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更新日:2024年2月22日
諏訪建設事務所
第11回 砥川流域協議会 要旨 |
日時: 平成15年10月24日(金) 18:30~21:00 |
前回の課題と決定事項
(1)ワーキンググループで検討してきた河川改修流域協議会(案)について報告を受けた。
・すべて画一的でなく可能なら区間によっては異なる手法が良いという意見が多くあり、計画区間をゾーンに分けて検討した。
・区間別にアプローチ方法を変えた方が良い。例えば、第2ゾーンは最も天井川が著しいため、そのリスクを回避することを優先し、第1,3ゾーンでは河床掘削はしないという方法もある。
・河川改修協議会(案)は素人が策定したものであり、今後は地域に詳しいアドバイザーなどにも意見を聞いていきたい。
(2)河川改修協議会(案)への主な意見
1)第1ゾーンについて
・河口部右岸の親水地については、湿気らないような遊水地で十分。
・左岸の既設護岸を現況のまま残すことは、強度的な安全性を十分調査してから決めて欲しい。
・鷹野橋の橋脚が要因で、上流に堆砂する。橋脚を取り除かなければ河床掘削してもまた堆砂する可能性がある。橋の架け替えを最初に実施して欲しい。
2)第2ゾーンについて
・天井川解消を前提として欲しい。
・河道内にお金をかけることなく、歩きたくなるような空間・環境を整備して欲しい。
・階段を設置し、川へアプローチし易くすれば、(自分たちで)維持管理も可能になる。
3)第3ゾーンについて
・JR橋から富士見橋間は砥川の中で一番のビオトープとなっている。鳥などが集まってくる空間であり、親水のための階段は不要である。現況を残して欲しい。
・現況を残した場合、災害などの危険が危惧される。住民の生命と財産を守ることを前提として欲しい。よって、「残す・残さない」の判断基準を明確にして欲しい。
4)第4ゾーンについて
・堤防天端道路を車両一方通行にするかは、道路利用者の意見をよく聞くべきである。
・浮島左右岸の流量バランスを保ち、下流への流れを改善する必要がある。
討議(主な意見)
◆協議会の代表8名でワーキンググループを4回開催して河川改修原案をまとめた。流域協議会で 議論し、今回である程度まとめたい。河川改修原案のテーマについてもアンケート形式で選びたい。 この河川改修(案)は、今までの会員意見を分析し作成した。
主な意見は、
(1)すべて画一的な手法でやったほうが良い。
(2)すべて画一的でなく可能なら区間によっては異なる手法が良い。
であり、計画区間をゾーンに分けて検討した。 (ワーキンググループ;以下「WG」とする。)
・右岸引堤部の遊水地と左岸の護岸を今のまま残す。または、勾配を更に緩やかにし引堤するといった意見についてはどうか? (座長)
→県で浚渫土を埋めたてた土地と町所有を、費用は係るが親水地としたい。地目を公園に変更して整備することが必要。そのためには、県及び町で検討してもらう必要がある。左岸の赤砂崎についても利用方法の検討が必要になる。 (WG)
・遊水地の高さは砥川の水面と同じくらいの高さになるのか?洪水時だけ水が溜まるということか?
→多目的利用できる“遊水地”と考えてもらえば良い。 (WG)
・ピークカットの機能を持っていれば遊水地というのか?河口部でピークカットとは何を意味するのか?
→遊水地は、洪水時に上流でピークカットすることが役目。今考えているものは諏訪湖の手前であり、そのような機能はあまりないが、右岸の堤防天端を低くすれば洪水時に水が溢れるので、そのような機能も考えられる。湿地帯のようなものでも良いのではないかとも思う。(事務局)
・左右岸の堤防高が違うので、洪水時に左岸ではなく右岸へ溢れさせる機能を持たせるということは解った。湿地帯としての利用はおもしろいと思うが、なかなかイメージがわかない。
→堤防天端を低くせず、余裕高を確保してそこからスロープをつけるより、1m低くした方が川へアプローチし易い。平坦にして草を生やし、子供たちの遊び場にするのも良いと思う。掘削すると湿気ってしまい良くないと思う。将来は公園として整備するのも選択肢かもしれないが、当面は原っぱで良いと思う。 (WG)
・遊水地をつくるということだが、諏訪湖の手前では治水上からは必要ない。普段は原っぱというか、広場にしておいて芝生を張るなどして子供たちが遊べる空間とすると良い。現実的には水を上流から導かなければならないので、親水地は難しいと思う。
→あまりに手を広げると財源の問題がある。河川改修で出来る範囲で考えている。 (WG)
・河口部は河床勾配が一番緩い。断面積を広くすると水位が下がり掃流力が落ち、諏訪湖へ土砂を運ばなくなるのではないか?
→平常時は、低水路を水が流れるのでむしろ川幅は狭くなる。洪水時には掃流力が落ちると思うが、(洪水時の)流速はかなり大きいと思う。(事務局)
→洪水時は365日中数えるくらい。河川改修(案)では平常時に、いかに親水性を持たせられるかで考えてみた。 (座長)
・河口部引堤区間の400m間で溢水すると、その上流では流速が早くなり上流1km位まで安全度が上がるのではないか?
