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更新日:2014年6月20日
水産試験場
○トウヨシノボリ
ヨシノボリ類は従来一つの種類として扱われてきましたが、現在では10種類に分けられています。トウヨシノボリは雄の尾鰭(おびれ)基部に婚姻色として橙色の斑紋(はんもん)が現れるため従来から橙色型として呼ばれてきた種類です。県内のものはほとんどがこれに当たります。産卵期は5から8月頃で、体長は最大で7cmに達しますが、新潟県の佐渡の河口近くで見られるルリヨシノボリのように、海と川を行き来するヨシノボリ類に比べるとかなり小型です。また、県内では辰野町以南の天竜川と木曽川にカワヨシノボリが見られますが、こちらは他のヨシノボリ類に比べて卵が大きい種類です。
ヨシノボリという呼称は県内の方言に由来していることをご存じの方は少ないと思いますが、高知県の四万十川では川を溯上するハゼ科魚類の稚魚を総称してゴリと呼びます。ふ化後、海へ下って体長数cmに成長した稚魚が川を五里(=約20km)さかのぼるというのがその語源のようですが、ゴリ料理で有名な金沢のものはカジカをさしています。
雌が石の裏面に産み付けた卵を雄がふ化まで保護する習性や、頭でっかちでユーモアな風貌はどちらの種類にも共通していますが、困ったときは腹鰭(はらびれ)を見てください。ハゼ科の魚は左右の腹鰭が癒合して吸盤状になっているのに対し、カジカの腹鰭は左と右にはっきり分かれています。
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