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更新日:2019年1月5日
長野県知事 阿部守一
本日の新聞でもかなり大きく取り上げられておりますけれども、福島の原子力発電所の事故の関係でいろいろ不安を抱かれていらっしゃる県民の皆さんも多いという状況もありますので、私のほうから現時点での放射線関係の現状についてお話しを致したいと思います。皆さんのお手元にデータをお配りしているかと思いますが、近県の放射線測定結果という紙をお配りしているかと思います。既に災害対策本部会議の場でも環境部のほうから報告があって、県のホームページでも一定期間ごとの放射線量をアップしているところでありますけれども、県としては環境保全研究所、長野市安茂里にございますけれども、そこで常時空間放射線測定を行ってきているところであります。お手元の表をご覧いただければと思いますけれども、一番左が長野市のデータであります。一番直近の8時から9時の時点での放射線の測定結果は0.0983マイクロシーベルトパーアワー(μSv/h)という形になっております。これは過去の測定データからしますとやや高い値になっております。平成21年度の測定値の平均が0.038、最小値が0.032、最大値が0.063という状況であります。平成22年度の2月までの平均値が0.038、最小値が0.030、最大値が0.083いずれもマイクロシーベルトパーアワーという単位であります。これまでの1時間ごとの数値をお配りしてありますけれども、22時から23時が0.1070ということで、直近のデータとしてはここがピークになっておりまして、その後ほぼ横ばいで数値としては推移しているというのが現状であります。近隣県のデータも同様に、通常観測されているデータに比べるとやや高い数値が出ているということがありますので、福島第一原子力発電所の被災の影響が出ている部分があるのではないかと思いますが、既に報道の皆様方も報じられておりますように、現時点の数字、長野県においては例えばこの0.0983マイクロシーベルトパーアワーという数値において人体、健康に影響を与える数字ではないということであります。全く健康に影響を与えるような数字ではありません。今後の対応と致しましては、県のホームページにおいてこの測定値につきましては、本日から1時間ごとの数値を公表していきたいと考えております。また、関連情報も掲載して、できる限りきめ細かな情報提供に努めてまいりたいと思います。また現時点では、長野市の環境保全研究所、一地点での測定という形になっておりますが、本日ハンディタイプの簡易測定器というのもございますので、松本、諏訪、小諸方面において、測定を実施致したいと思っております。ハンディタイプの測定器の追加配備について今後検討していきたいと思っております。繰り返しになりますけれども、現時点での数値は健康に影響を与える数字ではないということを、ぜひ県民の皆様方にご理解いただければと思っております。今回の対応との関連で、現在、福島県においては今回の原子力災害に伴う災害対策本部が設置されて対応を行っているわけでありますけれども、長野県においては現時点での数値から、特別な対応を行う必要はないと。国からも全く特段の指示は来ていないという現状であります。今後対応が必要な場合には国から指示が出されると、原子力保安院から指示がくるということになります。そうした場合には市町村を通じて住民の皆様方への情報伝達あるいは必要な指示ということを行っていくということも、現行の取り組みの中であり得るわけでありますけれども、現時点でそうした取り組みが想定されているわけではない。今の数値は極めて人体への影響という数値からすると低い数値、現時点ではこれまでの数値のデータよりやや高くなっているという状況であるということでございます。それからあわせまして食品等への懸念という部分も指摘をされているわけでありますけれども、現時点で市場等への聞き取りを行っておりますけれども、福島県それから東北地域からの野菜については地震発生以降、長野県への入荷はないと聞いております。例年3月、4月福島県をはじめとする東北地域からの野菜の入荷はほとんどない状況であります。そういう観点で現時点では原発事故にともなう生鮮農産物の本県への影響は想定されません。
