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更新日:2024年2月22日
諏訪建設事務所
第7回 砥川流域協議会 要旨 |
日時: 平成15年9月4日(木) 18:30~21:30 |
議事内容および決定事項
【引堤】①福沢川合流点から上流の引堤区間では、今回事務局から提案を受けた護岸法勾配が1:1.0での4つの代替案により、民地への影響を更に縮小することが可能である。したがって、この4ケースを念頭に詳細設計で計画を見直すなど、具体化に向けて取り組んで欲しいということで意見集約した。【河床掘削】①河床掘削により必要となる付替水路の統廃合を検討するには、水利権その他の課題が多く現時点で論ずるのは困難ではないかということで、この流域協議会では問題提起にしておくこととした。②河床掘削の影響や堤防強度を確認するため、工事実施前に地質調査を実施し、必要に応じて地下水対策など配慮することを、事務局から説明を受けた。③木落坂下の砂防堰堤の堆砂除去をすれば、課題である下流部への堆砂も緩和できるのではないかという提案が会員からあり、事務局に対し今後具体化に向けて検討していくべきで あるということで意見集約した。【ワカサギ】①漁業関係者からワカサギの生態や産業として特筆すべきことについて説明を受けた。②ワカサギの遡上には流速、流量及び水深が重要であり、遡上時に維持流量だけは確保できるよう配慮し、具体化に向けて取り組んで欲しいということで意見集約した。
③工事期間中の泥水がワカサギの遡上に影響するので、工事時期や施工方法など関係者と十分協議し、具体化に向けて取り組んで欲しいということで意見集約した。
【護岸形状】①計画区間全川での画一的な護岸形状や護岸積替については、更に検討が必要であるという意見があった。
②区間毎の方針・方策により、護岸構造を検討していくことも必要であるという意見があった。
③次回協議会で会員全員に将来の砥川をどのようにイメージするか述べてもらうこととした。
討議(主な意見)
1)引堤
【堤防構造・付替水路の工夫】
・堤内水路の場合、民家等が川に近接している区間もあり、地理的に困難である。
・医王渡橋から第五保育園付近までは現況川幅で、第五保育園から福沢川までは堤防構造や付替水路の工夫により計画検討されたい。
・計画河床を上げるのは30cmが限度ではないか。また、出来るだけ河床を掘り下げてもらいたいので、堤防構造の工夫が妥当ではないだろうか。
・事務局から提案された4つの代替案については、砥川改修原案の基本方針に沿うものでもあり、この4つの代替案を念頭に詳細設計で見直しなどされたい。
2)河床掘削
【付替水路の統廃合】
・計画が困難であればやむを得ないが、田畑も減少し、将来は取水量も減るのではないか。堤外水路により河床掘削が制限されている面もあり、見直すには良い機会ではないかと考え る。
・水利権の問題もあり、この時点で統廃合は論じ得ないのではないか。水利権者だけで使っている水でもない。農地は減少しているが、やがて休耕田も耕作するようなことも考えられる。
・「使えなくしても良いのではないか?」という意見ではなく、下流の方まで十分に取水できる水路を作ってもらいたい。「水利権をあきらめてもらう」事でなく、使用できる範囲を広げたいという考え方である。
【総合的な土砂対策】
・護岸対策が出来ていないので、土砂を取り除くと護岸が崩れるという説明を以前県から受けている。年間どれだけの土砂が流出するか把握したうえで、対策を考えるということで良いの ではないか。
・木落坂下は、御柱時には観光スポットなどに利用されている。違う場所に専門的に土砂を溜めて除去するような施設を設けてはどうか。 赤渋川と砥川合流点下の堰堤の下の狭窄部を 利用してはどうか。管理道路など施設の問題はあるが。
・木落坂下の堆砂については、御柱は7年に1回なので、御柱を目安に除去すれば良いのではないか。
3)ワカサギ
【維持流量や流速を確保するための工夫】
・最低維持流量だけは確保してもらいたい。今後、砥川、東俣川、横河川などの未開発領域の漁場も視野に入れた維持流量の確保もお願いしたい。
・流量、流速、及び水深が重要であり、例えば降雨量が多く、諏訪湖の水位が上がると、流速が遅くなり遡上が阻害されてしまう。現在は土砂を盛り立てて流速確保に努めている。水深は50~70,80cm程度が最も適する。
・横断根梁の設置をお願いしたい。砥川橋の上で70~80cm位の水位が保てるような場所へ設置できれば、安定した流量が確保できる。
【工事時期中の配慮】
・工事中の泥水がワカサギの遡上に影響する。採卵時期には配慮していただきたいが?
→
現在工事期間については10月から5月を考えている。(事務局)
4)護岸形状
・全区間で護岸工事が必要だろうか?現況を利用できるところはないのか?
また、根固工を施工すると護岸も積み替えなければならないか?
→河床掘削により根入れが十分確保出来なかったり、既設護岸が老朽化などしているため、施工前に根入れなど精査するが、基本的には全区間で必要ではないかと考える。また、現在は帯工で河床安定を考えており、根固工についてはご議論頂きたい。(事務局)
・今までは治水を優先して、少ない投資額で早期に効果発現するように、コンクリートを使い 河川の生態系や自浄作用などを低下させ、河川の周囲の環境へも影響を与えてきた。練張 護岸は景観としては良いが、河川環境としては良くない。
・すべて画一的に考えていないと思うが、2千何百メートル同じものを並べることも必要だが、 親水性が保てる区間、早く流下させなければならない区間などがある。砥川は急流なので石 積が基本だろうが、川幅に余裕のあるところは蛇篭やかご詰めなどを検討してみても良い。
・工事費用はどの工法も同じくらいなのか?
→コンクリート製品を使えば安価になる。自然石は入手が困難な場合は費用も係る。(事務局)
・砥川の特性から強度を最優先することになる。魚類の生息環境への配慮は難しいのではないか。また、築堤の土質には粘土質のものを取り入れて欲しい(砂質ではもろい)。天端まで植生するのか?
→計画高水位までは護岸を積むこととなる。余裕高については、天端道路を車道として利用する場合はコンクリート構造物となる。(事務局)
・砥川の土手は砂利を積み上げたものでもろい。土質改良などは考えているのか?
→今後地質調査した結果、必要に応じて対応を考えたい。(事務局)
5)その他
・砥川はまちづくりとしても重要な位置付けの川であり、画一的な方法で改修することには疑問 がある。
・施工の優先度についても議論する必要があるのではないか?
→詳細設計の中で、流下能力の不足する箇所からどう施工するかを検討することとなるのではないか。(事務局)
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