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更新日:2022年2月16日

令和4年2月県議会定例会における知事議案説明要旨(令和4年2月16日)

 ただいま提出いたしました令和4年度当初予算案をはじめとする議案の説明に先立ち、新年度に向けての県政運営に関する所信などについて申し述べさせていただきます。

 

【令和4年度に向けた県政運営の基本的考え方】

 コロナ禍や相次ぐ災害等により県民の皆様の暮らしの基盤が揺らぐ中、直面している切実な課題に速やかに対処しなければなりません。また、気候変動や人口減少などの中長期的な課題に対しては、今までの発想にとらわれない大胆かつ戦略的な対応が必要です。新年度に向けては、こうしたことを念頭に置きつつ、県民の皆様の「確かな暮らし」を守り、誰もが活躍できる活力あふれる信州を目指し、県政運営に全力を尽くしてまいります。

 新型コロナウイルスとの長い闘いが続いています。オミクロン株による「第6波」はこれまでにないスピードと規模で本県に爆発的な感染拡大をもたらし、1月27日から2月20日まで本県に対しても「まん延防止等重点措置」が適用されています。重点措置を講じてから20日間が経過し、感染急拡大には歯止めがかかったものの、新規陽性者数は依然として高止まりしており、確保病床使用率や療養者数などの指標を見ても、先行きは予断を許さない状況が続いています。このため、今しばらく県民の皆様の総力で感染対策の徹底を図る必要があると判断し、本日、国に対して「まん延防止等重点措置」を2週間延長するよう要請いたしました。新型コロナから県民の皆様の命と健康を守り抜くため、県民の皆様の一層の御理解と御協力をお願いしながら「第6波」の収束に全力を尽くしてまいります。

 コロナ禍における暮らしと産業を支えるため、刻々と変化する感染状況に応じて生活者支援や事業者支援を引き続き迅速に講じてまいります。また、コロナ禍で加速した地方回帰やデジタル化などの動きに適切に対応し、「信州回帰プロジェクト」や「長野県DX戦略」を一層推進するなど、暮らしや産業のコロナ禍からの復興を目指します。

 令和元年東日本台風災害、令和2年7月豪雨災害、そして昨年の8月、9月の大雨災害と、本県は連続して大きな自然災害に見舞われました。被災された方々に1日も早く日常の生活を取り戻していただけるよう、速やかな復旧・復興に努めてまいります。また、少しでも災害リスクを減らし、地域で安心して暮らし続けられるよう、「逃げ遅れゼロ」の実現や県土の強靱化など、災害に強い県づくりを進めてまいります。

 脱炭素社会の構築に向けては、2050年度までに二酸化炭素排出量を実質ゼロとする目標の達成に向け、交通、建物、再生可能エネルギー等の重点分野における取組を加速します。日常生活のあり方も含めて足元からの変革を進める一方で、海外の自治体などとも連携してこの地球規模の課題に向き合ってまいります。

 新型コロナ対策における県民の皆様への呼び掛けでは、何度となく思いやりや支え合いの心での対応をお願いしてまいりました。同じように、様々な困難を抱える方々や、社会の中でマイノリティーとされる方々を、どんな時にも温かく包摂できる長野県でありたいと強く願っています。全ての県民の皆様が希望を持ち、安心して暮らすことができるよう、誰一人取り残さない公正な社会づくりに力を入れてまいります。

 現代社会は、「VUCA(ブーカ)の時代」とも言われるように、未来を確実に予測することが難しくなっています。そうした中、お一人おひとりの県民の皆様がより充実した人生を送ることができるようにするためにも、長野県の経済・社会を更に発展させていくためにも、「学び」が果たす役割は極めて大きいと考えます。子どもから大人まで、誰もが主体的に学び続けられる社会づくりを進めてまいります。

 

【「しあわせ信州創造プラン2.0」の総仕上げと次期総合5か年計画の策定】

 新年度は、総合計画である「しあわせ信州創造プラン2.0」の最終年度です。掲げた目標のうち、健康寿命、就業率など達成に向けて順調に推移しているものがある一方、新型コロナの影響等により、観光消費額など思うように成果が上がっていないものもあります。計画の総仕上げの年であることを意識し、目標達成に向け一層努力してまいります。

 今後の県政の道標となる次期総合5か年計画の内容等については、新年度、本格的に議論を進めてまいります。現行計画策定以降、大きく変化している社会・経済情勢や、新たに生じた重要課題などを直視し、県民の皆様のしあわせと長野県の発展のため、果敢な挑戦を続けていかなければなりません。