それからあわせて生活関連物資についてお願いを申し上げたいと思います。今回の東北地方太平洋沖地震の影響を受けまして県内の生活関連物資につきましては、物流の停滞あるいは購入の一時的な増加ということで一部の物資に品薄の状況ということが見受けられる状況であります。長野県と致しましては、ガソリンをはじめとする生活関連物資の安定供給そして価格安定につきまして、国そして関係団体に要請をするとともに、受給および価格の動向調査、監視を行っているところであります。今後とも関係団体と十分な連携・協力を図りながら県民の皆様への正確な情報提供に努めてまいりたいと考えております。県民の皆様方には冷静な対応、行動をお願いしたいと思います。国においては生活関連物資は安定供給できるだけの十分な量の蓄えがあるとしているところでございます。各ご家庭においても適時適切に本当に必要なものだけを買っていただいて買占め等に走らないよう冷静な行動をお願いを致したいと思います。放射線原子力災害関係それから県内の物資の受給等については以上であります。
長野県におきましては、栄村ではまだ1,700名の方が避難しているという状況でありまして、栄村をはじめとする北信地域の震災への対応についても、今、全力で取り組んでいるところであります。当面避難されている皆様方の環境の改善、それからこれから住宅の確保、公営住宅あるいは仮設住宅の建設そうしたものも含めてできる限り早期に栄村の皆さんが、安心した居住環境を得て暮らしが安定することができるように、引き続き栄村とも連携をとって全力で取り組んでまいりたいと考えております。それからあわせまして、東北地方の震災に関連致しまして、昨日支援本部を立ち上げました。昨日から県民の皆様方からの義援金の募集を行っておりますし、今後、救援物資等についても、被災地への輸送を行っていきたいと思っております。被災地のほうではなかなかまだ救助・救出活動に取り組んでいる状況ですので、組織的な形での要請ということが十分出ていない部分もありますけれども、しかしながら、できるだけ広範囲かつ前倒しで、積極的な支援体制をとって、東北地方太平洋沖地震の被災地に対する支援についても、万全を期していきたいと思っております。
私のほうからは以上でございます。
長野朝日放送(abn) 藤沢徳男 氏
放射線の関係なんですけれども、県の指針といいますか、行動指針みたいなものは一つ現状ではどうなっているのかということと、こういった輸送ではなくて、こういった爆発事故ようなものを、もっともっと想定していたものなのか、というような点をですね、まずお伺いしたいですけれども。
長野県知事 阿部守一
「放射性物質の事故・災害等対策指針」というのは、長野県で定めてきているところであります。その中で、放射性物質に関連する事故・災害につきまして、どういう対応を行うかということは、事前に取り決めをしてきているわけですけれども、今回のような原子力緊急事態宣言発出時の対応ということもこの指針の中で取り決めを行っているところであります。この緊急時の対応につきましては、具体的な指示等、住民に対して行っていただくのは市町村になりますので、昨日の段階で、各市町村に対して私のほうから、「放射性物質事故・災害等対策についての依頼」ということでこの今回の災害に関連して、改めて「放射性物質事故・災害等対策指針」について、十分確認をしていただいた上で迅速な対応を行えるように、取り組んでいただけるように、すでに通知を発出しているところであります。「放射性物質事故・災害等対策指針」という形にはなっておりますけれども、先程申し上げたように、県外の原子力事業所災害等事案の対策ということも盛り込まれているところでありまして、その際の活動体制の確立につきましては、核燃料物質等輸送事故・災害対策に準じて行うと、いうことにしているところであります。
長野朝日放送(abn) 藤沢徳男 氏
輸送事故に準じてやるということですかね、爆発みたいなものに対しては直接的なものはないっていうこと。
長野県知事 阿部守一
県外の原子力事業所の災害事案への対策というのは、まさに今回その対策でありますから、それについてちゃんと節を設けて対応の方針については決めておりまして、その際の活動体制の確立につきましては、核燃料物質等輸送事故の災害対策に準じて行うという形になっております。
長野朝日放送(abn) 藤沢徳男 氏
あと1点、すいません。追加的にハンディタイプのものを、測定器を配備するということですけれども、現状では環境保全研究所1カ所の測定になるわけですけれども、順次配備していくことですけれども、こういったもので十分足りるかどうか、市町村が主に住民への対応をすると思うんですけれども、各市町村にはそういったものがないと思うんですけれども、そういった点いかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
