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更新日:2016年2月8日

知事会見(平成28年(2016年)2月8日(月曜日)11時33分~12時59分 会場:県庁)

項目

知事からの説明

取材者からの質問

  1. 平成28年度当初予算案について(1)
  2. 子どもを性被害から守るための取り組みについて
  3. 大北森林組合補助金不適正受給について
  4. 平成28年度当初予算案について(2)
  5. 平成28年度当初予算案について(3)
  6. 「長野県人口定着・確かな暮らし実現総合戦略」について
  7. 平成28年度当初予算案について(4)
  8. TPPに係る農林業分野対応方針について

本文

知事からの説明

 部局長会議を開催、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言へ賛同、「いいね!地方の暮らしフェア」を開催、「長野県人口定着・確かな暮らし実現総合戦略~信州創生戦略~(改定版(案))」のパブコメの実施について

長野県知事 阿部守一
 それでは2月8日の会見を始めさせていただきます。私の方からは冒頭4点お話ししたいと思います。
1点目が部局長会議の議題となりました当初予算案、それから補正予算案、条例等についてでございます。先ほどの部局長会議で2月定例県議会に提出予定の当初予算案、それから補正予算案、条例案、それぞれ決定致しました。
 28年度当初予算につきましては皆さま方のお手元にも資料がいっているかと思いますが、「信州創生の新展開」予算と名付けさせていただきまして、信州創生、総合戦略の具体化をしっかり行っていく上で、今までとは次元の異なる取り組みを進めていきたいと思っております。当初予算額の規模ですが、8,756億9,178万5千円ということで対前年度比62億円の増という形になっています。今回の予算編成におきましては、信州創生を進めていく上で部局連携、部局横断的な政策をしっかり組み立てていこうということで、予算のパッケージ化を図って編成をしてまいりました。今までとはだいぶ進め方を変えたわけでありまして、私の知事査定のところでも、かつては一つ一つの事業の中身を具体的に議論するという色彩が強かったわけでありますけれども、今回どちらかというと皆さんにお示ししております、新展開1、2、3ということで、それぞれ二つずつ内容が分かれていて、大きく新展開部分で六つのパッケージがありますが、パッケージごとの議論を行って取りまとめた形になっております。縦割りの視点ではもう対応できない課題、県民の皆さま方の立場に立てば、何とか部がこれ、こっちの部がこれということではもう済まされないと思っております。例えば人づくりや教育も教育委員会だけの視点では済まない時代になっておりますので、高等教育であったり、あるいは地域における産業人材の育成、地域人材の育成、こうしたものも含めて人づくりと、「学びの郷(さと)」ということでパッケージ化をして検討して取りまとめてまいりました。そういう意味でこれまで以上に大きな政策論が行うことができたのではないかと思っております。今回の当初予算案はそういう意味で「信州創生の新展開」として大きく三つの柱、それから重点施策の加速化ということで、私どもこれまでも重要施策と位置付けておりましたが、それらをさらに加速化しようということで六つの重点施策を取り上げているところでございます。これも先ほどの新展開と同様にパッケージ化をして政策論議をして取りまとめたものでございます。信州創生の新展開、三つ柱立てをしておりますけれども、まず私は、人口減少社会にしっかりと向き合っていくという上では、一番重要なのは人間、人だと考えております。そういう観点で1人1人の能力を生かすことができる学びの場づくり、そして雇用の場づくり、こうしたものが極めて重要だと思っております。そういう観点で「個人の能力を活かす郷学郷就(きょうがくきょうしゅう)県づくり」と銘打っておりますけれども、これは長野県民が地域で学び続ける、働き続けることができる環境をつくっていくことと併せて、県外からも長野県に学びに来ていただく、あるいは長野県で働いていただく、そうした両面を含めてネーミングさせていただいたところでございます。また2番目の柱であります「産業力で未来を拓く共創躍動(きょうそうやくどう)県づくり」ということで、地域の活力を人口減少下でも維持していく上では、ものづくり産業や農林業、観光業、さまざまな産業の活力を維持していくことが大変重要であります。そういう観点で産業のイノベーションを進めていくこと、それから私どもの地方創生、信州創生の大きな特色であります地消地産、地域内での循環型経済をしっかり構築していくという2点に重点を置いて産業関係の予算編成をしています。それから新展開の3ということで、「住んでよし訪れてよしの交流観光県づくり」ということで、長野県は他県と比較して相対的に高速交通体系が急速に整備されつつあります。こうした高速交通を十分長野県民のために活用していくことが重要だと思っておりますし、また高速交通から連結する地域間の交通あるいは地域の住民の足の確保、こうした交通面にもしっかりと光を当てた取り組みを行ってまいります。併せてこうした交通の利便性も生かしながら、観光産業のポテンシャルを最大限生かした、観光大県づくりということで取り組んでまいりたいと思います。今申し上げたような観点でパッケージ化をしているところでございます。それから「重点施策の加速化」部分についてはTPP関連、先ほど対応方針を決定致しましたけれども、農家の皆さま方の不安、懸念こうしたものに応えることができるように、農業の生産性の向上あるいはブランド化、さらには地消地産あるいは輸出というような観点での新しい販路の開拓、こうした部分に力を入れてまいります。また子どもの貧困対策ということで、ずっと庁内でも検討を進めてきたわけでありますけれども、貧困の連鎖ということが起きることがないように国の政策もかなり充実をしてきてもらっていますので、県としての取り組みも併せて子どもの貧困対策についてはしっかりと力を注いでいきたいと思っております。奨学金等についてもかなり充実をさせていただきますし、また次の性被害の問題とも関連致しますが、子どもの居場所づくりについても促進をしてまいります。県全体で子どもたちを支えていこうということで、仮称としての「将来世代応援県民会議」を設置して、県全体を挙げて子どもの貧困対策にしっかり取り組んでいきたいと思っております。それから子どもを性被害から守るための取り組み、条例については引き続きの検討事項になっているわけでありますが、早急に取り組むべきということで教育の問題あるいは県民運動の活性化の問題、そして被害者となってしまった子どもたちの救済の仕組みづくり、こうしたものについても今回の予算の中でもしっかりと進めてまいります。また健康長寿県づくりということで、地域医療構想の策定が本格化してくる中で、健康長寿県としての長野県、医療、介護、こうしたものの充実については引き続きしっかり取り組んでいただかなければいけないと思っております。