 人口減少に関しては、移住施策の推進や地方回帰の動きにより社会減については改善が見られるものの、少子化の傾向には依然歯止めがかかっていないことから、引き続き重点的な対応が求められています。本県が積極的に取り組んできた脱炭素社会の実現や、産業や暮らしを支えるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進については、一昨年10月の菅総理大臣による2050カーボンニュートラル宣言や、昨年9月のデジタル庁設置などの追い風を活かしながら、取組を一層加速することが必要です。自然災害や感染症などの様々な脅威に対しては、これまでの教訓を踏まえて、ハード・ソフト両面で対策の強化を図らなければなりません。ジェンダー平等の推進や子どもの貧困対策、多様な生き方・働き方の促進などにより、社会の分断や格差を是正し、多様な価値観が尊重される社会を構築していくことも重要です。

 このような問題意識を持ちつつ、県民の皆様の声を広くお伺いしながら、環境と共生し、社会的な公正さが保たれ、全ての県民の皆様がしあわせに暮らすことができるよう、長野県の進むべき針路を明確にしてまいります。

 

【令和4年度当初予算案】

 今定例会に提出いたしました令和4年度当初予算案及びその他の案件について御説明申し上げます。

 令和4年度当初予算案は、新型コロナ対策や防災・減災対策などを切れ目なく実施するため、令和3年度1月補正予算と一体のものとして編成しました。予算案の総額は、一般会計1兆848億9,672万4千円、特別会計4,473億283万8千円、企業特別会計426億2,347万4千円であります。特別会計は公債費特別会計など11会計、企業特別会計は流域下水道事業など3会計であります。

 新型コロナ対策として2,192億円に上る経費を計上したことから、予算案の規模は過去最高額となりました。製造業を中心とした企業業績の改善を背景として、県税収入や地方譲与税が増加するなど、一般財源総額は今年度当初予算とほぼ同水準を確保できる見通しです。また、国庫支出金などを活用し、事業の選択と集中を図ることにより、財政調整のための基金の取崩額を、今年度当初予算よりも抑制することができました。加えて、今年度の県税収入等も当初予算額を上回る見通しであることから、将来負担の軽減を図るため、その一部を減債基金への積立てに充当したいと考えております。こうした取組の結果、財政健全化の指標とされている実質公債費比率や将来負担比率については、引き続き健全な水準を維持できる見通しです。

 一方、来年度末の国及び地方の長期債務残高は1,243兆円、GDPの220パーセントにまで達する見通しであり、今後、更に高齢化の進展による社会保障関係費の増加などが見込まれます。また、新型コロナによる人々の価値観の変化、デジタル技術の浸透など、県行政を取り巻く環境は大きく変化しています。そのため、現行の「長野県行政経営方針」を来年度中に見直し、行政・財政改革を進めるための新たな方針を策定する考えです。歳入・歳出の両面を見直して財政の持続可能性を確保するとともに、行政サービスの利便性向上や職員負担の軽減につながる業務改革を実施するなど、行政の質的転換と財政構造の改革を進めてまいります。

 以下、現下の新型コロナ対策や新年度に取り組む主な施策につきまして、順次御説明申し上げます。

 

【新型コロナから県民の命を守り、暮らしと産業を支える取組】

 新型コロナウイルス・オミクロン株が猛威を振るっています。県民の皆様の命と健康を守り、暮らしと産業を支えるため、引き続き全庁挙げて対策を進めてまいります。

(感染拡大防止と社会機能の維持)

 「第6波」への対応においては、感染拡大のスピードが極めて速い一方で、重症化する方は比較的少ないというオミクロン株の特徴を踏まえ、対策を重点化しながら、県民の総力を結集して、感染拡大防止と基礎的社会機能の維持に取り組んでいます。

 感染拡大防止のため、混雑した場所や感染リスクが高い場所への外出・移動の自粛や、家庭での感染防止対策の徹底、事業所における在宅勤務の推進などを呼び掛けています。また、大規模な集客施設に対してはまん延防止のために必要な措置を講じることを、飲食店に対しては営業時間の短縮などを要請しています。

 「第6波」で特に陽性者が多い学校等での対応も重要です。県立学校においては、対面授業とオンライン授業の併用や、部活動・学校行事の原則中止、学級等の臨時休業期間を陽性者の最終登校日の翌日から原則5日間とすることなどにより、感染リスクの低減と学びの保障の両面を意識して対策を講じているところです。また、市町村立学校等に対しては、県立学校の対応を参考に、感染拡大防止に取り組んでいただくよう依頼しております。

