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更新日:2015年1月5日
長野県知事 阿部守一
皆さん、明けましておめでとうございます。新しい年になりましたが本年もお世話になりますのでどうぞよろしくお願い致します。私の方からは新年の思いということを少しお話ししたいと思いますが、先ほど仕事始めの式でもお話ししたように、県職員には徹底してやり抜く、徹底するということを今年は部局長会議でも仕事始めでもお願いをさせていただきました。いろいろな政策、県として取り組んでいますけれども、やはり県民の皆さんに初めてその政策の効果が実感できてこそ政策を行っているということになるわけであります。成果を上げていこうということも常々県の職員と一緒に目指す行政経営理念の中に位置付け、求めてきているところでありますけれども、単純に数字がどうだということだけではなくて、やっぱり考え抜く、行動できることはしっかりやり抜く、そうした姿勢で私自身も含めて県政に取り組む一年にしていきたいと思っています。
そういう中で政策面では、グローバル、世界的な視点を持った取り組みを一段と進める年にしていきたいと考えています。終戦から70年目という節目の年に当たるわけでありますし、今年のえとの未(ひつじ)は平和を象徴する動物という位置付けで世界的にも親しまれています。そういう中でこれまでの平和と繁栄は、多くの方々の尊い犠牲の上に成り立ってきているということをわれわれ日本人として改めて深く認識する年にしなければいけないと思っていますし、未来に向けては、世界の国々と相互理解、信頼関係、そうしたものをしっかりと形作ることによって、未来志向で協力関係を築いていかなければいけないと思っています。そういう意味で河北省、あるいはミズーリ州と友好提携してきているわけでありますけれども、未来へ向けてこの友好協力関係をさらに深めると同時に、さまざまな具体的な取り組みを発展させる年にしていきたいと思っています。県の政策を考えたときにも、観光はもとより、これからインバウンドをいかに拡大していくかということが中心のテーマになってまいります。また、青少年の関係でも教育旅行、学習旅行、これも民間の皆さん、「ほっとステイ(農村体験)」をはじめとして多くの皆さんの力で、長野県は拡充してきたわけでありますけれども、こうしたものも長野県にしっかりと根付かせていかなければいけません。さらには、ものづくり産業、製造業はもとより世界の中で戦っているわけであります。昨年ボーイング社にも訪問させていただきましたけれども、環境エネルギー、健康医療、そして次世代交通、こうした長野県の目指すものづくりの姿も世界の枠組みの中でしっかりと位置付けられる形にしていかなければならないと思っています。加えて農業や林業、農業も農産物の輸出についてしっかりと視点を定めて取り組んでいかなければいけませんし、林業もオーストリアとの交流をさらに深める中で産業として離陸させていかなければいけないと思っています。こうしたもろもろの視点も込めてグローバルな社会、国際社会の中で長野県の在り方というものをいま一度しっかりと考え、そして世界に貢献する長野県というものを具現化していく、そうした年にしていきたいと考えています。
その他、災害からの復旧・復興、これは年末年始に木曽、大町・北安曇地域を個人的に訪問させていただきましたけれども、まだまだ災害の影響が極めて大きいと私としては受け止めています。被災地の皆さんの思いをしっかりと共有しながらさらなる復興に全力をあげていく年にしていかなければいけないと考えております。まずは観光をはじめとして、被災地の落ち込んだ経済・産業をまずは元のとおりに戻していく、そしてさらに地方創生の中でこうした被災地がより今まで以上に元気な地域になるように取り組んでいきたいと思っています。加えてこうした災害の教訓を踏まえて、長野県全体を安全な県にすべく防災・減災対策に取り組んでいきたいと思います。
それから地方創生、昨年の仕事始めの時にはえとの60周年の後半30年のスタートの年だということを申し上げて、ただこれまでの延長線上ではいけないということを職員にお願いしたところであります。日本は戦後、経済発展には成功したわけではありますけども、しかしながらここしばらくの状況を見ると、新しい目標をなかなか定められずに、かつての経済発展を目指すメンタリティのままに来てしまっていると思っています。まさに地方創生というのはこれまでの日本社会の在り方を大きく変えていく転機にしなければいけないものだと思っています。地方で育った人材が東京・大都市に集中して、そこで産業経済で活躍するモデルを、これからは過去のモデルにしていかなければいけないと思っています。