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更新日:2015年8月21日

知事会見(平成27年(2015年)8月21日(金曜日)11時00分~11時38分 会場:県庁)

項目

知事からの説明

取材者からの質問

  1. 県民栄誉賞について(1)
  2. 教員の人事について
  3. 朝型勤務について
  4. 県民栄誉賞について(2)
  5. 地方創生の総合戦略について(1)
  6. 地方創生の総合戦略について(2)

本文

知事からの説明

 小澤征爾氏に長野県初の「県民栄誉賞」を授与、部局長会議を開催(まちなか・おためしラボ、「第67回全国植樹祭」の開催日の決定等、二地域居住向けコンパクト住宅の提案、子ども医療費に対する市町村の助成)について

長野県知事 阿部守一
 それでは、8月21日の会見を始めさせていただきます。私の方からは冒頭5点お話をさせていただきたいと思います。
 まず1点目でありますけれども、お手元のプレスリリース資料をご覧いただければと思いますけれども、県民栄誉賞の創設についてであります。このたび、新たな県の表彰制度として県民栄誉賞を創設することと致しました。対象は、広く県民に敬愛され、県の名を高めるとともに、県民に明るい希望を与えることに特に顕著な功績があった方で、長野県にゆかりのある方としています。このたび、県民栄誉賞の第1号を小澤征爾氏に授与することと致しました。小澤氏は昭和10年生まれ、今年9月1日で満80歳をお迎えになられます。ご功績としては、サイトウ・キネン・フェスティバル松本、今年からセイジ・オザワ・松本フェスティバルの総監督になりますが、その総監督を平成4年から23年間にわたって務めていただき、世界的な音楽祭に育て上げ、本県音楽文化とブランド価値の向上に多大なご貢献、寄与をいただきました。また、フェスティバルの中で「子どものための音楽会」などを開催するなど、子どもたちにも音楽を身近に感じてもらう活動を通じて本県の音楽文化の裾野を広げ、その普及・定着に寄与していただきました。小澤征爾氏、既に文化勲章も受章されている世界的な指揮者でいらっしゃるわけでありますけれども、こうした方に長年にわたり長野県において音楽祭を開いていただいたということは、県民の誇りとすることであります。まさに県の名を高め、県民に明るい希望を与えた方として、第1号にふさわしいご功績だと考えています。このたび、サイトウ・キネン・フェスティバル松本、セイジ・オザワ・松本フェスティバルと改称されて新しいスタートを切るこの機会に、その功績をたたえ、小澤氏の今後のますますのご活躍を期待して表彰をさせていただきたいと考えております。既に小澤征爾さまにはこうした旨お知らせさせていただいているところでありますが、ご案内のとおり小澤征爾さまのお体の具合等もある状況でありまして、授与日程については現在調整をしているところでございます。決まり次第お知らせをしていきたいと思っております。
 それから2点目でございますが、部局長会議でのいくつかのテーマについてお話しします。二つ目でありますが、まず「まちなか・おためしラボ」についてでございます。このたび「まちなか・おためしラボ」の参加者を内定致しました。この事業は、長野県ではサービス産業を振興しようということで新たな取り組みをさまざま進めてきておりますが、その一環として首都圏等のIT人材の県内誘致を図っていこうというものであります。いきなり移住してもらう、あるいはいきなり固定的な拠点を設置してもらうということは、なかなかハードルが高い面もございます。そういう観点で、まずはおためしで長野県に住んで仕事をしていただく機会を提供するものであります。具体的には、県有施設を住居としてご提供して、またオフィスとしてコワーキングスペースの利用料、あるいは引っ越し代、交通費等の補助を行ってまいります。今回約2カ月募集致しましたが、5組の募集枠に対しまして16組のご応募をいただいたところであります。書類選考・面談の結果、8組14名を内定致しました。応募数が予想以上に多かったということもあり、予定の5組を超えて内定を出させていただいております。内定者はお配りしたプレスリリースのとおりでございます。参加者については10月から長野市、上田市、飯山市において来年3月中旬までおためしをしていただきたいと思っています。今回のおためし終了後も長野県に定住して働いていただくことが望ましいと思っておりますので、定住、あるいは本格的な拠点設置につながるよう県としてもサポートしていきたいと思いますし、こうした事業を通じてIT系の人材が長野県に集積していくことを目指していきたいと思っています。