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更新日:2024年2月22日

諏訪建設事務所

第15回砥川流域協議会

 

第15回 砥川流域協議会 要旨

 

日時: 平成16年6月16日(金)  18:30~22:00
場所: 下諏訪総合文化センター 集会室

 

 

 

 

 

1.決定事項等

①「諏訪圏域河川整備計画は、計画対象期間を20年とし、1/50確率の治水安全度を目標に河川改修計画を盛り込む。また、今回の整備計画期間の後に、次の段階として目指すべき治水安全度を1/100とする。」という長野県の方針変更に対し、様々な意見があったが、「何よりも先ず河川改修を最優先する。」とした提言書を尊重し、流域協議会は今回説明のあった県の方針を基本的に了承した。

 

2.討議

 

座長;

本日の議題として、事前に資料を配付させて頂いた。資料は、「①棚上げしてきた基本高水を議論すべきか。②砥川はどの位 の水を流せば良 いと考えるか。③構造物を前提とした流域対策をどう考えるか。④流域対策を切り離し河川改修を先行したいとする県の基本方針をどう考えるか。」という問題提起をさせて頂いた。また、5つの治水モデルパターンを作成し、お配りさせて頂いた。

 

 

 

 

本日の議事進行について、皆様にお諮りするが、この協議会としてある程度の治水モデルを決めてはどうか、そしてこの流域協議会でまとまれば、意見書として県へ提出したい と考えている。

 

 

会員;

只今の座長提案は、多数決でも決めていくと言うことになるのか?

 

 

座長;

おっしゃられる部分も含めてお諮りしたい。この基本高水ということについては、他の流域協議会の場でも議論していない。個人的に は、ある程度結論を出していきたいと考えている。

 

 

会員;

この基本高水という問題については、様々な考え方がある訳で、多数決で決すると言うことには納得出来ない。今まで、基本高水について棚上げしてきたのではなく、この流域協議会としては、県の枠組みを前提に議論を進めていくということできた。その枠組みには河川改修、流域対策、そして基本高水280m/sというものが含まれていた訳で、今の見解 は違うのではないかと思う。

 

 

会員;

その意見と同じだが、基本高水はこのような場で議論して、どのような数字が良いのかということを決めるような問題ではないと思う。5年の経過措置の中で、県も科学的な根拠のあるデータを得たいと言うことだった訳で、ここでは裏付けのある数字での議論にはならないと思う。今は、県の方針転換について、この流域協議会として受け容れていけるのかを議論した方が賢明ではないか。

 

 

座長;

この場では、基本高水の計算過程にあるRsaとかの細かな部分を決めるつもりはない。 砥川はどのような器が良いのかということを議論するという意味で提案させて頂いている。

 

 

会員;

一通り会員全員の意見を聞き、座長が取りまとめ諮ってみてはどうか。

 

 

座長;

そのことについてどうか?

 

 

会員一同;

異議なし。

 

 

座長;

それでは、このことはもう少し後の方で結論を出したい。続いて、県の20年計画について説明を受けたい。その後、質疑応答を受けたいと思う。

 

 

長野県;

すでに報道されている面もあるが、6月1日の県の考え方について、資料-1に基づいて説明させて頂きたい。諏訪圏域の計画対象期間を20年とし、20年後の砥川のあるべき姿を1/50確率の河川改修とする。このことは、前回4月20日に開催された流域協議会でもあった議論だが、1/50の河川改修を河川整備計画に位置付けて、早く進めて欲しいということで、このことは同じである。次に、今回の河川整備計画の後に、1/100を目指すということを位置付けていくということで、前回までは、ダムに代わる治水対策に対し、住民の皆さんのコンセンサスが得られた段階、それは河川整備計画の期間の途中であっても、河川整備計画に位置付けていくと言うことであったが、国と協議していく中で、これから計画を策定していくのに、途中で変わることが前提になることは適切でないという指摘もあった。そして、国と何度か協議して    いく中で、河川整備計画が20~30年という期間で河川改修を行い、次の段階で1/100を目指していきたいと言うことになってきた。前回から方針が変わってきたことは申し訳ないと思っているが、このような形で進めて参りたいということでご理解頂きたい。また、資料にあるが、河川整備計画上の目標とは別に、森林整備等の調査・研究は進めていく。定性的、つまり数字上表せないものであっても、効果が見込めるものは県としても積極的に進めていくと言うことである。遊水地計画については、1/100の治水安全度を実現するための検討例としてその経過を残すものとする。また、これのみに拘ることなく1/100の治水安全度を実現する方策について検討していきたいということで、方針がいろいろあり恐縮だが、1日も早く河川改修に着手していきたいという考えでいるので、宜しくお願いしたい。

 

 

会員;

当初の方針と、今回の方針とでは、具体的にどのように変わってきたのか?

