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更新日:2022年3月17日

知事会見(令和3年(2021年)8月11日(水曜日)16時03分~16時48分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について

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取材者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について

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本文

阿部知事からの説明

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について

長野県知事 阿部守一
 それでは新型コロナウイルス関連の会見を行います。「新型コロナウイルス特別警報2」を松本市、塩尻市、安曇野市に発出するということが中心ですが、その前に、新型コロナウイルスのワクチン接種について、県内でもだいぶ進んできています。9日の夕方現在の数字ですが、VRS(ワクチン接種記録システム)への入力数値から見ますと、12歳以上の長野県の人口に対しての1回目の接種率が5割を超えてきたということで、市町村中心に接種を進めていただき、また医療従事者の皆さまにも大変なご協力を頂く中で、ワクチン接種が着実に進んでいるということ、報告したいと思います。もう1点、プレスリリース(会見資料3)でお配りしていると思いますけれども、「新型コロナ『デルタ株』と闘う県民共同宣言」、あす市長会、町村会、それから医療関係の皆さま、さらには経済界、労働界、県内の各界の皆さまと一緒に共同宣言を行っていきたいと思っています。これまでにないデルタ株という脅威に直面している状況ですので、県民のすべての皆さまのご協力を頂きながら、この危機を何とか乗り越えていきたいと思っています。また、宣言等の内容、具体的な取り組みについては、あすお伝えしていきたいと思っています。
 それでは、きょうのメインテーマの「特別警報2」の発出ですが、こちらのスライド(会見資料1)で順次ご説明します。まず、全県の状況ですけれども、再三申し上げているように、デルタ株、非常に速いスピードで感染が拡大してきています。県内の直近1週間の新規陽性者数368人ということで、前の週に比べて80人以上増加しています。全国の数字も1日当たり1万人を超えているという状況が続いているわけでして、これまでにない速いスピードで、急速に新規陽性者数が増加をしているという状況にあります。療養者の数ですけれども、直近で432名の方が、これは入院、宿泊療養、自宅療養合わせた数ですが、いらっしゃいます。第4波のピークが425人でしたので、いわゆる第4波、年度末、年度初め、そして大型連休を挟んでの感染拡大期でしたけれども、すでにそのピークの療養者数を超えてきているという状況です。先日、医療警報を出したわけですけれども、その後、確保病床使用率も新規陽性者数の増加に伴って上がってきている状況です。8月10日の数字で34.9パーセントということで、医療警報のラインからさらに10ポイント増加をしているという状況で、何とか新規陽性者の歯止めをかけ、医療への負担をできるだけ減らせるように取り組んでいきたいと考えています。国がステージ判断の基準としているモニタリング指標の状況についてです。まず、確保病床使用率、入院者の確保病床に占める割合は、先ほど申し上げたように34.9パーセントということで、国のステージ3相当になっています。それから、重症者については、本県、現時点ではいらっしゃらないということで、ここはまだ数字としても0.0パーセントという状況です。それから、(人口)10万人当たりの療養者数ですが、先ほど申し上げたように、第4波を超えてきている状況になっています。(人口)10万人当たり21.08人ということで、これも国のステージ3の基準を超えてきているという状況です。PCR検査の陽性率も直近1週間で7.01パーセントということで、これもステージ3の基準の5パーセントを超えてきています。また、新規陽性者数は、直近1週間(人口)10万人当たり17.95人ということで、これも国のステージ3の指標を上回っているということで、陽性者の数、病床の利用状況、あるいは検査の結果、さまざまな指標で、国の指標でもステージ3に該当してきているということで、改めて県民の皆さまにはこれまで経験してきたことがない大きな波が、このデルタ株、感染力が強いウイルスによってもたらされているという状況ですので、基本的な対策の徹底はじめ、呼び掛けていることを、ぜひご協力いただきたいと思っています。
