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更新日:2014年6月23日
水産試験場
○オイカワ
「オイカワ」というより「ジンケン」(東北信)、「ハヤ」(中南信)といったほうが馴染み深いでしょうか。ウグイと並んで普通に見られる魚で、ウグイよりも水温が高くて緩やかな流れの場所を好みます。産卵期は6から8月で、この時期のオイカワは体の色が極めて鮮やかになります(婚姻色)。特に雄の体色は派手で、普段は銀色の体側が赤と青緑色に染まり、淡い褐色だった頭部は真っ黒に変わります。さらに体色だけでなく、尻鰭(しりびれ)が長く伸びたり、頬に「追星(おいぼし)」と呼ばれる白い塊上の突起が現われるなど、全体としてかなりいかつい姿となり緋縅(ひおどし)の甲冑(かっちゅう)を着込んだ武者の趣があります。
それもそのはずで、オイカワの雄にとって、産卵期は戦いの季節なのです。オイカワは岸よりの流れの緩い砂礫底を選んで、雌雄1対で産卵を行います。この良い産卵場所をめぐって、雄同士がなわばり争いを行います。鰭を大きく広げて自分の大きさを相手に誇示することから始まり、激しくなると巴のようにからみあって争います。
ナワバリ争いというとアユが有名ですが、オイカワの闘争もなかなかのもので、こちらのほうが浅い場所で行われるため観察は容易です。本流から別れた浅い流れを探して、散歩をかねた「フィッシュウォッチング」などいかがでしょうか。
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