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更新日:2019年1月1日

知事会見(平成22年(2010年)9月17日(金曜日) 11時00分~11時45分 県庁:会見場)

項目

阿部知事からの説明

  1. 9月補正予算案、条例案、部局長会議について

取材者からの質問

  1. 9月補正予算案について(1)
  2. 信州型事業仕分けについて(1)
  3. 経済対策について
  4. 信州型事業仕分けについて(2)
  5. 中小企業対策について
  6. 温暖化対策について
  7. 浅川ダムについて
  8. 信州型事業仕分けについて(3)他
  9. 内閣改造について
  10. 政策評価について
  11. 中高一貫校設立について

本文

阿部知事からの説明

1 9月補正予算案、条例案、部局長会議について

長野県知事 阿部守一
 皆さんこんにちは。本日の私からのご報告は、まず9月補正予算案でありますけれども、先程、部局長会議を開催して確定を致しました。24日から開かれます9月定例県議会に提出をしていきたいというふうに思っております。今回の補正予算は国の経済対策も取り込みながら中小企業に対する支援等も含めてですね、切れ目ない経済対策を行うということで取り組みました。また、7月、8月の豪雨災害に見舞われた地域もありますので、そうした災害復旧関連の経費につきましても盛り込ませていただいて、その他の経費と合わせて一般会計、特別会計総額で127億円余という規模の9月補正でございます。予算の計上に当たりましてはポイントのところにも書いてございますけれども、道路・砂防・治山、こうしたものにつきましては国の経済対策を活用して事業に取り組んでいきたいと思っております。それから県の単独事業の道路・河川はもとより県立高校の耐震化等についても前倒しで実施してまいりたいというふうに考えております。それから企業のニーズに対応して研究開発を支援するという観点で、測定分析機器の更新等も行ってまいりたいというふうに考えております。それから補正予算、予算とは直接関係がない部分でありますけれども、ポイントの2枚目のところに書いてありますが、中小企業の支援ということで円高対策ということで緊急円高対策資金、これは9月21日から既決予算の中で対応していきたいというふうに思っておりますが、貸付対象者については拡充をしてなおかつ貸付利率も今回変動金利も選択できるというような仕組みを新たに設けさせていただいています。もう1回ポイントのところに戻っていただきまして、7月、8月の豪雨による被害に対しての災害復旧関連事業を盛り込んでおります。それから財源につきましては国庫支出金あるいは経済対策の関連で、これまで長野県として積み立てている基金がございますので、できる限りそうした基金を有効に活用することによって、極力一般財源の負担を少なくするということで取り組みました。また県債残高が非常に高水準になっているということもありますので、将来負担を考慮致しまして県単独事業につきましては、公共投資臨時基金の活用で県債を使わずに行っております。全般的に県債の発行の抑制については極力努めているという状況であります。
 それからメディアの皆様方の報道で事業仕分けの話が報じられていたところがありますけれども、事業仕分けにつきましては私としては年度内には実施したいと、来年度予算編成前、予算編成というか、私が予算案を確定させる前には実施を致したいというふうに考えております。9月補正、それから11月の議会のいずれかに出すかということでありますけれども、私としては関係方面の理解を得ながらより良い形で事業仕分けを実施していきたいということで、11月の補正予算に出す方向で現在検討しているということであります。それから今回の9月県議会には条例案を1件提案する予定にしております。「長野県看護大学条例の一部を改正する条例案」ということでございます。県看護大学に来年度、認定看護師の養成講座を開設する予定にしておりますが、その受講料等について規定するための条例の改正でございます。9月補正、それから条例の関係については以上でございます。
 それから本日9時半から部局長会議を行いました。公開で行われましたので皆様方にもご参加いただいていた方が多いかと思いますけれども、私のほうから最後に部局長にお願いした点が2点ございます。1点が財政運営の話でありますが、各部局長においても財政状況をしっかりと把握していただいた上で、財政運営に責任を持って対応していってもらいたいと。もちろん要求側になるわけでありますけれども、とはいえ半面で部局長会議に参画してですね、最終的には予算の確定に同意をしてもらう立場にあるわけでありますから、そうした観点から財政運営についてしっかり各部局長においても取り組んでもらいたいというお話が1点。それから2点目は、今日私はこうやって皆様方に知事会見ということでお話をさせていただいておりますけれども、別にここは私の個人的な見解を申し述べる場ではないだろうということで、各部局が対外的に発信したいと、発信するのが適当だというふうに思っていることは、どんどん上げてきてもらいたいと。特に私は現場を重視していきたいと思っておりますので、現地機関を含めてですね、長野県の組織全体でいろいろなことをがんばって取り組んでおりますけれども、そうした中でも発信すべきようなものがあれば積極的に出してきてもらいたいということをお願いしました。以上2点、私のほうから部局長会議において申し上げました。私のほうからは以上でございますので、ご質問をいただければと思います。よろしくお願い致します。

 

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取材者からの質問

1 9月補正予算案について(1)

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 先程の補正予算案について一つ伺いたいのは、先程知事からご説明がありましたように、一つは切れ目ない経済対策の実施という面とですね、それから財政規律の面では県債の発行を極力抑えたというようなお話がありましたけれども、ご自身では今回の知事として初めての補正予算編成ですね、いわゆる「阿部カラー」といいますかご自身の独自の色はどんなところに特に出せたというふうにお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これは年度途中の取り組みでもありますので、まだまだ十分に出し切れていない部分はあろうかというふうに思います。ただ、円高の対応での貸し付け条件の拡充でありますとか、あるいは中小企業の研究開発支援といったような点については一定程度迅速に取り組むことができたのではないかというふうに考えております。また選挙の公約の中でも申し上げてきましたけれども、維持補修の前倒しという中で、教育施設あるいは福祉施設の修繕等についてもしっかりと盛り込んでいくことができているというふうに考えております。それから雇用の関係で、これは緊急雇用(創出基金)を活用して観光地の整備ということで選挙期間中申し上げてきました。この中の予算には直接的には出てきませんけれども、観光地の環境整備はどちらかというと市町村に行ってもらう事業という形になりますので、そういう意味では市町村が今回緊急雇用創出基金を活用する中で観光地の整備の取り組みを進めていただくという形になっております。例えば立科町では蓼科山の登山道の看板とか危険箇所の点検・整備、あるいは長和町では長門牧場から美ヶ原高原までのトレイルコースの整備、そういったものについて、私はかねてから環境整備に雇用をリンクさせてといったようなことについては、間接的にではありますけれども、市町村の取り組みを通じて実現をさせていただきたいと考えております。以上です。

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 それから、県債の発行を極力抑えられたというのも、以前から財政規律の面は非常に選挙中からも重視された面ですけれども、こうしたところでも色は出せたとお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。起債をもっと使えば事業量の拡大は可能となる部分もあると思いますけれども、年度途中なので明確な財政規律のスタンスについては十分に出し切れていませんけれども、経済対策、一定程度の規模は確保しながらも起債の発行についてはできる限り抑制したと考えております。

2 信州型事業仕分けについて(1)

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 もう1点、事業仕分けについては、先程、今回は見送られて11月にも開会する次期県会での補正での対応を検討されているということですけれども、今回見送られた理由とすればやはりまだ説明が足りないというか、逆に県会、市町村側でまだ理解が深まってはいないというご認識でしょうか。

長野県知事 阿部守一
 事業仕分けについては、私自身は実は行政刷新会議あるいは各自治体の仕分け人をやったりしてきていますので、自身としてはある意味で当たり前のものでも、まだまだ十分認識されていないというかですね、そもそも事業仕分けというもの自体がどういうものかということについての共通認識が必ずしもしっかりできていないのではないかと思っております。それから長野県としてどういう事業仕分けを行っていくか、私は完全公開、県民参加がある意味で前提条件であろうと思いますけれども具体的な取り組みの方針については十分関係方面に説明をしていく時間が、今日まだ就任してから20日もたっていない状況の中では、必ずしも十分に取れていなかったということもありますので、そういう意味では、事業仕分けをやるからにはいろいろな方にご協力、例えば市町村にもさまざまの形で協力していただきながら、しっかりと成果を上げていきたいと思っておりますので、そうした観点で協力体制を作っていくということを前提として、11月補正で出す方向で考えていきたいと思っております。ただ実施時期については年度内に確実に実施をする方向で取り組んで行きたいと思っています。

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 予算編成前にはというような話がありますけれども、そうすると時期的には1月、2月ぐらいを目指していくと・・・

長野県知事 阿部守一
 そうですね。予算編成前には実施をしたいと考えております。

3 経済対策について

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 今回経済対策に重点を置いたということなんですけれども、前県政で経済対策に関する大綱といいますか、そういうものを作ってある程度系統的に進めてきた部分があるのですが、新県政になりまして今後の円高の推移にもよるんですけど、改めて経済対策、中小企業支援について何らかの指針的なものを知事として出す考えがあるのかどうか、いかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今回の補正については切れ目ない対策ということで、私自身は経済対策については少なくとも前県政で取り組んできた方向性というのが、必ずしも軌道修正をしなければいけないという認識は持っていません。そういう観点で、今まで行ってきた長野県の取り組みをさらに拡充するという観点でも今回の補正を組ませてもらっています。経済対策に限らず財政運営全般につきましては、来年度の予算編成からが、本格的に私自身のカラ―を出していく段階になると思いますので、そこに向けて財政規律の話でありますとか、あるいはどういう分野に重点配分するかということを含めて方針を考えていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 既存の行財政改革プログラムがありますけれども、そういった部分の見直しなり、事業年度が確かあと1、2年だったと思うんで、そこでの更新に向けた検討を始めるという理解でよろしいんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私は行財政改革プランについては少なくとも見直しが必要だろうと思っていますし、来年度予算編成を行うにあたっては、どういう形で財政規律を確立していくかということについては、しっかりと検討していかなければいけないと思っています。

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 今言った見直しが必要といった部分というのは、いくつか観点があると思いますけれども、挙げられる部分があったら教えてほしいんですけれども。

長野県知事 阿部守一
 今のプランは県債発行抑制、縮減になっていると思いますけれども、臨時財政対策債を含めれば、毎年増えていく見通しに、今、対外的には長野県として出しているわけですから、私自身は県債残高の縮減というのは臨時財政対策債も含めて考えていく必要があるだろうと思っています。実際に予算編成する中で、そこが歳出とのバランスでどこまで実現可能かということも含めてこれから十分検討しなければいけませんけれども、少なくとも今までの対外的な説明ぶりについては、私は変更していかなければいけないのではないかと思っています。

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 分かりました。

4 信州型事業仕分けについて(2)

信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
 先程の事業仕分けの関係で、予算編成前には実施したいということは、予算編成に反映させるということですか。

長野県知事 阿部守一
 誤解があるといけないので丁寧に申し上げると、昨年、民主党政権がやった事業仕分けは、予算を切ることに主眼を置きましたけれども、一般的に自治体が行っている事業仕分けというのは、そもそもこの仕事は県で継続するべき仕事なのか、国の仕事なのか、市町村の仕事なのか、あるいは行政がやるべき仕事じゃないのか、それで県の仕事だとなったときにも、その内容は見直すべき点があるのかないのか、そういう形で仕分けるのが通常自治体が行っている事業仕分けでありまして、私はどちらかというと長野県でもそういう方式を採っていきたいと思っております。要するに予算を削減するかしないかという議論ではなくて、そもそもこの仕事は誰がやるべきか、県がやるべきとして見直すべき点があるのかないのかそれが基本だと思っています。そういう意味では全てが直ちに予算の話ということだけではなくて、場合によったら国への提言をしていかなければいけない事項、あるいは今の制度改革をしていかなければいけない事項等出てくると思います。そういう幅広い観点で考えたいと思っていますが、しかしながらそうした中で予算に関係してくるものというのが出てくるということは、これは当然だと思いますので、そういう観点で予算編成前には実施したいと。全て予算に反映させるとか、予算編成のために行うのではないということであります。

5 中小企業対策について

日本経済新聞 川名如廣 氏
 中小企業支援でですね、円高対策と企業ニーズに対応した測定分析機器の更新ということで、企業のですね側面支援になると思うんですが、現状のですね県内にある企業の特徴だとかを踏まえた上でですね、どういうふうにこういう機器を利用してですね、どんな長野県ならではの企業に育っていってほしいと思っていらっしゃるかお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 とりわけ製造業が今、円高の中で非常に厳しい状況に置かれている企業が多いと思いますけれども、行政が直接補助金を出してうんぬんということはなかなかなじまないし、適切ではないというふうに思っています。今申し上げた例えば研究開発分野の支援でありますとか、あるいは商談会の開催とかですね、ある意味で行政と企業との役割分担はしっかりとしながらもですね、共に取り組めるような関係性を作ることによって、長野県の製造業の活動を応援していきたいというふうに考えています。選挙中の公約の中にも経済戦略会議を設置するということを申し上げておりますので、会議の設置についてもできるだけ早急に取り組んでですね、広く経済界の意見も伺うなかで県としての取り組みを深めていきたいと思っています。

6 温暖化対策について

信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
 先程の部局長会議のなかでですね、中期総合計画の評価ですとか今後の取り組み方針についての話題が上がったかと思うんですけれども、その中で特に例として温室効果ガスの関係、温暖化対策の関係で抜本的に考えないと目標達成できないという趣旨のご発言があったかと思うんですけれども、今の段階で知事の中で何か具体的にこの温暖化対策等についてですねどんなお考えがあるかということを伺いたいんですが。

長野県知事 阿部守一
 地球温暖化対策については、積極的に取り組まなければいけない重要なテーマだというふうに思っております。CO2を減らす減らさないという問題だけではなくて、われわれの生活している環境というのがエネルギーの問題も含めて本当に持続可能性があるのかというふうに考えたときに、今のまま世界全体の人口が増加してですね、なおかつ多くの人たちが日本のような先進国と同じような暮らしをしていったときには、この地球全体の持続可能性はないだろうというふうに思いますので、日本としても積極的に取り組まなければいけない課題だというふうに思っています。具体的な取り組みの仕方というのはいろいろあると思いますが、私のほうから直ちにどうだこうだというふうに申し上げるところまで議論しておりません。来年度以降しっかりした取り組みを行っていきたいというふうに思います。

信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
 選挙中の公約の中では、現行の地球温暖化対策条例の見直しということなどが入ってたかと思うんですけれども、その当たりもまだ具体的にということではないということでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これから検討をしていかなければいけないと思いますが、公約の中にも交通計画書制度の話とかですね、盛り込ませていただきましたけれども、ある意味で温暖化の問題というのは単なる普及啓発で終わってはいけないと私は思っています。実効性のある取り組みにしていかなければいけませんし、いろいろな政策手段、規制・誘導・助成さまざまなものがありますが、これは国でなければなかなか取り組んでいけないような話もありますので、県として何を重点に置いてやるべきかということをしっかり見極めながら取り組んでいきたいと思っています。

信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
 分かりました。ありがとうございます。

7 浅川ダムについて

信濃毎日新聞 百瀬平和 氏
 浅川ダムに関しまして、賛成反対両方の意見を聞く手続きを今踏んでいる最中だと思うんですけれども、中には地すべりのリスクとか、基本高水であるとか相当程度技術的に難しい論点があると思うんですけれども、今後知事が判断を下していく中でですね、専門家の意見を聞くとか第3者機関に参考に意見を聞くとかですね、どのような手続きを踏んで検討していくのか、その手法を教えてください。

長野県知事 阿部守一
 反対派の皆さんのご意見を先日伺って、また賛成派の皆さんのご意見も来週お伺いする予定にしておりますけれども、まず住民の皆様方がどういった問題意識を持っているのかということをしっかり把握したいと思っております。非常にダムの問題ある意味で感情的な部分から極めてテクニカルな技術的な側面まで論点が非常に幅広いわけでありますが、私自身が技術の専門家ではありませんので、必要があれば専門家の意見も聞いていくことも考えたいと思っています。

8 信州型事業仕分けについて(3) 他

中日新聞 小柳津心介 氏
 仕分けの話に戻るんですけれど、当初は年内とおっしゃっていたので、理由はどうあれ遅れることになるんですが、その遅れることでの影響というものは考えられていますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 なるほど。年内と申し上げたのは、来年度に送らないという意味です。12月31日まで厳格には年内でありますけれども、私は来年度予算編成前には確実に実行したいと考えておりますので、そういう意味では特段の影響はありませんし、私が申し上げていた趣旨を変えているつもりはありません。

中日新聞 小柳津心介 氏
 それから、予算は12月に議会で提案するというお話でしたけれども、県としての仕分けの具体的な方法ですとかそういうのを示すのは議会よりも予算よりも前になるということでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 もちろんそうですね。先程言ったように、今、現時点で関係する皆様方の認識が必ずしも同じになっていないというか、私のほうからこういうふうに考えているというのをまず発信しなければいけないと思いますが、時間的に必ずしも今日に至るまで十分ではなかったということがありますが、これからはしっかりと議論していい形での事業仕分けを行えるような環境をつくっていきたいと思っています。

中日新聞 小柳津心介 氏
 それから、仕分けとは別でまた公約で掲げられていたことなんですけれども、知事部局での教育関係の設置、これの内容を示される時期ですとかがもし固まっていたら教えていただきたいんですが。