今回の事業においては首都圏のIT人材にどうアプローチするかという観点が大きな課題でありました。今回はウェブ広告等を機動的に活用することによりまして、通常の手法ではアプローチが難しい方たちに事業のPRを行うことができたと考えています。ユーチューブ等の映像を先ほどの部局長会議で流してもらいましたし、フェイスブック等の活用でのPRをしてきたわけでありまして、長野県の新たな発信の仕方、発信力の向上ということを常に申し上げてきていますけれども、そうした一つのいい事例ではないかと考えております。今後ともこうした発信の仕方の工夫もさらに行っていきたいと思っています。この「まちなか・おためしラボ」、IT産業の集積と同時に移住の促進ということにもつながる複合的な施策であります。長野県の素晴らしさをさらに高める上で、こうした事業を着実に進めていきたいと思っています。
 それから大きな3点目でありますが、これも部局長会議のテーマでありますけれども、「第67回全国植樹祭」の開催日等の決定についてでございます。本県で開催致します全国植樹祭の開催日が平成28年6月5日(日曜日)ということで決定致しました。待ちに待った決定でございます。明確な目標、期日が定まったわけでありますので、式典内容の検討をはじめとして具体的な実施計画の策定作業を加速化していきたいと考えています。また来月には全庁的な実行組織として「第67回全国植樹祭長野県実施本部(仮称)」を立ち上げていく予定であります。組織体制については現在調整中でありますが県職員のほか、市町村職員、あるいはボランティアの方々にもご協力をいただく中で1,000名を超える規模で取り組みを進めていきたいと思っています。本日の開催日決定の公表をきっかけとして、さらに全国植樹祭のPRを図っていきたいと思っておりますので、引き続きメディアの皆さま方のご協力をお願い致します。
 それから大きな4点目でありますが、これも部局長会議で出されたものでありますが、お手元に冊子を配布しているかと思います。二地域居住者向けコンパクト住宅のモデルプラン集の作成についてであります。長野県は今、移住と併せて二地域居住、週末信州暮らしということで進めていきたいと考えておりますが、暮らされる場合に、やはり住居が非常に大きな課題だと思っております。空き家の紹介等も市町村と連携して、あるいは宅建業協会の皆さま方とも連携して取り組んでおりますが、新しく住宅を造られるという方たちに、長野県としてもしっかり提案していこうということで、県内の若手建築士の方々が、今回個性的な13のモデルプランのご提案をいただいているところでございます。県産材を活用して信州らしい住まい、そして、だいたい一千万円程度の比較的そう高価ではない価格帯での提案ということであります。こうした二地域居住者向けコンパクト住宅の提案を通じて、さらなる二地域居住者の増加を図っていきたいと考えております。首都圏等の移住相談窓口で、まずこのモデルプラン集を配布していきたいと思っておりますし、ホームページ等へも掲載していきたいと思っています。銀座NAGANO、あるいは大阪・名古屋の移住交流サポートデスク、さらにはふるさと回帰支援センター、移住交流情報ガーデン、こうしたところでこの冊子を活用していきたいと思っております。また今回、作成記念のイベントを予定しております。明日8月22日でありますが、銀座NAGANOの2階イベントスペースにおきまして、今回のコンパクト住宅モデルプランの提案者によりますプレゼンテーションを開催したいと思っております。ぜひこの点についても周知をいただければありがたいと思っています。
 それから最後5点目でありますが、子どもの医療費助成についての動向でありますが、県内の子ども医療費に対する市町村の助成、全市町村で入院・通院ともに所得制限なしで中学校卒業まで助成していくことになったということでございます。これは8月17日に長野市議会におきまして、子ども医療費の通院の助成対象年齢を現行小学校卒業までとしていたのを中学校卒業までということで平成28年4月から引き上げる条例案が可決されたところでございます。長野市の今回の改正によりまして、平成28年4月からは、長野県にお住まいの中学生までのお子さんは全員医療費助成の対象となるということであります。平成26年の4月1日現在で、全市町村が入院・通院ともに所得制限なしで中学校卒業まで助成している都道府県は4県という状況でありますので、長野県も新たにその仲間に入るという形になります。地方創生を進めていく上では、子育て支援は大変重要なテーマであります。昨年度も市町村の皆さま方のご協力をいただきながら、子育て支援戦略をまとめてまいりましたが、今後とも引き続き市町村の皆さま方とも連携して、子育て支援の充実を図っていきたいと考えております。私の方からは以上であります。

