください