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更新日:2022年4月5日
長野県知事 阿部守一
本日、現在の新型コロナウイルスの感染拡大状況を踏まえて、県として医療非常事態宣言を発出することとしました。また、併せて全県の感染警戒レベルを県独自では最高の(レベル)5に引き上げ、それに伴うさまざまな対応を行っていくということを決定しました。まず、今の状況についてお話ししたいと思います。新規陽性者数の状況については、これまでも会見でお伝えしてきたところですけれども、これまでの第3波、第4波を大きく超える1週間当たりの新規陽性者数が790人ということで、数的にも非常に多くなっていますし、また陽性者の増加のスピードも、これまでになく非常に急激なスピードで増加しています。大変な危機感を持っている状況です。また、それに伴い療養者数も過去最多を更新してきています。直近で861人ということで、多くの方が入院、あるいは宿泊療養、自宅療養をされているという状況です。また、中等症、あるいは重症の患者の状況(会見資料1/スライド4ページ)ですけれども、ご覧いただくと分かるように、今、新規陽性者数に占めるご高齢の方の割合は、第4波までと比べるとかなり少なくなっています。これはワクチン接種をしていただいた効果がかなり出ているものと考えています。しかしながら、その一方で、40代、50代、あるいはもっと若い方においても、中等症以上になられる方が増えてきているという状況です。中等症、重症以上になられる40代、あるいは50代の方が増えてきていますし、また、より若い世代の方も中等症以上になられる方が出てきています。また、ご覧いただいていますように、基礎疾患がない方でも中等症以上、酸素吸入が必要な状態になられる方がいらっしゃるという状況です。そうした中で、病床使用率、8月19日、昨日の段階で47.6パーセントというところまで増加してきています。第3波、これは年末年始から1月、2月にかけてですけれども、その際、1月14日の段階で医療非常事態宣言を発出したわけですけれども、第3波のピークは確保病床に対して62.3パーセントというところまで上昇しました。今回、現時点では47.6(パーセント)ということで、病床数も増やしてきた効果もあるわけですけれども、まだ50パーセントにはわずかに届いていない状況ではありますが、しかしながら、急速に新規陽性者数が増えているということを勘案して、目安となる50パーセント超えない段階ではありますけれども、先手を打つ対応ということで、医療非常事態宣言を発出するという形にしました。入院者の方が233人ということで、確保病床使用率で47.6パーセントという状況です。そうした中で、このまま新規陽性者数が急増し続けると、救える命が救えなくなる事態になりかねないと考えています。県も、そして医療関係者の皆さまも、この救える命が救えなくなるという状況は絶対に回避しなければいけないと考えています。そうしたことから医療非常事態宣言を発出し、これから1カ月を「命を守る1か月」ということで、県も最大限全力で努力しますし、県民の皆さまにも最善の行動を取っていただくようお願いしたいと思います。9月20日までの期間中に、何とか確保病床使用率を40パーセント以下に持ってくることができるように取り組んでいきたいと考えていますので、県民の皆さまにはご理解とご協力をお願いしたいと思います。併せて、全県に対して感染警戒レベル5、「特別警報2」を発出します。県としての取り組み、そして県民、事業者の皆さまへのお願いということで、全県民の皆さまのご協力とご理解をいただきながら対策を進めていきたいと考えています。
長野県医師会 会長 竹重王仁 氏
まず、コロナ感染症、デルタ株の猛威によって、ただならぬ状況になっているということを県民の皆さまと一緒に共有したいと思っています。日本の医療というのは、国民皆保険制度によって、必要なとき、必要かつ適切な医療が受けられるというのが大原則です。コロナ感染症拡大によりまして、県外では、基礎疾患のないにもかかわらず、コロナ感染症になり、自宅療養中に急変し、搬送を受け入れる医療機関が見つからず、在宅で亡くなったという例があります。まさしく医療崩壊と言っていいと思います。残念なことと言えます。長野県では、現在必要なときに医療機関に入院できないという事態はありませんが、今後注意が必要だと思います。先ほど知事からお話がありましたように、病床使用率も47.6パーセントと、50パーセントに近づいています。ベッド運用が非常に窮屈な状態になっています。長野県医師会も各地区の郡市医師会と連携して、看護協会の協力も得まして、まずは宿泊施設のオンコール体制を行っていますが、健康観察、診療体制をさらに充実して、医療機能を高めていきたいと考えています。県内では自宅療養の方は、小児であるとか、家族全員が陽性、あるいは独居者であって、入院、宿泊で対応できないため自宅にいるという方はいないと聞いています。原則は医療観察の設備がある入院か療養施設が好ましいと思っています。在宅の訪問診療については、長野県では点在する在宅に訪問診療することは時間的ロス、あるいはマンパワー的にも現在では難しいと考えています。コロナ病床の占有率を下げ、ベッド回転数を上げるためには、コロナ対応をしていない入院医療機関にも、後遺症管理のためのポストコロナ病床の充実を図るよう、今まで以上にお願いしていきたいと思っています。
最後ですが、県民の方にお願いで、まず、1番目には基本的感染防止対策を徹底していただきたいと思っています。また2番目は、県民が集団免疫を獲得し、パンデミック終了に向かうため、ぜひワクチンを受けていただきたいと思います。不安、疑問につきましてはかかりつけ医に相談していただき、誤解によって接種が受けられないという事態はないようにしたいと思っています。ぜひ、ワクチン接種をお願いしたいと思います。
長野県看護協会 会長 松本あつ子 氏
看護職を代表して発言させていただきたいと思います。まずは、昨年から新型コロナウイルス感染症の患者さんを受け入れている病院についてですが、看護職をはじめ、多くの職員は自らが感染するかもしれないという恐怖と闘いながら、日々ケアを行っています。そして、患者さんへ、家族へ感染させるかもしれないという不安から、家にも帰れずに病院で生活をするような方も多くおられます。いくら頑張っても終わりの見えない闘いに疲れ果てているのが現状だと思います。しかし、誰かに代わってもらうわけにはいかないので、使命感だけではどうにもならない状況であるということをご理解いただけたらと考えています。
次に宿泊療養施設のことですが、県内にある数カ所の宿泊療養施設でも、ここ連日、新たに10名以上の入所者の方に対応しています。第4波までは入所から退所まで落ち着いた軽症の方を観察していましたが、このデルタ株に移行してからは、入所当初は軽症であっても、療養を続けるうちに38度を超える発熱や、息苦しさを訴える方を観察しています。病院と相談しながら入院につなげるようにしていますが、今はまだ入院が必要な際には速やかに病院と連携を図りながら入院へ移行できていると思います。これ以上患者さんが増えると、具合が悪くても、今東京で起こっているような入院もできず、宿泊療養施設にも入所できずに自宅で過ごさなければならない状況になってしまうのではないかと不安を感じているところです。この新型コロナウイルス感染症は、ひとたび感染すれば症状の苦しさもさることながら、家族などとも面会もできずに孤独な闘いをしなければなりません。また、誰かに感染させてしまったのかもしれないという罪悪感や、これからの生活の不安に苦しんでおられる方もたくさんいます。そんな声を現場で耳にするたびに、つらい思いをどこにも話せない方へ、どのように寄り添ったらいいか、看護師たちは心を砕いています。また、保健所や自治体で働く看護師をはじめ、多くの職員がワクチン接種への対応と感染された方のフォローで、休みもなく働いておられます。目いっぱいの状態になっています。
そこで、ぜひ県民の皆さまにお願いしたいと思います。日々、医療現場で働く医療従事者を皆さんの力で助けていただきたいと思います。まずは、ご自身が感染しない、させないということを行動で示していただけたらと思います。そして、自ら感染してしまったときのことを想像してみていただきたいと思います。この「命を守る1か月」、今、出されましたが、これを県民の皆さまと共に頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。先ほどもありましたように、ワクチン接種をぜひ積極的に受けていただくようにお願いしながら、ここの期間を乗り越えられたらと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。
松本市立病院 院長 中村雅彦 氏
私からは松本広域圏の状況、それから市立病院の現在の医療状況をお話しさせていただいて、その後、医療に関わる、提供する立場にある者として、現在の厳しい状況の中で医療が果たすべき役割について、提言を交えてお話しさせていただきたいと思います。現在、松本市は今月11日に警戒レベルが5に引き上げられました。人口24万人の松本市なので、このときは1週間で新規感染者が49人ということになります。その後の1週間たった18日の時点で148人になっており、1週間で3倍に感染が増えたことになります。年末年始を超える猛烈なスピードで感染が急速拡大していて、歯止めがかからない状態と考えています。現在のうちの病院の入退院の状況、それから発熱外来の状況、混乱ぶりを考えると、今の状況を一言で表現すると、底なし沼の状態にあると考えています。先が見えない状態で、一歩足を踏み込んでしまったかなという感じです。当院の状況なのですけれども、今、県内のコロナの患者を受けている病院はどこも大変だと思います。当院は16床用意していた病床を、使用率が80パーセントを超えたので、13日の日に37床に増やしました。当日、13日には9人の新規入院があり、翌日には6人というような入院がありました。その後も毎日5人、6人の、退院はあるのですけれども、それを超える患者がすぐ入院するという状態で、毎日が底が見えない状態です。病棟は担当する看護師15人の体制で、日勤が5人、夜勤が2人の体制になっています。現在、やはりひとたび防護具を着て病棟の中に入ると、3時間から4時間は出てこられない状態です。これは第3波のときは高齢者が非常に多かったので、食事の介助とか排せつ、整容とか、こういった介護の部分が非常に多かったのですけれども、今回は中年の方、重症化の方、いわゆる抗ウイルス薬、レムデシビルを使ったりとか、最新の抗体カクテル療法、ロナプリーブというお薬を使うのですけれども、点滴にするケースが非常に増えているのです。点滴をした後も血圧、脈拍等の経過観察をしないといけないので、それが非常に負担になっている。そのようなこともあって、看護師の負担が増えているというような状況です。引き続き、たんの吸引の必要な方もたんの吸引をしなければならない。それから、患者さんが退院した後、ベッドメイキングをしたりとか、病室やトイレ、浴室の清掃等も看護師がやるということで、入退院が重なると非常に負担が増えるということになっています。それから、発熱外来なのですけれども、まだ診断のついていない熱のある患者さん、それから濃厚接触の方、陽性が確認されてこれから入院する必要があるかどうかを判定する重症度の判定のために患者さんが見えています。この患者も非常に増えていて、今月の10日には、3カ月ぶりに発熱外来の患者だけで50人を超えました。それからだんだん増えていて、17日には過去最高となる67人が受診されています。その67人のうち23人が陽性者でした。ですから、陽性率が30パーセント以上という、いつもより高い現場での仕事ということになります。発熱外来は医師が2人、看護師6人で診療に当たっているのですが、日中の診療が一段落するのは19時。それから発生届を整理したりとか、統計を取ったり、翌日入院する方の連絡等を行って、職員が帰れるのが22時という毎日が続いているような状態です。発熱外来の前の駐車場は、車が60台来るのであふれていて、庶務の担当の事務員が2人出て交通整理に当たっているような状況です。感染の特徴は、先ほど知事からお話あったように全国の傾向と変わらないです。ただ、ここに来てやはり増えているのが、感染の裾野が非常に広がっているので、妊婦の感染が非常に増えています。8月に入って、すでに当院でも5人入院されていますし、妊婦さんは、やはり妊娠の後期に重症になるといわれていますので、うちでは妊娠の週数、それから重症度にかかわらず、妊婦は全員入院という方針で対応して、産婦人科のドクターの診察を受けるようにしています。それから、透析患者が増えてきています。透析の患者さんは部屋に透析装置を入れないといけない。それから、看護師やME(臨床工学技士)の職員がずっと付いて見ていないといけないので、かなりそれも負担になっているような状況です。このような状況の中で医療が果たすべき役割は、三つほどお願いしたいのですが、先ほど医師会長の竹重先生が言われたように、在宅療養の患者への診療支援をぜひお願いしたいなと。やはり1軒1軒を回るというのはなかなか無理があると思うので、ぜひオンライン診療を取り入れていただいて、軽症の方にはオンラインでやる。そして状態の変化がある方は往診をして対面診察をするというようなこと。先日も自宅待機の方が過換気呼吸になってしまって、夜間に救急車で搬送されるというような例もありました。やはり24時間医療とつながっているという安心感が必要なのではないかと考えています。2番目は重症化予防なのですが、感染力が強くて、病原性の強いデルタ株に対応するためには、発症の早期から有効な治療を開始する、そして重症化を防ぐ、これがまず第一だと考えています。そうすることによってベッドの回転が早くなりますので、非常に有効かなと思っています。そのための手段として、最近出た抗体カクテル療法、これ使ってみて、早くから熱が下がったり、倦怠感が取れます。こういった治療を、ぜひ宿泊療養施設でもできるように、あと病院でやる。軽症の方はホテルでやって、中等症の1の方は病院でやるというような役割分担を、ぜひ開業医の先生と進められたらと思います。ただ、宿泊療養施設でやるということになると、スタッフの看護師さんのトレーニングとか、開業医の先生、防護服を着たりということになりますので、医師会の中の感染症対策の方とか、あと病院の中でも、そういった感染症に精通したドクターの協力を求めながらやっていくということも検討いただきたいなと思っています。最後、病床の確保なのですが、やはりどこの病院もコロナ診療を呼吸器内科の先生とか、感染症専門の先生にお願いするケースが多いのです。ただ、どうしても1人の医者が持てる数というのは一般診療でも10人です。コロナということになると、3人か4人がせいぜいだと思います。そういった特定科の先生に診療を頼ってしまうと、どうしても受け入れが6床とか8床ということになってしまうので、こういった国民の多くを巻き込むような、災害レベルの非常事態ですので、診療科の枠を越えて、例えば内科、外科、総合診療科といった多くの医師が診療に関われるような体制づくりをしていかないといけない。これは、呼吸器内科や感染症の担当の先生がリーダーシップを発揮できるような体制づくりを、私たち病院長とか管理者がつくっていかないといけないのかなと考えています。最後に、特に活動の盛んな若い方にお願いしたいのですが、やはり若い方が感染をして、お父さん、お母さんに感染して重症化したりとか、また妊娠されたごきょうだい、お姉さんや妹さん、あとは配偶者です。そういった困難に遭わないように、ぜひわれわれ医療者と危機感を共有していただきたいなと考えています。
長野県知事 阿部守一
竹重会長、松本会長、中村院長、ありがとうございました。医療現場からの切実な状況をお伝えいただきまして、ありがとうございます。頂いたご提案をしっかり医療関係の皆さまと一緒に実現していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
それでは、お手元にお配りした資料(会見資料2)でお話ししたいと思います。まず、医療非常事態宣言、「命を守る1か月」という形でサブタイトルを付けたところです。医療従事者の皆さまには本当にこの間、大変なご尽力をいただいていますし、また、すべての県民の皆さまには、コロナ禍で生活や産業に大きな影響を受けられている方も含めて、歯を食いしばりながら頑張っていただいて、これまでの危機を乗り越えてくることができましたこと、心から感謝申し上げたいと思います。今、3人の方からお話しいただいたように、デルタ株の脅威に長野県はさらされているという状況です。これまでにない強力な感染力を備えたウイルスですので、皆さまにはこれまで大丈夫だったからこれからも大丈夫だというような考えは持たないようにお願いしたいと思います。特に夏休み、あるいはお盆の時期の全国的な人の移動によって、このデルタ株、全国に広がっています。これから8月の後半、そして9月の上旬に向けては、まさに本県にとっても正念場だと考えています。救える命が救えなくなるといったような状況を回避するのは行政の責任でもありますし、医療関係者の皆さまのご努力にかかるところもありますが、何といってもお一人お一人の行動が大変重要だということをご理解いただきたいと思います。
先ほど申し上げたように、医療非常事態宣言を発出し、「特別警報2」を全県に発出します。その具体的な対策、内容ですけれども、お配りしている「『特別警報2』を発出します」という紙(会見資料2/2ページ)をご覧いただければと思います。感染警戒レベルを5に、医療非常事態宣言の発出と併せて全県引き上げますけれども、基本的に14日間、9月2日までということで、強い対策、対応を行っていきたいと思っています。まずは、県としての対策ですが、療養体制を強化していきたいと思っています。今、医療機関のご協力で490床、確保病床ありますけれども、これの拡充をさらに医療機関にお願いしていきます。また、緊急的な受け入れ病床として、全県で約80床確保していただくようお願いをしていきます。加えて、宿泊療養施設も県内5カ所運用していますけれども、中信地域に6カ所目の宿泊療養施設を開設したいと考えています。先ほど、中村院長からもお話がありました抗体カクテル療法ですが、県としても医療従事者の皆さまと連携しながら、抗体カクテル療法、そしてネーザルハイフロー等を活用した酸素療法、これは6月県議会においての予算で、各医療機関に配備する予算を確保していますので、こうした重症化をあらかじめ防ぐ取り組みを強化していきたいと考えています。また、今後さらに感染が拡大した際にも、適切な医療体制を維持することができるように、医師会、各医療機関と検討を行っていきたいと考えています。先ほど、中村院長から妊婦さんのお話がありました。千葉県において、本当に痛ましい出来事ですけれども、自宅療養されていた女性が容体急変下に入院受け入れ先が見つからず、ご自宅で早産され、赤ちゃんがお亡くなりになられたという大変痛ましい事件がありました。心からお悔やみを申し上げたいと思います。本県でも妊婦の方、ご心配されている方がいらっしゃると思いますのでご説明しますが、本県においては、感染が確認された妊婦の方は、先ほども中村院長からもありましたが、入院いただくことを原則に対応してきています。長野県の(信州)産婦人科連合会等と調整した上で、周産期医療提供体制方針、昨年4月の段階で作成しています。現在10圏域、それぞれに産科の医療機関を確保し、妊産婦の方が陽性になられた場合には入院いただける体制を整えている状況です。先ほどもお話がありましたように、妊娠後期の感染は、わずかながら重症化しやすいとも言われている状況です。妊婦の皆さまは細心の注意を払われていらっしゃると思いますが、ご本人はもちろんですけれども、ご家庭の感染予防ということで、同居のご家族も含めて、ぜひ感染対策は十分ご留意をいただきたいと思います。また、妊婦の方に対するワクチン接種についても、これは妊娠の時期を問わず接種をすることが推奨されていますので、ぜひご検討いただければありがたいと思っています。療養体制の中で妊婦の方について言及しました。2点目として「検査体制の強化」です。これまで以上に、そこに記載されているさまざまな検査を行っていきたいと考えています。中等症、あるいは重症化させないということが何よりも重要だと考えていますので、そういう意味では、早期の発見、それから先ほどの抗体カクテル療法をはじめとする早期の適切な治療、さらにはワクチン接種の推進、こうしたことによって重症化される方を極力防いでいきたいと考えています。それから、「ワクチン接種の加速化」ですけれども、県としてモデルナのさらなる確保を図っていきたいと思いますし、またアストラゼネカ製のワクチン接種についても、来月の中旬をめどに接種体制を整えて、実施していきたいと考えています。引き続き、市町村が行っているファイザーのワクチン接種は、市町村と連携して必要な調整を県としても行いながら、接種の加速化を図っていきたいと考えています。また、影響を受ける県民の皆さま、事業者の皆さまに対する支援を行っていきます。県議会と相談した上で、できるだけ早く必要な予算措置を講じるよう検討していきたいと考えています。また先日、「新型コロナ『デルタ株』と闘う県民共同宣言」、多くの団体と発出していますが、多くの皆さまにさらに呼び掛けを行って、各企業や団体、そしてお一人お一人の皆さまの力を頂きながら、このデルタ株の抑制を全力で図っていきたいと考えています。また、「県立学校における取組」、先日、教育委員会で方針を決めて、実施しているわけですけれども、どうしてもお盆の時期、いろいろな方と接している方が多いと思いますので、そういう意味では、8月29日までの期間、学校現場においても最大限の対応、対策を行っていきたいと考えています。また、県機関においても執務室内の職員数を5割削減する等、まさにコロナモードの対応を県として行っていきたいと考えています。この後、全国知事会、私も参加しなければいけないので時間がなくて申し訳ありませんけれども、「国に対する要請」も県として、あるいは全国知事会を通じて、しっかり行っていきたいと考えています。
それから、「『新型コロナウイルス特別警報2』の全県発出に伴うお願い」という文書(会見資料2/4ページ)です。お願いの詳細については、「別紙」(会見資料2/スライド5ページ)に掲げているところですけれども、基本的にここに書いたこと、お一人お一人の県民の皆さまにはぜひ徹底していただければありがたいと思っています。「県民の皆様におかれましては、『大切なご自身とご家族の命を守り』、そして、『多くの方の命と暮らしを救う』ため、以下の行動をお願いします」ということで、「できるだけ人と会わない」。そして、基本的な感染対策の徹底ということで、「マスク、手洗い・手指消毒、三密回避の徹底を」いただく。そして、早期の発見治療につなげるという観点からも、「体調が悪い時にはすぐに医療機関に相談を」いただきたいと思っています。
先ほど、医療関係者の皆さまからいろいろお話をいただいたわけですけれども、例えば基礎疾患があられる方で、まだワクチン接種を受けていない方、本当に心配な毎日を過ごされている方も大勢いらっしゃいます。また、妊婦の方、あるいは中高年の方等でも、まだワクチン接種の順番が回ってこないということで、活動を控えていらっしゃる方も大勢いらっしゃいます。そういう中で、県民の皆さまには、ご自分の行動が、もちろんご自分と身の回りのご家族をはじめ、大切な方を守るということにつながると思いますが、それと同時に、社会全体、多くの皆さまの命と暮らしを救うのだということをぜひご理解いただき、協力を頂きたいと思っています。また、こうした際にも、どうしてもいろいろな活動、行動をしなければいけない方もいらっしゃいますので、ご自分の行動はぜひ変えてもらいたいと思いますけれども、他人の行動を誹謗(ひぼう)中傷したり、差別をするということは絶対に行わないでもらいたいと思います。毎回申し上げていますけれども、そうしたことをすることによって、逆に感染したかもしれないけれども医療機関にかかれない、かかりたくないという人がどうしても出てしまいますので、ご自分の行動はぜひ変えていただきたいということは切にお願いしますけれども、人の行動に対しての誹謗(ひぼう)中傷等は行わないように、心からお願いしたいと思います。また、交通、飲食、観光をはじめ、多くの皆さまが苦境に立たされているのは、各種報道等で県民の皆さまもご存じの通りだと思っています。そうした中で、歯を食いしばって、多くの皆さまのために協力を頂いている事業者の皆さまが大勢いらっしゃいます。そうした皆さまの取り組みにも思いをはせていただいて、この時期は、行動は最大限控えてもらいたいと思います。これは、医療従事者の皆さまに対する思いやりという観点からもお願いしたいと思っています。
別紙を付けているところですけれども、下線部分が今回特に修正、強調しているところです。人との接触機会をできるだけ減らしていただき、また、県境をまたぐ移動は極力中止または延期ということで、これまで以上に強いお願いにしているところです。また、会合等もできるだけ控えていただき、必要な場合も少人数、短時間で行っていただきたいと思っています。また、これまでは酒類の提供を行う飲食店に対して、ガイドラインを遵守していない場合には利用を控えていただきたいということを県民の皆さまにお願いしていますけれども、今後は酒類の提供を行う飲食店に限らず、ガイドラインを遵守されていないような店舗、施設の利用は控えていただくようお願いしたいと思っています。また、発熱等の症状がある方は外出を控えて、直ちにかかりつけ医等に相談いただきたいと思っています。また、事業者の皆さまにも、これまでも大変ご協力を頂いていますけれども、改めて感染対策を徹底いただき、多くの皆さまがご利用される場合の施設においては、状況に応じて入場制限等を実施いただきたいと思います。また、イベントについてはできるだけ延期、中止等の検討を行っていただきたいと思いますし、また実施される際にも上限規制の範囲内で実施をいただくようお願いしたいと考えています。それから、今、時短要請等を行っている状況です。本当に飲食店の皆さまには心苦しい思いですけれども、松本圏域の時短要請がもうすぐ期限を迎える状況になっていますけれども、現下の感染状況に鑑みて、延長する方向で検討していますので、その旨もこの機会に併せてお伝えしたいと思います。また、子どもたちの感染例も大変増えてきていますので、学校、保育所、こうしたところにおける感染対策の徹底もお願いしたいと思います。先ほど申し上げたように、夏休み、お盆で多くの人たちが、どうしても「感染対策強化期間」という呼び掛けをしましたけれども、陽性者の発生状況を見ますと、県外往来に起因する陽性者が増え、そしてそのご家族、あるいは職場の方への感染という事例が増えています。このお盆休み明けの状況がどういう形で出てくるのかということ、注視をしているところですけれども、ここ数日、新規陽性者数が急増しているということで、大変危機感を持っている状況です。すべての県民の皆さまにはこうした状況をご理解いただき、先ほど申し上げたようなお願い、昨年からいろいろなお願いをしていて、辛抱に辛抱を重ねているという方も大勢いらっしゃると思いますけれども、今の局面、大変重要な局面ですので、ご協力いただきますよう心からお願い申し上げます。私からは以上です。
(知事離席)
中日新聞 城石愛麻 氏
松本市立病院の中村院長に伺います。先ほど、コロナ病床を37床に増やして対応しているというお話がありましたが、今、病院の状況として、病床は逼迫(ひっぱく)してきているとお感じでしょうか。それで、今、何人の方が入院していらっしゃるのかというのを教えていただければと思います。
松本市立病院 院長 中村雅彦 氏
けさの時点で37床のうち23人入院されています。先ほどお話ししたように、一番多かったのは今週の月曜日、16日です。このときは27人の入院でした。27人というと、利用率が70パーセントを超えているというような状態なので、国のステージで4になりますので、逼迫(ひっぱく)している状態です。うちは37床ということで、松本医療圏でコロナの患者さんを受ける病院は、私の病院を入れて五つあるのですね。その五つの病院で調整しながら受けているのですけれども、他の病院がベッドがいっぱいになってきたという場合には、うちがいわば最後のとりでということになるので、うちですべて受け入れるということを考えています。
中日新聞 城石愛麻 氏
もう一つ、中村院長にまた伺いますが、第4波との比較の中で、高齢者の入院患者さんが少なくなって、看護師さんが介助に回ることは少なくなっているということだったのですが、少し聞こえなかった部分もあって、今はどういったことで負担が大きくなっているのか、もう一度教えていただけますか。
松本市立病院 院長 中村雅彦 氏
今、65歳以上の高齢者の入院割合というのは1割なのです。従来株のときは3割、4割でしたので、明らかに減っています。第3波のときには、やはり防護具を1回着て入ると、3、4時間はもう汗だくになって仕事をしていました。これは、やはり高齢者が多いので、食事の介助とか排せつ、整容、着替えがあったりとか、あと日常生活のご介助で非常に負担が増えていたのですけれども、今回は高齢者は少ないです。では、業務は楽かというと決してそうではなくて、やはり同じように1回(防護)服を着て入ると、3、4時間は、お昼ご飯も食べられなくて、昼過ぎまでやって戻ってきます。これは何でかというと、治療法が非常に進歩しました。その中で抗ウイルス薬、レムデシビル、こういった抗ウイルス薬とか、最近出てきた抗体カクテル療法とあるのですが、これは点滴なのです。時間を決めて点滴をして、点滴をした後も血圧とか脈拍とか、あとはアナフィラキシーが出るので、そういった観察をしないといけないので、そういうものが非常に負担になっていて、そういった観察業務も含めると、看護師の負担は違った意味で増えているというような状況です。
中日新聞 我那覇圭 氏
これは竹重会長に伺った方がよろしいでしょうか。いまさらながらの話ではあるのですけれども、先ほど知事も言及されていましたが、このままの状況が続くと、救える命も救えなくなるとおっしゃっていたのですが、改めて、それが具体的にどのようなことを意味しているのか教えていただけますか。
長野県医師会 会長 竹重王仁 氏
要は、うまく観察のできる状態でコロナ感染症の患者さんを診るのというのが原則ですし、一般の病気と違って病状が急激に変化する人がいますので、そういった部分で救えなくなるという部分が出てくると思います。ベッドの50パーセント以上の話もでますが、ベッドには100パーセントということはありませんで、ある程度交代するような病床を確保しておかなければいけませんので、先ほど中村先生がおっしゃったように、ある程度の余裕を持ったベッド管理が必要になる病気だと思っていますので、危機的な状況が差し迫っているということはその通りだと思います。
中日新聞 我那覇圭 氏
補足でお尋ねしたいのですが。今のはコロナにもっぱら関係したお話かと理解したのですけれども、例えば新型コロナの病床が増えることによって、他の一般の疾患にも影響が及んでくるというようなお話もあろうかと思うのですが、そこら辺についてもお話伺えますか。
長野県医師会 会長 竹重王仁 氏
具体的な数字は分かりませんけれども、もういろいろな部分に波及しています。例えば、救急で今まで診ていた心臓の病気、あるいは脳卒中の方が上手に入院できないであるとか、あるいは健診体制の中で、今まで健康診断でがんを早期発見するということも遅れているということも聞いていますので、やはりいろいろなところでコロナによって、しわ寄せがきていると思います。最終的には、2024年から「5疾病・6事業」という感染症を踏まえた計画(第8次医療計画)を立てるようになっていますけれども、それまでの中で、現在、(第)5波が非常に急速に拡大している中では対応が非常に問題だと思いますし、ワクチンとのせめぎ合いといいますか、競争という部分があろうかと思っています。
信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
今の皆さんの答えの中から重複する部分があるかもしれないのですが、一般的な人の感覚でいいますと、50パーセントというと、まだ半分あるのではないかと受け取る方もいらっしゃるかもしれません。ただ、今までのお話の中でも余裕を持ったベッドコントロールが必要だというお話も出ていたのですが、改めまして、50パーセントが埋まっているという状況が皆さんにとってどういう状況であるか、どういう危機的な場面があり得るのかということについてお伺いしてもよろしいでしょうか。
松本市立病院 院長 中村雅彦 氏
国のレベルでは、確かにステージ3以上が病床利用率50パーセント以上とされています。コロナの患者さんは、やはり一般の患者さんよりも3倍から4倍ぐらいの手間がかかると考えていいかと思います。1人の方が入院して、治療、看護を行う、それから退院も含めてなのですけれども。よく利用率というのですけれども、月曜日の27人の入院というお話をしたのですけれど、この日に実は9人退院されているのです。そうすると、27足す9ということなので36です。これは稼動というのですけれど、入院している患者さんというのはある一定の時間で数を数えるのですけれど、退院された患者というのは含まれないのです。実は退院する患者というのは、先ほどお話ししたように、看護師の業務がすごく大変です。補助者が入らない、ヘルパーさんが入らないのです。なので、すべてベッドメイキングをしたり、部屋も掃除して、きれいにしてということなるとすごく時間がかかる。ですから、利用数に退院患者を加えて考えると、恐らく50パーセントの利用率というのは稼働数でいくともっと高いのです。恐らく2、3割増えると思います。そういう意味で、50というのはかなり病院側からするといっぱいになってきたなという感じはあるのですけれども、ただ、今後、患者が増えてくればそんなことは言えないので、利用率で、例えば36とか37ということになれば、その他に退院される方もいるので、退院した後にすぐ違う患者さんを入院させるとか、そのような状況になってくるのですけれども。利用と稼動とは違うということです。
信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
松本さんにも看護師というお立場から、この数字というものが持つ意味について、同じ趣旨の質問なのですけれど、お伺いしてもよろしいですか。
長野県看護協会 会長 松本あつ子 氏
今、中村先生がお話ししてくださったように、退院されたら、即、そこのベッドに入院できるわけではありません。いろいろな形で整えて、次の方を迎えるに当たって、いろいろな手続きも必要ですし、次の方にうつらないように環境整備だとか、そのようなことも必要です。これは病院に限らず、宿泊療養施設でも同じような状況です。ですので、そういうことを考えたときに、いくら人がたくさんいて、それをそれぞれに分業しても、普通の病院、コロナの病床ではないところでは、いろいろな方たちが携わってそういうことを補っているのですが、現在、コロナの患者さんを受け入れている病院や施設では、そういうようなことをすべて看護職が行うような状況になっています。ですので、そこら辺を考えたときに、ずっと24時間そばで観察している看護職というのは、先ほど先生がおっしゃられた点滴後の観察ですとか、そういうことの他に、たくさんの業務が混在していますので、非常に負担は大きいと考えます。ですので、利用率だけでは計れない業務量の多さというものを、ぜひご理解いただけたらうれしいなと思います。
(知事出席)
長野県知事 阿部守一
知事会の関係で会見、中座をしまして失礼いたしました。全国知事会での私からの発言について、まだ会議、継続中だと思いますけれども、ご紹介しておきたいと思います。医療非常事態宣言を本日発出したということをお伝えした上で、2点、私から発言しました。一つは、まん延防止等重点措置、あるいは緊急事態宣言を、全国を対象に発出する必要があるのではないかということです。本県も、そして全国の状況も、ほぼ同様の傾向が、特に地方ではあると思いますけれども、やはり都道府県境をまたいだ人の移動に起因して陽性者が発生し、そこからご家族等に広がっているという状況があります。そういう意味で、やはり全国統一的なメッセージが重要だ、対応が必要だということで、まん延防止等重点措置、あるいは緊急事態宣言を全国一斉に発出するということを国に求める必要があるのではないかということで発言しました。その趣旨、あるいはその場合の対応について2点申し上げたのですけれども、一つは、先ほど申し上げたように、今、人の移動に伴う部分が新規陽性者の拡大の要因となっていますので、全国一律の対応が必要だということと、今、観光、飲食、交通事業者、大変苦境に立たされています。どうしても国のこうした支援策は、緊急事態宣言、あるいはまん延防止等重点措置地域に手厚い、その他の地域と差があるというような状況になっていますけれども、これは私としては、国が発出したものであろうとなかろうと、大変な事業者に対しては同様の支援が必要だと思います。そうした前提で全国に発出するとともに、観光、飲食、交通事業者等への手厚い支援、それから生活支援、こうしたものをセットで国として措置するべきだということを主張しました。一方で、こうした措置が、どうしても今、画一的になっていますので、都道府県内における対応については分権型、知事が地域の状況を踏まえて、講じる必要があると判断したものを実行できるようにする必要があるということを申し上げているところです。これが一つ目です。全国を対象としてのまん延防止等重点措置、あるいは緊急事態宣言の発出の必要性です。もう1点ですけれども、前回の知事会議で、国においてはロックダウン的な移動制限を含め、法制度を本気で検討いただきたいということを発言して、その後、あまり時間がなかったので、それについて具体的な言及ができなかったわけですけれども、本日申し上げたのは、人流、特に都道府県をまたいだ人の移動を止める具体的な制度を、国においてつくるよう求めるべきではないかということです。例えば、ロードプライシング(特定の道路や地域、時間帯における自動車利用者に対して課金することによって自動車交通量の規制を図る施策)的な手法で、緊急事態宣言が発出されているような時期には、例えば高速道路、あるいは新幹線等の料金が高くなるといったようなこと、あるいは物流車両を除く一般車両の通行を高速道路においては行えない、通行止めを行う、あるいは鉄道も便数を減らすといったようなことも含めて、考える必要があるのではないかということで発言しました。もとより、これは事業者に対して負担を掛ける話にもなりますし、また移動される方への負担ということにもなりますので、公共の福祉との兼ね合いを十分考える必要があるわけですけれども。しかしながら、人の命が危機にひんしているというような状況の中で、どこまで現行憲法上対応ができるのかということについては、やはりしっかりと検討する必要があるものと考えて発言しています。また、感染拡大地域で陽性が確認されて自宅療養をされている方が、所管の保健所が知らない間に本県に滞在されているといったような事例もありますので、こうした方に対する保健所の関与というようなことも、制度化をしっかり行う必要があるのではないかということも申し上げたところです。また、かねて旅館業法、去年、かなり人の移動に関連して国に申し上げてきたわけですけれども、感染症(伝染性の疾病)にかかっていることが明らかな場合については、宿泊を拒否できるという規定が旅館業法上あるわけですけれども、今は、例えば緊急事態宣言地域から来られる方であっても、営業されている限りは拒否してはいけない形になっていますので、事業者の中には心配される方もいらっしゃると思いますので、そうした方の思いを反映できるような法制度も必要ではないかと考えています。そういう意味で、今、全国で陽性者が急拡大している中で、人流抑制ということ、これは今、お願いをしているだけにとどまっているわけですけれども、法的な検討を十分経た上で、実効性を伴う措置を行うことも必要になってきているのではないかという趣旨で発言したところです。以上2点です。私からは以上です。
読売新聞 佐々木想 氏
まず、医療非常事態宣言についてなのですけれども。今回、この宣言を発出するに当たって、県の方で現状、行動変容が見られない場合に、どの程度まで確保病床使用率が上昇するとか、伸び続けるといった試算、推測、あるいは予測のモデルといったものがあれば教えていただきたいのですけれども。
長野県知事 阿部守一
県として、例えば毎日の発生者数がこの水準になれば、一定期間経過後にこの程度になるという見通しを持って対応しています。例えば、連日150人の新規陽性者数が発生したと仮定した場合には、おおむね8月末までには400人を超える入院者数になるのではないかと見込んでいるところです。もちろん、これは一定の仮定を置いているわけでありまして、入院者の割合、あるいは中等症、軽症別の入院の平均値等をどう設定するかによって変わってくるわけですけれども、こうしたことも念頭に置きながら対策を講じてきています。
読売新聞 佐々木想 氏