皆さんのお手元にお配りしているデータも一部、栃木県、埼玉県のデータ、直近のデータ入っておりませんけれども、これは、各都道府県でモニタリングをしているわけです。1カ所だけ、例えば長野県内の事故であれば特定の地点だけの突出したデータが出るという可能性もあると思いますけれども、今回、福島県の事故に伴って数値が上昇しているのではないかと思われますので、各都道府県あるいは長野県で行っているモニタリングのデータを突き合わせれば一定程度の取り組みの必要性というのは判断できると思っております。今回ハンディタイプの簡易測定器で測定を行うというような、これはある意味で安心していただく、安心感を持っていただけるということで、念のため行うということで考えたいと思っております。
長野朝日放送(abn) 藤沢徳男 氏
はい、ありがとうございました。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
1点目はですね、これからのモニタリングの数を今日は松本、諏訪、小諸方面でもという先程お話ありましたけれども、具体的には今おっしゃった3地点で増やすということなのか、もうちょっと何カ所か増やすということなのか、そのあたりの現時点での想定を教えていただきたいのと、それから、それは今後毎日続けられる予定なのか、一定程度県民に今の現況を知らせるためにとりあえず今日は1回3点ぐらいでやってみるということなのかということが一つとですね、それからもう一つはハンディタイプの追加配備についてはどの程度の数をお考えでらっしゃって、これは財源との兼ね合いもあるんだと思いますけれども1台どのくらいするものなのかそのあたりをご説明ください。
環境部長 荒井英彦
今日は松本、諏訪、小諸方面を実施を致しまして、その結果と環境保全研究所にある固定式のものとの比較をしてみて、どんな値が出るかということを検証してみたいと思っております。その中で、ほとんど環保研の数値とそういったものが同じようなものかどうかといったことを見ながらこの他にもうちょっと南のほうとかいろいろな地域がありますので、その結果を見ながらどの辺を補っていけばいいかというのを検討したいと思っております。追加配備については、目安とすれば3ないし4個くらいのものは調達できればということで今、いろいろな検討をしているところでございます。価格的には、私どもが承知しているものについては1個当たり50万円前後ぐらいということで聞いておりますので、業者と今確認をしているところでございます。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
それから2点目はですね、今のところ問題ない数字だという先程のご説明がありましたけれども、一般的にも昨日ちょうど夕方以降雨が降ったりしましたし、今日も雪が降っていますけれども、一般的な数字の増減と雨、雪の影響だとかそうした理由もあるんじゃないかと考えられるんではないかと思うので、そうしたところの評価を教えてください。
環境部長 荒井英彦
一つには、今までの私どもの持っている数値より全般的に高い数字が出ておりまして近隣県も高い数字があるということの一つの原因の中には福島の原発の影響があろうということがございます。それと合わせて、一般的に雨あるいは雪が降れば空中に飛散しているものを取り込んで落下してくるということで過去の私どもの経験値の中でも雨、雪の場合には高くなるということで、その二つの意味から両方合わせて高い結果が出ていると、今のところはそのように分析しております。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
それから、3点目ですけれども、先程指針のお話がありましたけれども、知事のご説明通り県外の原子力事業所での事故については輸送中の事故に準じてということでしたけれども、そちらの準じるべき輸送中の事故における対応の指針の中にはですね、一定程度市町村長の避難勧告指示などのですね基準になる指標というようなものもありますが、これはおそらく数字の大きさから見たときにですね、実際に輸送中に核燃料物質が落下したであるとか、落ちてどこにあるか分からないであるとかそうしたものを想定している数字ではないかと思うんですが、今回のような状況に十分対応できるというふうにお考えでいらっしゃるのか、むしろやはり今回の場合で言えば国からの指示を待つべきであるという現時点でのお考えなのかどうか、それから少し将来的なことになりますけれども、今回は今回で臨機応変に対応しなければいけないんだと思いますが、こうした事態が県外でも起きた場合に県内の数字も変わってくることを考えるとある程度指針の見直しというのも視野に入れてらっしゃるのか、そのあたりのことを教えてください。