 ここから松本圏域の状況ですけれども。直近1週間の新規陽性者数が100人、人口10万人当たり23.58人ということで、レベル5の基準を上回ってきています。陽性者の増加速度も前の週に比べて2.4倍ということで、非常に速いスピードでこの圏域の陽性者が増えてきています。圏域の市町村ごとの状況ですけれども、やはり中心都市である松本市の陽性者の数が突出して大きくなっています。直近1週間73人ということで、人口10万人当たり30.24(人)という状況です。また、塩尻市、安曇野市も、松本市と人の行き来が多いということもあり、同様な傾向で、前の週、あるいは前の前の週と比べると、非常に速いスピードで新規陽性者数が増加してきているという状況です。それから、松本圏域の状況としては、感染経路不明者が非常に多くなってきています。それに加えて、帰省、あるいは仕事等で他の都道府県と往来された方が陽性になり、またそこからご家族、あるいは同僚に広がるというケースも見られています。そういう意味で、感染経路不明者の割合もかなり多くなってきていますので、今後、さらに感染が拡大することが強く懸念されている状況です。何とかここで感染拡大を食い止めなければいけないと考えています。そういう観点で、「新型コロナウイルス特別警報2」を本日、松本市、塩尻市、安曇野市、感染拡大が顕著な松本市を中心に、松本市と関連がある塩尻市、安曇野市についても、一体で感染警戒レベルを5に上げ、「特別警報2」を発出します。基本的には、佐久圏域、上田圏域で「特別警報2」を発出していますので、その際のお願いと同じです。デルタ株、非常に感染力が強いウイルスですので、飛沫(ひまつ)感染、エアロゾル感染、接触感染、意識をしていただき、これまで以上により厳格な対策を行っていただきたいと思っています。昨日も佐久広域で、軽井沢駅、広報車の中から住民の皆さまに呼び掛けましたけれども、これまで感染をしなかったから大丈夫だということで、これまで同様の対策、あるいは少し気が緩んでしまうというようなことはないようにしていただきたいと。むしろデルタ株の脅威にさらされているということで、これまで以上に厳格な対策、人と会話する際にはマスクを正しく着用いただく、またマスクをしていても1メートル以上の距離を空けていただく、さらには室内、車内では換気を徹底していただく、こうしたことをこれまで以上に心掛けていただきたいと思っています。人と会う機会の削減、それから、ご自宅も含めた普段会わない方との会食を控えていただくこと等については、これまでの圏域と同様です。また、飲食店関係、後で時短要請についてもお伝えしますけれども、この点についても基本的には同様です。特に「5」(会見資料1/スライド12ページ)に、「信州への帰省及び県外への訪問は、控えるようお願いします」と書いていますが、先ほど申し上げたように、松本圏域の感染状況を見ますと、往来された方が陽性になられているケースがかなり多い状況ですので、この点については改めてご協力のお願いをしたいと思います。それから、商業施設、観光施設等、不特定多数の方を受け入れる施設においては、今、人の移動が激しい時期ですので、混雑する場合には入場制限等行っていただくようお願いしたいと思っています。また、イベントの開催についてもこうした状況ですので、主催される方においては慎重にご検討いただき、感染リスク対策、困難だという場合には延期、中止も含めてご検討いただきたいと思います。また、職場での対策ということもしっかり行っていただきたいと思っています。松本圏域においても事業所内感染だと考えられる事例もありますので、職場における感染対策、これも改めて点検、徹底をいただきたいと思っています。営業時間短縮等の協力要請についてです。これまでの佐久、それから上田圏域の市町村と同様の措置を、今回の3市においてもお願いしていきたいと考えています。これまでも申し上げてきていますけれども、第5波になって以降、飲食店での飲食を起因とする感染事例は非常に少なくなっていますが、松本圏域においては、一部そうした事例も発生しているところです。現在、デルタ株への置き換わりが進んでいるわけですので、先ほど申し上げたように、これまで大丈夫だったからこれからも大丈夫だということではなく、飲食の場面における注意もしっかり行っていただきたいと思っています。デルタ株の感染力、強力ですので、そういう意味で、今回も感染拡大を未然に防ぐという観点から、酒類の提供を行う飲食店の皆さまに対して、営業時間短縮等の要請を行いたいと思います。昨年から引き続く新型コロナ禍の中で、飲食店、あるいは飲食店関係の皆さまは大変厳しい状況に置かれていると思います。また、感染対策もそれぞれ工夫をして行っていただいているわけですけれども、何とかデルタ株の拡大を防ぐという観点で、ご協力を頂くよう心からお願いを申し上げたいと思います。営業時間短縮の協力要請、きょうこういう形で発表し、周知期間を置いた上で、8月14日土曜日から8月24日までということにしたいと思います。対象地域は、レベル5に引き上げる松本市、塩尻市、安曇野市の3市です。時短要請の内容ですけれども、接待を伴う飲食店等、酒類の提供を行うものに限ってですけれども、まず、「信州の安心なお店」の認証店においては、営業時間短縮の要請、5時から20時までの営業時間ということで要請しますが、これまで佐久、上田圏域と同様に、特例ということで、この後申し上げますけれども、時短営業をするか、営業をこれまでと同様に行うかという形の選択制にします。また、非認証店においては、ガイドライン遵守店舗においては営業時間の短縮、その他非遵守店においては休業という要請にします。「信州の安心なお店」認証店における特例ですけれども、先ほど申し上げたように、認証を受けている飲食店の皆さまにおいては、20時以降の営業を継続するかどうかということについては選択いただくことにします。20時以降営業される場合には、大変恐縮ですけれども、1グループは同居の家族または4人以内、利用時間は2時間以内ということで守っていただきたいと思っています。また、新たに認証申し込みがある場合には、速やかに確認、認証の手続きを進めていきたいと考えています。なお、認証店が営業を通常通り継続される場合には協力金の対象外と、20時までの時短要請にお応えいただいた場合には協力金支給対象ですが、そうでない場合は協力金の支給対象外ということにします。子どもへの対策ということです。これまでも子どもへの対策、お伝えしてきていますが、今回も基本的に同じ対策を行っていきます。松本圏域においては、子どもたちの感染事例は他の圏域に比べると比較的少ない状況ですけれども、夏休み期間中ですので、学校等での集団感染のリスクは比較的少ない状況ではありますけれども、学校関連行事、部活動等については行わないという基本的な考え方に立って、ご協力、ご理解いただきたいと思っています。それから、協力金の支給については、売上げ規模に応じて、1日当たり2万5000円から7万5000円ということです。これもこれまでの圏域と同様です。県が実施する対策ですけれども、松本圏域の市町村が事業者支援を行う際の交付金を交付します。これはレベル5に上げること、そして時短要請等を行うことにより、地域経済にいろいろ影響が出るということを念頭に置いて、市町村の皆さまにきめ細かな地域経済対策を行っていただくために交付するものです。今回の交付額は約3億6000万円という予定です。また、PCR検査等の積極的な実施、県の公共施設における感染対策の徹底や休止等の措置の検討、また県機関における執務室における職員の5割削減、こうしたことを行っていきます。
 最後に、繰り返しですけれども、差別や誹謗(ひぼう)中傷、行わないようにお願いしたいと思いますし、厳しい経営環境の中で、感染対策を取りながら頑張っていただいている事業者の皆さまも大勢いらっしゃいますので、思いやり、支え合いの心を持って、厳しい感染状況ですけれども、これからの社会活動、行っていただきたいと思っています。
 また、早めの受診、これはご自身が重症化しないという意味でも重要ですし、感染を広げないという意味でも重要ですので、体調が悪い場合には速やかな医療機関への相談をお願いしたいと思います。感染事例を見ていますと、いっとき熱が出たけれども、それが治まってしまって、普通に行動してしまって、もう一回体調が悪くなって、検査をしたら陽性だといったようなケースもあります。そういう意味では、体調を崩された場合にあっても医療機関と相談いただきたい。特に感染拡大地域との往来をしたとか、大勢で会食をしたといったような場合には、感染のリスクが高い状況になっていますので、そうした場合においても、医療機関への相談を行っていただければありがたいと思っています。冒頭、ワクチンの話もしましたが、ワクチン接種された方にもマスクの着用をはじめとする感染対策を引き続きお願いをしています。ブレークスルー感染の事例もありますし、またワクチン接種された方から感染が広がるリスクもありますので、ワクチンを接種したからもう大丈夫だということではなく、対策にはご協力いただきたいと思います。また、県としても、例えば帰省をされること、今できるだけ控えていただきたいとお伝えしています。県境をまたいだ往来については、先ほど申し上げているように、松本圏域のみならず、県内でも大変多くの陽性者の事例が出ていますので、この点については改めてお願いしたいと思います。ただ、さまざまな事情の中で、この時期に他県と往来をしなければいけない、あるいはどうしても帰省をしなければいけないという方もいらっしゃると思います。帰省される方には、そうした場合にはPCR検査を受けてきていただくということをお勧めしています。ただ、ご注意いただきたいのは、PCR検査を受けた方であっても、そのときだけウイルスが検出されていないということにとどまるわけですので、その後絶対に発症しないという保証はありません。県内の事例を見ても、検査を受けて自分は大丈夫だと思われたのかもしれませんけれども、他の方たちと会食をして感染が判明するといったような事例もありますので、検査を受けて陰性だったから自分は大丈夫だと過度に安心しないということも、改めてお願いしておきたいと思います。
 松本圏域の3市について、本日レベル上げをします。これで県内10圏域のうち、三つの圏域の市町村でレベル5の市町村が出てきています。県内、かなり広い地域に新型コロナウイルスの陽性者が増えてきているという状況ですので、このレベル5の地域の皆さまはもちろんですけれども、県民の皆さまにも改めて新型コロナウイルス対策の徹底をお願いしたいと思います。私からは以上です。

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取材者からの質問

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について

市民タイムス 田子元気 氏
 飲食店への営業時間の短縮の協力要請の件でお尋ねします。今回、対象地域、松本市、塩尻市、安曇野市とされたのですが、以前に松本市で感染警戒レベルが5に上がったときには、中心市街地というような形で区分を設けられたと思います。今回こういった形で全域を対象地域とされたことの意図を詳しくお聞きしたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 従来、本県の対策としては、できるだけ早い段階で強い措置を講じて、狭い範囲で、できるだけ早く感染を収束させようという対応を行ってきています。こうした対応の仕方は、一定程度効果があったと思っています。ただ、この間ずっと申し上げきていますし、先ほど申し上げたように、今、県内で陽性者が増えている要因はデルタ株です。ここでも申し上げたように、県内の陽性者が50人を超える段階から200人を超える段階、第4波のときには3週間かかったのが、今回は1週間でそのレベルにきてしまっているということで、感染力の強さ、感染の速さ、非常に実感しているところです。そういう意味で、今回は広い範囲、市町村全域を対象にし、先ほど申し上げたように、県内における飲食店の感染事例は比較的少ない状況にとどまっているわけではありますけれども、しかしながら感染が始まってしまってからだと、このスピードだと手遅れになる可能性がありますので、未然に防ぐという観点から、大変恐縮ですけれども、営業時間の短縮要請、この段階でお願いするということにしました。

市民タイムス 田子元気 氏
 これは担当課かもしれませんけれども、対象店舗は何店舗ぐらいを想定されているのか。松本市、塩尻市、安曇野市でそれぞれ教えてください。

長野県知事 阿部守一
 今、私の手元にある資料で申し上げると、酒類の提供を行っている店舗数が、3市全体で2140店、そのうち、「(信州の)安心なお店」の認証を取られているところが514店ということで報告を受けています。