長野県知事 阿部守一
 それはいつまでというか、固まり次第ですね。今の時点では。

中日新聞 小柳津心介 氏
 確か年度内には・・・

長野県知事 阿部守一
 年度内には設置するように考えていきたいと思っています。

中日新聞 小柳津心介 氏
 具体的な内容などについては、それまでにという・・・

長野県知事 阿部守一
 そうです。だから年度内ですから、できるだけ早くやらなければならない事項の一つだと思っています。

中日新聞 小柳津心介 氏
 分かりました。

9 内閣改造について

共同通信 水内友靖 氏
 予算案の話とは違うんですけれども、内閣の改造で総務大臣に前の鳥取県知事の片山さんが起用されることが固まっていますけれども、それについての感想とか期待などがあれば教えてください。

長野県知事 阿部守一
 決まったんですかね。

共同通信 水内友靖 氏
 内定してます。

長野県知事 阿部守一
 正式に決定されているのかどうかは分からないのですが、片山前鳥取県知事は私はよく存じ上げている方です。行政刷新会議のメンバーもされていましたので、行政刷新会議時代もいろいろと相談をさせていただいた関係でもありますし、役所、総務省、自治省では先輩後輩ということもあります。片山知事は非常にいろいろな意味で今の自治制度に対しての改革をしなければいけないという問題意識を非常に強く持たれている方でありますから、地域主権改革あるいは本当の意味での自治体のあり方を進めていくという上では、非常に適任の方ではないかと私は考えています。長野県としても仮に片山総務大臣になれば、いろいろな意味で一緒になってですね、分権改革についての議論ができるのではないかというふうに思います。

10 政策評価について

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 先程、部局長会議で中期総合計画について、たまたま引き合いに出されたのが環境の話題だったかと思うんですけど、中期総合計画の施策評価っていうのが今日公表されてまして、これ計画、県民参加の元で作った計画を第三者機関も交えて評価するというような仕組みだと思うんですけど、この辺今日、進ちょく状況に関して評価のための評価であってはならないとかですね、そういった趣旨のご発言があったかと思うんですが、計画とそれから施策評価のあり方について、基本的な問題意識等お持ちでしたらお聞かせいただきたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 政策評価自体は、今どこでも行われるのが一般的になってきているわけですけれども、私は非常に政策評価やる手間暇とですね、その一方でやったことによる成果が本当に見合っているものになっているかどうかっていうのは、しっかり考えていく必要があるというふうには思っています。長野県の政策評価、ここにいる皆様方は、どの程度今まで詳細にご覧になっているかというのは逆にお聞きしたいぐらいだと思いますけれども、県民の皆様方からの反応があまりない状況になってしまっているのではないかというのが私の認識であります。
 政策評価自体は、決して否定するものではありませんけれども、やはり評価のための評価であってはいけないというふうに私は思っておりますので、評価をした結果ですね、進んでいなければやっぱり改善をする、改善するためには今までと同じ取り組みをしているだけで改善できることではないと私は思いますので、そういう意味で、私自身は例えば「遅れている」という評価になっている項目ありますけれども、そうしたものについては、当面担当している部局とですね、少し意見交換をしたいというふうに思っておりますし、私が意見交換するというような、そういうイレギュラーな話だと思いますので、「遅れている」という評価が出たものについて、どうやって進めていくのかっていうのもしっかりと検討するようなプロセスについても今後は考えていく必要があるのではないかというふうに思います。
 それと合わせて政策評価については、長野県に限らずどこの自治体でも結構、事務負担になる部分があると思います。私は書類を作ることよりも現場に行ったり、住民の皆さんのほうにしっかり目を向けていくことが、これからの行政にとって重要なことだと思っておりますので、そういう観点で実際に評価を書いているプロジェクトチームがあるようですけれども、そういう人たちと意見交換してですね、本当に今の政策評価のやり方が、現場の職員あるいはこの評価書を書いている職員にとって満足度が高いものなのかどうかっていうことについては、自分の目と耳で確認をしたいというふうに思っています。よろしいでしょうか。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 それは確認なんですけど、評価の前提になっている計画があるんですけど、その計画そのものの重要性は認めているということでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 計画の話と今の話は全く違う話で、計画に対しての政策評価がどうあるべきかというものについては、今も言ったような話で、中期計画をどういうふうに取り扱っていくかということについては、私自身新しい公約を掲げてですね、県民の皆さまに訴えて知事になったわけでありますから、これまで作られてきた計画と私がこれから県民の皆さまにお約束して実現していかなければいけないことと、どう整合性を取るかというのは、今後十分考えていきたいと思っています。