取材者からの質問

 1 県民栄誉賞について(1)

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 最初に県民栄誉賞についてなんですが、賞そのものを創設された狙いというか目的をもう少し具体的に教えていただきたいのと、今年県とすれば文化振興元年という形で位置付けていると思うのですが、今年に小澤征爾さんに授与される、名称変更ですとか理由もいろいろあると思いますが、県の施策との関係も教えていただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今まで知事表彰、いわゆる各界功労と呼んでおりますが、産業、地方自治、教育、芸術、体育、社会福祉、さまざまな分野で多年にわたってご活躍いただいた方を毎年6月に表彰させていただいております。これに対しまして、今回創設致します県民栄誉賞、各界で多年にわたり活躍されている方を対象としている点では各界功労と共通する部分もございますが、広く県民に敬愛され、そして県の名を高め、県民に明るい希望を与え、特に顕著な功績があった方ということで、そういう意味で今回の各界功労とはいささか趣が異なるものになっています。国際的なご活躍、あるいは知名度、こうした観点でこれまでの表彰とは異なるものと思っております。スポーツの分野ではスポーツ栄誉賞という賞がこれまでもございました。ただ、スポーツという分野に限定しておりますし、また、広く県民に敬愛されるという要件を今回入れておりますので、こうした点がこれまでのスポーツ栄誉賞とは異なるものでございます。長野県はオリンピックを開催した県ということもあり、このスポーツ分野に特に重点を置いて、スポーツ栄誉賞がこれまでもあったわけですけども、それ以外の分野ではそうした制度が無かったところでありまして、スポーツ以外の分野をどう考えていくかということについて、検討課題となっていたところであります。今回サイトウ・キネン・フェスティバル松本がセイジ・オザワ・松本フェスティバルと改称され、新しいスタートを切るということに合わせまして、小澤征爾氏のこれまでのご功績をたたえたいと検討する中で、県民栄誉賞の創設を行い、対象とするということを決定したところでございます。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 県とすれば小澤さんに授与されるということでアピールしていきたいというか、何かそういったメッセージというものはあるのでしょうか。長野県がこういう方に授与されるということによって、長野県がこういう文化振興に例えば力を入れているですとか、そういったことも考えられているのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今回創設した県民栄誉賞はスポーツ栄誉賞と異なって、分野を必ずしも限定していないわけであります。今回、小澤征爾氏ということで文化芸術分野であります。私どもとしては文化振興元年という取り組みを進めている中で、小澤征爾さまに授与できることは大変ありがたいことだと思っているところです。ただ、この県民栄誉賞自体は、必ずしも文化芸術に今後とどまるということではありませんので、冒頭申し上げたような要件に該当する方であれば、文化芸術以外の分野であっても表彰を行っていきたいと思っています。

 2 教員の人事について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 別の質問で、教員の方の人事についてお伺いしたいのですが、先日、教育委員会の方で管理職以外の教員人事について、原案づくりは今まで校長先生たちが中心に進めていたのを教育委員会、ないし教育事務所の主幹指導主事が関わっていくというお話があったと思うのですが、知事のお立場で総合教育会議等を含めて、ないしは教育についてはかなり力を入れていらっしゃるという観点から考えた場合に、今回の狙いというかその目的はどの辺りになりますでしょうか。例えば少し前の教員の資質向上のあり方検討委員会から、教員の人事というか、その責任が不明確ではないかとの指摘もあったかと思うのですが、今回、こういった形で教育委員会の関与を深めていくというのはどのような効果というか見込めますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 その点については、この間の「しあわせ信州創造プラン」のフォローアップのための委員会の場でも、貝ノ瀬先生からもご指摘が出たところであります。教員の人事権は、県の教育委員会が持っているわけでありますので、私は知事の立場ですのであまり人事の事細かな話に関与する立場ではありませんけれども、教育長もあそこで申していたように、さまざまな改革を進めていく中で人事の在り方というのもひとつ大きな論点だと思います。あそこでの議論では、学校の校長先生方が人事作業を行うということは学校の経営者、運営主体としての業務がおろそかになりがちではないかということもご指摘を受けていましたので、そうした点も含めてより良い教育を目指していく上で、この人事の在り方というものについて、今、教育委員会で改善に向けた取り組みをされているところと承知をしています。本来の制度の基本的な考え方を踏まえて、納得性のある人事の仕組みをしっかり作ってもらいたいと思っております。

