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更新日:2022年12月16日
水産試験場
こんにちは。今日は、カジカを紹介します。 さっそくだけど、向こうの円型水槽(すいそう)にカジカがいるから見に行こう。 |
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わぁー、いるいる!! かわいい顔をしているね。 カジカってどういう魚なんですか? |
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カジカの仲間には多くの種類がいるんだけど、海にいるカジカは大きくて、川にいるのは小さいんだ。 頭が大きいのが特徴だよ。 |
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へぇ~、カジカって海にもいるんだ。 | ||||||
そうなんだ。カジカは海にもいるんだよ。 海のカジカの中で最もおいしいと言われているトゲカジカは全長70cmにもなるんだ。このカジカは、おいしくて鍋(なべ)にすると底まで箸(はし)でつついて食べるので、しまいには鍋を壊すという意味から、別名"鍋壊し(なべこわし)"なんて呼ばれているんだ。 でも、長野県の川にいるカジカは全長で15cmぐらいと小型なんだよ。 |
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川にいるカジカは、どんなところにすんでいるんですか? | ||||||
カジカはね、水のきれいな川にしかすめないんだ。だから、水の汚れはもちろん川の形などが変わって、すみかとなる浮石(うきいし:一部が川底から離れていて、下を水が流れている)なんかが泥や砂、小石などにうまったりするとカジカはどんどん減っちゃうんだよ。 そうなると、すみかにできるようなきれいな環境が残っているところや渓流(けいりゅう:川の上流の部分で、少し流れがはやいところ)などに追いやられていってしまうんだ。 |
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川の環境って大事なんだぁ。水のきれいなところで育つんですね。 カジカっていつ、どこへ卵を産むんですか? |
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カジカが卵を産むのは、春の早い時期なんだ。卵を抱いたカジカをとることはカジカを減らすことにつながるので、長野県では漁業調整規則(ぎょぎょうちょうせいきそく)というきまりを作って、3月1日から5月15日までの期間、カジカをとることを禁止して保護しているんだよ。 メスは、1回の産卵で200粒ぐらいの卵を大きな石の下の方に、かたまりにして産みつけるんだ。卵は黄色で大きさは直径3mmぐらいあるんだよ。 そのあとオスはメスにかわって卵を守り、卵がふ化するまでじっと待っているんだ。 |
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ふ~ん、お父さんががんばって子育てするんですね。 ところでカジカって、体がヨシノボリのようなハゼに似ているんだけど、どこで区別するんですか? |
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昔、県内のある地区でカジカと間違えてヨシノボリ(ハゼ科)を飼っている人を見かけたことがあるけれど、確かに似てるよね。 でも、区別は簡単なんだ。ハゼの仲間は左右の腹びれが合わさって吸盤状(きゅうばんじょう)になっているけれど、カジカは左右に分かれているんだよ |
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カジカを飼っているっていうのは、あまり聞いたことがないけど難しいんですか? | ||||||
カジカを食べる石川県金沢の「ゴリ料理」(佃煮やお刺身、唐揚、白味噌仕立てのゴリ汁などの料理)は有名だけど、カジカを養殖(ようしょく)して増やすことは決してたやすいことではないんだ。 県内でもカジカの養殖に取り組んでいる人はいるけれど、商売としては難しいのが現状だよ。 |
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どうやって養殖するかという技術はほぼできているんだけれど、子どものうちは、病気にかかりやすいので、親まで育てるのはすごく難しいんだよ。 それに、育てる水は、川の水でもいいんだけれど、湧き水や地下水の方がいいんだな。 |
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川にいるカジカを増やすにはどうしたらいいんですか? | ||||||
カジカがすめるように、そして、安心して卵を生んで育てられるように水辺の環境を守ったり、そういう環境に改善することによって、自然に増やしていくのが一番望ましいと思うよ。 | ||||||
それから、お父さんやおじいさんから「昔はたくさんとれて、食べるとすごくうまかった」って話を聞いたことがあるかもしれないけれど、今はとって食べるというより、ふるさとの川にカジカをよみがえらせて、地域の人たちの手で川を守り育てようという動きもあるんだよ。 カジカは、ホタルなどとともに水辺の環境をきれいにするシンボルでもあるんだ。 |
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ふ~ん、確かにおじいさんから「昔はカジカがたくさんいた」って聞いたことがあるよ。こんど、家のそばを流れる川にカジカがいるかどうか、観察してみようっと。 カジカのすめる川づくりについても勉強してみようよ。また、分らないことがあったら教えてくださいね。今日はどうもありがとうございました。 |
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