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更新日:2023年1月30日
水産試験場
○シジミ
諏訪湖のシジミは味が良いことで全国に知られていました。生息環境が悪化したことによって、現在では、放流されたものが細々と漁獲される程度になってしまいました。各地の湖や川で、外国産シジミによる新たな問題も起き始めています。
シジミの種類
日本在来のシジミには、淡水性のマシジミとセタシジミ、汽水(海水と淡水が混ざり合った海辺の河口や湖など)性のヤマトシジミの三種がいます。このうちセタシジミは琵琶湖特産の種類です。山間部の河川やため池などで、現在でもシジミが生息しているところがありますが、県内にもともといたのはマシジミで、諏訪湖本来のシジミもマシジミです。
諏訪湖のシジミ
大正6年(1917年)には530トン(現在の全漁獲量の5倍以上)も漁獲された記録があります。そのころは湖の中で繁殖していました。増産のために、湖で捕獲した幼貝を湖内各所に移植することが昭和28年(1953年)まで行われていました。
マシジミが減少したため、セタシジミを移植して放流するようになりました。が、琵琶湖での激減により昭和43年(1968年)にセタシジミの放流もできなくなってしまいました。
現在ではヤマトシジミが放流されています。この種類は淡水でも生息はできますが、子どもをつくることはできません。
シジミの流通
国産シジミとして流通しているもののほとんどはヤマトシジミです。利根川のシジミといっても海に近い河口域で捕獲されたものです。淡水性のマシジミやセタシジミが店頭に並ぶことはまずありません。琵琶湖では今、セタシジミの復活作戦がはじまっています。
輸入シジミが引き起こす問題点
最近、外国産のシジミが増えてきています。韓国やロシアにもヤマトシジミは生息しており、淡水では繁殖しないので問題は生じないのですが、最も多く輸入されている中国産シジミには淡水性の種類が多く含まれています。これらが日本の湖や川ヘ定着すると在来のマシジミはいなくなってしまいます。鮮度が落ちて売れなくなったシジミが川へ捨てられて定着した例も既にあります。放流する場合には産地を確かめることが重要です。
シジミがすむのに適した場所も増えてきました。
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