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更新日:2023年9月7日
林業総合センター
こんにちは。わたし、林みどり。ぼく、森りんたろうです。
今日は山菜について教えてください!
春になると、お父さんやおじいちゃんが山からタラノメやワラビを採ってきて、家族みんなで「春の味」を楽しんでま~す。
山菜にはたくさん種類があって、「道の駅」では人気があるってお父さんが言ってました。
近くのスーパーでもタラノメをいっぱい売っているのを見たことあります。
こんにちは、特産部で山菜のことを研究している加藤です。
山菜は、野山に自然に生えているんだけど、みんなが一度に採っちゃうとあっという間になくなってしまうんだ。そこで、林業総合センターでは山菜を栽培する研究をしているよ。
収穫直前のタラノキ
タラノメも栽培できちゃうの!?
もちろんできるよ。タラノメは「タラノキ」という木の芽のことで、ていねいに掘り取った根を使って新しい苗を作るんだ。植えてから3年目の春から数年間にわたって収穫ができるんだ。
スーパーで売られれているのは栽培したものが多いね。
大根やにんじんなんかの野菜と比べると収穫できるまで時間がかかるんですね。
でも、タラノキなら使っていない畑や庭先など、空き地があれば栽培ができるし、初めの年の草むしりさえしっかりやれば、肥料や消毒はほとんど必要ないんだ。
手入れをしてやれば採れる芽の数を年々増やすこともできるからから、楽しみが広がるよ。家族でぜひ試してみてね。
自分で山菜を育てられるなんて、ワクワクするね。ワラビはどうですか?
収穫したワラビ
食べごろのコゴミ
もちろんワラビも栽培できるし、ワラビに似た山菜のコゴミというのも栽培できるよ。これらは地下にある「根茎(こんけい)」と呼ばれる部分や子株を植えて増やすんだ。
ワラビは草原や牧場のような明るいところを好むのに対して、コゴミは湿っぽいところを好むので、それぞれ適したところで栽培すると、どんどん増えていくよ。
ゆでたコゴミにマヨネーズとお醤油を付けて食べるとおいしいわ。
おじさんも大好きだよ。すばらしい自然の恵みだね。
ところで、君たちはコシアブラって聞いたことはあるかな?
春にお母さんがゴマあえを作ってくれます。とてもよい香りがしました。
里山でのコシアブラ栽培
よく知っているね。
コシアブラは、風味に特徴のある山菜でタラノキの仲間なんだけど、タラノキのように根から増やすのは難しい木で、種をまいて新しい苗木を作るんだ。種は木の高い所になるので、採るのが大変なんだよ。
それに、乾燥に弱く、種を採った秋のうちにまかないと死んでしまうんだ。
さらに、種の発芽は翌々年の春になるなど、増やすのがなかなか難しい山菜の一つなんだよ。
そんなに難しくても増やすんですか?
収穫時期のコシアブラ
カラマツ林内のコシアブラ栽培地
コシアブラは背が高くなる木で、芽を採るために根元から木ごと切り倒してしまうこともあるんだ。こんな採り方を続ければ、いずれコシアブラの木はなくなってしまうよね。
そこで、増やす方法や芽を採りやすい方法を研究しているんだ。
コシアブラを育てる場所は、タラノキと一緒でもいいのかなぁ?
う~ん、実は違うんだ。
コシアブラの木の幹はデリケートで、日差しの強い所では火傷をして枯れてしまうから、栽培する場所は間伐をした後のカラマツ林やアカマツ林のような明るい林内が適しているんだよ。
ほかには、どんな山菜が栽培できるんですか?
そうだなぁ、ギョウジャニンニクやオオバギボウシ、モミジガサといった山菜も栽培ができるし、今、林業総合センターではイヌドウナという山菜を増やす研究をしているよ。
形や風味が違うように、山菜は種類によって好きな環境や育て方が違うから、それぞれに適した条件を整備して育てるのが栽培成功のポイントなんだ。
それから、植えた後に根を傷めないよう、山菜のまわりをなるべく歩かない、というのも大切だね。
ギョウジャニンニク
オオバギボウシ
モミジガサ
どれもあんまり聞いたことのない山菜だけど・・・。今度、お父さんと一緒に探して、食べてみます!
それに、これからは「採る」よりも「育てる」なんですね。
イヌドウナの若芽
先生や地元の人に相談して、学校のまわりの空いている畑や間伐がすんだ明るい林を借りて山菜の栽培に挑戦してみると面白いかもしれないね。
なんだか、楽しそう!家に帰ったら、さっそくみんなに相談してみます。
一つ注意してほしいのは、食べられる山菜と間違えて、毒のある植物を採らないということだね。よく知っている人に確認して、くれぐれも気をつけてね。
はい、わかりました。ありがとうございました。
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