あともう1点、今お話があった全国知事会での発言についてなのですけれども。特に公共交通機関に対する実効的な措置という点について、長野県庁としては、今回第5波の前、特に今回、夏休み期間の前に呼び掛けを行ったわけですけれども、それについても実効的な措置が県としてやれるかどうかという検討をされていたりはしたのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
都道府県をまたぐ移動の話については、知事会の場においては、かねて国として方針を示す必要があるということを申し上げてきています。例えば広域的な移動について、県の方針であったり、あるいは県民の皆さまに規制をかけるという観点で条例を作るといったようなことも含めて考えたときにも、県域内のことであれば県として対応できますけれども、他県、他の地域と関わる話について、県条例で実効性ある対応をするというのは、制度上無理だと思っています。
市民タイムス 田子元気 氏
先ほどの知事の会見の中で、松本圏域の飲食店への時短要請、延長する方向で検討されているという説明がありました。具体的にはどの日時まで延長されることを考えていらっしゃるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
飲食店の時短延長については影響が大きい話ですので、県としては慎重に検討しています。ただ、方向性についてはできるだけ早めにということで、これまでも具体的な日時等が確定しない段階で延長の一定の方向性についてはアナウンスしているところで、現時点でもまさにそういう状況です。
市民タイムス 田子元気 氏
あと1点ありまして、イベントの開催なのですが、松本市では「セイジ・オザワ松本フェスティバル」の開催が、この医療非常事態宣言の真っただ中で予定されています。幾つかコンサートは中止になったのですけれども、メインのオーケストラコンサートであるだとか、室内楽、ふれあいコンサート(2)というのは、現時点では実施する方向でいます。松本の臥雲市長は17日の定例記者会見で、今後の感染状況によっては開催可否を再検討する可能性があるということをおっしゃられています。県も音楽祭に出資されているということもありますし、先ほど、松本市立病院の院長さんのお話をお聞きしても、かなり切迫している状況ではないかと。しかも音楽祭の観客は県外の方が多く、首都圏の方も多いという状況です。現時点では開催すべきかどうか、知事のお考えをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
県も当然関わっているわけですけれども、一義的には実行委員会でご判断されるものだと思っています。松本市をはじめ、関係の皆さまのお考えをよく承りたいと思っていますけれども、県としても県民文化部で日常的にいろいろやりとりしていますので、情報共有をしっかりしながら、適切な判断を行っていただきたいと思っています。
読売新聞 松本将統 氏
今回の医療非常事態宣言を、例えばまん延防止等重点措置の足掛かりにしたいというような考えはあるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
足掛かりというのがどういうニュアンスかということはありますけれども、私としては、以前も申し上げたかもしれませんけれども、県としてできることは最大限行っていきたいと思っています。先ほど、まん延防止等重点措置、あるいは緊急事態宣言の全国的な適用について検討する必要があるのではないか、国に求める必要があるのではないかということを知事会で発言していますが、併せて、先ほど申し上げたように、県域内の状況というのは地域によってかなり違っていますので、そこはできるだけ分権型にしてもらいたいと思っています。そういう観点で、先ほど申し上げたように、県内の県民の皆さまも、事業者の皆さまも、これまで最大限ご協力いただいて今日に至っているわけですので、私としては、社会経済活動と感染対策、しっかり両面にらみながら、両面において県として責任をしっかり負いながら対策を、まずは全力で行っていきたいと思っています。
読売新聞 松本将統 氏
もう1点だけ。他県でもまん延防止等重点措置の対象地域が長野の周りでも増えてきている中で、阿部知事自身は、まん延防止等重点措置にそもそも効果があるとお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
効果の見方は幾つかあると思いますけれども。先ほども、「全国で」と申し上げたのは、例えば県単独の措置だと、どうしても他の都道府県の皆さまにはほとんど届いていないなと思っています。全国的なまん延防止等重点措置になると、テレビでも新聞でも、ここはまん延防止等重点措置県ですよというのを、かなり強くアピールしていただいていますけれども、県単独の措置は、あまりそうしたアナウンス効果がないので、そういう意味で、全国的にこの地域は往来、少し考えようかなと思っていただく上では効果があるのだろうと思います。ただ、その一方で、まん延防止等重点措置として行っている措置も、あるいは本県が、例えば時短要請等をすでに行っている地域がかなりありますけれども、劇的に対策の内容が異なっているわけではなくて、もちろん時短要請の対象施設等は広がってきますけれども、県内の状況を見ると、直ちに時短要請を、酒類の提供を行っている飲食店からうんと広く広げれば感染が収まるかというと、必ずしもそうではないと思いますので、そういう意味での効果というのは、一定程度限定的ではないかと思います。そういう意味では、どこに着目するかによって違ってくるのではないかと思います。
信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
先ほど知事、県としてできることは最大限行っていきたいという発言をされていました。今回の医療非常事態宣言と、全県一斉のレベル5というのは、今の県の独自制度の中では最大限の手法だと思うのですが、それだけ今できる県の最大限に近い手を尽くすと、そういった受け止めをしてよろしいのでしょうか。どういったところなのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
県としては、最大限の対策、尽くせる手はすべて尽くしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
そうであるならば、こうした県の独自の最大限の対策を実施しても、今後、感染拡大が止まらなかった場合、医療逼迫(ひっぱく)が止まらなかった場合は、もう国などの制度で、全国的な枠組みの中で実効的にしていかないといけないとも考えられますが、先ほどの全国知事会の発言は、そうしたことを考慮しての発言なのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうしたことというのは。
信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
県の手法ではもう最大限やっていると。今後、感染がさらに拡大していったら、もう県としてはできることはないから、全国的な制度に頼らないといけないということですか。
長野県知事 阿部守一
私の説明が分かりづらかったのかもしれませんけれども。県単独の措置は、県の感染警戒レベル上も、圏域のレベルを6、あるいは全県のレベルを6というのは、まん延防止等重点措置と緊急事態宣言と位置付けていますので、今のレベル5対応で感染拡大を食い止めることができなければ、当然、まん延防止等重点措置の要請であったり、緊急事態宣言の事実上の要請であったり、そうしたことも視野に入れざるを得ないとは思っています。ただ、その一方で、先ほど知事会で発言したのは、今、全国、特に地方部で多いのは往来に基づくものですので、そういう意味で、全国民が一斉に同じメッセージで行動変容を起こしていく上では、全国的なまん延防止等重点措置、または緊急事態宣言の発出が必要な状況になっているのではないかと考えた上での発言です。
信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