 

 

長野県;

当初は、1/100の治水計画を河川整備計画に位置付けて進めていきたいということであったが、流域協議会のご意見をいろいろお聞きしたりする中で、1/100の計画に対し、皆様の合意を頂いてと言う訳にはいかないということで、まず、20年間では1/50の河川改修を先行していくということで、大きく分けると3段階になる。

 

 

会員;

当初の計画は、河川改修を10年、流域対策を20年ということであったが、そのことはどうか再度確認したい。

 

 

長野県;

第10回流域協議会資料としてお示ししているが、流域対策は調査に着手し、30年の間で行っていくと、河川改修については当初15年度に着手し、10年で行っていくということであった。その他森林整備も行っていくと言うことであった。今ご指摘のようなお話しをさせて頂いてきたが、状況の変化の中で変わってきている。

 

 

会員;

県が決めたことを、どうして何度も方針転換しなければならないのか。県は本気で流域住民の生命財産を考えているのか疑ってしまう。そのことについてはどうか。

 

 

長野県;

当初考えていたことと、現在では大夫隔たりがあり、申し訳なく思っている。一番肝に銘じて取り組んでいることは、出来るだけ早く治水対策を進めていくということであり、そのためにも、河川整備計画の認可を得ていきたいということである。そのことは現在も思っていることであり、今までもそのように進めてきたつもりであり、ご理解頂きたい。

 

 

座長;

要は方針転換しているということでもあり、そのことがこの流域協議会にとって良いかどうかと言うことでお考え頂きたい。

 

 

会員;

安易に「町民の生命財産」という言葉を使うことは控えるべきだと思う。この流域協議会を通じ、大夫分かってきた部分もあり、会員も進歩している。県の方針も変える必要もあると思う。確たる根拠や尺度などもなく、生命財産と論じるべきではない。それから順次、他の 会員の意見を聞いた方が良い。

 

 

会員;

ある程度の試行錯誤があるというのはやむを得ないと思う。そもそも悩まなければならなかった理由に、基本高水を280m/sにするということが前提にあったと思う。現実に求められる砥川の基本高水を考えるということに賛成である。

 

 

会員;

この方針が示されている資料は、県の正式な文書だと思うが、日付は何時なのか?

 

 

長野県;

5月31日である。

 

 

会員;

砥川以外の諏訪圏域の河川も20年ということになるのか?そうすると、その他の河川も準備しているのか?

 

 

長野県;

そのとおりである。

 

 

会員;

この方針に関することは国で認められることなのか?

 

 

長野県;

国と何回か遣り取りをしており、具体的な協議に入っていくと言うことで了解を頂いている。

 

 

会員;

以前、砥川の河川改修は10年でやるということであったが、20年になるということなのか?

 

 

長野県;

砥川については、10年を目標にやっていくということについては変わりない。

 

 

会員;

国は、途中で変わることが前提では困ると言うことであったという説明が先程県からあったが、基本高水の280m/sは変わらないと言うことで良いのか?

 

 

長野県;

途中で変わるというのは、審査する上で始めから変わることがありきで提出されては支障 があるということである。

 

 

会員;

そのことは、諏訪圏域全体を指す話か?

 

 

長野県;

諏訪圏域全体でのバランスを見る中で、ある川は変わることを前提にしていますよと言うことで審査することは、適切ではないということである。

 

 

会員;

そうすると、今回1/50で計画を策定すればそれは変わらないということか?

 

 

長野県;

基本的にはそういうことになる。

 

 

会員;

資料に書かれている内容と、座長から提案された内容は同じ事を言っているのか?また、座長の提案の中で、河川改修と流域対策は切り離すとあるが、気になる。当面と言うことであれば分かるが。また、20年間というものは流域対策については何もしていかないということなのか?