 社会機能を維持するための対応としては、医療や介護など生活・経済の安定確保に不可欠な事業者等に対して、陽性者が発生した場合でも必要な業務が継続できるよう事業継続計画の策定、実行等を要請しているほか、保育所や放課後児童クラブ等に対しては、感染防止対策の徹底を図りつつ原則開所とし、休園する場合にあっては代替保育を確保するよう依頼しているところです。

(療養・検査体制の確保、充実)

 療養体制については、1週間当たりの新規陽性者数が5,000人から6,000 人程度となっても対処できるよう体制構築に努めてまいりました。

 陽性者や自宅療養者の急増に対応するため、診療・検査医療機関が重症化リスクの初期評価を行うことにより療養先の振り分けを迅速に実施できる体制を整備したほか、症状が増悪した患者に対する電話診療の実施、健康観察センターの人員体制等の強化、パルスオキシメーター等必要な機器類の整備などに取り組んできました。1月29日には新たな宿泊療養施設を東信地域に開設し、7施設932 室で宿泊療養者を受け入れる体制となりました。新型コロナ感染者用の病床については、現時点で513床を確保しておりますが、必要な場合には更に140床を緊急的対応病床として稼働させてまいります。

検査体制については、無料検査を実施できる薬局等を拡大し、無症状であっても不安を抱える方々に身近な場所で検査を受けていただける環境を整備しました。供給不足が懸念される抗原簡易キットについては、必要量の供給を国に求めるとともに、行政検査を行う医療機関等に優先供給を行うよう県内卸売業者に対して依頼しているところです。

(ワクチン接種の推進)

 オミクロン株に対しても、ワクチンの追加接種による発症予防効果や入院予防効果の回復が確認されています。そのため、今月を「ワクチン接種推進月間」と位置付け、市町村と協力して、高齢者やエッセンシャルワーカーの方々を中心にワクチン接種の加速化に取り組んでいます。高齢者施設の入所者等に対する接種を今月中に完了できるよう、県が保有するワクチンの市町村への融通や、県が主体となっての巡回接種などに取り組んでいます。県内10 広域に合わせて13の会場を設置している県の接種会場では、現在、高齢者のほか警察職員、学校の教職員なども対象として接種を進めています。

 5歳から11歳までの小児に対するワクチン接種も来月から開始される予定です。テレビCMやWEB広告など、様々な媒体を活用してワクチンの効果や副反応についての広報に努めるとともに、各市町村の課題などもきめ細かく共有しながら、医師会、歯科医師会、看護協会、薬剤師会の御協力のもと、希望される方々が少しでも早く接種を受けていただけるよう最善を尽くしてまいります。

(経済活動を維持するための対応と事業者・生活者支援)

 コロナ禍であっても、できる限り経済活動を維持していくことが重要です。

 飲食店に関しては、「信州の安心なお店」の認証店では現在でも酒類の提供を可能としており、プレミアム食事券についても、来月1日に発行を再開する予定です。観光については、「県民支えあい信州割SPECIAL」と「ウェルカム信州アクティビティ割」について、それぞれ対象を県内在住の同居家族と県内在住者に限定した上で継続してきたところであり、今月23日からは、更に割引対象者や利用宿泊数を拡大する予定です。このほか、宿泊施設、結婚式場、カラオケボックス等も含めて、「信州の安心なお店」の利用を推奨しているところであり、今後とも、感染状況を見極めながら長野県版GoToトラベル事業等の需要喚起策を実施してまいります。

 「第6波」で影響を受けている事業者をきめ細かく支援するための市町村への交付金や、借入済の新型コロナウイルス感染症対応資金に係る償還条件の緩和、同一金融機関における信用保証付融資を一括して借換えできる「経営健全化支援資金(新型コロナ向け伴走支援型)」の創設、酒類の売上げ確保を図るための地酒クーポン券の発行などを通じて、企業の資金繰り等を支援してまいります。また、営業時間の短縮要請等に応じていただいた飲食店に対する協力金の支給については、提出書類の簡素化や迅速な支給に努めます。さらに、厳しい経営状況に置かれている事業者が、持続可能な経営形態へと転換を図る取組を支援するため、「プラス補助金第2弾」として国の補助金に関して県独自の上乗せ補助を行ってまいります。

 雇用の確保に向けては、緊急就業支援デスク強化事業(Jobサポ)を継続し、お一人おひとりに寄り添った正規就労のための支援を行います。また、ひとり親の資格取得に対する支援や、非正規雇用の女性等に対する求人開拓員や女性就業支援員等による丁寧な就業支援を実施してまいります。

 生活者支援としては、「緊急フードドライブ統一キャンペーン」を実施し、民間団体等を通じた食料配布を行うとともに、生活就労支援センター「まいさぽ」において、生活費や食料、住まいや仕事など生活全般のお困りごとの相談にきめ細かく対応します。加えて、信州こどもカフェの開催を支援するほか、生活に困窮している方の経済的な自立を支援するため、生活福祉資金特例貸付の償還や、求職活動のために必要となる被服費・交通費、住居の住み替えに要する費用について、新たに助成してまいります。

 

【産業・暮らしのコロナ禍からの復興】

(「信州回帰プロジェクト」の推進)

 本県への移住者数は年々増加しており、他の都道府県から本県への昨年の転入者数は31,050人と過去10年で最多となりました。コロナ禍の中で地方移住への関心が非常に高まっていることから、新年度は若者や子育て世代をターゲットとして「信州回帰プロジェクト」を一層積極的に展開してまいります。

 昨年グッドデザイン賞を受賞した移住総合WEBメディア「SuuHaa(スーハー)」等を通じて、若者たちに訴求する情報発信を行うほか、三大都市圏から本県に移住・創業される方を対象に最大300万円を支給する移住支援金・創業支援金についても、子ども1人当たり30万円を移住支援金に更に上乗せするなど、子育て世代の移住を促してまいります。また、IT人材を県内に呼び込む「おためしナガノ」や、企業の県内立地を促進する「おためし立地チャレンジナガノ」の実施など、仕事と暮らし一体での移住支援策を強化します。

 さらに、つながり人口の増加も視野に入れ、空き家改修等を通じた大都市住民等との交流イベントの実施、リモートワーク等に積極的に取り組む企業への信州リゾートテレワークの積極的なPR、移住後の新たな暮らし方を提案するための「信州農ある暮らし農園」の開設支援など、大都市等にお住まいの方々の新しい価値観にも訴求できるような取組を進めてまいります。

(「長野県DX戦略」の具体化)

 IT企業、IT人材の集積を図る「信州ITバレー構想」をはじめとする「長野県DX戦略」を積極的に推進し、デジタル社会の構築を進めます。

 「信州ITバレー構想」については、善光寺門前、松本城下、八ヶ岳山麓などで大学・企業・自治体等からなるコンソーシアムが形成されるとともに、起業家等が集まる新拠点の開設や、ユニコーン企業を目指すベンチャー企業などの起業が進むなど、徐々に成果が上がりつつあります。引き続き、産学官52機関で構成する信州ITバレー推進協議会を中心に、ITの力で地域課題の解決等を図るハッカソン・アイデアソンの開催、異業種交流の場の設定、ビジネスアイデアの具現化支援などを行うことにより、ITビジネスの創出とIT企業の集積を促すためのエコシステムの形成を図ってまいります。また、IT人材に必要とされる様々な技能や考え方をシリーズで学ぶセミナーを開催するなど、IT人材を信州に惹(ひ)きつけるための取組を充実します。

 県内企業の生産性を高めるため、様々な産業分野におけるDXを推進します。ものづくり産業等の分野では、AI・IoT等のデジタル技術の活用支援や、デバイス開発の支援などを進めるとともに、新たに県内大学生等を対象とするDX人材育成講座を開設します。観光分野では、長野県観光機構を中心に観光客のニーズなどを収集・分析したデータの活用を進めてまいります。観光客の関心が高い情報を効果的に発信する仕組みづくりを通じて強固な信州ファンの獲得を図るとともに、データに基づき観光地域づくりを進めます。スマート農林業も一層進めてまいります。これまでの個別経営体への先端機器の導入支援に加えて、先端機器と農地等の生産基盤を一体的に整備するモデル地区の設定を通じて、地域全体で取り組むDXを支援してまいります。また、水田の高度利用につながる地下水位制御システムの導入適地調査や、森林路網のデジタルデータの整備などにも取り組みます。

 日常生活の様々な場面でのデジタル化も進めます。全国初の取組となる県内市町村との協働による電子図書館サービスの提供、県内のバスや鉄道の路線情報をインターネットで検索可能とするためのデータ整備に対する支援、東京大学、名古屋大学や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などと共に取り組む洪水予測システムの共同研究などを行ってまいります。