長野県知事 阿部守一
現時点での指針の見直しというのは、今、まさに災害対応をやっているところですので、今後、現在進行形の状況ですから、最終的にどういう形になるのかを見極めた上で必要があれば対応していくという形になろうかと思います。それから、前段はどのような質問でしたでしょうか。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
知事が先程、準じて対応するというふうにおっしゃっていらっしゃった現況の輸送中の事故。
長野県知事 阿部守一
輸送中の事故というのは、どちらかというと個別的な事象でありますが、今回の場合は、原子力発電所を中心として影響が仮に長野県においても具体的な対策を講じなければいけないという状況になれば、まさに全国的な対応を行わなければいけない状況であります。そういう観点で、今回の原子力災害に対しましては基本的には国からの指示が行われると、福島県においても避難勧告、退避命令等は政府が行っているわけでありますから、長野県においても同様な対応が、仮に万が一長野県において避難、退避等の必要性が出てくる場合には、原子力安全・保安院のほうで影響の分析、解析をやった上でそうした指示をしていくということになっておりますので、その指示に従って市町村にも県からお伝えして、対応していただくという形になると思います。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
裏返せば確認ですけれども、現況の県の指針にあるですね、市町村長が避難勧告、退避などを判断する際の一つの指標を示してらっしゃいますけれども、この数字を見るとかなり大きな数字で、おそらく落下事故であるとか、輸送中の事故などを想定しているものではないかと思いますが、それはそのまま当てはめるだけでは十分ではないというふうにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
数字をそのまま当てはめるというよりは、今申し上げたように今回の災害対策、今回の福島原発の事故に対する対応というのは、今、国において対応を行っているわけですから、その指示に基づき長野県としても対応していくということです。市町村には先程申し上げましたように、今回の状況を踏まえて指針等の再確認をお願いしているところでありますし、数値的な状況については先程申し上げた、例えば0.0983マイクロシーベルトパーアワーと申し上げましたけれども、例えばエックス線検査で浴びる放射線量1回の検査で50マイクロシーベルトという形になっています。1年間で一人当たり浴びている自然放射線の量は平均で2400マイクロシーベルトとも言われておりますので、そうした自然界に存在するあるいは人為的に放射線を浴びる機械の数値から比べますと、極めて低い数値に現時点ではとどまっているという状況です。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
今のところ大きな影響というか、心配ない数字だということなんですが、もし仮にという話になってしまうんですけれども、健康被害等に備えるためにいわゆるヨウ素とかですね、そういったものっていうのは、知識がなくていけないんですけれども調達等の方法とか、もしくはその連携とか、備蓄に耐え得るものかどうかも含めてちょっと知識がないので、そういったときの対処について説明していただければと思うんですけれども。
健康福祉部長 桑島昭文
現時点での状況をまずご報告申し上げますが、ヨウ素剤の提供につきましては、現在厚生労働省のほうで調整してございまして、日本製薬団体連合会あるいは薬品の卸連合会に対してヨウ素剤を含む医薬品については東北地方に向けて出荷を集中するようにという通知あるいは要請が出てございます。これは3月12日付で出てございますけれども、そうした結果から県内の卸が6社ございますけれども、その在庫は現在ございません。あと残りの、これ元々甲状腺の治療に使っておりましたので医療機関での在庫については現在調査中でございます。そうした状況でございますので、なかなかこれ全国的な動きになると長野県だけに確保しようという動きはなかなか難しいのではないかと考えてございます。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
すいません。そのヨウ素剤というのは備蓄というのは可能なものなんですか。中長期で。
健康福祉部長 桑島昭文