 

 

長野県;

資料にもあるが、調査研究はしていくということである。 何も一切しないと言うことではない。

 

 

会員;

資料の表現でわかりにくい部分がある。また、すでに提出してある提言書はどのように取り扱われるのか?

 

 

長野県;

河川改修についてはその提言に添って対応させて頂くところである。流域対策については、その時点ではまだ十分なものがなかった。提言では否定することなく認めるというものであったかと思うが、流域協議会はいつまでという期限のあるものではないので、その提言というものは尊重していくべきものだと個人的に考えている。

 

 

会員;

県で方針転換しているのに、提言書はあのままで良いのか。また、提言書の後段部分で記されている「脱ダムはまだ終わっていない・・・」という部分を是非大事にして頂きたい。

 

 

座長;

提言書は生きている。その中で「流域対策は敢えて否定しないこととし・・・」と言っている。 消極的な賛成である。あの時点では流域対策がまだ具体的ではなかった。今回、流域対策として5つのダムを造ると言う訳で、これには大多数の方が反対した訳であり、このことは事実でもある。

 

 

会員;

県は流域対策を必ず実行すると約束した訳である。その部分が一番気になる。そうしない と将来の下諏訪町の安全は守れない。したがって、流域対策はどのような形になっても必ずやって頂きたい。280m/sの対策は必要である。このことは県の企画局の人が来て約束したことである。このことについて、県はどう考えるのか?

 

 

座長;

確かに流域対策は必ず実行しなさいということで確認した。但し、数値化した流域対策を実行しなさいとは言っていない筈である。必ずしも280m/sが必要とは言っていない。流域対策と言う中には、色々なメニューがある。そのことを是非確認して頂きたい。

 

 

会員;

この川がどの位潜在能力があるかということを調べなければならいない。過去の洪水でどうであったかを良くつかむ必要がある。そうしないと、ただこの川が怖いということだけになってしまう。

 

 

座長;

確認したいが、県が今まで言ってきたことと、この流域協議会で決めてきたことは、今言ったようなことであったと思うが、そのことについてどうか?

 

 

会員;

平成15年5月8日に流域住民へ説明した河川改修原案の流域説明会では、治水対策の目標は現行の1/100、280m/sを当面として、基本高水は再検証することとなっている。だから、60m/sの流域対策が必ず必要になるという訳ではない。

 

 

会員;

そのことは見直しではなく、検証ということを県も言っている。見直しが前提ではない。基本高水は高くなるかも知れないし、低くなるかも知れない。現行では、知事が認めている。280m/sに対し、最善の努力をする責任が知事にはある。基本高水に関することは見 解の相違があっても、これはしょうがないことだとは思う。しかし、我々が基本高水が何m/sだということを議論してみても分からない。現実に過去の洪水がどうであり、後どの位雨が降ったらどうであったかということを大事にしている。基本高水の計算は国も認めた    もので、280m/sは決して高いものだとは思わない。また、最近の異常気象を考えれば、280m/sというものは決して高いものでは無いと思う。最近の雨を見ていると、1日に300mm位降っている雨は沢山ある訳で、計画の2日雨量248mmは決して高くはない。

 

 

会員;

国は280m/sを変えずに、この資料にある1/50の河川改修を先行するという部分を認めているのか?

 

 

長野県;

280m/sを基本に考え、国にも認めて頂いている。

 

 

会員;

基本高水の検証期間は5年とされているが、それは変わっていないのか?

 

 

長野県;

変わりない。

 

 

座長;

ここで県から提示されている20年計画というものに対して、皆さんの意見をお聞きした。これから検討の対象にしていくべきかということで、皆さんのご意見をお聞きしたい。

 

 

休憩

 

座長;

再確認する。県の回答では河川改修と流域対策の間に、空白の時間が生じる。そのことを再確認したい。

 

 

長野県;

河川改修は10年を目標とし、森林整備などは調査研究を進めると言うことで、定性的であっても効果が見込めるものは、積極的に取り組んでいくということで、これは空白というようなことではないと考えている。(図解で説明)河川整備計画の対象期間は20年であり、そのうち河川改修は概ね10年間ということであるが、前回までは、この河川改修が10年で終われば、河川整備計画を変更していくと言うことで話させて頂いていたが、今回は、20年間を河川改修のみで、後は森林整備などを    行っていくと言うことになる。このことが目標と言うことである。