先ほどの、このままのペースで新規感染者が推移していけば、8月末にはかなりの療養者の数がいっぱいになるといった発言がありましたけれども。他県にあるような、今現在起きているような入院拒否や自宅で症状が急変した人を収容できないといった、そういった医療崩壊に近い事態、このままだと長野県もそういった事態になり得ると、そういった最悪のケースというのは何か想定していらっしゃいますでしょうか。いつまでにそうなってしまうだとか。
長野県知事 阿部守一
まず、県としてはそういう事態を回避しなければいけないと思っています。きょうの「療養体制の強化」(会見資料2/2ページ)の中でも、まず病床数は増やしていきたいと、そのことを医療関係者の皆さまにお願いしていきますし、「さらなる感染の拡大時においても適切な療養体制を維持するための療養体制の強化等について関係団体と連携して検討を進めます」と書いてあるのは、先ほども医療関係者の皆さまの中からもいろいろご発言があったように、例えば、本当に入院が必要な方を入院できるような環境をつくっていく。例えば、症状が軽快された方は入院先から宿泊療養施設に早めに移ってもらうとか、これまで以上に医療機関と宿泊療養施設の連携ということで、円滑に対応していくということも必要な場合もあると思います。また、抗体カクテル療法も、今、医療機関でなければ使えないというのが国の制度上の設計になっていますが、こうしたものももっと広い場所で使えるようにすることによって重症化を防いでいくとか、いろいろな対策、対応というのを考えられると思っていますので、そうしたことを医師会、医療機関の皆さまと速やかに検討して、具体化をしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
先ほど知事、お話の中で、県として最上限のレベル5という、これで感染が収まらない場合は、まん延防止等重点措置の要請なども視野に入るとおっしゃっていたのですが、この辺りというのは、知事として目安みたいなものというのは何か考えていらっしゃるのでしょうか。また、そうした場合、全国一律の対応をしなければいけなくなる必要もあるかもしれません。例えば、飲食店などであると、今、県独自の取り組みとしてやっている「(信州の)安心なお店」などの制度があるかと思うのですが、もしかしたらそういった部分もできなくて、県独自で取り組んできた部分ができなくなるかなという意味においては、県民にとっては、非常に社会経済活動への影響も大きくなり得るのかと思います。そういったバランスを取るのは非常に難しいかと思うのですが、知事としてはどのように考えているかをお伺いします。
長野県知事 阿部守一
まさにご質問をいただいた通りでありまして、先ほど知事会で、できるだけ緊急事態宣言とかまん延防止等重点措置が講じられた際でも、地域のことは知事に任せてもらうようにというお話をしたのと同様に、今、まさにご指摘があったように、例えばまん延防止等重点措置の適用になると、陽性者数が減少傾向、事態が改善している基調のときは、都道府県知事が例外措置を取ってもいいですよという形になっていますけれども、増加基調のときは、そうした措置を講じることができないので、今、県が取っているような選択制は取ることができなくなる可能性があります。そうすると、県としての独自性が、国のまん延防止等重点措置とか緊急事態宣言になると、かなりなくなってしまいますので、それだけ、例えば期間設定も県としての自由が利かなくなったりしますので、地域の実情を一番分かっている長野県レベルの対応で、何とか感染を抑制していくことが県民全体のためには望ましいと思って、最大限、全力の措置を講じていきたいと申し上げています。ただ、例えば緊急事態宣言とかまん延防止等重点措置は、県が要請しなくても国からこうした措置を取るよと指名されるというか、決定される場合もありますので、そうした可能性も今の状況ではないわけではないと思いますけれども、県としては、できるだけ今の医療非常事態宣言、それから全県の感染警戒レベル5、「特別警報2」の中で、多くの皆さまのご協力を頂いて、この感染拡大に何とか歯止めをかけていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
知事の中で国に要請する目安みたいなものというのは、今現時点で…
長野県知事 阿部守一
目安のご質問もありましたけれども、今は医療非常事態宣言と感染警戒レベル5を出して、何とか抑制していきたいと思っていますので、具体的にどうなったらということを必ずしも想定しているわけではありません。ただ、今のデルタ株の新規陽性者の状況、激増している状況を見ると、やはり日々の状況を見ながら臨機応変に、機動的に対応していく必要があるとは思っています。
中日新聞 我那覇圭 氏
同じようにまん延防止等重点措置についてお尋ねしたいと思います。先ほど知事がお話しになっていた中で、直ちに時短要請で対象をうんと広げるということが、必ずしも感染を抑止するかというとそうではないというお話をされていたと思うのですけれども。それはつまり、直ちにまん延防止等重点措置に基づく対応が必要なほどの状況では、あくまでも現時点ではまだ至っていないと考えていらっしゃるということなのでしょうか。もちろん視野には入っているのですけれども、直ちに要請するような状況ではないと、今の段階ではお考えになっているということでしょうか。
長野県知事 阿部守一
県としては先ほど申し上げたように、全県の感染警戒レベルを5に上げて、「特別警報2」をすべての地域に発出するというのは、今回初めての措置です。医療非常事態宣言は第3波のときに発出していますけれども、全県レベル5という措置を講じるのは、今回初めてですので、まずはそこで、県民の皆さまには大変辛抱に辛抱を重ねていただいているところ申し訳ありませんけれども、ご協力いただき、歯止めをかけたいと思っています。それは県として、できるだけ実態に合わせた対応をしていきたいが故に、そう思っています。ただ、この感染拡大スピードがとどまるところなく増加していくということになると、もはや私どもだけの対応では感染拡大を止めるのは難しいと、より強力な措置を講じなければいけなくなるという形になりますので、そういう状況が判明すれば、直ちに対応していかなければいけないと思っています。今の段階では、その要請を国に対して行っているわけではありませんので、医療非常事態宣言とレベル5で対応していきたいと考えています。
中日新聞 我那覇圭 氏
宣言による効果というのをもう少し見極めてから、次のステップをやるかどうかも含めて考えたいという、そのような感じでしょうか。
長野県知事 阿部守一
デルタ株が見極める余裕を与えてくれるかどうかというところは、しっかり見極めなければいけないと思いますけれども、何とかここで食い止めたいというのが私の思いです。
中日新聞 我那覇圭 氏
ただ、まん延防止等重点措置に、機械的に当てはめるものではないと思いますが、ステージ3の状況をすでに県内は越えて、ステージ4になっているという指標も出ていると思うのですけれども、それでもなお、すぐ出すものではないとお考えになっているという、確認です。
長野県知事 阿部守一
先ほど知事会で申し上げたことが、まさにその話に関連するのですけれども。私は、全国にまん延防止等重点措置を適用するということは、今の時点でも必要だと思っています。それは、先ほど申し上げたように、全国で人の移動を抑制していく上ではそれが必要だと考えるからです。ただ、県内だけの状況を見た場合に、時短要請の対象を飲食店以外にどんどん広げていくことが今必要かというと、必ずしもそういう状況ではないだろうと思っていますので、そういう意味では、全国での適用と県内での適用とについては、私の中では考え方が違っています。
中日新聞 我那覇圭 氏
先ほど、これからの対策の中で、宿泊療養(施設)について中信地域で6カ所目というお話をされていたのですけれども、これは何人規模で、いつぐらいまでにというのは、お考えはありますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
宿泊施設、今、予約が入っているところを、予約されている方を別のところに移してもらったりして調整をしなければいけませんので、そうしたことを勘案すると、おおむね一月程度の間に確保していきたいと考えています。宿泊施設数(部屋数)は、宿泊施設の数と実際利用できる数が、事務で使うスペースとかがあるので、必ずしも同じではないので、それは担当が来てからご説明します。