地域医療構想策定の中で、より踏み込んだ検討を行っていく必要があると思いますが、当面健康づくり県民運動としての信州ACE(エース)プロジェクトに重点を置いて取り組んでまいります。また人づくりのところにも出ておりますけれども、保健医療関係の人材確保も含めて健康長寿県づくりは引き続き重要な課題として取り組んでまいります。それから昨年「文化振興元年」ということで、新たに文化振興基金をつくって取り組みはじめた文化芸術でありますが、28年度もさらにレベルアップをしていきたいと思っております。芸術監督団の設置でありますとか、あるいは信州ミュージアムネットワークの構築であったり、こうしたことを進めることによって、新しい文化、人生を楽しむことができる働き方、暮らし方ということを実現する側面でも、文化芸術の振興について力を入れてまいります。また、県土の強靱(きょうじん)化でございますけれども、今、強靭化計画を策定中でありますが、長野県として地震災害あるいは火山災害、こうしたものの教訓を踏まえた上で予算面でも県土の強靭化をしっかりと進めてまいりたいと思っております。重点項目としては地域防災力の充実、建物の耐震化、それから土砂災害から命を守るための対策、こうしたものに特に力点を置きながら火山防災対策、あるいはライフラインの確保対策等もしっかり進めてまいります。それから中期財政試算、その前に財政の大枠でありますけれども、皆さんの資料の2ページのところから28年度当初予算の姿ということで、例年と同じような棒グラフを記載させていただいているところでございます。上の方の財政構造でありますが、引き続き社会保障関係経費については増加していかざるを得ないという状況でございます。その他の経費においては県税交付金が伸びておりますけれども、地方消費税の市町村への交付金が増えているということによって増ということであります。この部分はあまり県自体の運営には直接的には影響してこないわけでありますけども、トータルとして対前年62億円の増ということで、やはり義務的経費、公債費については後ほどご説明しますが縮減してきておりますけれども、依然として社会保障関係経費の伸びが今後も見込まれる中での厳しい財政状況が継続するという認識であります。それから下の方の社会資本の重点的な整備でございますが、新設から維持修繕に力を入れてきているわけでありまして、引き続き修繕事業のウエートについては高めてまいります。また施設整備の関係では増額をさせているわけでありますけれども、右側の社会資本整備事業のポイントと書いてございますが、そこの中でも例えば県有施設の耐震化、主な施設の耐震化については終了したわけでありますけれども、今後引き続き吊り天井の落下防止対策も含めて中規模な県有施設の耐震化を進めてまいります。また県民に身近な社会資本の整備ということで、文化施設の改修も行ってまいりますし、また1番上に書いてありますように県立高校、特別支援学校は学校の老朽化が非常に目に付くといういろいろな方からのご意見も踏まえて、学校校舎の修繕については集中的に進めていきたいと思っております。特に特別支援学校については環境改善も含めて重点的に施設改修を行ってまいります。そういう観点で施設整備の部分については増額をさせていただいているところでございます。それから公共事業関係では特に3ページの公共事業の1番上に書いてありますように、市町村等とも連携したソフト事業と一体となったハード整備を建設部中心にいろいろ検討してきてもらっています。まず諏訪湖周辺をモデルケースとして、地域振興の基盤づくりを行ってまいりたいと思っております。また、すでに始めておりますが観光地の歩道整備をはじめとして観光関係での施設整備ということで地域戦略推進型公共事業と名付けておりますけれども、単にハード面だけの視点ではなくて、観光であったり地域振興であったり、そうしたものと一体となっての施設整備を新たにしっかり位置付けて推進していきたいと考えております。それから4ページでございますが、財政の更なる健全化ということで、県税収入については増額を見込んでおりますが、他方で税収が増えれば地方交付税、臨時財政対策債がどうしても減少にならざるを得ない部分があるわけでありまして、交付税、臨時財政対策債とも対前年減で予算編成をしているところでございます。それから県債発行額のところでございますけれども、今申し上げたように臨時財政対策債については減少ということで、本来は現金で交付税として給付していただくべき部分でありますので、臨時財政対策債が減少すること自体は望ましい方向性だと思っておりますが、トータルとして通常債が微増という中で県債発行の合計額についてはマイナス60億円という形にしております。それから県債残高の見込みでございますけれども、そこに書いてございますように通常債については毎年数百億円規模で残高を減らしてきております。他方で特例債、臨時財政対策債と減収補填(ほてん)債、合わせて特例債と呼んでおりますけれども、主に臨時財政対策債でありますが、こちらについてはどうしても地財計画の組み方が特例債依存と、臨時財政対策債依存になっておりますので、どうしても残高自体は増加傾向になってきております。ただ、トータルでは県債残高が27年見込みでマイナス129億円。28年度の見込みでマイナス127億円ということで、ピーク時に、臨財債も含めたピークは平成25年度でありましたけども、そこの時点から着実に県債トータルでは減少させてきておりますし、通常債につきましては一貫して減少基調という状況でございます。反面、県の貯金でありますけれども財政調整のための基金残高につきましては、当初、取り崩し88億円を計上しておりますので、28年度見込みで488億円の年度末残高という見通しでございます。他方で地域活性化基金を大規模な公共施設の建設に伴う一時的な財政負担抑制という観点で、今回、大学に利用していこうと思っておりますので、これについては取り崩して活用していきたいと思っております。トータルで健全化判断比率の見通しでございますけれども、実質公債費比率については県債残高抑制、縮小基調でございますので、実質公債費比率については27年度見込みで12.8%、28年度見込みで12.3%ということで、引き続き改善をしていく見通しでございます。かつて長野県は実質公債費比率が全国ワースト1という状況でございましたが、26年決算ベースではいい方から数えて20番目ということで、やっと全国平均よりも少しいい程度の財政、県債、実質公債費負担の状況になってきたということであります。引き続き財政の健全性ということにも十分留意しながら財政運営を行ってまいりたいと考えています。それから資料2-1の補正予算でございます。2月補正予算につきましては、国の補正予算を最大限活用して編成させていただきました。まず「攻めの農業への転換」ということで、かんがい施設の更新等生産基盤の整備あるいは農業用機械の整備、こうしたものを支援する経費を計上して農業競争力の強化に結び付けていきたいと考えております。また「安全・安心な社会づくり」として、補助公共事業につきまして昨年度の補正を上回る50億円余、そして直轄事業負担金として7億円余を計上致しております。この他に地域鉄道の安全性向上や障がい者施設等の整備への支援、情報セキュリティ強化、こうしたものに取り組んでまいります。また次の2ページ目でございますが、「多様な活躍の場づくり」ということで、介護福祉士等の養成あるいは女性の活躍推進の取り組みを進めてまいりますし、また「地方創生を加速化させる取組」ということで、信州創生の総合戦略を推進するために地方創生加速化交付金を活用する事業として、そこに書いてございます、二地域居住や移住の推進であるとか、あるいは子どもの居場所づくりのモデルの構築、あるいは産業の振興といった事業を今回の2月補正予算案に計上させていただいているところでございます。