 

 

座長;

それでは、皆さんのご意見をお伺いしていきたい。

 

 

会員;

概略2番の治水モデルを支持する。流域対策は切り離すと言うことだが、国へ申請するときに切り離すと言う、申請の仕方の ことだと思う。基本高水を下げると認可を得にくくなると言うことではないかと理解する。

 

 

会員;

川を正確に知らないと、判断が出来ないと思う。 過去に砥川の河床を掘り下げるということで、過去に立ち会ったことがある。その時、この川は河床を掘り下げないと流下能力が足りないと言うことであった。そこで自分で流速を測るようになった。平成11年6月30日の洪水では160m/s流れたとされている。福沢川から概ね20m/s流れたとすると180m/sになる。砥川流域はかなりの保水能力がある。よって森林整備を行うことの方が大事である。

 

 

会員;

話が逸れるかも知れないが、砥川沿川には役場、文化センター、消防署、老人福祉センターや民家などがある。これは先人が見通して考えたことである。このような歴史的事実も押 さえておくことも必要である。森林整備の数値化と言っても容易に出来るものではないが、明らかに保水力を高めると思われるので、手をつけられる河川改修から進めるべきではないか。

 

 

会員;

1番の治水モデルを支持する。 河川改修と流域対策は同時進行が前提となる。しかし、河川改修に着手するために河川改修と流域対策を同時に進めることが、妨げになるのならば考えなければならない。県の検討委員会から2年経つが、流域対策は確たる案が出来ていない。本当に出来るのか不安である。砥川は天井川であるので、一度破堤すれば大変なことになる。平成7年にに豊野町が浸水してしまったことがある。鳥居川が破堤したわけだが、それまでの60年間災害は1度もなかった。それ以前を長老に聞いても大きな水害はなかった。最近の異常気象で、このような大きな災害が起こりうるわけで、そのことに備えていかなければならない。    これが危機管理である。他の地域でも様々である。よって、安易に物事を考えてもらっては 困る。

 

 

会員;

現況の河川改修は、どの位の流量を対象としているのか?自分は川の近くに住んでいるので危険を感じることが多々あり、早く河川改修をしてもらいたい。当面ヨシなどを除去すれば大夫違うのではないかと思う。

 

 

長野県;

流下能力については、第2回の協議会で資料としてお示しさせて頂いた。最小流下能力のところは、諏訪湖河口で、バックの影響もあり100m/sとなっている。その昔については、計算方法の違いなどもありこの場ですぐにお答えするのも難しい。

 

 

座長;

河川改修の規模というものに対してのご意見は?

 

 

会員;

200~250m/s位は最低確保出来るようにして欲しい。

 

 

会員;

1番の治水モデルを支持する。河川改修だが、現況をみれば両岸に土砂堆積も著しく、それを除去することが必要。流域対策も同時に進めて欲しい。ダムには反対したが、穴あきダムが研究されているようなので、もう少し研究してみたいと思う。

 

 

会員;

基本高水の280m/sはダムを前提にしたものではなかったのかと思う。既往最大を前提にして考えていくべきではないかと思う。砥川部会で出された200m/sが良いのではないかと思う。異常気象に対しては、超過洪水対策として計画を立てていけば良いのでは    ないか。流下能力の足りないようなところは、河川改修できちんと行って行けば良いのではないか。4番の治水モデルを支持する。

 

 

会員;

2番の治水モデルを支持する。国が認可することが前提になってくる。森林整備は南信森林管理署で進めているが、公有林だけでなく、民有林も進めていけば良いのではないか。民有林での土砂崩れ対策を考えて欲しい。今しなければならないことは、河床洗堀防止、谷止め工、倒木防止である。森林整備は、是非民有林にまで広げていって欲しい。

 

 

会員;

今の流域対策の計画については反対。諏訪の地質は脆いので、大規模な構造物には反対。280m/sが良いとは思うが、今の流域対策なら220m/sでも仕方がない。とにかく決壊しない堤防を造ってもらいたい。堤防決壊による被害が一番問題である。また、東俣    川との合流点に杭を打てば、洪水時に流木等がからみ、自然に遊水地になるのではないかとも思っている。

