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更新日:2023年9月7日
林業総合センター
こんにちは。わたし、林みどり。ぼく、森りんたろうです。
特産部では、きのこや山菜の研究をしているんですよね。わたしたちにもできる簡単なきのこや山菜の作り方を教えてもらえますか?
それなら、わたしの出番だね、とっておきの方法があるよ。特産部の増野です。
みなさんの身近にある山を「里山(さとやま)」というよ。学校林や、学校の近くの里山で、簡単にきのこを育てる方法を考えたので、よかったらチャレンジしてみてね。
簡単!なんですね。それなら、ぜひ方法を聞かせてほしいです。
はい、わかりました。
そのまえに、きのこの育て方のお話をするよ。きのこは、おもに秋に生えるものだけど、今、スーパーマーケットなどで一年中売っているね。これは、冷房や暖房のついた工場できのこを作るようになったからなんだ。
きのこを育てることを「栽培(さいばい)」というけど、これからお話する方法は、木を使った自然に近い栽培法なんだ。
きのこを栽培するには、まず「種菌(しゅきん)」というきのこの元になる「菌糸(きんし)」を木に付ける必要があるんだ。
きのこは「菌類(きんるい)」の仲間なので、菌糸という白い糸が集まったような形から育てるよ。ここまで、わかったかな。
うーん、ちょっとむずかしくなったかな。むずかしいことはいいから、早く簡単な方法を教えてくださいね。
そうだね。
では、やり方の話をはじめるよ。
林の中で、直接、木に種菌を植えつけて、その後は、あまり手をかけない放任栽培(ほうにんさいばい)だ。種菌も、「わりばし」や「ようじ」を使って作るよ。クリタケやナメコというきのこに適した方法なんだ。林業総合センターでは、「きのこの簡易接種法(かんいせっしゅほう)」という名前をつけたよ。楽な方法で簡単に種菌を植え付けることができるという意味だよ。
これにも、いろいろな方法があるけど、そのなかでも一番簡単な方法を今日は説明するね。
「わりばし」種菌(写真-1)を植えつける時期は、3~5月ごろが最適だ。まず、林の中で、植えるための木を伐るよ。植えつける前の年の10~11月ごろに伐って乾燥させておこう。ナラやクヌギが最適だ。木を伐るところは、お父さんや先生に手伝ってもらったほうがよいけど、注意して行えば、君たちでも大丈夫だよ。
種菌を植えつける前に、15cmぐらいに短くして、林の中の日陰に集めて並べるよ。
次に、並べた木の切り口に「わりばし」種菌2~3本をくっつけて土にさすんだ(写真-2)。
どう、簡単でしょ。そのあと、林の地面にある落ち葉で木を覆う(写真-3)ともっときのこが出やすくなるよ。あとは、次の年の秋まで待つだけだ。クリタケなら10~11月にきのこが出てくるよ(写真-4)。いったん出始めると、5年間は毎年同じ時期にきのこがとれるんだ。
どうだい、チャレンジしてみる?
写真-1「わりばし」種菌
写真-2種菌を木の切り口に接触
写真-3落ち葉で木を覆う
写真-4くりたけの発生
なんだか、やってみたくなったな。帰って、お父さん、お母さんや学校の先生に相談してみます。
そうだね。やることになったら、また連絡してね。そのときには、「わりばし」や「ようじ」の種菌を手に入れる方法もお話するよ。
はい。わかりました。
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