市民タイムス 田子元気 氏
 先ほど対策の中で、帰省の件で県外の訪問は控えるように改めてお願いしたいというお話がありました。先日、西村経済再生担当大臣が、帰省をして親族で集まるとか、同窓会で同級生が集まるとか、絶対に避けていただきたいとかなり強い文言でもって国民に訴えられました。これを受けて知事の方で、より訴えを強くする、国と歩調を歩める形で、絶対に避けてくださいというようなメッセージを出される考えというのはおありでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 県もこれまでも「感染対策強化期間」ということで、7月上旬から夏休みの時期についての注意喚起、行ってきているところです。そういう意味で、これは私の主観的な判断にはなりますけれども、県内の感染事例、これまでに比べて非常に速いスピードで、絶対数も多くなっていますが、まだ全国の都道府県の中では、これでも比較的少ない状況にとどまっています。直近1週間の人口10万人当たりの新規陽性者数が全国では77.56(人)という数字です。同じ時期の本県の数字を見ると17.36(人)ですので、全国の中では相当感染を抑えられているという状況です。そういう意味では、県からの呼び掛けに多くの皆さまがお応えをいただいている結果でもあるかと思っています。ただ、お盆休みの本番、これからですので、改めてこの往来については、先ほど申し上げたように、いろいろどうしても往来しなければならない、仕事とか、冠婚葬祭とか、そういう方もいらっしゃると思いますけれども、できるだけこの時期は避けていただきたいと思いますし、また会食についても、普段会わない方との会食は控えてくださいといったようなことだとか、ご家族以外の飲酒を伴う5人以上の会食は感染対策が徹底できなければ控えてくださいということをこの間ずっと言ってきていますので、この期間が最も重要ですので、こうした点は改めて徹底いただければありがたいと思っています。

信濃毎日新聞 島田周 氏
 ワクチンの効果もあって、60代以上の方というのは感染が抑えられていると思うのですが、やはり若い世代に広がっているということは少し懸念していて、知事も、例えば動画配信サイトで広告を出したり、呼び掛けたりとか、若い世代への呼び掛けというのにも力を入れていると思うのですけれども。そういったことの他に、若い世代に呼び掛けるような手段というのは、新たに考えているものはありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 前回も申し上げたように、県としては、そこは非常に重要だと思っていますので、検討しています。専門家懇談会のメンバーの方からも、県の若手の職員の知恵とか、そういうものももっと活用する必要があるのではないかといったご意見も頂いていますので、これは全庁でも検討しますし、またレベル5上げをしたようなところでは、地域振興局等においても、きめ細かな呼び掛けの在り方、検討してもらうようにしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 島田周 氏
 例えば、都内とかでもなかなか緊急搬送とかできない事例とかも増えてきているのですけれども、長野県においても、今この段階で他県と比べると確保病床使用率も比較的抑えられている、特に重症者に関してはゼロだということで、落ち着いているこの状況で何か次の対策というのは考えていますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 当然、危機管理ですから年中考えています。関係部局との検討の中でも当面の対策のことに限らず、今後さらに事態が悪化した場合にどうするかということも含めて、毎日のように検討していますので、どういう事態が生じるかということを、いろいろな予測であったり、考えられるケースを念頭に置きながらシミュレーションを行ったりとか、対策の在り方について、いつも検討している状況です。

信濃毎日新聞 島田周 氏
 ある程度そういった事態が出てくれば、例えば消防であったりとか、病院であったりとかとスムーズな連携を取って対応していくというような準備はされているということですか。