 3 朝型勤務について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 もう1点、今日で7月13日から始めてきた朝型勤務が終わるかと思うのですが、今後いろいろな形で検証等を進められるかと思うのですが、今日までの印象というか、実際拝見していると4時以降、かなり会議とか会合が入ったりとか、なかなか定時退庁できなかった方もいらっしゃる、一方で7月までのデータを見ると9割ぐらいができているというようなものもあるようですが、今後どのような形で生かしていければといいなとお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私のところでまだ集約したデータを見ていませんけれども、途中経過を聞いている限りでは早い時間帯で出勤した職員のかなりの部分は早い時間に退庁できているのではないかと思っています。ただ、もちろん個別の職員によっては逆に勤務時間長くなってしまったというような場合もあり得なくはないだろうと思いますので、今回の結果をしっかりと総括して今後の取り組みに生かしていきたい。働き方の改革ということは仕事の効率性を上げたり、あるいはワークライフバランスを取ったり、いろいろな意味で重要なテーマでありますので、今回、長野県はかなり大規模に、他の県と比べると大規模にチャレンジをした県だと思いますので、その結果の検証もしっかり行った上で、次につなげていきたいと思っています。

 4 県民栄誉賞について(2)

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 県民栄誉賞について追加で2点教えてください。1点目ですが、細かな内容は知事が把握していらっしゃらないかもしれませんが、小澤征爾さんを選ぶに至った経緯、つまり例えば何人ぐらいの候補があって、どういった経過で小澤さんに決まっていったのかっていうことが分かれば教えていただければ。あと、今後出すとすれば、年に1回とか、あるいは数年に1回とか、どんなイメージでこの賞を創設されたかについてお願いします。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、通常の知事表彰は各界功労ということで、ある意味システマチックな形で毎年定例的に表彰させていただいているわけでありますが、今回の県民栄誉賞はそういうものとは違う位置付けで、毎年この時期に表彰しますということを決めて候補者を選考していくという形のものではありません。先ほど申し上げた要件に合致するような方がいらっしゃれば、適切なタイミングを見て表彰していくという形になっていくものと考えております。今回の小澤征爾氏の県民栄誉賞の授与につきましても、先ほど申し上げたように、長年、サイトウ・キネン・フェスティバル、これは本当に小澤さん無しではここまでの世界的な音楽祭にはなり得なかっただろうという中で、今回、新たなスタートを切るということに併せて表彰をさせていただきたいというものでございます。

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 栄誉賞でもう1点だけお願いします。特に国民栄誉賞なんかで言われることですが、ときに政治家の人気取りというような批判が付きまとうことが考えられます。具体的には2年前に安倍首相が長嶋茂雄さんとか松井秀喜さんに賞を贈ったときに、多くのジャーナリストだったり新聞だったりが、これは人気取りではないかといったような指摘をしています。その意味では、賞を贈る理由とか過程について透明化したりとか、そんな作業も大切になってくるんじゃないかと考えられるのですが、その辺については知事としてはどうお考えでしょうか。賞を贈るタイミングだったり、出すタイミングによっては、選挙の目的だとか政治利用されているとかっていうような話になると思います。長嶋茂雄さんのときには、安倍首相が背番号96を付けていて、憲法改正が非常に話題になっていて、憲法96条が話題だというふうに、第96代首相だからだという話をしていましたが。そういった意味では、知事表彰は毎年6月に出していらっしゃって、このタイミングで出すと決まっているんですが、出し方によっては政治利用される恐れもあって、そういった意味では、その賞を贈る過程をきちんと説明する意義があったりとか透明化するとか、あるいは第三者機関のような審議があったりとか、そういったやり方もあると思うんですけれども、知事としてそういった方面についてどう考えていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まず、私の人気取りみたいな発想は全くありませんし、そうしたことは小澤征爾氏に、大変私は失礼な話ではないかと率直に感じます。今回、県民栄誉賞、例えば県としていろんな表彰を行っていますけれども、私はやはり県民全体が力を合わせて長野県を発展させると、そういう形が県政として望ましいと常に思っています。その中でこの県民栄誉賞に類似したような制度が既に36の都道県である中で、遅ればせながらという感じが私の正直な思いであります。例えば、数か月後に私の知事選挙がありますみたいなときであれば、今みたいなご批判があり得るのかと思いますけれども、全くそんな意図はありませんので、そこはぜひご理解いただければと思います。