 それから条例についてでございます。条例につきましては、新設条例案が4件、一部改正条例案が22件、全26件の条例案を提案してまいります。まず、新設条例案のうち「手話言語条例案」、4番目でございますが、手話の普及に関しまして県の責務あるいは県民や事業者の役割、こうしたものを定めて手話に対する理解を促進するとともに、ろう者そしてろう者以外の皆さま方の共に生きる社会を実現するために制定していこうというものでございます。それから5番目から7番目は人事委員会勧告に基づく給料表そして勤勉手当の改定他、所要の改正を行うものでございます。それから8番目の「特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案」につきましては、大北森林組合の補助金不適正受給問題に関しまして、県政の責任者としての私の責任を明らかにするため給与を減額しようというものでございます。それから19番目の「資金積立基金条例の一部を改正する条例案」でございますが、子どもに対する支援を強化しようという一環として、「長野県こどもの未来支援基金」を新設していこうというものでございます。条例については、主なものについては以上でございます。予算と条例については以上にさせていただきます。
 あと組織改正についても決定致したわけでありますけれども、特に新たに「信州高等教育支援センター」をつくって高等教育の支援、振興に力を入れてまいります。また産業労働部に「産業戦略室」をつくって部局横断的に産業戦略を推進する体制を強化してまいります。また昨年県議会で地酒で乾杯条例を制定いただきましたが、そうしたことも踏まえまして、新たに「日本酒・ワイン振興室」を設けて長野県の日本酒、ワイン、お酒の振興を図ってまいります。それから現地機関の見直しとしては、中央児童相談所に「児童相談所広域支援センター」をつくって、子どもたちの支援強化ということでございますが、児童相談所の職員の政策研究の中からの提案を受けて、現地機関の強化を図ろうというものでございます。予算、それから条例、組織については、駆け足の説明で恐縮でございますけれども、以上とさせていただいて、また後ほどご質問をお受けしたいと思います。
 それから大きな2点目でございます。お手元のプレスリリース資料をご覧いただければと思いますが、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会 行動宣言」への賛同についてということでございます。内閣府がサポートする「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」が策定したものでございますが、私も本日、賛同させていただくことに致しました。この行動宣言は、自ら行動し発信する、現状を打破する、ネットワーキングを進める、こうした3項目について男性リーダーがさまざまな女性の意欲を高め、持てる能力を最大限発揮できるように具体的な取り組みをしていこうということで宣言しているものでございます。長野県としては、これまでも副知事であったり教育委員長、公安委員長に女性の委員長をお迎えしたり、また審議会委員への女性の参画比率を高めたり、県の政策決定過程への女性の参画を強化してまいりました。また、先ほど部局長会議におきましても長野県の男女共同参画計画を決定して、女性が活躍できる社会づくりを強力に進めていくことにしております。また先般「働き方改革・女性活躍推進会議」を新たに立ち上げて、県内の各界の皆さま方とも一緒になって女性の活躍に力を入れていこうと考えております。こうした取り組みを進める中で、長野県、私も先頭に立って女性が活躍できる長野県づくりに取り組んでまいります。行動宣言に賛同したからには、ぜひ長野県全体が本当に女性にとって働きやすい、暮らしやすい、そして女性の持つ個性や能力を本当に発揮いただける、そうした社会づくりに向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 それから大きな3点目でございますが、これもプレスリリース資料をご覧いただければと思いますが「いいね!地方の暮らしフェア」を池袋サンシャインシティで開催致します。「日本創生のための将来世代応援知事同盟」で行うものでございます。本県が幹事県ということで今行っているわけでありますけれども、12県の知事が力を合わせて人口減少に歯止めをかけ、地方への人の流れをつくろうと考えておりますが、今回この「いいね!地方の暮らしフェア」におきましては、首都圏の若い世代をターゲットと致しまして、結婚、子育て、それから仕事をテーマとして、地方で暮らすこと、地方で働くことの魅力を12県合同で発信していきたいと思っております。また、加藤勝信一億総活躍担当大臣にもお越しをいただいて、幸せな結婚生活について語るシンポジウムを開催することとしております。また、自然保育のサポーターで、ご自身も2児の母親として子育てをされてらっしゃいますタレントの藤本美貴さんも交えて、地方で結婚して子育てすることの魅力を紹介してまいりたいと思っております。またハローワークとも連携をした就職相談を行う他、地元の企業、世界的に活躍される企業にも協力をいただいて、転職相談も併せて行ってまいります。ぜひ、これを通じて都会の若い世代の皆さま方に地方で働くこと、あるいは結婚、子育てすること、こうしたものについて具体的なイメージを持っていただいて、1人でも多くの方の移住促進につなげていきたいと考えております。
 それから、最後4点目でありますが、「人口定着・確かな暮らし実現総合戦略」の改定版についての意見募集ということでございます。総合戦略については、これまでも年度末に再度見直すということを申し上げてきたわけでありますけれども、改定版の案を本日公表して3月8日までパブリックコメントを行ってまいります。主な改定項目としては、まず戦略の副題として「信州創生戦略」ということを明記させていただき、またさらにはそれぞれの広域ごとに地域戦略会議でご検討いただいた県と市町村が連携して取り組む広域的施策について追加をしてまいります。また例えば「ひとり親家庭等の子どもの居場所づくり」であったり、長野市との保健所の共同設置など、昨年10月の戦略策定後に進展した取り組み等も追加してまいります。また一部のKPI、重要業績評価指標については、実態を踏まえて上方修正を行ってまいります。今後、県民からのご意見をお伺いした上で、3月中には総合戦略の改定版を決定する予定にしております。先ほど申し上げた新年度予算も含めて、信州創生に全力で「オール信州」で取り組んでまいります。私の方からは以上でございます。よろしくお願いします。

