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更新日:2023年11月19日
平成28年の林務部の取り組みを重大ニュースとして紹介します。
雨滴が樹木に付着して凍り、その重みで木が折れる、いわゆる雨氷害が、松本地域を中心として広範囲に発生しました。
この森林被害により、山間地のライフラインが寸断され、宿泊施設が孤立するなど県民生活に大きな影響がありました。被害の大半は、標高800mから1,300mで発生しており、民有林内の被害は、被害面積658.6ha、被害額6億6,233万円でした。
これらの被害に対しては、主に治山事業や造林事業により、おおむね3ヵ年程度で復旧を図る予定ですが、渓流沿いの倒木の集中箇所など緊急性の高い箇所では、県単治山事業等による倒木の除去など、復旧対策を進めています。
県産材の利用拡大を図るために、信州木材認証製品センターと県林業総合センターが共同で開発を進めてきた「信州型接着重ね梁」が、このほど建築基準法に基づく国土交通大臣の認定を受けました。 【関連リンク】 |
知事会見での製品のお披露目
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県営林を含む上小地域の市町村有林等の公有林では、森林を適正に管理する森林認証制度への関心が高まり、平成28年2月に認証取得に向けて協議会を設立し、4月に森林管理認証を取得しました。
今後は、上小地域の森林と環境を守り・育てるため、より一層森林の適正な管理を普及して持続可能な森林経営を目指し、地域の環境学習の場として活かしていきます。
・森林管理認証制度:森林経営の持続性や環境保全への配慮等に関する一定基準を満たした森林を認証する制度
・認証の状況:上田市、東御市、長和町、青木村、関係7財産区及び長野県(上小地域県営林)
〔認証森林面積:8,971.10ha 内県営林面積 :541.27ha〕
・認証機関:一般社団法人 緑の循環認証会議(SGEC)
【関連リンク】
第67回全国植樹祭の関連行事として、第45回の全国林業者後継者大会を飯山市文化交流館なちゅらで開催しました。本大会は「人・技・気持ち つなげよう未来へ」をテーマに北は北海道から南は鹿児島まで県内外の林業後継者約500名が集い、長野県の林業後継者の活動発表を通じ、今後の林業後継者は活き活きと活動するための提言を全国に発信しました。 【関連リンク】 |
参加者によるトークセッション |
天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、長野市のエムウェーブにおいて、本県で52年ぶりとなる第67回全国植樹祭を開催しました。 全国植樹祭の開催を契機に、県民参加と協働による森林づくりをより一層進めていきます。 【関連リンク】 |
天皇皇后両陛下によるお手植え |
平成26年に制定した「信州 山の日」(7月第4日曜日)を契機として、県民共通の財産であり、貴重な資源である「山」に感謝するとともに「山」を守り育てながら活かしていく機運の醸成を図るため、「信州 山の月間」を中心に県内各地で様々な「山」に親しむ取組を実施しました。 【関連リンク】 |
原村みどりの少年団による「信州 山の日」宣言 |
学生協会員約100名が、樅ヶ崎県有林(信濃町)や治山事業施工地(須坂市井上)、鳥獣被害防止地(長野市温湯)において、「森林整備×防災」をテーマに活動を行いました。 樅ヶ崎県有林では倒木の恐れのあるナラ枯れ被害木(枯損木)の整理や笹刈りなどの森林整備を実施し、須坂市井上地区の治山事業施工地では森林の防災機能をより発揮させるために治山施設周辺の不要物(草木、土砂等)の除去などを、また、長野市温湯地区では集落周辺の下草刈りなどの緩衝帯整備を実施しました。 治山施設の不用物除去や集落周辺の緩衝帯整備活動は地域住民の皆さんと協働で行いました。地域住民と外部ボランティアの力を借りた形での治山施設の維持管理活動などは、全国的にも珍しい活動です。 【関連リンク】 |
学生による作業状況 |
初めての国民の祝日「山の日」を迎えた8月11日、皇太子同妃両殿下並びに愛子内親王殿下の御臨席を仰ぎ、第1回「山の日」記念全国記念式典を松本市上高地で開催しました。 晴天に恵まれ穂高連峰がはっきりと姿を現す中、式典では、皇太子殿下からお言葉をいただいた後、セイジ・オザワ松本フェスティバル ブラスアンサンブルの演奏や小澤征爾さん、宇宙飛行士の油井亀美也さん、県森林大使のC.Wニコルさんの山に寄せるビデオメッセージの上映や、地元小学生による「山と共に 未来への誓い」宣言を行いました。 世界で初となる「山」を対象とした祝日に、山を多面的に活かした本県ならではの特徴ある取組を全国に発信しました。 【関連リンク】 |
上高地での記念式典 |
東京都渋谷区において、第56回治山研究発表会が開催されました。この発表会は、治山事業に携わる者の技術力向上を図るため、日本全国の治山技術者が集まり、日頃の取り組み、研究の成果などを発表するもので、今回は600名が参加し、48の課題が4つのセクションに分かれて発表されました。 最優秀賞・「空から森林被害を診る~林野火災と雨氷害への対応事例~」 (諏訪地方事務所林務課 田中技師、松本地方事務所林務課 岩崎専門係長) ・「倒木・流木を利用した崩壊地復旧」 (諏訪地方事務所林務課 増井技師、宮沢課長補佐) 優秀賞・「落石防止林の造成に向けて」 (上小地方事務所林務課 高藤技師)
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治山研究発表会での発表状況 |
コンクリート製治山ダムの型枠には、これまで鋼製板か南洋材(熱帯地域で産出された材)等の合板などが主に使われてきましたが、本年、県下で初めて、県産カラマツを活用した型枠用合板を治山ダムの施工に使用しました。 |
治山ダムでの施工事例 |
松本地方事務所管内を中心に激害化が進む松くい虫被害森林。特に、長野自動車道沿線では被害が著しく、放置すると自動車道に対する土砂災害の危険性が高まるため、平成28年秋から長野自動車道沿線の保安林で、治山事業による伐採や土砂流出防止対策を始めました。 |
長野、岐阜、京都の林業教育機関による合同交流企画「林業大学校対抗伐木選手権大会」が木曽町で開催され、県林業大学校、岐阜県立森林文化アカデミーと京都府立林業大学校の生徒約80人が参加しました。 【関連リンク】 |
「枝払い」の競技を行う学生 |
平成19年度から25年度にかけて、大北森林組合が、造林関係補助事業を中心とした複数の事業において、合計14億円を超える補助金を不適正に受給するという事案が発生しました。
県では、検証委員会の検証結果を踏まえ、法的に最大限可能な補助金返還請求や大北森林組合や元専務への刑事告発、関係した県職員の処分など、これまで厳正な対処を行ってまいりました。
こうした中で、国から発出された補助金返還命令等に基づき、平成28年9月12日に約11億36百万円の国庫補助金の返還等を行いました。
県として、今回の国庫補助金返還額等が極めて多額であることをすべての職員が自らの問題として捉え、「しごと改革」による人件費削減など徹底した行政コストの削減等に取り組んでおり、コンプライアンスの徹底により、県民の皆様の期待や社会の要請に真に応えることができる組織として再生し、信頼回復に努めてまいります。また、大北森林組合に対しては、抜本的な経営改善と早期の補助金返還を強く求めてまいります。
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