長野県知事 阿部守一
 例えば、医師会等とは定期的に懇談をしてきていますし、消防は市町村が担っていますので、市町村長の皆さまともコロナに関しては定期的に会合を行っていますので、常に問題意識を共有しながら取り組んできています。今後、さらなる対応が必要となる事態が起きれば、引き続き関係の皆さまにしっかり協力を頂きながら、対策、対応を進めていきたいと思っています。

中日新聞 城石愛麻 氏
 県内全体の感染状況で、先ほどのご説明で、モニタリング指標の中で国のステージ3に該当する部分も幾つか出てきているということでしたが、現時点で国にまん延防止等重点措置等要請するようなお考えというのはありますか。

長野県知事 阿部守一
 私としては、先ほど申し上げたように常にいろいろな選択肢は考えています。今の県内の状況は、例えば佐久と上田、そして今回、松本圏内の市町村、全部ではありませんけれども、レベル5上げをして、時短要請等をお願いしている段階ですので、現時点で直ちに国に対して要請するという考えはありません。ただ、今後の状況次第ではあらゆる選択肢を持ちながら最善の対応を考えていきたいと思っています。

中日新聞 城石愛麻 氏
 レベル5の引き上げの関係で伺いたいのですが、説明を聞き逃していたらすみません。松本が感染拡大の中心ですが、安曇野市と塩尻市を含む理由についてもう一度ご説明をお願いしてもいいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 県としてレベル5の引き上げについて、一定の考え方を持って取り組んでいます。まず、当該市町村を含む圏域がレベル5相当になっているということが基本です。その中で、基本的に新規陽性者数が20名を超えている市町村についてはレベル5に引き上げるということで考えていますので、今回、松本市はそれに該当するという形になります。なお、小規模な市町村については、20人だと小さな数字で20人になってしまいますので、そこは別途考慮しますが、今回、松本市はこれに該当してきています。それに加えて、レベルを引き上げる市町村と経済圏、生活圏が一体と見なされる市町村であったり、陽性者の濃厚接触者、接触者がお住まいになっている市町村、こうした市町村についても併せて引き上げることを検討するという形にしています。そういう中で、安曇野市、塩尻市については生活圏的にもつながりが強いということもありますし、また陽性者の発生状況を見ても、例えば事業所等で、ある市に住まわれている方が今の3市の別のところで働かれているとか、そういう関係性もありますので、今回3市を一体でレベル5に引き上げるという判断をしました。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 前回の会見からも繰り返し知事がおっしゃっていますけれども、デルタ株は従来のアルファ株までの新型コロナウイルスとは全く違うウイルスだと思って対応してほしいと。そこへの危機感を一番訴えていらっしゃって、当時もそうおっしゃっていたと思うのですけれども、今回の感染拡大、松本圏域も含めて、抑え込んでいくには、そこの危機感を持って厳格な感染防止対策を行うことが一番重要だと考えているということなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 趣旨がどういう…