取材者からの質問

 1 平成28年度当初予算案について(1)

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 予算を含めて大きく4点お伺いしたいのですが、最初に今年から始まった地方創生と、今回出された新展開について、次元の違う取り組みと知事はご表現されましたが、5年間の計画の中と今回抜き出してきているこの計画、その関係というかどのような位置付けになるか教えていただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今回は計画じゃなくて予算でありますので、先ほど申し上げたように、戦略は「信州創生戦略」ということで名付ける「人口定着・確かな暮らし実現総合戦略」があくまで戦略であります。単年度単年度、その中から何を具現化していくのかということを整理していくわけでありますので、28年度予算においては、先ほど申し上げましたような3点、「郷学郷就県づくり」、「共創躍動県づくり」、「交流観光県づくり」について、これまでよりもさらに踏み込んだ施策として信州創生を進めていこうと思っております。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 予算的な裏付けは、2月補正については国の加速化交付金7億円程度を使っていて、新年度分については国の予算を見込んでないと財政当局の方からお話を聞いているのですが、その辺は予算編成上どのように考えていらっしゃいますか。国の方がなかなか不透明なので、来年度どうなるかというのは分からない部分もあるかと思うんですが。

長野県知事 阿部守一
 新年度の交付金は、これからの話になってくると思います。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 国の方で地方創生、地方創生と言いながら、なかなか予算のスキームが出てこない状況で、地方とすれば今回の予算編成をどんな思いでされたかということを教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 国が旗を振る政策とはかなり違うと思っていまして、国から何か補助金とか交付金をもらわなければやらなくていいというものとは相当違うと思います。むしろ国が何もやらないとしても人口減少に歯止めをかけて、人口減少下でも地域の活力を維持する取り組みというのは県としてもしっかり行わなければいけない話でありますので、そういう意味では、もちろん補正でも交付金の活用等を行っていますけれども、国の取り組みがあれば進めるし、なければその分引っ込めるというものでは必ずしもないと思っています。今回はそういう中で、冒頭申し上げたように、パッケージ化をしていくことをかなり強く意識して取り組んで編成した予算であります。郷学郷就、学びの郷あるいは働き方にしても、教育委員会だけで教育を論ずる時代ではないわけでありまして、総合教育会議の場でも教育委員会と意見交換しておりますけれども、広く県全体で、教育、人づくりに力を入れていくという姿勢を明確に出して、これまでよりも相当踏み込んだ、例えば「高等教育支援センター」設置による高等教育の支援であったり、あるいはさまざまな就学のための資金的な支援であったり、こうしたものに取り組んでいこうと思っております。また働き方の部分についても、先ほど申し上げたように、例えば移住ということも、移住単体の施策でこれまで論じられることが多かったわけでありますけれども、これからは働く場の提供あるいは人材の確保といったようなものとセットで移住の推進ということも考えていく必要があると思っております。そういう意味では、働き方の推進も単に産業労働部の雇用施策ということではなくて、移住、二地域居住であったり、あるいは障がい者の就労、高齢者の就労であったり、そうしたものとセットでこの働き方の推進を打ち出しているところに、今回の予算の特色があると思っております。他の分野も基本的に同じような視点であります。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 結果的に積極的に施策を盛ったせいで予算規模とすれば平成16年度以降最大規模、過去3年で最大規模ということになるんですが、県税収入も景気回復で増えているという傾向があると思うのですが、その予算規模が大きくなった分については財政規律の観点からどのようにご覧になりますか。

長野県知事 阿部守一
 財政構造については、先ほど申し上げたように、社会保障関係経費は増加傾向ということであります。ただ先ほど申し上げたように、これまで県債発行の抑制に努めてきたところでありまして、公債費については社会保障の関係費を上回るマイナスを今回見込んでいるところでありまして、非常に厳しい財政状況ではありますけれども、財政運営の健全化ということについてもしっかり配慮しながら予算編成させていただきました。先ほどご覧いただきました実質公債費比率についても、着実に減少してきておりますし、県債残高もやっと臨時財政対策債も含めての減少基調ということに転じてきています。基金についてもかつての低水準の頃に比べると一定程度確保させていただいておりますので、これから経済情勢の変化にしっかり対応できるように、引き続き財政の健全化を片方で図りながら、他方で必要な事業についてはしっかりと推進していくということで、地域活性化基金の活用も含めて、めりはりのある財政運営を行っていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 お話に関連すると思うのですが、中期財政試算についてお伺いをしたいのですが、平成32年、2020年度まで予想を出していらっしゃっていて、毎回毎回出されているのと同じように財源不足に陥ると。県税収入が非常に増えてきていて2,600億円まで行くだろうという、消費増税が8%から10%に上がるという要因とか、恐らく地財計画で交付税と県税等がどうなるかという問題等もあると思うのですけれども、経済成長率が年率で政府と同じ1.3%から1.9%の経済成長率を想定している状況とかもろもろ考えたときに、見通しとしてどうなのかなと感じる部分もあるんですが。ここまで税収が増えるのだろうかという気がするのですが。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、基本的に税収が増えると交付税は減るという部分もありますが、税収の増は税制改正を反映しているので、消費税率引き上げを織り込んでいます。そういう意味で税収が伸びているという状況でありますので、政府の今の考え方では消費税を予定通り引き上げという方向で進めていただいていると思っていますので、県税収入については増加するだろうと考えています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 あと再三、中期計画の関係でお聞きしている武道館の関係についてお聞きをしたいのですが、先日の教育委員会の方で試算で建設費だけで50億円という数字を出していて、県としてはまだ造る造らないというのはこれからだと思うのですけど、そういったこれから予想される大型事業、信濃美術館等も含めて中期財政試算との兼ね合いというか建設費そのものもあるでしょうし、ランニングコスト等を考えた場合に財政規律というか、その辺はどのようにお考えになりますか。

長野県知事 阿部守一
 われわれも必要な施設は作らなければいけないと思いながらも、他方で毎年の予算のやりくりあるいは中長期的な財政状況の見通し、こうしたものをしっかり踏まえて最終的な判断をしていかなければいけないと思っていますので、当然、財政の観点も十分に持った上で事業の取捨選択というか、具体的な推進に当たっては考えていきたいと思っています。

 2 子どもを性被害から守るための取り組みについて

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 別の質問で、性被害の取り組みということでペーパー1ページにまとめていらっしゃると思うのですが、従来と違うところを見ると中学生向けのパンフレットを、教育委員会の施策ですか、違うところを入れたりしてきていると思うのですが、特に力を入れていらっしゃるところと、この辺は恐らく性教育について学習指導要領との兼ね合いですとかいろいろあるかと思うのですが、特に来年度に力を入れていくという部分を教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 35ページの四角で囲った部分が力を入れていこうという分野であります。まず教育のところは、教員の研修の充実を、教育委員会の分野でありますけれども、していきたいと思っています。先般、教育学部の若い学生たちと話したときに、必ずしも大学で十分に、専門的に科目を取れば学べるけれども、一般的に教員になられる方が全て性の問題を学んでいるわけではないというお話も聞いたりする中で、やはり学校の先生方に対する研修を充実することによって、まず教師の皆さま方の理解をさらに深めてもらうということを考えています。それからCAPの皆さん、いろんなワークショップを行っていただいておりますけれども、非常に実践的な学びの場をもっともっと増やしていかなければいけないと思っておりますし、またインターネット関係、県民との意見交換の中でもインターネットの話がいろいろ出ていますけれども、ネットトラブルに関しての相談窓口をまずはモデル的に設置していきたいと思っています。また県民運動を活性化させるという観点で、予算の中でも「青少年育成コーディネーター」を新しく配置をして、事務局体制についても強化をする中で県民運動をもっと元気にしていきたいと思っておりますし、また性被害者支援という観点でのワンストップ支援センターの整備については着実に進めてまいります。子どもの貧困とも重なってまいりますけれども、居場所づくりであったり、学習支援ボランティアであったり、こうした皆さんが地域で子どもたちを支えてもらう、見守っていただく、そうした環境づくりについても、性被害という観点だけではありませんけれども、全体として充実をさせていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 性被害については、まず学校の先生から取り組んでいくということになりますか。