 行政事務のDXも加速します。県行政のスマート化を進めるための次期情報システム「ながのデジタルワークプレイス」が本年7月から本格的に稼働することに伴い、チャットなどの新しいコミュニケーションツールやテレワーク環境などが充実することから、全ての県職員が場所を選ばず効率的に働くことが可能になります。あわせて、新たな文書管理システムの導入や、RPAなど既存のデジタル技術の利用拡大を進めることにより、県組織における仕事の生産性を飛躍的に向上させてまいります。また、住民記録、地方税、介護や福祉など市町村が担う主要20業務のシステムの標準化をサポートするなど、県内市町村におけるDXの推進についても先端技術活用推進協議会の枠組みを活用して支援してまいります。

(産業の競争力強化)

 本年4月、長野県中小企業振興センターと長野県テクノ財団が統合し、新たに長野県産業振興機構が発足します。県内産業の総合支援拠点として、技術開発から販路開拓まで一貫した支援体制を構築し、県内中小企業へのサポート機能を強化します。県内企業のGX(グリーントランスフォーメーション)やDXに向けた取組等を支援する専門性の高いコーディネーターを配置し、大学や工業技術総合センター、JETRO等と連携して様々なイノベーションを促進するほか、これまで技術開発を支援してきた5か所の地域センターで新たに経営相談も行うこととするなど、地域においても一貫した支援体制を構築します。

 同じく4月には、本格的に普及が進む5G向け電子部品等の開発を支援する次世代高速通信モジュール評価試験棟が工業技術総合センターにオープンし、平成29年度から進めてきた先端技術の開発を支援する五つの拠点整備が完了します。各拠点の機能を最大限活かし、長野県産業振興機構とも連携しながら、航空機、医療機器、IT、食品等今後の成長が期待される分野における技術開発、販路開拓等を支援してまいります。

 信州スタートアップステーションの機能を一層充実するため、既存企業の経営資源を引き継ぐ形での創業を支援する専門のコーディネーターを配置するほか、新たに設置される「信州スタートアップ・承継支援ファンド(仮称)」の投資対象企業の販路開拓等を支援するなど、引き続き、日本一創業しやすい県づくりを進めてまいります。

 県内産業を担う人材の確保・定着を図るため、多様で柔軟な働き方を可能とするなど「選ばれる職場づくり」に取り組む企業を支援するほか、職場いきいきアドバンスカンパニー認証制度の更なる普及や、テレワークの導入・定着の促進などに取り組みます。また、外国人留学生の県内就職を促進するため、「信州留学生就職促進コンソーシアム(仮称)」の事業運営を支援します。

(観光産業の再生)

 この春には、善光寺御開帳や諏訪大社御柱祭、飯田お練りまつりなど全国から多くの観光客が訪れる大型催事が相次いで開催されます。こうした機会を活かしつつ、コロナ禍からの観光産業の再生を図るため、新年度を「信州観光復興元年」と位置付け、市町村や観光・交通関係事業者と連携した観光プロモーションなどを積極的に展開してまいります。まず、全国の旅行会社やメディアに対し、花やアクティビティなど県内各地の早春の魅力をPRする「春の信州 彩り観光キャンペーン」を来月からスタートさせます。四季ごとのコンテンツをきめ細かく発信することにより、年間を通じて観光地がにぎわいを取り戻すことができるよう取り組んでまいります。アウトドアやワイン・日本酒など本県が推進している観光テーマに沿った観光地域づくりを進めるとともに、SDGsを学ぶ体験型の修学旅行や合宿に対する助成を通じた団体客の誘致などにも取り組んでまいります。

(農業の競争力強化)

 本県農業の競争力を強化するため、農業を支える担い手の確保・育成、果樹生産における稼ぐ力の強化などに取り組みます。法人等で雇用されている農業従事者の独立就農を新たに支援するとともに、生活資金や初期投資経費への助成を行うことにより就農後の経営を支援します。売上高10億円以上の大規模法人の育成を目指して信州農業エグゼクティブMBA研修を新たに実施するほか、本格的な市場デビューを果たしたぶどう「クイーンルージュ」をはじめとする本県オリジナルの果樹品種の強みを伸ばし、市場評価を高めるため、プロジェクトチームを設置して、栽培管理研修会の開催や品質向上対策等を実施します。米価の下落が続く水田農業への対策として、主食用米の適正生産を進めるための高収益作物等への転換や、海外への輸出拡大に向けた取組などを支援してまいります。