 

 

会員;

4番の治水モデルが妥当ではないかと思う。基本高水は過大であると思う。ダム建設を前提とした数値であると思う。上から変わることもなかなか難しい面もあるので、我々下の方から変えていくべきではないか。枠組みありきでは、良い治水対策は出来ない1/100の雨がたまたま平成11年にあった。その時の再検証を我々もしていけば、もっと治水対策に活かせるのではないかと思う。河道内遊水地は撤回するべきである。土木技術者の反省がないのではないか。20年かけて河川改修していくと言うが、これからは国も財政が破綻していくと思う。そう言う中で、どうすれば地域を良くしていけるのか考えていかなければならないと思う。河川改修の中断もありうるということを心配している。今進めている都市対策砂防は、浮島上の堰堤に魚道を設けて、本当はもっと上流に手を入れるべきであったのに、中断になってしまった。よって、緊急性のあるところと、長期的に取り組んでいくところを分けて取り組んでいくべきである。ダムに反対してきたが、その理由はいろいろあるが費用対効果に問題がある。ダムはダム建設の可能な場所をまず探して、後で理由をつける。だから砥川本川ではなく、支川の東俣川に計画された。また、治水と利水という矛盾したものが目的となっている。過去の洪水をもっと検証していくことが必要。平成11年の洪水では160~180m/sが流れたことになっているが、流下能力では100m/sだというようになっている。昭和58年の洪水以後、釜口水門を新しくしたが、流域の割合で計算すると181m/s位の川にすれば大丈夫だということになる。そういうことで、4番の治水モデルで良いと考えている。

 

 

会員;

昨年暮れに、この流域協議会会員全員が河川改修は早くするべきであり、危ない堤防だからとの認識であった。自分が聞く中では浅川より砥川の方が危ないというようにも聞く。そこで、早く認可を得るためにということで、提案させて頂き、具体的には県の技術者の方で図面にして頂いたのだが、堤防より家が低い、所謂天井川を何とかして欲しいと思う。一度破堤したら甚大な被害になるので、少しでも緩和する方が良いのではないかということで、昨年も提案したがこの流域協議会では受け容れられなかった訳だが、もう一度説明すると、今回の計画を前提に、将来、大洪水に備えられるよう、更に河床を掘り下げられる構造にすれば良いのではないかということである。井水の問題も河川管理上課題があることだったと思うので、上流から一括して取水することを提案したい。費用はかかるが、効果は大きいと思う。将来は1/100は駄目かも知れないが1/80でも1/90でもと言うことである。但し、その流量というものはこの流域協議会は素人でもあるので決めるべきでな    いと思う。このことに対して、県の技術者より意見を聞きたい。

 

 

長野県;

過去の話の中でもワカサギなどの課題があり、今の段階では答えることは難しい。

 

 

会員;

多大な時間を費やした砥川部会や、県の検討委員会で答申された200m/sを重視したい。国も合理的な理由があれば変更することもいとわないということであるから、一度ぶつけてみれば良いのではないか。流下能力の低いところを対応すれば、良いのではないのかというのが考えである。砥川に280m/sというようなものを感覚的にではあるが、本当に必要なのかということを考える。お金をかけてまでスーパー堤防であるとか、ダムなどというものは、砥川には本当に必要なのかと思う。ゲリラ的な集中豪雨に対しては、超過洪水対策として実施すべき。河川改修では、是非強い堤防を造ってもらいたい。流域対策は、河道内遊水地というような大きな構造物でないものを考えて頂ければ良いのではないのかと思う。

 

 

会員;

4番の治水モデルで良いのではないかと思う。基本高水にも関係あるが、砥川の流域面積は60haにも達しない、非常に小さな流域であり、流路長も三峯のところで10km程度だと思う。小さな流域で、一方では、急流であるとも言えるが、天井川も課題であり、橋も架 かっている。それが砥川の特徴だと思う。2日雨量をとって治水計画を立てることには無理があるのではないか。ダムを前提とすれば別であるが。1日雨量で計画すればどうなのかと思う。基本高水については徹底的にやるべきで、チームを作って勉強して、建設事務所のサポートで勉強して、結論を出して行けば良いのではないか。また、どの位の水をということであるが、従来の説明は流下能力と基本高水からのものであった。200m/sでも十分ではないかもしれない。超過洪水対策が必要であるかもしれない。森林についても、色々調査されているものがあるかと思うが、みんな勉強していったら良いのではないかと思う。