長野県知事 阿部守一
 「から」というか並行です。県民運動も充実しますし、学校の中での対応も強化してもらいたいと考えていますし、またワンストップの支援センターもしっかりと整備を図っていきたいと思っていますので、ネットの話も含めて、どれがあればこっちはいらないという話ではないので、全体として施策を進めていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 確認ですが、制定方針を示している条例との関係はどうなりますか。まだ議会へ上程されていらっしゃらないですし、その部分も含めて条例が有る無しにかかわらず、これは取り組んでいくということだと思いますが。

長野県知事 阿部守一
 この間の方針にも書かせていただきましたけれども、条例の根拠が有れば安定的に取り組んでいく形になると思いますけれども、こうした施策の部分についてはこれまでも条例の有無にかかわらず進めていこうということで取り組んでおりますので、今回も引き続きしっかりと充実をしていきたいと思っております。

 3 大北森林組合補助金不適正受給について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 もう一つ別の質問で、今日の午後、大北森林組合の関係で元専務理事の初公判が3時からだと思うのですが、開かれると思います。実際の法廷の場でどういう主張をするかというのはあるかと思いますが、県として、県職員の方、元職員の方も含めて証人で呼ばれる可能性もあると思いますが、どのような形で裁判に対応されますか。実際、証人として呼ばれる可能性も現職の職員の方もあり得るでしょうし、今までも捜査等を受けているかと思いますが。

長野県知事 阿部守一
 まず捜査にはしっかりと協力していくということが重要だと思いますし、私どもとしても裁判の中で、ぜひ事実関係がはっきり判明することを期待したいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 事前の私ども取材ですと、県側の方が主導したのではないかという主張、実際これからどうなるか分からないですが、それは従前向こうの方も組合の方がそういう主張をしていると思うのですが、県の方が関わったという部分についてはどのように改めて考えられますか。きっかけを作ったというか。

長野県知事 阿部守一
 どなたがどういうご主張をされているかというのは、私はつまびらかには承知しておりませんけれども、刑事の裁判の話です。ですから当然、法令に基づいて厳正に裁判が行われるということだと思っています。それに県がどうこう関与するという話ではないだろうと思いますが、捜査であったり、仮に証人として県職員が呼ばれるというようなことがあれば、当然事実をはっきりと正確にお伝えしていくことが重要だろうと思っています。

 4 平成28年度当初予算案について(2)

読売新聞 戸田貴也 氏
 予算の関係でお伺いします。まず今回、信州創生の新展開として、知事として3テーマをおっしゃっていましたけれども、今回、特に造語になっている二つの点、「郷学郷就」また「共創躍動県」というのは知事の方で考えられたのか、それとも県職員の方で考えられたのかどういう経緯で生まれてきたものなのか教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 皆で知恵を出して考えたということであります。副知事、総務部長、あるいは財政課も入って、いろいろ知恵を出しながら考えてネーミングさせてもらいました。

読売新聞 戸田貴也 氏
 その上でなんですけれども、二つについて知事として、先ほど部局長会議でもおっしゃっていましたけれども、どういった思いを込めているのかもう一度教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 まず、「郷学郷就県」についてでありますけれども、例えば長野県も県立大学の議論をしたり、あるいは産業分野で私もさまざまな皆さんと意見交換したりする中で、やはり地域で学び続けられる環境づくり、あるいは地域で働き続けることができるような環境づくり、これが一つ県の役割として、地方創生、信州創生を進める上では極めて重要だと認識をしています。例えば学ぶ場があれば県外に行かなくても済むだろうという声もありますし、あるいは長野県に戻ってきたいけれども働く場があればというようなこともあるわけでありますので、そういう意味で学びと雇用、ある意味で学んだ次のステップとして、就職する、働くということがあるので、個人の活動としても時系列に並んでいる部分でもありますし、また定住人口を増やすという観点から、学ぶということと、就労する、働くということは極めて重要だと思っています。そういう意味で、信州で働き続ける、学び続けることができる環境をつくるということと、「信州やまほいく」であったり、高等教育の発信も今、山手線の広告等で長野県は積極的に行っておりますけれども、それと併せて、県外から長野県に学びに来てもらう、あるいはこれからの働く場としての長野県をもっと積極的に発信するためのドラマ制作も今行っていますけれども、働くために長野県へ来てもらう。居続けてもらう、住み続けてもらうことと、あるいはUターン・Iターンとして長野県に来てもらうと、両面から「郷学郷就県づくり」ということをしっかり取り組んでいきたいと思っています。それから「共創躍動県」の方でございますけれども、地域の方は産業の活力が低下すると、いろいろな努力をしてもやはり地域全体に元気がなくなってまいります。そういう意味で、信州産業全体がイノベーション、県立大学のキーワードの一つでもありますけれども、イノベーションを起こしていくことができるような支援を、例えば創業支援資金の利率をさらに低下させたりとか、あるいは伝統工芸であったり、日本酒、ワインであったり、長野県の強みとしての産業をさらに強化したりとか、それから世界で競争していかなければいけない健康医療、あるいは航空宇宙、こうした分野の産業をさらに振興させるということで県全体のイノベーションをさらに進めていきたいと思います。それから「地消地産の推進」ということで、地域内経済循環の促進でありますが、いずれも部局長会議で申し上げましたが、私は単独の企業だけではなくて産学官の連携であったり、あるいは企業間同士の連携であったり、あるいは地域内経済循環を促すという観点では生産者と消費者の連携であったり、こうした競争によって活力が生み出されると思っておりますので、そういう観点でこの「共創躍動県づくり」ということを産業分野のキーワードということにさせていただいたところでございます。