(海外等との未来志向の交流)

 コロナ収束後に照準を合わせ、海外需要の取り込みを図り、友好都市等との交流も拡大してまいります。これまで開拓してきたアジア各国の有望市場を中心に、ECサイトなどを活用して県産品の販路開拓を進めるとともに、積極的にインバウンドを誘致するため、観光ガイドの養成などによる外国人観光客の受入環境整備や、長期滞在を促す旅行商品の造成などに取り組みます。

 長い間友好交流を続けてきている中国河北省と、青少年の冬季スポーツ交流で提携をしてきた北京市とを会場として開催されている北京冬季オリンピック・パラリンピックについては、長野大会でのノウハウを提供するなど大会の成功に向けた協力を行ってきました。連日熱い戦いが繰り広げられている本大会には、本県関係選手22名が出場しています。スピードスケート競技の女子チームパシュートで髙木菜那 (たかぎなな) 選手が銀メダルを、また、スキーノルディック複合競技のラージヒル個人で渡部暁斗(わたべあきと)選手が銅メダルをそれぞれ獲得するなど、各選手の活躍を大変嬉しく、誇らしく感じています。新年度においては、互いに育んできた友好の絆(きずな)を更に強固なものとするため、大学連携によるグローバル人材の育成や青少年スキー交流などを実施してまいります。

 韓国江原道(かんうぉんど)との友好交流協約、ソウル特別市との観光交流協約については、今年度、締結から5周年を迎えました。新型コロナにより中断している観光・経済交流の再開を目指し、松本空港への国際チャーター便の誘致や旅行会社へのセールスなどに取り組んでまいります。

 沖縄県との交流につきましては、チャーター便の就航を促進するとともに、物流、観光など多様な分野での連携や子どもたちの交流を一層推進するため、沖縄県内での信州物産展やリゾートホテル向け食材提案会の開催を通じた流通・販売ルートの開拓、学習旅行の誘致などに取り組んでまいります。 

 

【災害に強い県づくり】

 「ビルド・バック・ベター(よりよい復興)」の理念のもと、災害からの復旧・復興を着実に進めるとともに、多くの県民の願いである災害に強い県づくりを進めます。

(災害からの復旧・復興)

 令和元年東日本台風災害からの復旧・復興を引き続き着実に進めてまいります。未(いま)だ応急的な住まいへの入居を余儀なくされている被災者の方々に対しては、長野市などとも連携し、個々の世帯の事情を考慮しながら生活再建に向けたきめ細かな支援に努めてまいります。被災した道路・河川、治山・林道、農地・農業用施設等、各種インフラの復旧についてはおおむね完了しておりますが、全ての箇所の早期完成に向け引き続き取り組みます。千曲川の治水安全度を高めるため、「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」に基づき、中野市立ケ花狭窄(きょうさく)部の開削や、長野市篠ノ井塩崎地区などでの遊水地整備が国の事業として進められております。県管理区間についても遊水地の整備や堤防の強化、河道拡幅など、必要な対策を着実に進めてまいります。

 令和2年7月の豪雨災害で被災した施設の復旧についても完成を急いでまいります。大規模な山腹崩落により被災した一般国道418号の天龍村足瀬(あしぜ)地区については、現道の復旧が困難なため、トンネル及び橋梁を新設する方法で復旧を進めており、早期の開通を目指してまいります。

 昨年8月、9月の大雨災害で被災した施設の復旧については、全箇所の災害査定が終了したことから、早期の事業着手に努めてまいります。木曽川の異常出水により護岸が被災し、住宅にも被害が及んだ木曽町上町(かんまち)地区については、木曽町と連携して家屋の移転補償に関する交渉を進めているところであり、被災した方々の生活再建が進むよう支援してまいります。土石流により下馬沢(げばざわ)川が氾濫した茅野市宮川高部地区では、国の改良復旧事業を活用し、被災した護岸とそれに隣接する脆弱な残存施設を一体的に復旧するとともに、今後の災害を防ぐため、治山ダム、砂防堰(えん)堤を1基ずつ設置いたします。また、宮川高部地区を含む諏訪西山地域では多数の山地災害が発生しました。新年度から流域保全総合治山事業を導入し、保水機能が低下した森林を対象として、森林整備と治山施設整備との一体的施工による災害に強い森林づくりに取り組んでまいります。

(防災・減災、県土強靱化)