価値観が多様化する中で、東京に行って、大学に行って、大企業に就職して、そして世界に羽ばたくというようなモデルではなくて、長野県を含めたそれぞれの日本の地域がそれぞれの個性や強みを生かして人をひきつけ、そしてそれぞれの地域が世界と直接つながって発展していく、そうしたモデルに変えていかなければいけないと思っています。そういう観点で雇用の場づくり、新しいライフスタイルの実現、さらには昨年末に子育て支援戦略を策定致しましたが、子育て支援の充実をはじめとする少子化対策、人口定着対策、こうしたものに全力で取り組む年にしていきたいと思っています。何度もこの場でも申し上げていますけれども、大都市で仕事をした経験からすると、実は足腰が強い地域は、今回の神城断層地震の中でもまさに具現化したと思いますけれども、やはり地域の底力があるのは大都市よりも実は農山村であると私は確信しています。こうした長野県の強みをさらに生かして足腰の強い長野県づくりに取り組んでいきたいと思っています。そして、産業構造の転換ということも「しあわせ信州創造プラン」で謳(うた)っているわけであります。「貢献と自立の経済構造への転換」ということで、これまでの産業分野から新しいライフスタイルを楽しむ時代への転換、そして人口減少社会の中で、安心して暮らすことができる社会をつくるための産業構造へと転換をしていくということが必要だと思っています。そういう意味で、長野県の強みである観光であるとか、農業・林業、こうしたものにもう一回しっかりと光を当てて取り組んでいく必要があると思いますし、さらには医療や福祉、あるいは文化やスポーツ、こうした分野をしっかりと強化することによって、雇用の場としても伸ばしていくということが求められていると考えています。昨年来、長野県の強みを強化しようということで山の日の制定でありますとか、あるいは美しい信州ということで、ふるさと信州風景百選の選定をはじめとする景観づくり、さらにはオール信州健康イニシアティブでの健康づくりのさらなる強化と、こうしたことに取り組んできていますし、銀座NAGANOもオープン致しました。ただ、まだまだこの長野県の強みを生かそうという取り組みは緒についたばかりという認識であります。長野県の強みを一層伸ばすことによって多くの人から魅力を感じてもらうことができる、そして長野県に住んでいる私たちが誇りを持てる長野県づくりに全力を挙げていきたいと考えています。ぜひ今年一年、昨年と違って災害がない平穏な年であるように心から願っておりますし、われわれ行政としては県民の皆さま方のご協力をいただく中で、しっかりと前を向いて県政を進めることによって、安心して暮らすことができる長野県づくり、そして将来に希望を持って暮らすことができる長野県づくりに取り組んでいきたいと思っています。新年の会見として私の思い、そしてこうした県づくりへの決意ということで述べさせていただきました。どうか今年一年間、メディアの皆さま方にもいろんな形でお世話になるかと思いますがどうかご協力のほどお願い申し上げたいと思います。私からは以上です。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
本年もよろしくお願いします。1点は先ほどからキーワードとして挙げてらっしゃった、徹底する、やり抜くというお話に関してなんですけれども、先ほどの仕事始めの式の中では一度始めたことをやり抜くとか、それから継続を強く意識してほしいというようなお話もありました。例示として災害への対応等をあの場では挙げられましたけれども、県政の全体状況からしますと4月以降新年度には5か年計画が真ん中の折り返しの年を迎えます。当然、数値目標など挙げてらっしゃることもありますから、そうしたものの検証をしてさらに後半に向けて引き上げるものもあればさらに取り組みを強めるものもあると思います。そうした全体状況、県の総合5か年計画との関連もあっての先ほどのようなお話だというふうに受け止めればよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。当然、「しあわせ信州創造プラン」の実現ということも含めてで、それだけではありませんけれども、とかく行政は予算主義に陥りがちでありますので、しっかりと成果を上げようということで、毎年の予算のポイントの中でも目標を掲げるようにしていますし、今お話のあった「しあわせ信州創造プラン」でも、具体的な目標を掲げているわけであります。そうしたものをしっかりと頭に置きながら、徹底して実行に向けて取り組んでいきたいと思っています。新年できるだけ早い時期に各部局と対話をする中で、今の各部局が掲げている目標の達成状況あるいは課題等について問題意識を共有するようにしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