読売新聞 戸田貴也 氏
 最後に、中期財政の見通しの関係なんですけれども、今回、基金残高が減少してきて、従来も同様の傾向ではありましたが、その中で基金の取り崩しをしないために、40億円程度はいわゆる効率的な予算執行で生み出していくという方針を従来からされていますが、例えば今年度を、平成27年度だけ見ると、40億円という目標を掲げながらも、その目標を達成しない見通しというのが実際にいうと28億円ですか、60億円が28億円減になるという見通しですけれども、こういった中で40億円っていうその目標自体は、一つの考え方とすると少し見通しが甘いのではないかという思いもありますが、知事としてはどう思っていらっしゃるのかと、その後に向けてどう取り組んでいるのか、決意等を教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 最近の毎年の取り崩しのデータを財政課から説明してもらった方がいいと思いますけれども、最終的には基本的に取り崩さないで財政運営を行ってきていますので、今後も予算執行段階においての節減努力も行う中で、財政調整のための基金については一定金額を確保できるように取り組んでいきたいと思っています。ただ、積み立てたものをずっと使わずにいるということが、逆にそれはそれでいいのかと話もあり得ます。先ほど地域活性化基金の活用も申し上げましたけれども、どうしても経済動向は変動するものでありますし、税収も税制改正とか経済、景気動向によって増減するわけでありますので、私としては必要なときには積み立て、必要なときには取り崩すということで、やはり柔軟な財政運営も片方で必要だと思っています。ただ、中長期的には先ほど申し上げたような公債費比率であったり、あるいは経常収支比率であったり、そうした指標にもしっかり目を向けながら財政運営していくということが大事だろうと思っています。

財政課長 岡地俊季
 今ご指摘いただきましたけれども、昨年度の当初予算では60億円の財源不足が生じると見込んでおりまして、60億円を基金を取り崩して対応させていただいたところでありまして、現時点での見込みでは28億円が取り崩さなくて済むと見込んでおりますけれども、最終的には60億円の基金の取り崩しというのをなくしていきたいと思っております。今後、税収が伸びるですとか、効率的な予算執行ができると期待、努力していきたいと思っております。その前の年は、85億円の基金の取り崩しでありまして、基金を取り崩さずに済んでおります。

 5 平成28年度当初予算案について(3)

信濃毎日新聞 島田隆一 氏
 予算編成の過程で先ほどパッケージの関連なんですけれども、先ほども教育の関係ですとか、あるいは先ほどの働く場とかでいくつか問題意識とすればおっしゃっていただいたんですが、そもそもこれどういった問題意識、去年までの編成で、どういった課題があると考えていて今回始めたのか、もう1点、さらになぜこのタイミングで今回から始めたのかということについても併せて伺いたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 もちろん今までのやり方もやり方としてはあり得るというか、極めてオーソドックスな予算編成のやり方だと思っています。ただ、この場でもいろいろ申し上げてきているのではないかと思いますけれども、県政のさまざまな課題はもう各部局の枠に収まらない課題が極めて多くなっています。特にルーティンで行うような仕事ではなくて、新しく向き合わなければいけないような課題は、特に部局横断の対応が不可欠であります。それが学びの問題だったり、就労の問題であったり、後の重点に書いてあるような、子どもの貧困であったり、TPPであったりするわけですけども、そうしたときに今までの予算編成の仕方ですと各部局が一生懸命積み上げて、最終的に私のところでも、もちろん全体の検討もしますけれども、どちらかというと個別の事業の中身の議論にウエートが置かれていました。私の感覚は、知事として県民の負託を受けている私がやらなければいけないことがもちろん個々の施策の練り上げという部分もありますが、それをいちいち私が手取り足取りやっているわけにはいきません。むしろそういうところは県の職員が自律的に動いていく仕組みをつくっていくということが大事でありますが、むしろ全体的な県としての方向性を明確に出して、そうした中で各部局が予算を具現化していくという、ある意味、ボトムアップからトップダウンというそこまで極端な変化ではないですけれども、流れ方としてはそういう変化が必要だと思っています。そういう意味で、今回、そうしたパッケージ化、政策のパッケージとして、私が方向性を示す中で各部と財政課のやりとりで予算の概略を作り、そして最終的には私のところでパッケージ化された予算の検討をすることによって、これまでよりも県としては進もうとしている方向性が明確な予算ができたと思っています。今申し上げたような私の感覚ですから、今ことさらに、こうだからということで変えたわけではありませんが、ただ、信州創生の総合戦略を本格的に具体化していくという年でもあります。そういう意味では、これまで以上に部局間連携を強化してもらいたいと思っておりますし、その第一歩にはなったのではないかと思っています。先ほど部局長会議で申し上げましたように、予算は手段でありまして目的ではありませんので、予算の執行であったり、平素の業務の執行においてもこれからは部局間連携をもっと強化をしたいと、そういう意味で先ほどは部局長同士の対話をもっとしてもらいたいというお願いをしましたけれども、私と部局長あるいは部局長同士の対話を含めて、県庁全体でもっともっと横のつながり、連携が図れるように変えていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 島田隆一 氏
 やってみての手応えといいますか、やってみてやっぱり課題として出てきたところのというのを伺いたかったんですが、今の例えば部局、執行過程でもさらに課題になってくるのではないかというのは、やっぱりやってみての課題ということになるんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 課題になっているかというよりは、執行においてもそうした姿勢でやっていく必要がある。要するに予算を組んだだけではなくて、予算の執行に当たっても部局間連携で関連部局と一緒になって取り組んでいくということが重要だと思いますので、私としてはそういう調整してきますし、各部局長にもそういう姿勢で臨んでもらいたいと思ってます。

信濃毎日新聞 島田隆一 氏
 予算編成では今後もこういう手法というのは取り組んでいくということでよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 財政課もやっていろいろ気付いたこと等もあると思いますので、また今回の予算編成のいいところは生かしながら次につなげていきたいと思います。

信濃毎日新聞 島田隆一 氏
 もう1点は、予算編成方針の中で現場の視点で事業を構築するというのがあって、今回の編成の中でも地域戦略推進型公共事業ということで、諏訪湖の件がモデルとして入っていると思うんですが、こういった地域の、特に地方事務所長から提案ですとか、あるいは地域戦略会議を踏まえて出てくる事業というものについて、こういうふうに重視していくのかどうかと。もっと言うと、今回も採用されたものと採用されてないものとあると思うのですが、その辺の違いというのは、熟度といいますか、その辺でどういうふうに考えてらっしゃるんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私とすれば、できるだけ現場からの提案は採用していかなければいけないと思っていますが、全体の予算の中ですべて何でもいいというわけにはいかないだろうと思っています。皆さんの資料にも地方事務所長から施策提案への対応状況というのを書かせていただいていますけども、予算上対応したものと、必ずしも既存の事業等で対応できるものと両方あると思っています。さっき申し上げましたけれども、職員の政策研究も含めてあるいは地方事務所長からの施策提案等、これまで従来の長野県に比べるとかなり提案のチャンネルを増やしてきていますので、そうしたものをしっかり重要なものについては拾って実現していくことが、現地機関との関係性だったり、職員のモチベーションの向上であったりを改善していく一つの大きな手法だと思っていますので、そういう意味で私としてはできるだけ現場の提案はこれからも尊重していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 島田隆一 氏
 今、おっしゃった、すべて何でもというわけにいかないという、そこの基準というと変なんですが、どういった部分ですか。