 近年の気候変動の影響による災害の頻発化・激甚化に備え、国の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を最大限活用し、県土の強靱化を進めてまいります。先にお認めいただいた1月補正予算の事業費も活用し、幹線道路等における落石・法面対策や無電柱化、定期点検等により修繕が必要とされた橋梁やトンネルなどの老朽化対策、災害時における道路の迂回機能の強化、流域全体で取り組む治水対策や土砂災害対策、排水機場の更新やため池の耐震化など、県民の生命と財産を守るための事業を集中的に実施してまいります。

(治水対策の推進)

 「長野県流域治水推進計画」や国・市町村と共に策定した「流域治水プロジェクト」に基づき、流域全体の関係者と協働で流域治水の取組を進めてまいります。県としては、河川管理者として堤防の補強や護岸の整備、堆積土砂の掘削などのハード対策を実施することに加え、シンポジウムやテレビCMを活用した県民への啓発活動、市町村と連携して取り組む各家庭やため池での雨水貯留の促進、県有施設における雨水貯留タンクの設置や駐車場の緑地化などに取り組んでまいります。また、浸水想定区域図の作成、砂防ボランティアによる防災教育や災害伝承など、水害の発生に備えた取組も進めてまいります。

(「逃げ遅れゼロ」と避難所の環境改善)

 令和元年東日本台風災害の教訓を踏まえて開始した「逃げ遅れゼロプロジェクト」を引き続き推進します。避難指示等の適時適切な発令など市町村の災害対応力を強化するため、これまでの市町村長トップフォーラムの開催に加えて、新たに県、有識者、県砂防ボランティア協会等からなるキャラバン隊を立ち上げ、相談体制を拡充します。また、県民の皆様に対し、適切な平時の備えと災害時の対応を促すため、昨年10月にリリースした「信州防災アプリ」の普及促進を図るとともに、高齢者等を対象に信州防災手帳の配布も行います。

 避難生活における精神的・肉体的な負担をできるだけ軽減するとともに、災害関連死を可能な限り防ぐため、「避難所TKB(トイレ・キッチン・ベッド)環境向上プロジェクト」にも引き続き取り組んでまいります。快適で利用しやすい仮設トイレの導入支援、温かい食事を提供するためのキッチンカー事業者と市町村との連携促進、ダンボールベッドの迅速な調達と円滑な設置に向け、必要な体制整備などに取り組んでまいります。

(火山防災対策の強化)

 地元の木曽町や王滝村と共に整備を進めてきた長野県立御嶽山ビジターセンターが、8月下旬に開館する予定です。このセンターを核として、平成26年の御嶽山噴火災害の教訓を伝承していくとともに、住民や登山者等の防災意識の向上、御嶽山火山マイスターの育成などに取り組んでまいります。また、同時期に木曽町が開設するビジターセンターとも連携し、御嶽山を中心に木曽地域全体の魅力発信にも努めてまいります。

 迅速かつ正確な火山情報の収集・分析等を行うためには、火山専門家の力が必要です。そのため、名古屋大学御嶽山火山研究施設の運営を引き続き支援してまいります。さらに、災害からの教訓を踏まえた御嶽山における様々な先進的な取組を他の火山防災協議会と共有することにより、他地域における火山防災対策についても充実・強化を図ります。

 

【脱炭素社会の構築】 

「長野県脱炭素社会づくり条例」に基づく行動計画として策定した「長野県ゼロカーボン戦略」では、温室効果ガスの正味排出量を2030年度までに2010年度比で6割削減するとの高い目標を掲げました。この目標を実現するための取組を一層加速してまいります。

(地球温暖化対策条例の改正)

 今定例会に、「長野県地球温暖化対策条例の一部を改正する条例案」を提出いたしました。条例案においては、今後の電気自動車(EV)の普及に対応するため、集合住宅や商業施設など多くの方が利用する駐車場における充電設備の設置に関する努力義務を創設します。また、建築物に係る環境エネルギー性能等検討制度の届出対象を拡大するほか、新築住宅に係る省エネ計画の報告・公表制度を創設します。さらに、再生可能エネルギーの普及拡大を図るため、再エネ設備の設置及び再エネ由来の電気等の購入を県民及び事業者の努力義務とします。

 こうした条例による規制・誘導とあわせて、各種支援策についても創設・拡充を行うことにより、脱炭素社会実現に向けた県民・事業者の取組を促進してまいります。

(交通・建物分野での取組)