 

 

会員;

本当に望む治水対策は、河川改修で200m/sである。ダムに拠らない治水対策としての280m/sは実現不可能だろうと思っている。そう言う点では、1日も早い対策が望まれるわけで、実現可能な対策としてすぐ取り組むには、今回の提案でも良いのではないか と思う。但し、これまで地域住民に説明してきた内容と変わるわけだから、1/50の河川改修の後で、1/100が達成されるまでは、災害が起こる可能性があるかもしれないことを、地域住民にも良く知らせておく必要がある。もう一つは、気象日報に関する政府間パネルでは、100年に1度の雨が25年に1回発生すると言われていることも、専門家の方が言われていることでもあり、十分承知をしておく必要があると思う。質問だが、60m/sについて調査研究を進める中で、それ程必要が無くなった場合、流域対策はいらないと言うことになった場合、国はどうなるのか?余り気にしないのか?また、220m/sの河川改修を進める場合、今まで流域協議会で進めてきたことが、即計画になるのか伺いたい。

 

 

長野県;

220m/sの改修については、色々頂いたご意見をもとに考えている。それから、残りの部分については、調査・研究を進めていくわけですが、合理的な説明ができるかどうかということで、今、どうこういうわけにはいかない。河川改修の医王渡下流の引堤区間につい ては、出来るだけ影響が少なくなるようにしていきたいと考えている。

 

 

会員;

4番の治水モデルを支持する。今まで本格的に基本高水について議論してきていないが、それは政治的や、予算要望などといったことに制約されてきたわけで、一番の根本問題に立ち入ってこなかった。280m/sが本当に妥当かどうかは、現場条件でよく考えていくべきである。今、検証をしていくべきではないかと思う。今後は、既往最大流量で考えてい    くべきではないか。国土交通省でも既往最大を治水目標としているところもある。基本高水を既往最大に変更して、それを合理的理由にして国に協議してみてはどうか。流域対策の穴あきダムは止めるべきである。そのための工事用道路など破壊が大きい。森林整備を流域対策として主に位置付けるべきである。森林研究成果の報告書も徳島にはある。

 

 

座長;

会員としての立場で話すと、4番の治水モデルだと考える。 しかし、提言を出し、その議論を後戻りさせるべきではないということで2番の治水モデル。それでは、この後どのようにしていったら良いか?提案を頂きたい。

 

 

休憩

 

座長;

私の方で色々な考え方を意見書としてまとめてみた。これをご提案したい。今までの議論をみていると、歩み寄りというものは無理だと思う。そこで、私の意見書(案)を見て頂きたい。

 

 

会員;

福沢川の上流に砂防穴あきダムがある。高さ32m、幅が80何mかである。穴あきダムということで、造る造らないというときには、これを見てみれば分かりやすい。参考までに話させて頂いた。

 

 

座長;(スクリーンで説明)

    意見書 (案)

 『砥川流域協議会は平成15年11月6日に長野県が作成した枠組み案に対し提言書を提 出いたしました。その後の県議会、土木委員会等で砥川について議論がされているところでありますが、そのやりとりをみると流域住民の声が置き去りにされ、脱ダム宣言が発せられた当時の様相が再燃されないかと危惧せざるをえません。繰り返しますが当流域協議会は総意として「第一に河川改修」を強く表明しているところです。提言提出後に開催した当流域協議会での議論をまとめ、以下のとおり意見書を提出いたします。長野県及び県議会が我々の思いと乖離することなく互いに建設的な議論の上で、さらには住民の充分なコンセンサスを得て砥川の河川改修および流域対策を進めることを強く要望します。

①砥川流域にダムは不要である。また周辺環境にそぐわない巨大な人工的構造物は必要としない。

②流域対策は治山、森林整備等による保水力向上を目的とする施策を柱とする。

③砥川流域に住む砥川流域協議会会員の多数から、「洪水時に破堤しないよう現在の堤防を補強することにより、想定される洪 水被害は最小限となる。また万が一の床下浸水程度は受忍する。」といった意見が出された。