長野県知事 阿部守一
 例えば、既存の事業で対応できるのではないかみたいなものであったり、あるいは例えば県がやるよりは、本来は市町村の仕事ではないのかみたいな話とか、私のところの感覚ではやはりそういう整理はしっかりしていかなければいけないだろうと思っています。

信濃毎日新聞 島田隆一 氏
 現地機関の再編の問題もあるので、改めてお伺いしたいのは、現地機関、地方事務所長ですね。予算の請求権、そこの考え方については、今は知事のお考えというのはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今、幅広くいろいろな検討している中で、まだこういう形でこれがいいということで決めているわけではありませんが、そもそもの現地機関の見直しの発端の問題意識が、現地でできるだけ課題解決ができるようにということが基本的な考えとしてあります。そういう意味では、施策を進めていく上では予算をどうするかと組織とか人をどうするかとか、それが基本的な資源でありますので、そこの部分の在り方についても、単に組織をどういじるかということだけではなくて、しっかり視野に入れた検討を行っていくということが重要だと思っています。

信濃毎日新聞 島田隆一 氏
 現地で出来る限り課題解決するということと、例えば今回みたいな地方事務所長の提案とか、この辺というのは連動してくると思うんですが、どのぐらいできるかということをしっかり提案してもらうという意味で、そういう意味で今年の所長の提案というものというふうに評価していらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 それぞれ地域課題をしっかり挙げてきてもらえてると思っています。ただ、やっぱりどうしても今の現地機関の体制が、例えば企画調整をする機能が十分、例えば地方事務所は地域政策課がそうした部分をやっていますけども、保健福祉事務所であったり、建設事務所であったり、先ほど申し上げたように、私は本庁の連携も強化しなければいけないと思っていますが、現地機関同士の連携も例えばACEプロジェクトを進める上では保健福祉事務所が頑張ってもらう必要がありますが、他方で地方事務所なりももっと協力して進める必要があるので、本庁と同じように現地機関、三所だけではなくて、いろいろな現地機関が長野県ありますので、そうした現地機関同士の連携とか現地機関と本庁の連携とか、こうしたこともこれまで以上には強化をしていくことが必要だと思いますし、そうした連携強化という視点も持ちながら、現地機関はどうあるべきかということは考えていく必要があると思っています。

財政課長 岡地俊季
 先ほどご質問をいただいた中で財源不足がどのくらいあるのか、過去からと比べてどうなのかというご質問をいただきましたけれども、数字はまた後ほどご説明致しますが、最終的に基金を取り崩したのが平成20年度でありまして、そのときは40億円取り崩しております。ただそれ以降は当初予算を編成するときに当たっては、財源不足が生じておったのですけれども、最終的には基金取り崩しはなかったという状況でございます。平成20年度から当初取り崩し額を申し上げますと、平成20年度以降、順次数字を申し上げますが、98億円、21年度が65億円、引き続いて35億円、30億円、93億円、132億円、平成26年度が85億円で、平成27年度が60億円という数字になっております。

長野県知事 阿部守一
 私の方から申し上げたいのは、結果的には取り崩さずに済んできた、執行段階での節減等も行ってきたということで、先ほどのご質問でもあったように、ちょっと緩めの見通しではないかということに対しては、今、ご説明したように必ずしもそうとは言えないだろうと思っています。ただ、先ほども言ったように、取り崩さないことがすべていいことかと考えると、やはりいざというときの財政調整のための基金でありますから、取り崩すということももちろん、最終的に取り崩すということもあり得ると思っておりますので、必要な節減を行いながらも、経済情勢とか、あるいは事業進捗(しんちょく)において必要な場合にはしっかりと取り崩して活用していくと、両面、しっかり視野を持って、視点を持って進めていきたいと思っています。

 6 「長野県人口定着・確かな暮らし実現総合戦略」について

信濃毎日新聞 竹村研人 氏
 地方創生の関係で、当初予算、地方創生の総合戦略ができてから当初予算の編成は今回が初めてだと思うんですが、本格実施に向けて、具体的な数はなかなか言いにくいかもしれないですけれども、自己評価として大体何割ぐらいは必要な事業を盛り込む、または着手できたと考えていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 総合戦略にかなり細かい具体的な事業を並べているので、その内どれができたかできないかってやれば数えられるのかもしれないですけれども、そうした作業はやってないです。先ほど申し上げたように「信州創生戦略」があって、当初予算があってということがありますけれども、信州創生の中で、われわれがまずは力を入れてやっていかなければいけない大きな三本の柱については、かなりしっかりとした方向付けができたと思っていますし、信州創生の新展開の三つの柱に入ってないものでも、総合戦略に関わる事業はありますので、そういう意味では、かなり基本となる重要な部分については、取り組めていると思っています。

信濃毎日新聞 竹村研人 氏
 続いてで恐縮なんですけれども、今回3月に年度内に改定するということなんですが、市町村からの要望、地域戦略会議とかも含めて、かなり挙がってきたと思うんですけれども、当然取り入れられたということなんだと思うんですが、大体どのあたり特に意識して取り入れてきたかっていう所があれば教えてください。

長野県知事 阿部守一
 今回の改定については先ほど申し上げましたように、まずは県の総合戦略について10月の段階で策定しましたが、市町村が必ずしもすべて戦略を策定し終えてなかったということと、それからそれぞれの広域単位で地域戦略会議を開催して、連携して取り組む政策について検討してもらいましたので、そうしたものについてはできるだけ反映しようということで取り組んできました。どうしても地方創生、信州創生を進めていく上では、長野県は小さな町村が多いので、なかなか町村一つ、単体だけでは取り組みづらいような課題がいろいろあります。例えば観光も、もちろん個々の観光地は非常にいい資源がありますけれども、やはりこれから、特にインバウンド等考えれば広域観光ということが重要になってまいりますし、また信州創生の中で人づくり、人材確保は大変重要でありますけども、人の確保といったようなことも広域でやっていかなければいけないということで、今回かなり地域戦略会議で広域で取り組まなければいけない課題を整理してまいりましたので、そうしたものを中心に盛り込ませていただいています。

信濃毎日新聞 竹村研人 氏
 最後に、知事は再三再四「オール信州」で取り組むことが重要だということをおっしゃってきていると思うんですけれども、今回の予算編成で、かなり例えば事業所と一緒にインターンシップを計画してみたりですとか、県以外の団体を巻き込もうという意図を感じられる部分もあると思うんですが、「オール信州」に向けた取り組みを意識したところと、自己評価としてやっぱりまだまだやっていかなきゃいけない部分があるとすれば教えてください。

