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更新日:2014年6月20日
水産試験場
○イワナ
日本に生息する淡水魚のなかでもっとも上流域に生息している魚がイワナです。県内の河川でも、本流の上流域や支流に生息が限られています。
北海道などの緯度の高い地域に生息しているイワナには、サケのように川と海を行き来するタイプもいますが、長野県に生息しているイワナは一生を川や湖で過ごします。長野県のイワナは、日本海に流れる千曲川水系に生息するものと、太平洋に流れる木曽川や天竜川水系に生息するものとでは、体の紋様が異なっています。前者は「ニッコウイワナ」と呼ばれ、白い斑点が目立つのが特徴であるのに対して、後者は「ヤマトイワナ」と呼ばれ、背中に白い斑点がほとんど見えず、橙色の斑点が鮮やかな2つのタイプに大別されます。同じタイプであっても、生息する川ごとに微妙に体の紋様が異なったり、遺伝子レベルで異なっていることが最近の研究で知られています。
各地の漁業協同組合では、イワナの増殖事業として放流を実施しています。しかし、これまで放流が一切行われていない川に生息しているものは、現在も日本中でそこだけにしかいないイワナであると考えられます。あるところで捕まえたイワナを別の川に放流することは厳に慎みたいものです。貴重なイワナたちを保護するために、釣り人に禁漁の要請をしている支流もあります。このような貴重なイワナたちを守っていくために、私たちも川を汚さないなど、自分たちにできることから実行していきたいものです。
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