④「220トン/秒の河川改修を先行するとした県の20年計画を支持する。」という意見が多数を占める。

⑤河川整備計画策定にあたっては流域住民が望む砥川の姿を河川整備計画に反映させることが基本である。

⑥基本高水部会を砥川流域協議会内に設置し、行政と共に基本高水の再検証に関与しこれを公開の上で進める。なお部会がまとめた結果は当流域協議会に諮り、当流域協議会の提言とする。』

 

    以上である。意見を求めたい。

 

 

会員;

「流域にダムは不要である」とあるが、これは基本高水が220m/sであるということを前提としている訳で、280m/sということになれば河川改修だけでは無理な訳だから、この部分には納得出来ない。それと、⑥であるがその議論が280m/sより大きくなる方向へ向かった場合を心配する。それと、先程からの意見を聞いていると、280m/sはダムを前提とした数値であるかの     ごとく言われているが、それに対する県の見解はどうか?

 

 

座長;

そのことは後でお願いしたい。

 

 

会員;基本高水ということは、今までの議論からもここで決定するということは難しいと思う。関与することは良いかも知れないが、この場は、色々な住民が意見を言える場であり、それをこの流域協議会の場で提言するというのは止めるべきである。

 

 

会員;

⑥については、自分も削除すべきだと思う。

 

 

座長;

上から1項目ずつ進めたい。①について如何か?

 

 

会員;

そのことについては、様々な意見があるわけで流域協議会として、提言することではないと思う。河川改修を先に進めるべきだと言うことは、昨年の提言にもあることなので、そう言う面では特に必要ないと思う。

 

 

座長;

全員一致ということになれば、何もこの場では決まらないのではないか?

 

 

会員;

ダムを造る造らないということに改めて触れる必要はないと思う。もし、そのようなことがあれば、その時の状況から判断してくべきである。

 

 

会員;

①~⑥が提言として必要なのか?これは、かなり意見が分かれることである。この流域協議会を設置したとき、基本高水のことは回避していこうという、砥川を憂う気持ちがそうしてきたのだと思う。20年間という期間があるわけで、その中で十分研究検討が出来るので、そういう方向で良いのではないか。

 

 

会員;

今は提言書を提出するべき時ではないのではないのか。今まとめるとすれば、1/50をYesかNoかだと思うが、それは今まとまらないと思う。

 

 

座長;

それは先ず無理だと思う。

 

 

会員;

この提言書をだせば、県議会の方もスムースに回るというようなことか?

 

 

座長;

個人的にはそう思っている。

 

 

会員;

県の提案以上の議論を進めていくことはないのではないのか。

 

 

座長;

20年間というものに対してはどうか?

 

 

会員;

20年間勉強するというのが前提。

 

 

座長;

20年計画に対しては、反対する人も同数いる。そことを念頭にしなければいけないのではないか?

 

 

会員;

すでに出している提言は、220m/sに対してしたものであり、それをひっくり返すわけではないと思うが?

 

 

座長;

この意見書を出さないと言うことか?

 

 

会員;

出さないと言うことではなく、去年の提言書が生きていると言うことだ。このまま何年も揉めるのではなく、早く河川改修に着手して欲しいだけである。

 

 

会員;

去年の意見書は生きている訳である。

 

 

会員;

この提言書に対して、変えたいという県からの提案があるわけで、まとめるのが無理なら無理だと書けば良いのではないか?

 

 

会員;

まったく白紙に戻ったと言うことでは無いと思う。

 

 

座長;20年計画という県の提案に、この場では答えは出ないということになるが、それで良いか?