長野県知事 阿部守一
 今ご指摘いただいたように、学びの部分と働き方の部分はかなりいろんな皆さんとの協働連携を意識して政策構築が出来上がってきていると思ってます。今の例えばインターンシップの話もそうですし、まずは高等教育全体の支援も県内大学との連携なしには進まない話でありますし、また産学官の円卓会議で高等教育については、産業界も含めて、大学との連携の場をつくっていますが、こうした中で出てきたものの具現化も図っています。また雇用の働き方の問題については先ほど申し上げましたけど、働き方改革会議は経済団体、連合、それから国も入って、労働局も入っていただいての取り組み体制をスタートさせましたので、学び、働きの部分については、まだこれから具体化しなければいけないところも残っておりますけれども、体制的には相当つくってくることができたと思っています。産業分野については先ほど言ったように、まさに「共創躍動県」ということで連携すること自体がタイトルに入れているわけでありまして、われわれとしてはさらに産業界とわれわれ行政とのコラボレーションも含めた共創を強化していかなければいけないと思っています。特に、これから何かもう少し強化するのかということを問われれば、やはり私は観光の部分の、今度、県としても、観光戦略本部をつくって県庁内の観光行政の推進も部局横断で取り組んでいきたいと思っていますが、観光分野というのは単に旅館ホテルの皆さまだけではなくて、交通関係者であったり、あるいは土産物を作っていらっしゃる皆さまであったり、そうした関係者が大変多く裾野の広い産業分野でもありますので、こうした部分については、もっと民間の皆さんとのコラボレーションを進めていかなければいけない分野だと思っています。今回、観光行政の転換ということでDMOの構築ということも行っていきますけれども、単に観光協会を見直しましたということではなくて、本当に民間の組織としていろいろな団体とコラボレーションができるような組織として再生させていきたいと思いますし、県の観光政策もDMO化であったり、あるいは観光戦略推進本部の設置を通じて、今までよりも格段にレベルアップを図っていきたいと思います。長野県の観光ポテンシャルは素晴らしいというのは共通の認識でありますけれども、まだまだポテンシャルを生かしきれてないと思っています。生かしきれてないのは、やっぱり県庁の中でも部局横断の体制が重要だと思いますし、また関連の皆さま方を横につなげていくというような仕組みをもっともっと強化していくということが重要だと思っていますので、そういう観点で、「オール信州」という観点でつなぐところをどこを強化したいかと言われればすべての分野そうでありますけれども、特にこの観光の分野については、これまでより踏み込んだ連携強化というものが必要になってくると思っています。

 7 平成28年度当初予算案について(4)

朝日新聞 関口佳代子 氏
 ちょっと細かいことになってしまうかもしれないんですけれども、重点施策の加速化の子どもの居場所づくりのモデルのことなんですけれども、具体的に子どもの居場所づくりということで場所をつくって、そこでご飯を提供したりするのかということと、あと何カ所くらいにつくる予定なのかということを伺いたいです。

長野県知事 阿部守一
 モデル事業でやりますので、市町村と連携をして具体的な場所をつくっていきたいと思っています。

財政課長 岡地俊季
 知事がおっしゃったようにモデル事業でありまして、県内2カ所、松本市と飯田市を想定して行うというものであります。

朝日新聞 関口佳代子 氏
 それに関してなんですけれど、その場所っていうのは恒常的に子どもたちが出入りできるような場所にするのかということなんですか。

長野県知事 阿部守一
 県だけはできないので、市町村とか関係していただける方たちと相談していくということにならざるを得ないと思いますので、私とすればできるだけしっかりとした居場所にしてもらいたいと思いますので、行政がつくる施設、体制では、恒常的に人が張り付いてというのは、すべてのところに期待するのは難しい部分もあるかもしれませんけれども、ただ居場所づくりの話は、貧困の問題だけでなくて、性被害の問題等も含めて重要だと思っていますので、モデルが今どこまで市町村と話しているのかというのは私は承知していませんが、いずれ広く普及をさせていかなければいけないと思っています。その観点は、さっき県民会議の活性化も申し上げましたけれども、県民会議のサポーター、青少年サポーターの皆さんも含めて、もっと子どもたちが安心して相談できる体制だったり、子どもたちがいつも居られる場所づくりであったり、画一的に県が形を決めてやるというよりは、むしろ地域の心ある人たちが居場所をつくって、そういうものに対して行政が応援していくというような形が私は望ましいと、画一的なものは放課後児童クラブをはじめとしていろいろあるので、そういうものを多分補完していくものとしての居場所として、どういう年齢層の子どもたちにどういう機能を提供するかというのはやっぱり地域によっていろいろさまざまあり得ると思いますし、さまざまある形をできるだけ柔軟に支援していくということが望ましいと私は考えています。

 8 TPPに係る農林業分野対応方針について

信濃毎日新聞 須田充登 氏
 先ほどTPPの関係で県としての試算をされて生産減少額が24億円余りということで、農協さんが出されている試算の数字に比べるとだいぶ減少額は少ないようですけれども、知事としてはこの数字どのようにお受け止めになってらっしゃるのかという部分を教えてください。

長野県知事 阿部守一
 先ほどTPP の対応方針案とセットで示された生産額への影響試算でありますけども、これについては国内対策で国内生産量が維持されるということを前提に国が公表した試算に準じて試算を行ったというものであります。そういう意味で私どもとしては、今回決定をした対応方針をまずはしっかりと推進するとともに、今後まだ国の方で農林水産業の成長産業化を進めるための戦略を固めていくと、作っていくと伺っておりますので、そうしたことも踏まえて農業分野への影響が最小限になるように取り組んでいかなければいかない。しっかりとした対策を打った上での数値ということでありますので、それだけ私ども行政が、行政に課せられた責任は重いものと考えています。

信濃毎日新聞 須田充登 氏
 あと3年前に行った試算のときには、長野県経済全体への影響という試算も出されたと思うんですけれども、これは今後こういうものがまた出てくるという予定があるのかどうか教えてください。

長野県知事 阿部守一
 今回は、われわれ本部自体が農林業への対応を中心に検討していこうということで取り組みをスタートさせています。もちろん製造業も含めればプラスの影響も出てくるわけでありますけれども、今回は農林業分野に対する影響に対してわれわれ県としても、真摯(しんし)に向き合わなければいけないということで、農林業分野の影響ということに絞って出させていただいています。製造業への影響等については、TPP の影響というのが単年度でこうなるというよりは徐々に関税の引き下げ等が行われてくるわけでありますので、むしろ製造業についてはTPPをポジティブに生かしていくという方向で、別途具体的な県としての対応は考えていきたいと思いますが、今回の試算については、われわれがまずはしっかりと向き合わなければいけないという農業者への不安、懸念、そうしたものに対応するという観点で国の試算に準じて出させていただいたものでございます。

長野県知事 阿部守一
 どうもありがとうございました。

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電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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