備蓄自体は可能でございます。通常の丸い玉のような薬剤になってございますので備蓄は可能だと思いますけれども、基本的にはそんなにたくさん使う薬ではございませんので、普段はあまり在庫を持っているということではないと思います。
中日新聞 小松田健一 氏
2点お願いします。まず原発の関係ですけど、一般県民おそらく放射性物質と放射能と放射線の違いが分からない方がほとんどだと思いますので、県のホームページにはその辺の記載がないのですが、今後どのように周知、広報を図られていくのかお願いします。
長野県知事 阿部守一
今回の事故に関してやはり県民の皆様に、まずは具体的な事実関係それから放射線なり放射能というのはいかなるものかという基本的な知識というものがなかなか十分ではない方が多いと思っています。私も今回の対応の中でいろいろ改めて確認した点も多いわけでありまして、そういう意味で今後県のホームページでも今まで以上に詳細に今ご指摘いただいた放射線、放射性物質等の話であるとか、あるいは体、人体への影響のことであるとか、あるいは万が一避難あるいは退避が必要になったときにどういう点に心がけなければいけないか、そうした点については詳しく掲載をしていきたいと思っておりますので、ぜひメディアの皆様方においてもそうした点も含めて広報して、PRしていただくようにご協力をいただければありがたいと思います。
中日新聞 小松田健一 氏
もう1点栄村の地震についてお尋ねなんですが、これから被害額の概算の算定をされていくと思うんですがその時期のめどとですね、その災害復旧の経費は予備費での対応が可能なのかあるいは年度明けまた直ちに補正を組まなきゃいけないような状況なのか、大まかな見通しが分かればお願いします。
長野県知事 阿部守一
栄村の地震については、まずは私は一義的には今避難されている方の居住の確保と、あるいは水道の復旧とそういう応急対策の側面が最優先だと思っております。もちろん公共施設の復旧等を行って、災害救助法を適用しておりますので、避難等に要する経費は国と県が負担すると。それから今回激甚災害にも指定をされていますので、通常の補助率を上回って国庫補助を投入していただけるという形になってこようかと思いますけれども、そうした金額的な算定についてはこれからと思っています。ただ応急対策、避難所等の経費については、これはもう現在でも県の負担をすると前提でできる限りの支援をさせていただいているところでありますし、また東北地方のこれ未曽有(みぞう)の災害でありますので、そうした災害支援に対しては予備費を活用するということも想定して、現在対応してきているところであります。
日本経済新聞 川名如廣 氏
今後ですね、県内企業の皆さんにも経済の停滞でですね、経営等の不安などが生じると思うんですが、県としてどのようなバックアップだとか、考えてらっしゃるか教えてください。
長野県知事 阿部守一
商工労働部でまずは経済界との連絡調整会議を設置をしたいと思っています。その中で企業の皆様方からの具体的なニーズ等について把握して、県としてできる限りの対応をしていきたいと思っておりますし、また融資等についても対応を行っていきたいと思います。いずれにしても今回の東北地方太平洋沖地震に関連しては、先程県内の需給、物資需給についての影響についても申し上げましたけれども、お話のありました県内の企業活動への影響ということも、これから想定されるわけでありますので、そうした点においても万全を期していきたいと思っております。今、私どもで考えておりますのは、ひとつは企業向けの相談窓口を設置を致したいと思っております。地震の影響で資金繰りなどの経営に関する相談を行うための相談窓口を行ってまいります。
それから企業の経営に今回の地震が与える影響についての調査も行ってまいります。さらには先程申し上げた、今回激甚災害による影響を受けました、県内企業の経営安定のために、中小企業の融資制度資金を拡充してまいりたいと考えております。直接被災した中小企業者、あるいは間接的に影響を受けた中小企業者に対する金融支援策の充実を行ってまいります。それから先程申し上げた、東北地方太平洋沖地震経済団体等連絡会議を設置をして、経済に与える今回の震災の影響等について、経済界と一緒になって把握をして、対策を講じていきたいと考えております。
中日新聞 小松田健一 氏
再度で恐縮ですが、今の質問と関連で、県内観光地へも少なからぬ影響が出始めている、キャンセル続出等でですね、出始めているようですが、そのあたりの対応は今、どのようにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