 

 

会員;

出ないと言うより、このことに限った議論はまだしていない。

 

 

座長;

皆さんの意見は出ている。

 

 

会員;

意見は出ているが、このことについてはどうかということは議論していない。時間的制約もあり、まとめていくと言うことはどうかと思う。

 

 

会員;

内容を見ると、2番の治水モデルになるが、その意見が大多数であったかどうかは定かではない。

 

 

会員;

前回の提言は1番の治水モデルで提言している。そのことに対して、県からは難しいので2番、あるいは3番まで譲ってもらえないかということだと思う。今確認することは、1番以外でも良いかと言うことだと思う。

 

 

長野県;

河川整備計画の認可を得るには、1/100では難しいという判断をして、前回1/50を優先していくということになったと思う。その申請の仕方だが、河川改修が終わった時点で変更していくのか、20年間は河川改修をしっかりやっていくんだということなのかで、お考え頂ければと思う。

 

 

座長;

県の説明では、昨年の提言とは大きく外れていないということである。但し、3番~5番という意見の人は、ダムの復活というものを心配しているわけでもある。今回は意見がまとまらないということで、意見書は提出しないこととする。次に、住民説明会をしたいということであるので、これをどうするかということをご議論頂きたい。

 

 

長野県;

河川整備計画について、当初1/100の治水安全度で申請していくということであったが、今回は1/50を先行していくということで、先程来説明させて頂いた。このことを関係住民の方にも説明していきたいということで、宜しくお願いしたい。

 

 

会員一同;

異議なし

 

 

座長;

会員のみなさんから何かございますか?

 

 

会員;

1番の治水モデルでまとまったということで良いのか?

 

 

会員;

座長の提案が早急すぎて、少し考えてみたいが?

 

 

会員;

どれかにまとまったということがないと、住民説明会ということにはならないのでないか?

会員;

流域協議会の意見が各方面で反映されるようにして欲しい。

 

 

会員;

ダムを作りたくはないから、次の手を考えるために時間が欲しいということだと思う。 だから是非これで賛成して頂いて、国の認可が得られるようにして頂きたいということだと思う。

 

 

座長;

もう一度この流域協議会を開くということで、起草委員会を設けそこでどういうまとめ方をするかということを出して、次回の流域協議会に諮るということでどうか?

 

 

会員;

河川改修に早く着手して欲しいという弱みを利用して、ダムの問題、所謂流域対策を有耶無耶にしてしまおうという疑念がある。流域対策を必ずやるという約束をしてもらわなければ困る。

 

 

座長;

そう言うことも含めて、意見書としてどうか?

 

 

会員;

最低でも、治水モデルに対する確認くらいはしておいて欲しい。

 

 

座長;

会員の意見は、治水モデルの1番が3名、2番が7名、3番が2名、4番が7名、5番が1名であり、意見は両方に均等に割れている。

 

会員;確認しましょう。今進めないと、色々が進まないようだから。

 

 

会員;

ここで確認されたことを、県は「流域協議会で確認されたのだから」ということにもなるわけだから。意見書より良いかも知れない。

 

 

座長;

県の資料について否定する会員の方は?

 

 

会員;

資料の中に有耶無耶なところがある。「1/50確率の治水安全度を目標とし・・・」とあるが、これは、5年後の基本高水の検証というものを含んでいるのかどうか?

 

 

長野県;

現時点では、あくまで20年後の姿は1/50の治水安全度を目指していくということである。

 

 

会員;

河川改修は良いわけだが、住民説明会で1/50確率の治水安全度は何m/sかと聞かれた時には、何m/sになるのか?

 

 

長野県;

河川整備計画を策定する場合、数字があやふやなようでは受け容れられない訳である。 したがって、あくまでも220m/sの河川改修ということになる。

 

 

会員;

20年と言わず、もっと早くやってもらいたい。

 

 

会員;

資料の中に「実施可能で、定性的ではあっても・・・」とあるが、「1/50確率は何年のときの解析計算で何m/s」とすれば、分かりやすく、納得出来る。基本高水の再検証が先に あるという話であったので、その部分を何とか表現する方法を考えれば良いのでは?

 

 

長野県;

5年間かけてやっていくということになっており、一方、河川整備計画はすぐにでもとりたいと言うことで、理解して頂きたい。今、基本高水がどうなるか分からない、というあやふやなもので国に持って行っても、受け付けてもらえない。

 

 

座長;

「提言に基づいて進めてもらう」ということで決定したいが良いか?

 

 

会員一同;

異議なし。

 

 

座長;

本日は、これらに基づく県の方針について、住民説明会をしていくということで確認した。本日はご苦労さまでした。

 

 

 

以上

 

 

お問い合わせ

所属課室:長野県諏訪建設事務所総務課

長野県諏訪市上川1-1644-10

電話番号:0266-53-6000

ファックス番号:0266-57-2946

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