 5 地方創生の総合戦略について(1)

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 1点だけ地方創生についてお尋ねします。県版の総合戦略の特徴は信州創生のための戦略と、仮称ですが出していらっしゃるところだと思います。地方行政の研究者数人に公表されている資料を見せる形で談話を取ってみると、非常に前向きな評価といいますか、特に、人生を楽しむための新たな働き方・暮らし方の創造については評価する方がいらっしゃって、どういったところを評価しているかというと、具体的には暮らしに視点がきちんと当たっていると。人口減少対策というと、とかく自然増という数だったり、社会増という数だったり、雇用創出という数といったところに焦点が当たって、その数に焦点を当てて描いた対策とか将来像というのが、そこで暮らす人々にとって本当に幸せなのかという問題に行き着くと。そういう意味では、七大戦略で掲げていらっしゃる施策については、長野県が将来こんなふうになったらそこで暮らす人たちがもっと良い暮らしになるのではないかということが描かれていて、現時点ではまだ理念止まりで抽象的な部分もあるのだけれども、そういった議論をしているのではないかというふうな談話をいただいていたりします。現在、総合戦略の作成過程では理念と共にその理念に沿ってどんな施策ができるのか、あるいはできないのか、できないのであれば何が障害になっているかといった議論をしていると思います。あるいはこの理念は、理念止まりになってしまうのか、できるのであればどういった理念に移し替える、言葉の整理だったり、理念の並べ方を今考えていらっしゃるところだと思います。そこで、2点お尋ねしたいのですが、知事として仮称の信州創生のための戦略というのをどう位置付けていらっしゃるのか、あるいは考えていらっしゃるのかというのを、現時点での考えをお聞かせください。あともう1点ですが、信州創生のための戦略で描こうとしている理念を実現するためには、おそらく行政単体の力では不可能なんじゃないかなと感じます。それは書いてある中身というのが、社会そのものを大きく変えることでもあると捉えられて、例えばその民間企業とか経済界とか大学とか暮らしている人たちとか基礎自治体である市町村と共に取り組みをしていく必要があると考えます。一方でその従来型の箱物を造って何か効果がすぐ出るというものではなくて、いろんな失敗を重ねながら息の長い取り組みが必要かとも捉えています。10月に総合戦略をまず決めて、来年の3月には正式決定するわけですが、その後の課題について現時点で知事としてどう捉えていらっしゃるか。これ言ってみれば本当に長野県の長期ビジョン的なそういった捉え方もできるわけですが、信州創生のための戦略をどう位置付けていらっしゃるかということと、今後のその課題について、現時点で知事として考えていらっしゃるかをお願いします。