11 中高一貫校設立について

鈴木恵美子 氏
 長野市の鈴木恵美子と申します。最初にただ今の中期総合計画について伺います。今知事は、遅れている指標について個別懇談をもつということを述べられましたが、この他にも、この指標さまざまございますが、この中でですね、例えば「順調」という評価になっていましても、実際どうなんだろうというものがあったりする部分がございますが、何かこの部分で、知事がお目にとめられた指標というものはありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 「順調」のところまで、私はまだ正直目をとめてないというか、まだちゃんと十分見切れてないという状況ですけれども、ぱっとざっと見て、遅れているという項目がいくつかありますけども、先程言った温室効果ガスの総排出量、これはベクトルが逆の方に向いてしまっているのではないかということと、あと遊休農地の解消面積、非常に目標と比べて乖離(かいり)しているなということは、ぱっと見て目に付いたということで、まだ十分私自身が詳細にこれは見ていませんので、後程よく見て課題があるような部分については、対応していきたいと思います。

鈴木恵美子 氏
 ありがとうございます。ぜひ、お進めいただきたいと思います。具体的には7ページにございますが、教育委員会の関係でですね、「確かな学力と豊かな人間性・社会性を育む学校教育の充実」で、「基礎的・基本的な内容の定着度(中学生)」、これが「順調」というふうに評価されていますが、このたびの全国学力テスト結果では、長野県の中学生は全国40位前後ということで、課題を抱えているということが、県教育委員会でも指摘がされています。これは一例ですので、今後はお目通しいただきまして、ぜひお進めいただきたいと思います。続けて別件で、ご質問がありますが、よろしいでしょうか。教育行政に関して、中高一貫校の開設についてです。長野県教育委員会は、屋代高校に県立の附属中学校を開設することを決定致しました。つきましては、今週より東北信5地区で、地域説明会が始められました。初日15日は、千曲市の会場で、地元開催ということもあったかと思いますが、約600人が参加をし、非常に高い関心が寄せられているということが報道されています。その一方で、この中高一貫校というのは、この経緯をたどりますと、田中元知事の時代には、やや計画が停滞化したようですが、その後高校再編計画が決定する中で、位置づけられまして、このたびの運びに至ったという事情を把握しております。その一方で、問題点としては、受験競争の低年齢化、教育機会の不平等、公立小中学校への影響等を懸念する声も上がっています。そこで、阿部知事は、どのようにお考えになられますでしょうか。今後予算の措置等のご判断がまた、その時期が来るのではないかと思っていますが、いかがでしょうか。あわせてこのような教育施策や教育行政については、前村井知事は、これは教育委員会の管轄であるということで、一定の距離を置いてご発言をなさっていたと思いますが、今後ですね、現在でも、阿部知事は、このような教育行政に関してはどのようなお立場で臨まれるのか、お話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

長野県知事 阿部守一
 はい。中高一貫教育の話については、私はあの、教育のあり方は多様化していったほうがいいというふうに思っています。詳細な制度設計についてはともかく、私としては望ましい方向性、いろいろな子どもたちにとって、いろいろな選択肢があるような状況を作っていくことが望ましいというふうに思っています。教育行政についての知事のかかわり方についてでありますけれども、私としては、かねてから申し上げているように、住民から選ばれた知事としてですね、教育についても、言わなければいけないことは、しっかりと言っていかなければいけないというふうに思っています。もちろん、知事の権限と教育委員会の権限にまたがることについては、私の考えをですね、強く実現していくように取り組んでいきたいと思いますし、もちろん教育委員会とも相談しなければいけませんが、教育委員会専権事項みたいな部分については、これはなかなか、私の意向をストレートにぶつけることは難しい部分があるかもしれませんけれども、必要に応じて、教育委員長なりですね、教育長としっかり話をする中で、予算編成なり、議会への条例提案の権限は知事の権限になりますから、そういう意味で、逆に知事側に予算が大変だからというふうに忖度(そんたく)してですね、教育委員会が忖度して、やりたいことをやらないようなことがあってはいけないというふうにも思いますんで、そういう意味で教育委員会との関係の意思疎通については、しっかりと行っていきたいと思っています。

鈴木恵美子 氏
 ありがとうございました。

長野県知事 阿部守一
 どうもありがとうございました。

 

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