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更新日:2023年1月30日
水産試験場
○タニシ
カワニナとともに諏訪湖の巻貝を代表する貝です。「つぶ」とも呼ばれ、ゆでてムキ身にして販売されていました。最盛期には100トン近く漁獲がありましたが、今では漁をする人もいなくなってしまいました。
諏訪湖のタニシ
諏訪湖のヒメタニシ (2~3cm。赤褐色のふたが特徴です。) |
オオタニシ(高さ7~8cm)、マルタニシ(5~6cm)、ヒメタニシ(2~3cm)が代表的な種類です。水質が悪化するとヒメタニシが増えると言われており、諏訪湖でも例外ではないようです。他にマメタニシ(1cm以下)という種類もいますが、前述した3種とは分類上も大きく異なり食用とはされていません。
繁殖のしかた
6~8月ころが繁殖の時期で、雌は交尾をした後、体内で数ミリ程度の貝になるまで育ててから子どもを産み出します。水槽にタニシを入れた後でいつのまにか稚貝がいることに驚かされることがあります。体内に稚貝を育てている貝を食べたときには「ジャリジャリ」した食感を感じることがあります。
暮らしかたは?
水田や用水路などにも多く見られていました。諏訪湖ではカワニナに比べやや深い場所に住んでいます。雑食性で付着性の藻類や水の汚れの元になる底泥中の有機物などを食べています。食物を通して水中の栄養塩類を循環させる役目を果たしており水質浄化に役立っています。
ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)に注意!
南アメリカ原産の大型の水陸両棲の巻貝で、関西方面では野生化したものが稲を食害して問題になっています。最近、諏訪湖周辺でも鮮紅色の卵の塊が目撃されています。寒さには弱いのですが、諏訪地域のように温泉のある場所では越冬することができます。外来種の例に漏れず環境への適応力が強く、在来の生態系への影響について注意する必要があります。卵塊は水面より高い場所にあります。駆除には卵塊や親貝をつぶしてしまうのが確実ですが、産み付けられてから数日以内の卵塊を水中へ落とせば卵は死んでしまいます。
オオタニシ(上)とヒメタニシ(下)
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