長野県知事 阿部守一
 地方創生の総合戦略を今策定中でありますが、今、ご質問をいただいた2点は、ご質問の中にもありましたように、私自身としても関連している話だと思っています。今、七つ柱立てしていますが、ここはもう少し集約したり、整理したりする可能性もありますが、まず私が県民に対する県としてのメッセージ、あるいは県民全体でこういう社会にしていこうという理念の共有、そういうことが必要だと思っています。国の総合戦略はどうしても人口をどうやって増やしましょうか、社会増をどうしましょうか、もちろん具体的な施策レベルではそうしたことを十分意識して、施策展開をしなければいけないわけですけども、ただ、それは行政の側から見た、供給者側の論理であって、県民の方からすれば、自分たちの暮らしがどうなるかだとか、自分たちの幸せはどうなるのかということがより重要な視点だと思っています。有識者の方にご評価いただけているということは、大変私もありがたく思いますが、長野県としてこういう社会を県民と一緒に目指していきたいという理念をはっきり打ち出していきたいというのが私の思いであります。暮らしの部分についても、これは当然私が知事をやっている中で作ってきているわけでありますから、「しあわせ信州創造プラン」の基本目標も「確かな暮らしが営まれる美しい信州」ということにしています。これは私が知事になったときからずっとこの暮らしの話を申し上げてきていますので、そういう意味で次の時代の暮らし方だったり働き方だったり、そうしたものも長野県、先ほどの「まちなか・おためしラボ」ではないですけども、IT関係の皆さま方が今までそういう職種の人はどちらかというと大都会で集中している傾向がありますけども、実は長野県のような豊かな居住環境の中で、自然環境の中で暮らしていく方が実は仕事上の能率も上がるのではないかという思いを私は持っています。そういうことはしっかり発信をしていきたいというのが、そこで今の時点で7本柱になっていますけども、そこで示したいことでございます。今後の推進においても、そういう意味でこれはご質問いただいたとおり長野県だけではできない分野がたくさんあります。企業の皆さん、NPOの皆さん、あるいは地域のさまざまなお取り組みをされている皆さん、あるいは一人一人の県民の皆さんと協働をすること無しには進められない施策ばかりだと思っていますので、そういう意味で地方創生の総合戦略「人口定着・確かな暮らし実現総合戦略」については、オール信州で進める体制をぜひ構築していきたいと思っています。現在、「長野県人口定着・確かな暮らし実現会議」に産学の皆さんにも集って方向性の議論をいただいているわけでありますけれども、具体的な推進に当たってはもっと具体的に、例えば金融機関の皆さま方とも地方創生の協定を結ばせていただいておりますけども、金融機関と私どもがコラボレーションして取り組むべき分野については金融機関の皆さま方としっかりタッグを組んで具体的な取り組みを進めていく、あるいは市町村の皆さんとはすでに先ほど申し上げたように、例えば子育て支援戦略、これはある意味地方創生の戦略の一部先取りにはなっていますけども、これも市町村の皆さんとタッグを組んで、県はここまでやるから市町村も生み出された財源でこういうことにもっと取り組んでくださいというお願いをして協働して取り組んでいますので、こうした協働の動きをさまざまな分野でさらに加速化することによってオール信州で地方創生を進めていきたいと思っています。

 6 地方創生の総合戦略について(2)

信濃毎日新聞 竹村研人 氏
 今の質問に関連してなんですけれども、最後に市町村のお話が出てきたと思うんですけども、県が今、総合戦略を作っていると思うんですが、かなり県としての理念を強く打ち出していらっしゃるところもあると思うんですけれども、一方で市町村さんの方では今適宜どんどん戦略を急いで作っていると思います。その辺りの整合性というものをどういうふうに県として取りながら、今後、市町村と子育て支援戦略のように協調してやっていくかということも課題の一つだと思うのですが、その辺りの知事の現在のご認識はいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 その点は私も重要だと思いますし、これからもしっかり念頭に置いて対応しなければいけないだろうと思います。例えばこれまでも私と副知事が分担して地域戦略会議、各10広域に出掛けて市町村の皆さま方と意見交換をしています。その中で私からも県としてはこんなことを考えているというようなこともお話をさせていただきながら、市町村の考えもお聞かせいただいていますので、十分な意思疎通をしっかりやらなければいけない。これは私レベルだけではなくて、今、地方事務所単位でも市町村の総合計画の策定の支援等を行っていますので、実務的な部分と、それからトップ同士の意見交換等も含めていろいろなレベルで同じ方向性を向いていけるように取り組んでいきたいと思っています。例えば昨日も市長会がございました。そのときに長野県の人口ビジョンのご説明をさせていただいたわけでありますけれども、私が報告を受けている限りでは、例えば今までの65歳以上高齢者ということをもっと75歳以上に変えたらどうなのかというようなシミュレーションに対して、市長の皆さま方からは非常に反応が多かった。それは元気で長生きしているということが長野県の強みでありますので、やっぱり65歳以上が高齢者というのは、どうも現場の実態に合わないのではないのかという部分が共感されたものだと思っています。例えばそういうものを、長野県も少し意識して打ち出していきたいと思いますけれども、市町村の同じようなベースで考えてもらうというようなことを通じて、県と市町村の地方創生の考え方の平仄(ひょうそく)が合っている、県と市町村が連携しないことには地方創生、実が上がってきませんので、そうしたさまざまなレベルでの意見交換と問題意識の共有を通じて、一緒に取り組める体制作りに努めていきたいと思っています。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。

お問い合わせ

企画振興部広報県民課

電話番号:026-235-7054

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