先ほどの部局長会議の中では県民ホットラインへの対応などを挙げながら、今の、徹底する、やり抜くというようなキーワードの必要性ということをお話しされましたけれども、この年末年始などかけまして、今年の新年の年頭のあいさつの中でそうしたキーワードを挙げられた理由というのは、他にも何かきっかけになった出来事といいますか、考えられたことなどおありなんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。今、お話しいただいた県民ホットライン。実は、私も各部が県民の皆さんの疑問や問題提起にどう答えているのかというのをその都度見ています。その中で感じているのは、先ほど部局長会議でも申し上げたように、やはり徹底して考え抜いた政策であるとか責任を持ってやっているものについては、非常に的確に回答できているけれども、なかなかそうなっていない部分も散見されるなと思っています。やはりこれはあくまでも基本は行政経営理念をどう実現するかということで、県民の皆さま方の幸せの実現と長野県の発展に貢献する県政、どう実現するかという中で、やはり県民の皆さんの期待に応える、信頼を得られる、そうした県政にしていかなければいけない、その基本はやはり私たち、私も含めてですね、県職員一人一人がしっかりと持っている役割、責任、こうしたものを果たしていくことだと感じています。そういう意味で、徹底するということをぜひ今年一年間各職員にお願いしたいと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
分かりました。それからもう1つ別の質問にしたいと思いますけれども、先ほど1つ今年の大きなテーマに挙げられた地方創生なんですが、昨年末から仕事納めの後で1つは政府の総合戦略が出ました。それからもう1つ与党の税制改正大綱がまとまりまして、そちらの中でもふるさと納税の話だとか、それから企業の本社機能の移転に対する優遇であるとか地方創生の観点もかなり出ていたと思います。こうした年末の政府から出てきた地方創生のメニューに対する受け止めと、それから今後、これで県としても来年度には県としての総合戦略を作っていくことが求められます。それに向けてのスケジュールについて、今のところのお考えをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
そうですね、まず受け止めということですけども、良く言えばいろいろなところに配慮が行き届いている。悪く言えばいろいろなことが書き込まれ過ぎている、焦点が明確ではないなという感覚で受け止めています。ただ、これはある意味やむを得ないのかなとも思っていまして、地方創生はまさに国が考えるテーマではなくて、われわれ地方公共団体の側が主体的に考えて取り組むべき課題であります。そういう意味では土俵は用意していただけたのではないかと思っています。そういう意味で、これから私たち都道府県、市町村、そして長野県として、どこまで知恵を出して問題提起をして、それを市町村と一緒になって、あるいは国に働き掛けて具現化していくかということが強く求められると思っています。そういう意味で人口定着・確かな暮らし実現会議で、今、これまで有識者の皆さんのお話を聞いて、一般的な問題意識の共有、意見交換を図ってきているところでありますけれども、できるだけ早期に県としての大きな方向付けをしていきたいと思っています。国においても地方創生の財源措置をご検討いただいていると認識しておりますので、そうしたものを積極的に生かすことができるように県としてもより前倒しで取り組みを進めていきたいと考えております。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
今おっしゃった財源措置の面では9日、政府の方で決定する補正予算案の方にも交付金が、地方創生にも使われる交付金などが盛られるというふうに言われています。それを考えますと、やはり年度内にはある程度大きな方向付けというのは、県としてまとめていかなければいけないというスケジュール感でいらっしゃるんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね、年度内には遅くとも大きな方向付け、当面のものとしては取りまとめていきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
はい。ではよろしくお願いします。
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