→堤防天端を下げるのは100m位。上流で流速が早くなるかという質問については、不等流計算では早くなる。 (事務局)
・親水地の周りは、普通の高さで堤防をつくるのか?安全性を確保するためには是非そうして欲し い。
→ワカサギの作業小屋は、今の部分に残してもらうことで河川改修(案)に賛同している。湿地では困るので遊水地が良いと思う。 (WG)
・低水路にはどのくらい水を流すのか?
→年間の流量から高水敷にかぶる頻度を考慮するし、また、ワカサギの遡上に必要な流量も考慮して決めることとなる。 (事務局)
・巨石落差工があるが、流速が6m/s位だと大きな石も流れてしまうのではないか?
→まだ細部までは検討していない。(事務局)
→3月、4月にワカサギが遡上するので、平均的な流量等を解析して低水路幅を決めれば良いと思 う。
・左岸の扱いについてはどう考えるか? (座長)
→現況のまま既設護岸を残すことは、強度的に安全か心配。十分調査してから決めて欲しい。
→提言では、両論併記(河口部左岸側の既設護岸は、「治水安全上強度が不足するため、積み替える」と「現況のまま残す。」)としたい。今後詳細設計の中で検討して欲しい。 (座長)
・堤防の強いor弱いとか、安全or心配ということはどのような要因で決定されるのか?
→考えられることとしては、以下のようなことがある。 (事務局)
(1)浸透に対する抵抗力(パイピング現象の防止)
(2)耐震性
(3)護岸法勾配(緩やかなほど安定)
(4)基礎地盤の安定性
(5)溢水に耐えられる堤防か(堤防天端が不透水層となっているか?)
(6)堤防を構成する土の強度
・安全性の判断には土壌解析をする必要がある。特に、富士見橋から河口までの間は、土砂を盛り上げただけであり、また堤防高も高いので必要があると思う。
・両岸の法勾配を2割とした方が強度的には安定するのか?
→ワーキンググループでは親水性を中心に議論していた(ので、強度を確保するために法勾配を緩くすることは考えていない)。(事務局)
・ワーキンググループの案では、(左岸の)現況護岸を残す案と勾配を緩やかにする案で両論併記としている。 (WG)
・現況護岸のままで良いのであれば、それで良いのではないか。震度についてはどの程度(のレベ ル)で考えているのか?
→先程も堤防の安全性を判断するとすればという視点で答えさせて頂いた。国土交通省の調査では約20%の堤防は強度が弱いという新聞記事があったが、すべての堤防でどういう安全性があるかを確認しているわけではない。(事務局)
・どういう基準で20%が不適なのか?
・現況のものを残すとすれば、どのような項目を調査すれば良いのか?基本的には残せるものは残すというスタンスが欲しい。
・全区間で法勾配を緩くするのか?その必要はないと思う。
・計画区間全川2.6kmのうち、残せる護岸の基準を示して欲しいという意見だと思う。過去の流域協議会でも継ぎ接ぎでも残せる部分は残したいという意見もあった。先程の意見をまとめると(既 設を残す・残さないという)判断基準を示して欲しいということ。また、財政上の問題もあり2.6 kmを河川改修する必要があるのか?と、安全性を考慮すれば2.6km全川を改修した方が 良いと思う、という2つの方向性がある。残せるかどうか、また残せない場合はその理由について 事務局で示して欲しい。 (座長)
→現況で残せるところは、まず河床掘削のない区間になると考える。 (事務局)
・それも理由の一つになると思う。全区間で示して欲しい。 (座長)
→(第1ゾーンでは)右岸堤防天端を低くすれば(洪水時に)流速が遅くなり、左岸側も洗掘されず、(現況を残すことが)可能ではないかと考えている。 (WG)
・可能であれば河床掘削ではなく堤防の嵩上げという対応も考えられないか?
→県の提示した河川改修原案では、河床掘削して天井川を解消することとしている。このことは(この協議会でも以前)認めている。河床掘削すると基本的には護岸基礎が浮いてしまい、護岸積み 替えが必要になる。現況護岸を残す部分は、河口部や富士見橋~JR橋間などの河床掘削が少ない部分で考えている。 (WG)
・河床掘削より嵩上げの方が財政的には有利だと思うが?
