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更新日:2020年1月27日
環境保全研究所
「山と自然のサイエンスカフェ@信州」(略称“山のサイカフェ”)は、当研究所の研究員が、信州の大きな特色と魅力の源である“山と自然”に関する話題を提供し、参加者のみなさまとともに気軽に語り合うというイベントです。
ここでは、平成30年度の開催の様子をお伝えします。
平成30年度(2018年度)の開催日程
回 | テーマ | 開催日 | 備考 |
---|---|---|---|
第1回 | サトイモ科植物と昆虫の切っても切れない縁 | 5月24日(木曜日) | 開催済み |
第2回 | 高山植物のホットスポットはどこ? | 6月21日(木曜日) | 開催済み |
第3回 | 花咲く山とマルハナバチ | 7月12日(木曜日) | 開催済み |
第4回 | 9月13日(木曜日) | 開催済み | |
第5回 | 信州の自然の恵みとしての食文化をさぐる | 10月30日(火曜日) | 開催済み |
第6回 | 古民家は何の木でつくられているか? | 11月30日(金曜日) | 開催済み |
第7回 | 今年の自然を振り返る2018 | 12月20日(木曜日) | 開催済み |
第8回 | 冬のニホンジカ~分布最前線での過ごし方~ | 1月30日(水曜日) | 開催済み |
会場:ステーションビルMIDORI長野「りんごのひろば」
本年度の最後となる第8回目(通算第42回)の「山と自然のサイエンスカフェ@信州」では、積雪地に分布を広げるシカたちの越冬生態に自動撮影カメラで迫りました。たくさんの方のご参加、活発な意見交換をありがとうございました。
山カフェ「冬のニホンジカ」チラシ
栂の森のオスジカの写真
山カフェ「冬のニホンジカ」発表風景
第7回目(通算第41回)の「山と自然のサイエンスカフェ@信州」では、長野県の自然環境について、この一年を振り返りました。たくさんの方のご参加、活発な意見交換をありがとうございました。
山カフェ「今年を振り返る」チラシ
クリスマスの装飾もキレイでした。
スライドで映し出されているのはカクネ里氷河の動画
第6回目(通算第40回!)の「山と自然のサイエンスカフェ@信州」では、古民家をめぐる山林資源の伝統的な利用のあり方を自然科学の視点から探りました。たくさんの方のご参加、活発な意見交換をありがとうございました。
前回の「食」文化に引き続き、今回は「住」についての講演になりました。「今までにはない新しい視点からのテーマでとてもおもしろかった」「積雪に強い橅が使われていると言うことで、雪の多い地でのまさに適材適所であると感じた。一概に雪の多い地で同じ材が使用されるわけではないことも大変興味深かった」「古民家に住みたくなった」などの感想をいただきました。
山カフェ「古民家」チラシ
発表風景
第5回目(通算第39回)の「山と自然のサイエンスカフェ@信州」では、里山の保全への活用が期待される信州の野生生物を用いた食文化の価値について語り合いました。たくさんの方のご参加、活発な意見交換をありがとうございました。
信州の野山の動植物を用いた食べ物やその役割、他県との比較から見えてくるその特徴、世界における信州の食文化、里山保全への活用などについてお話しました。会場のみなさまからは、食材となった生き物、現在の里山と食文化の関係、昆虫食の課題などについて、さまざまなご質問をいただきました。身近にある、野山の動植物を用いた食べ物を見直すきっかけになりましたら幸いです。
田の神祭りにお供えされる朴葉巻。
ホオノキ(モクレン科)の葉を利用
信州の昆虫食、ザザムシ
(食用となる水生昆虫の幼虫の総称)
今年度4回目(通算第38回)の「山と自然のサイエンスカフェ@信州」では、信州大学教育学部エコキャンパス委員会の協力を得て、地質時代チバニアンと信州との深い関係について語り合いました。たくさんの方のご参加、活発な意見交換をありがとうございました。
昨年このテーマをリクエストしてくれた小学生が今回も参加してくれており、当日もユニークな質問をしてくれました。参加された方々は、説明と質疑応答を通して、これまでニュースで聞いたことはあるけれどもよくわからなかった「チバニアン」について、納得できた様子でした。そして信州との意外な結びつきを知って驚かれたようです。
信州大学教育学部竹下准教授
当日の発表風景
今年度3回目(通算第37回)の「山と自然のサイエンスカフェ@信州」では、人里や高原、山々などで花を咲かせるさまざまな植物とその送粉者マルハナバチの魅力について語り合いました。たくさんの方のご参加、活発な意見交換をありがとうございました。
花と昆虫の関係、その進化の歴史、人間生活とのかかわり、長野県での20年あまりの調査からわかってきたこと、これからの自然とのかかわりのあり方など、マルハナバチを題材に幅広くお話ししました。会場のみなさまからも、マルハナバチの生態や特定の花とのかかわり、シカや気候変動の影響、ハナバチ類をめぐる文化の国際比較など、さまざまなご質問をいただきました。花を見に野山に出かけるのにも絶好のこれからの季節、花にいる虫たちにも目をむけていただくきっかけになりましたら幸いです。
マツムシソウの花を訪れるウスリーマルハナバチ
当日の会場の様子
今年度第2回(通算第36回)の山と自然のサイエンスカフェ@信州では、夏山登山の季節到来にあわせ、可憐な高山植物について知識を深め、その魅力について語り合う場としました。たくさんの方のご参加、活発な意見交換をありがとうございました。
高山植物についての基礎的な話から信州の山の高山植物ホットスポットの紹介までお話ししました。ぜひ今年の夏は八ヶ岳や白馬岳で高山植物を楽しんでいただきたいと思います。会場からは「気候変動による高山植物への影響に関する研究」などのリクエストをいただきました。信州の高山植物ホットスポットの形成とその将来にわたる保護にまつわる研究をさらに発展させたいと考えています。
ツクモグサ(白馬岳2009年6月25日)
チョウノスケソウ(木曽駒ヶ岳2013年7月17日)
タロイモチップスの試食やタロイモショウジョウバエの顕微鏡観察も交え、15年間の研究内容を熱く話しました。会場からは「ミズバショウの送粉生態も詳しく知りたい」などのリクエストをいただきました。長野県には他にもナベクラザゼンソウなどが分布していますので、保全のための研究を発展させたいと考えています。
中国雲南省のSteudnera colocasiifolia(サトイモ科)
花を訪れるタロイモショウジョウバエの1種
Colocasiomyia steudnerae
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