長野県の災害という形で、現時点では栄村で避難所が開設されている状況で、長野県全体からすれば局所的な災害ではありますけれども、一部の皆様方からすると、長野県全体が災害を受けているのではないかという、ある意味で誤解も生じかねない部分もあると思っています。気象庁の緊急地震速報等も、やや地震の混乱で長野県の地震ではないものの緊急速報が出たりとか、そういう部分も生じたりしておりますので、観光関係の皆さんと力を合わせて、被災地でないところについては、できるだけ観光客の皆様方には現状をしっかりお伝えして、観光関係の皆様方にマイナスの影響が大きく生ずることのないように、対策を講じていきたいと思っています。
読売新聞 香取直武 氏
栄村の関連なんですけれども、居住空間というか、居住施設の安定ということで、昨日の段階で多分、県の危険度の判定も一通りまとまっていると思うんですが、それを受けて大体どのくらいのスケジュール感と規模感を持って考えていらっしゃるか、それから現地の人なんかは心配しているんですけど、今後、例えば仮設住宅なんかも資材が逼迫(ひっぱく)してくるんじゃないかということも心配されているんですが、現時点でそういう情報というのは、県のほうで把握されているか、また何か対応があれば教えてください。
長野県知事 阿部守一
栄村の関係ですけれども、1700名、今、危険度判定で約700棟、それぐらいの住宅をどうしていくかということが、今後の課題になっているわけでありますけれども、まずは、一義的には、栄村当局とよく相談をしなければいけないと思いますが、現時点では、昨日一時帰宅をされています。その中で、実際にご自分のお宅に帰られて、非常に物が散乱しているとか、ある程度何とかなりそうだとか、それぞれの避難者の方が、実態を把握されていると思いますので、県が協力して居住の意向調査を行いたいと思っています。お年寄りの皆様方とか、あるいはお子さんをお持ちの方もいらっしゃるので、できるだけ丁寧な把握をしていかなければいけないと思っております。それは、明日行う予定で現時点では考えています。村との相談にはなりますけれども。その上で、例えば、県としても公営住宅、県の公営住宅あるいは近隣、周辺市町村の公営住宅の確保等も行っておりますので、公営住宅等に入居される方、それからご自宅に戻られる方、それからご自宅になかなか戻れず、引き続き避難所にとどまらざるを得ない方、出ていらっしゃると思いますので、それぞれの皆様方に対して、きめ細かな対策を考えていきたいと思っています。引き続き、避難所にとどまらざるを得ないような皆様方に対しては、これは今後の検討ではありますけれども、周辺の宿泊施設等での受け入れというようなことができないかということについても、あわせて考えていきたいと思っています。いずれにしても、お年寄り、お子様も含めて、非常に狭い、そして環境が必ずしもいいとは言えない中での長期な避難生活を強いられている皆様方に対して、やはり、温かく対応していくということを最優先で行っていきたいと思っています。
資材の逼迫(ひっぱく)については、発災直後からプレハブ協会とは建設部のほうでコンタクトをとるように指示しているところであります。ただ、現時点で長野県における仮設住宅の必要戸数というのはまだ確定してないという状況の中で、東北地域で未曽有(みぞう)の災害が起きている中で、そこら辺は、今後協会との調整事項という形になってくると思いますけれども、私としては、できる限りの調達を行っていきたいと思います。ただ、仮設住宅となると、どうしても一般の家屋に比べて、居住環境としてはやや劣る形にならざる得ないと思いますので、できる限り、先程申し上げた公営住宅等をはじめとして、ご自宅に戻れる方はご自宅の片づけ、散乱している部分もありますので、そうしたところにはボランティア等の協力をいただきながら対応するとか、そうした方針で臨んでいきたいと思っています。
中日新聞 大平樹 氏
福島の原発の関係でお伺いしたいんですが、県の放射性物質事故災害対策指針ですか、これで県外の原発での災害等発生時は情報収集などということで、文科省、経産省、国交省などと情報収集に当たるという。今の段階で国との情報収集っていうのは、主にどこと、それは具体的にどういう形で連絡が取れているのかというのは。
危機管理防災課長 木下陽介 氏
現在、国のほうとは、経産省ですか、いわゆる安全規制の担当となっている、先程もちょっとお話がありましたけれども、保安院(原子力安全・保安院)という、そことの連絡のやり取りということになっております。
中日新聞 大平樹 氏
すみません、あと県内の観測地、先程から現時点では人体に影響が出るものではないというお話しで、どれくらいの値になったら、県として次の対応を取るのか、先程から国から何らかの指示があるはずだというお話しなんですが、県としてはどういうレベルになれば、有意な変化があるというふうにお考えなのか。その辺の今の現時点でのお考えをお聞かせください。