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 要するに、今回の感染拡大を抑えるために一番重要なのは、一人一人の対策だという考えは前回の会見でもそのようなお考えを示された、そういう趣旨でお話になったと思うのですけれども。現在でもやはりそのように考えているということなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 状況の認識というのはかなり主観的になってしまうので、科学的な分析ではなくて、私の主観的な認識で申し上げると、例えば松本圏域の感染状況を見ると、先ほど来申し上げているように、陽性者が急増している状況です。その中で、しかしながら、例えば第4波までのような施設内であったり、飲食店等であったり、そうしたところで1人の方を中心にどんどん感染が広がって、歯止めが利かないといったような状況というのは、これまでに比べて比較的少ないと思っています。これは、要因の一つは、ワクチン接種が進んで、医療機関とか高齢者施設でのクラスターがほとんど発生していない。油断はできないですけれども、今の状況ではあまり出ていないといったようなこともありますし、また飲食店はじめとする事業者の皆さま、あるいは県民の皆さまがやはり感染対策を取っていただいているので、陽性者が出ても、そこから一遍に何十人というような単位で広がるという事例になっていないのだと思っています。これは事業所とか県民の皆さまのご協力のたまものだと思って、心から感謝しています。ただ、とはいえその一方で、そうした事例がないにも関わらず、陽性者の絶対数が非常に急速に増えているわけですので、要注意なのは、一つは感染経路が分からない方がかなりいらっしゃるということ。これは、県民の皆さまには日常の生活の中で注意をいただきたいと思いますし、もう1点は、県外との往来で陽性になられる方が多いと。これは先ほど申し上げたように、全国と比較すると長野県内はまだ新規陽性者の発生数が、県としては非常に危機感を持っていますけれども、他の都道府県と比較するとまだ数値的には少ない状況です。例えば、東京ですと(人口)10万人当たり1週間で205(人)。1週間で205(人)というのは、1000人当たり2人ということで、これは陽性者の数だけですから、関係される方がいるとかなり多くの方が陽性になられているか、あるいは濃厚接触者になられている状況になっていると思います。それに比べると、本県は17(人)。非常にまだ少ない、長野県としては多い状況ですけれども、全国と比べると少ないという状況ですので、そういう意味で、県外に行かれる際には十分気を付けていただきたいと思っています。直近1週間で東京が198(人)、神奈川県が139(人)、本県が17.36(人)といったような状況になっていますので、県外で陽性者が非常に増えていますので、そういう意味では、県外に行かれる場合にはやはり感染してしまう確率、もちろん行動を注意するかしないかにもよりますけれども、高くなっているということは注意をいただきたいと思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 往来に関してもそうなのですけれども、日常生活の中の注意ももちろんそうなのですけれども、長野県民や長野県に来訪される人に、知事がおっしゃっているような危機感というのは共有されているのかどうかというと、現状認識ではどのように考えていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 もちろんすべての方が同じように同じ認識を持っているわけではないとは思いますが、先ほど申し上げたように、今の状況では、全国の他の都道府県に比べると比較的新規陽性者数の絶対数が低い水準に、これでもまだ収まっています。また、どんどんクラスターがいろいろなところで発生しているというような状況にも必ずしもなっていない状況ですので、そういう意味では、お一人お一人の皆さま、あるいは事業者の皆さまは、かなり新型コロナウイルス対策に注意を払って取り組んでいただいているおかげだと思っています。ただ、先ほど申し上げたように、これまで大丈夫だったからこれからも大丈夫だということはデルタ株には通用しない可能性がありますので、改めて対策の徹底をお願いしたいと思います。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 デルタ株がこれまでのウイルスとは違うのだというところの共有といいますか、危機感というのは、コロナ全体への対策というのはそれなりに高いのだけれども、デルタ株だからもっと厳格にしなければいけないとか、全く違うウイルスだと思って対応しなければいけないというような危機感というのは、十分伝わっているかどうかというところはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そこは先ほども若者への発信の話もいただきましたし、冒頭お話ししたように、共同宣言ということも、あした関係団体の皆さまと行っていこうと思っています。これはどういう思いで呼び掛けたか申し上げると、行政の力だけでは感染症の拡大を防ぐというのは限界があります。先ほど申し上げたように、基本的な対策であったり、あるいは行動であったり、そうしたことを一人一人の県民の皆さまが取り組んでいただく、あるいはいろいろな事業所が取り組んでいただくことによって、全体としての長野県の感染対策につながるわけですので、そういう意味で、今は私が会見し、また、先ほどの時短要請等も県知事たる私からのお願いということですけれども、行政からお願いをしていくということだけではなくて、関係団体の皆さまと広く問題意識を共有して一緒に取り組んでいこうと、そうした思いで共同宣言を行っていこうと思っていますので、ご指摘の通り、まだデルタ株についての危機意識ということについて、県としてももっとお知らせしていく努力をしていかなければいけないと思っています。
 ありがとうございました。

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