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更新日:2022年12月16日
水産試験場
この前、近所のおじさんが「アユをたくさん釣ったから」って持って来てくれたの。 塩焼きで食べたけど、いい匂いがしてとってもおいしかった。 |
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僕も知ってるよ。7月になるとアユを釣る人たちで突然川がにぎやかになるよね。でも、秋になると釣りをする人がいなくなるなぁ。アユは夏にしか釣れないの? | ||||
よく見てるねぇ。アユは「年魚(ねんぎょ)」とも呼ばれていて、1年しか生きられないんだよ。毎年、秋になると親は卵を産んで死んでしまうんだ。 | ||||
えっ! 1年しか生きられないの。なんだか、かわいそう。 | ||||
それはアユのエサと関係しているんだよ。 水の中にある石の表面は少しヌルヌルしているよね。さわったこと、あるかな?あれは「ラン藻(そう)」や「ケイ藻(そう)」という小さな植物がついているからなんだけど、アユはこの石の表面についたラン藻やケイ藻を食べているんだよ。 |
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それと1年しか生きられないことと関係があるんですか? | ||||
ラン藻やケイ藻は、植物の仲間なので、夏になって水温が高くなるとラン藻やケイ藻もよく育つんだ。畑のキャベツやレタスと一緒だね。反対に、冬になって水温が下がるとラン藻やケイ藻がほとんど育たないんだ。冬の畑ではレタスとかの野菜がとれないよね。冬は食べ物がなくなっちゃうから生きていけないんだ。 | ||||
ウグイやニジマスを釣るときにはミミズとかをエサにするけど、アユ釣りのエサはレタスとかでいいの? | ||||
いやいや、レタスは食べないよ。 |
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体当たりするなんて、アユって怒りっぽいんだね。 冬はラン藻やケイ藻がなくなるけど、秋に生まれたアユの子どもは冬の間何を食べているの? |
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アユは海に近い河口で卵をうみ、卵からかえった子どもはすぐに海まで行って、海の中のプランクトンを食べないと生きていけないんだ。 残念だけど、長野県の川では卵をうむことはないんだよ。 |
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でも、毎年夏にはアユ釣りをしているよね。あのアユはいったいどこからくるの? | ||||
海に近い新潟県や静岡県では、冬の間に海で育ったアユが春になると川へもどってくるんだ。でも、長野県は海から遠いし、途中にダムがあったりして海からアユが上がってくることが出来ないんだ。 長野県の川では毎年アユ釣りができるように、春になったらアユの子どもを川に放流しているんだよ。ほかの県でも川にたくさん放流するし、海から上ってくるアユは少ないので、新潟県や静岡県でもアユを育てて放流しているんだ。 長野県では、水産試験場の諏訪支場が川ヘ放流するアユの子どもを育てているんだよ。ここでは卵のときから5cmくらいの大きさになるまで育てて、その後、養殖(ようしょく)業者の人に10cmくらいまでおおきくしてもらってから川ヘ放流するんだよ。 |
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大人がおおぜい一生懸命やるんだから「友釣り」って面白いんだろうな。僕もやってみたいなぁ。 じゃ私は、おいしい「アユの塩焼き」を待ってるわ! |
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