中日新聞 我那覇圭 氏
別の質問で、今490床あるところを80床積み上げるというお話を確かされていたと思うのですが、これもまた同じように、いつ頃までにとお考えなのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
臨時病床については、これまでも緊急で確保できるところとは一定程度お話ししてきていますので、ある程度、速やかに確保することができるのではないかとは思っています。ただ、これは医療機関の状況で、例えば予定をされていたお医者さんが辞めてしまっているとか、状況の変化もあり得ると思いますので、再度確認をさせていただいた上で、できるだけ速やかにお示ししていきたいと思っています。
中日新聞 我那覇圭 氏
最初のまん延防止の話に戻って申し訳ないのですけれども。あくまで全国的にはやる必要性があると、おおむねそのようなお話なのかと思ったのですが、県内的には、例えばまん延防止等重点措置を講じられるときに、一番の今との違いは、恐らく命令ができるというところと、さらに科料が発生するという、罰則が伴ってくるというところだと思うのですが、そこをしてまでやるほどの、比較して考えた場合に、まだそこまで踏み込むほどではないと理解すればよろしいのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まん延防止等重点措置の法改正がされたときも、会見でもお話ししたような気がしますけれども、長野県内の事業者の皆さまは、県からの要請にこれまでもかなり真摯(しんし)に向き合って、協力いただけていると思っています。きょう発出した文書の中でも、この「お願い」(会見資料2/4ページ)の最後のところに、「差別や誹謗(ひぼう)中傷は行わず、県民お一人おひとりが『思いやり』の心を持ち『支え合い』の輪を広げましょう」ということで、昨年から一貫してこういう呼び掛けを、県民、事業者の皆さまに行っています。それは厳しい措置を講じていけば、単純に厳しくすればいいというものではなくて、やはりできるだけご協力いただける、先ほども申し上げたように、今、一定の行動を取っていただくことが多くの方の命と暮らしを守ることにつながる、救うことにつながるということをご理解、納得いただいた上でご協力いただくということが、罰則をかけて強制する以上に重要だと考えているからです。そういう意味で、今の時点でもそういう考え方ですので、本当にそうした事態になるというのは、最後の最後の状況になるまで、できるだけ任意の協力を頂けるようにお願いしていきたいと思っています。
医療政策課から、中信地域の確保室数を説明してください。
医療政策課長 小林真人
現在、まだいろいろ調整をしているところですが、目指すところとしては、200室ほど確保できればいいかなと。あるいはそれ以上に確保できればいいということで、現在、調整を図っているところです。
中日新聞 我那覇圭 氏
確認ですが、先ほど1カ月ほどと知事がおっしゃったのは、おおむね9月中にというようなイメージでいいですか。
医療政策課長 小林真人
9月の上中旬ぐらいに運用が開始できればいいかなということで、準備作業を進めています。
信濃毎日新聞 岡田理一 氏
ワクチン接種状況のことについて伺いたいのですけれども。先ほど、12歳以上の県民全体の接種率が、今週は、1回目は55パーセント、2回目が約45パーセントということでした。先週と比べると大体、それぞれ2.(テン)数ポイント前後の伸びかなとは思うのですけれども、先行実施をしてきた高齢者の接種のときは、10パーセントほど1週間で伸びたこともありまして、母数が違えども、やや、やはり伸びが鈍いのかなという印象を受けるのですけれども。これについて知事の受け止めを伺えればと思います。
長野県知事 阿部守一
VRS(ワクチン接種記録システム)のデータは、私も毎日確認していますけれども、おっしゃる通りだと思います。ひと頃のペースに比べると、このしばらくの間、ペースがダウンしていると思っています。これは入力の問題なのか、そもそも接種回数が少ないのかというところはありますけれども、私の推測ですけれども、今、ちょうどお盆の時期のデータが出ていますので、すべての医療機関が打ち続けているという時期では必ずしもないので、そういう意味で、実際の接種ペースもここ数日落ちているのかなと思っています。ただ、これからまた、お盆休みの時期を経て、通常の活動の時期になりますので、その状況をよく見極めたいと思っています。市町村の皆さまには、引き続き、しっかり接種を進めていただくように県としてお願いしていますし、県としても必要な調整を行っていきたいと思います。
信濃毎日新聞 岡田理一 氏
もう1点なのですけれども、今回のこの宣言を受けて、ワクチン接種も加速化ということですけれども。今のところ県のスケジュールですと、11月末までに県民の希望者全員というのと、知事が先週おっしゃっていたのは、9月までに希望者の6割ということを目標に市町村と共に進めているというところでしたけれども、そうした目標を早めるですとか、そういったお考えはありますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今の目標は、基本的に接種の中心は市町村になっていますので、県で勝手に変えるということは考えていません。市町村の皆さまと状況認識を共有しながら変えるということはあり得ると思いますけれども、先ほど申し上げたように、県としてもできるだけモデルナワクチンを最大限確保して、県の接種会場の接種を拡大できないかということで、今、検討しています。それから、アストラゼネカのワクチンも、副反応等で懸念があられる方もいらっしゃいますけれども、逆にファイザー、モデルナのワクチンにアレルギーがあるというような方もいらっしゃいますので、そうした方を中心に、早期接種を希望される方にはアストラゼネカのワクチン接種も、先ほど申し上げたように、9月の中旬頃には接種できる体制を整えて、行っていきたいと思っています。また、今後、一時停止になっていた職域接種も再開してきますので、そうした形で全体としての接種ペースは、先ほど言ったように、今、1週間程度少しペースは落ちていますけれども、今後ペースを上げられるように努力していきたいと思っています。
信濃毎日新聞 岡田理一 氏
最後1点だけ。若年層、若い人向けの接種への広報というところも書いてありますけれども、そこを具体的にどのように呼び掛けていくかというところを伺えればと思います。
長野県知事 阿部守一
今、そこは検討中です。いいアイデアがあれば、ぜひ教えていただきたいと思います。若い人はなかなか既存のメディアをご覧にならない方も大勢いらっしゃるので、どういう形で、どういう内容で、どういう伝え方をすればいいのかということをよく考えていきたいと思います。
中日新聞 我那覇圭 氏
時短要請の関係で事実関係の確認と、それに併せて知事のお考えを伺いたいのですが。今回レベル5、全県引き上げですけれども、もっぱらこれまでの場合は、飲食店などに対して時短並びに休業要請ということがあったかと思うのですけれども、今回それはないということでよろしいのでしょうか。資料に書いてあるところに、これまですでに発令しているところに変更はないということでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今回の全県レベル5の引き上げに伴って時短要請等を行う市町村はないです。これまで行っているところです。
中日新聞 我那覇圭 氏
その理由について伺えますか。
長野県知事 阿部守一
これまでは圏域ごとに着目して、それに合わせて時短要請の措置を取っていますけれども、今回の全県レベル5というのは、全圏域のほとんどの圏域がレベル5相当になってきているということを踏まえてのものですので、そういう意味で、時短要請については全市町村で行う必要性が今の時点ではないと判断しています。ただ、もちろん全県レベル5になった後も、個別の市町村の状況を見極めて、必要があれば時短要請を行っていくということもあり得ますけれども、今の時点で直ちにそうした措置を講じるものではありません。
ありがとうございました。
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