環境部長 荒井英彦
この放射線の影響というのは、被ばくの量によるのですけれども、それは安全ということで言えば、例えば先程申し上げた、年間2,400マイクロシーベルトというような単位なのですが、それは1年間を通しての値になっているものですから、一時的な強さとどのくらいの時間それを浴びるかによって、変わってくる部分がございまして、それについて言えば、われわれの目途としては、年間で言うところの2,400マイクロシーベルト、それを超える部分というのは危険なものだと認識しておりますけれども、それについては、例えば福島県とか出てくる、そちらから起因するものであれば、私どもだけではなくて、栃木県とかいろいろな県がありまして、国のほうからそういった指示が出てくるというように思って、情報収集しているところでございます。
中日新聞 大平樹 氏
すみません、お伺いしたいのは、今の県としてどのレベルになのか、設定しているものがあるのかどうか。
環境部長 荒井英彦
一つ目安として、先程の指針の中に10から50という段階と、それについては一般的には、家屋の中に避難してくださいという一つの目途がそこにございます。それから、50を超えた場合には、コンクリートの建物の中に避難してくださいという、一つの指針がございます。それをどのような状況で、そのようになるのかということが見定めていく中で、全国的な情報とか、国の情報そういうものを見定めた上で、基本的には国のほうから指示そのものは出てくると。我々はそれに近いような値というものをモニタリングしながら、注視しながら見て、総合的に判断していくと、こういうことで今考えて、準備をしているところでございます。
中日新聞 大平樹 氏
分かりました。
中日新聞 大平樹 氏
あと、震災全体への話なんですが、県内から東北地方へ行ってですね、被災された方がいるのかどうかっていうのは、県として把握しているのかということをお聞かせください。全国的には2,000人を超える方がツアー旅行に出掛けるというような情報もありますし、そういう数字を県として把握しているのか。
長野県知事 阿部守一
先般の災害対策本部でも報告致しましたけども、学校関係の安否確認については、既に確認が取れています。その他の一般の旅行者の方等がどういう状況でいるかということについては、必ずしも把握はしておりません。
中日新聞 大平樹 氏
今後把握されるようなご予定もないんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
現時点で例えば、これ警察等になると思いますけれども、行方不明になっているとかという話の報告は受けていません。しかしながら、例えばご家族ごと災害に巻き込まれたような場合には、必ずしもそういうことも出てこないとか、あるいは親戚の方が気付かれるのが遅いということも無くは無いので、そうしたことについては、警察とも連携を取って、対応したいと思いますけど、現時点でそうした報告は受けておりません。
中日新聞 大平樹 氏
そういう人がいないと言っていいのか、把握できていないって
長野県知事 阿部守一
被災地の中でも、現時点でどなたがどういう状況になられているか、十分把握されてないというのが現状であります。私も被災地の自治体と直接電話をして話しましたけれど、まだまだ救出救助にまずは全力を挙げるという状況であります。県内にお住まいの皆様のほうから、そういう話があれば別ですけども、被災地の側からそういう話が入ってくるという現状ではないと思いますので、現時点で長野県のお住まいの方が、被害を受けた方がいらっしゃるかどうかという点については、そうした報告はないということであります。
中日新聞 大平樹 氏
要するに、それを向こうから、今救助をまさに救助やっているところなんで、向こうで調べて報告してもらうというのは、なかなか難しいと思うんです。それが、そういう意味では県外から出て行った方がどれくらいいるのか、特にツアー旅行なんかはですね、旅行会社を通じて調べるということはある意味では可能なことなのかなとは思うんですが、そういう出の部分ではどうなんでしょうか。
観光部 観光企画課長 長谷川浩
ツアー旅行の関係で大きな旅行会社につきまして、私どものほうで確認した限りでは、出られた方はみな無事に戻っていると。これから行く方についてはキャンセルが続いているという、そういう状況のようでございます。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