→ワーキンググループでは、砥川改修原案の流域住民説明会資料の6頁(「縦・横断形状を工夫することにより、基本的には現河道敷内で影響を収め、家屋等の買収が極力少なくなるよう計画す る」)を前提をしている。堤防嵩上げすると、3mの管理用通路を確保するためには、民地側へ更 に用地が必要となる。 (WG)
・ワーキンググループでは、天井川解消を目的としていた。 (座長)
・全川で天井川ではない。必要最小限の河床掘削で良い。
・確認したいが、天井川の解消を前提とするということで良いのか? (座長)
・第2ゾーンが最も天井川が著しい。そのリスクを回避することが重要である。一方、他のゾーンではアプローチの仕方を変えても良いのではないか。例えば、第1,3ゾーンでは河床掘削をやめる ということもアプローチ方法である。
・鷹野橋の架け替えは前提としているのか?この橋は2径間の橋であり、ここで河積が絞られてしまい堆砂する。天井川解消の視点からは良くない。
・計画(策定)が終わると安全しきってしまい、何年かすると忘れられてしまうのが心配である。今の砥川の川幅と勾配は何百年もかかってつくられてきたもので、今がベストの状態。一番緊急性の 高いところは橋の架け替えだと思う。
・過去の実績から、JR橋から鷹野橋までが土砂堆積が一番著しく、河床掘削が必要である。
・維持管理については定期的に行っていくことで提言したい。 (座長)
・JR橋下に2,3カ所の堰取水口がある。現在も下りるための手摺りや階段が何もなくて危険である。梯子を設けて欲しい。
→提言の中に取り入れたい。 (座長)
・親水階段工は、コンクリートか?それとも他のものか?また幅は?
→川の中心に向かって降りるか、川下に向かって降りるか色々な意見があった。幅については人が通れる1m位で考えている。 (事務局)
・イメージ図だと護岸の植栽については、裏法面に植栽している。住宅が近接しているため、日影などが問題になる。可能な範囲程度にするとか手入れをするとかが必要である。
・河川の中にヨシ等がかなり繁茂している。河道内の植生整理もお願いしたい。
・河道内に散歩道を造るということだが、散歩をしている人はそれ程いない。
・近所に住んでいるが、犬の散歩をしている人が多い。
・この流域協議会だけでなく、広く意見を求めてはどうか?
→現状は歩いても楽しいことがない。歩きたくなるような空間・環境を整備すれば利用する。(WG)
・高水敷に歩道をつけられるような余裕はないと思う。
・住民が直接ヨシなどを管理する必要がある。いくら良いものを造ってみても維持管理を怠っては駄目だ。行政には限界があり、造ったものは自分たちのものとして、維持管理にも取り組んでいくよ うに考える必要がある。ズクが必要であり、行動が第一である。
→階段を設置し川へアプローチし易くすれば、維持管理も可能になる。遊歩道についてもお金をかけて造るという発想ではなく、人が歩くスペースを確保し、人が歩くようになれば、自然と道になる。 (WG)
・JR橋から富士見橋間は砥川の中で一番良いビオトープとなっている。鳥などの動物が集まってく る空間である。階段を設置すると犬の散歩に来る人がいる。現況を残すことを検討して欲しい。
・護岸を積み替えたところと、現況を残したところで完成後に強度に差が出来ると、災害が起こったとき良くない。住民の生命と財産を守ることが大前提。
・河川改修をどこまですれば安全だということは言えない。70年から80年経過して安全であったならば、安全ではないかと思う。
・近くに住んでいる人は、災害復旧でつくった護岸を残しておくことをどう思うか? (WG)
・そのままにして大丈夫か?安全にして欲しい。動植物にとって良い空間かもしれないが、よく調査した上で安全を前提に残すなら残して欲しい。
・安全上の基準を明確にした上で、残せる部分は残していく。続いて、富士見橋から医王度橋間はではどうか。? (座長)
・交通の問題(一方通行にするかどうか?)は住民の意見を聞いてから検討した方が良い。
・保育園への送迎が多いので、バイパス対策へ向けた道づくりを含めて考えていかなければならない。また通学路としての機能もあるので考慮することが必要である。
・右岸の一方通行は問題があると思う。通勤路として利用している人も多いし、地元の意見を聞いて進めて欲しい。
→この河川改修(案)は遊歩道を設け、川に親しめる空間を造ることが目的である。交通の問題は我々だけで決められる問題ではない。ワーキンググループでは、親しめる砥川づくりを前提として いる。 (座長)
・浮島の左岸の石(護岸工)が浮島の両側の流れのバランスを悪くしている。
→左岸の石を取り除き、6:4の割合位で流すようにWGでは考えている。 (座長)
・富士見橋上の巨石落差工は、急流であり置いた石が安定するのか?
→多自然工法での事例も多く、技術力も向上してきている。どの位の石が良いか?どのような積み方が良いかは、今後検討することになる。 (事務局)
・この河川改修(案)は素人が造ったものであり、アドバイザーに見てもらうことも検討している。今日の2時間分の意見を加えて、あくまでも案として成果にする。 (座長)
・地域に詳しい人がいると思うので、アドバイスしてもらい河道内の植生についても考える必要があ る。
・長野県でも河川に植生しているが、現地にない植物を植栽している例がある。花がきれいだからといって外国産の花を植えた例が岡谷市でも見られる。植物については自然らしさを強調できる ものにして欲しい。
・川は自分で地形をつくり、それぞれ状況が違う。洪水時には護岸の方が粗度係数が高く、水が中へ中へ寄り、中央が浮き上がる。護岸の強度も必要だが、ある程度水の性質があるのでそれも考 慮して欲しい。
以上
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