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更新日:2022年5月2日
林業総合センター
こんにちは、主任研究員の大矢です。
大矢さん、こんにちは。みどり&りんたろうです。
さっき、林業総合センターの周りで植えた木を見せてもらいました。
大きくなってもお手入れがいると聞いたので教えてください。
長野県の山には、君たちのおじいさんやお父さんの世代が植えて育ててきた「人工林」と呼ばれる林がたくさんあるんだよ。
人工林の木は、木材として利用するために植えてきたものが多いけれどが、そのためにどんな手入れをすればいいと思う?
え!木は放っておけばどんどん大きくなるんじゃないですか?
残念ながらそうではないんだよ。
となりどうしの木は、大きくなるにつれて葉や枝が重なってくるから、おたがいに光をじゅうぶん受けることができなくなってしまうんだ。そうなると木は、幹がなかなか太くならなくなって、ひょろっとやせた木になってしまうんだよ。
そうなると、なにか困ることはあるんですか?
木は、家を建てるときの材料として利用することが多いのは知っているよね。木が細いと、柱や板に加工することが難しいんだ。
それに、幹が細くてひょろひょろした木は、大雪や台風などで倒れたり、折れやすくなるんだよ。林の中では、光が下まで届かなくなるから、地面に植物が生えなくなって、大雨が降ると地表面の土が根が流れてしまうこともあるよ。
間伐されていないヒノキ林(地面に植物が生えていない)
そうなったら大変ですね…。そうならないためには、どうすればいいんですか?
木が混みあってきたら、「間伐(かんばつ)」っていう作業をする必要があるんだ。大体3本~5本に1本くらいの割合で木を伐ってやるんだよ。そうすると、1本1本の木に光があたるようになって、ぐんぐん太って風や雪にも強くなるし、地面から植物が生えてきて土も流れにくくなるんだ!
上のヒノキ林を間伐したら植物が生えてきた
じゃあ、間伐をきちんとしていれば大丈夫ですね!
そうだね。1回だけじゃなくて、林の状態を見て何回かする必要があるんだよ。
でも、残念ながらきちんと間伐されていない人工林も結構あるんだ。間伐をしないでいると光があたらなくて、葉や枝がとても減ってしまうから、「長いあいだ放っておかれた人工林を間伐しても、すぐには太らないよ!」と言う人もいるね。
えー!間伐が遅れてしまうと、木は太れないんですか!?
うーん、それはまだわかってないんだ。
だから、間伐が遅れた人工林で間伐すると、どれくらい葉や枝が増えて、どれくらい太るようになるか、などを確かめるために、県内各地でいろいろな樹種でいろいろなパターンの間伐をした試験地を作って、樹の太さや高さ、枝の伸びぐあいなどを定期的に測っているんだよ。結果がわかるまでに、何年もかかるけどね。
木の太さ(周囲)を測っているところ
使えるようになるまでにはいろいろなことをしなければならないし、
長い年月の積み重ねが必要なんですね。
ありがとうございました。
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