先程知事にも伺いましたけれど、環境部長からも、指針にある数字というのはですね、一つの目安として示していると、いうふうなお話があったもので重ねて伺いますけれども、私どもの昨日の取材では危機管理部さんのほうでは、そちらの数字というのはね、確かにあるんだけれども、基本的には核燃料物質なんかが輸送中の事故を想定したもの、主にそういうものを想定しているもので、今回のような県外のね、原発事故についてはそのまま対応できるのはなかなか難しいんじゃないかというようなお話を伺っていて、そういうこと、だからこそ今回のケースについては国の指示に従うという理解でよろしいのかどうかというのを統一見解で教えてください。
環境部長 荒井英彦
お話のようにそういうことでございまして、ただ人体に対する影響と数値というものは、かなりパラレルにリンクしているという科学的なものであろうというように理解しておりますので、影響としてはそういうものでございますが、今回の件で言えば、福島を中心とした、影響がどのように及ぶかということで、それを国が判断をして、タイミングそういうものを見て指示が出るというようにわれわれは理解しております。
信濃毎日新聞 半田茂久 氏
先程の栄村の被災者の方に対しては今後、もしかしたら近隣の宿泊施設等へ受入れをお願いするかもしれないと話がありましたが、現在東北地方で被災されている方、だいぶ避難所等も一杯になってきていると困るということなんですが、東北の方々を、県内の公共施設、使われていない学校、体育館、などに受入れる計画等はあるのかどうかということと、あと県内の旅館組合さんのほうにそうした東北の被災者の方の受入れをお願いしたいという予定があるのかどうかということを確認したいのですが。
長野県知事 阿部守一
その点については、観光部のほうに指示して、被災者の受入れについての検討を行うようにしています。先程の放射線の関係で、指示を単に待っているだけではなくて、異常なデータ等が検出されればそれはもちろんこちらから国に対して積極的に働きかけていくということも必要になってくる場合もなくはないと思いますけれど、現時点ではそうしたデータにはなっておりませんし、国のほうで福島県においての避難地域を設定しての同様な形をこれからとっていくということになると思いますので、現時点では国からの指示を待ちたいと思っています。
観光部長 久保田篤
いわゆる県外からの被災者の皆さんの県内の受入れの中における、旅館ホテルの対応ということでございますけれども、知事から検討をしろと指示を受けております。具体的にどういう形で可能なのか、それから被災者受入れの全体像がどうなるかという中での、一つの選択肢ということになろうかと思いますので、その点について現在内部的な検討をしておるところであります。
信濃毎日新聞 半田茂久 氏
民間の旅館さんにお願いするというのは最終的な方向になると思うんですけれども、県の管轄している、もう使っていない小中学校、廃校になって使ってない小中学校であるとか、例えばホワイトリンク、イベント等を中止してもらってホワイトリンクを全て開放するとかですね、そういう県の管轄している施設に対しての受入れは考えているのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
長野県まで避難されるという方に対して体育館に暮らしていただくということで本当にいいのかどうかというところがあると思います。被災地の避難所の環境が極めて劣悪だし、輸送もなかなか思うにまかせないという状況があるので、場合によってはそういうことも考えていかざるを得ない部分があろうかと思いますけれども、現時点では体育館に受け入れるということとは違う形の選択肢を考えていると。現在、被災された都道府県のほうからなかなか全体的にどういう必要性があるかという要請が必ずしも来ていないという現状にあります。そうした中で我々としては、できるだけ、まずは幅広く想定をしていこうということで対応しておりますけれども、今後、避難所から応急的な避難所に対しても、まずは周辺の、茨城県が大量の避難の方を受け入れるという方針を出されておりますが、応急的な対応というのは、まずはより近い都道府県が対応されるということでやらないと、輸送することでも大変になりますので、そういう対応が必要だと思っています。長野県においては、より中長期的な対応も含めて、現在考えているという現状であります。
長野県知事 阿部守一
どうもありがとうございました。
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