 交通分野では、EVの利用環境を整備するため、「未設置区間ゼロ・電池切れゼロ」を目指して、道の駅や観光地等での充電インフラ整備を支援してまいります。また、公共交通機関の脱炭素化についても関係者との協議を進めるほか、まちなかへの自家用車の流入抑制やグリーンスローモビリティ(時速20キロメートル未満で公道を走ることができる電動車)の導入などの社会実験の実施に向け、協議会の設置や交通シミュレーションなどを進めます。県としても新年度更新する公用車のうち特別な仕様が必要な車両を除く33台については全てをEVとするほか、松本合同庁舎において充電設備の整備を行うなど率先して取組を進めてまいります。

 建物分野では、2030年度までに全ての新築建物のZEB・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル/ハウス)化の実現を目指して取組を進めます。高い断熱性能や再エネ設備を有し、県産材を活用した「信州健康ゼロエネ住宅」の普及を重点的に推進するとともに、県有施設についても、今後の本庁舎の改修設計や県立学校の施設整備基本計画の策定などに当たってゼロエネルギー化を目指して取り組むほか、太陽光発電設備の設置や高断熱化、照明のLED化の推進などを着実に進めてまいります。

(産業分野における取組)

 産業分野では、事業活動の脱炭素化に向けた取組や、グリーンイノベーションに向けたチャレンジなどを支援してまいります。

 事業活動に伴う温室効果ガスの削減を促進するため、事業活動温暖化対策計画の策定をゼロカーボン関連補助金の採択要件とするほか、信州省エネスペシャリスト等による中小企業等に対する省エネ診断や、製品のライフサイクル全体の温室効果ガス排出量の可視化などを進めるとともに、事業所における再生可能エネルギー由来の電力共同購入事業を実施します。また、脱炭素化の動きを企業のビジネスチャンスにするため、長野県産業振興機構に「グリーンイノベーションセンター(仮称)」を設置し、ゼロカーボン関連の新技術開発などを支援します。

 農業由来の温室効果ガス排出量を削減するため、水田等から発生するメタンの削減などの技術開発を進めるとともに、果樹のせん定枝など未利用有機物を活用した炭素貯留の取組、有機農業をはじめとする「環境にやさしい農業」などを推進します。

 さらに県としても、昨年度から始めたグリーンボンドの発行額を増加させるほか、ESG債に対する投資を拡大し、ESG投資に対する気運の醸成を図ってまいります。

(再生可能エネルギーの普及)

 再生可能エネルギー分野では、本県が高いポテンシャルを有する太陽光と小水力を中心に普及拡大を目指します。

 屋根ソーラーの普及に向けては、既存住宅エネルギー自立化補助金と共同購入事業としてのグループパワーチョイスにより、住宅用太陽光発電設備等の更なる普及拡大を図ります。固定価格買取制度のもとでの導入件数及び設備容量共に全国1位の実績を有する小水力発電を更に広げるため、収益納付型の補助金による事業化支援や、企業局における新しい水力発電所の建設等に取り組みます。農業用水を活用した小水力発電を更に進めるため、中小規模の用水路を調査・リスト化して発電適地の掘り起こしを行います。また、県立武道館など五つの県有施設における使用電力を100パーセント再生可能エネルギー由来のものに新年度から切り替えます。

(吸収・適応分野での取組)

 森林吸収源対策としては、主伐・再造林による森林の更新を積極的に進めるとともに、森林整備による二酸化炭素吸収量を販売可能なクレジットとして国が認証する制度の活用、生活用品等を木質製品に切り替えるウッドチェンジの取組、外材等から県産材への利用の転換などを進めます。また、長野、松本、上田及び飯田の4市と共に、まちなか緑地や街路樹などのグリーンインフラ整備を推進してまいります。

 信州気候変動適応センターを中心に気候変動の実態や影響を継続的にモニタリングするとともに、農業分野では温暖化に適応した新品種・新技術の開発・普及、防災分野では流域治水の取組推進など、気候変動への適応策についても検討・実施してまいります。

(多様な主体との共創)

 「サステナブルNAGANO共創プラットフォーム(仮称)」については、新年度早期の立上げに向け、経済界や市町村、大学等の皆様と協議を重ねるとともに、拠点の設置準備を進めています。それぞれの主体が強みを持ち寄って気候危機突破プロジェクトの推進などに取り組むほか、県内各地でのゼロカーボンミーティングの開催などを通じて、気候危機に立ち向かう県民の輪を広げてまいります。

 また、信州環境カレッジを中心に多様な学びのカリキュラムを提供するとともに、環境先進国への高校生の派遣、高校生自らが教室の断熱改修等に取り組む「生徒発 気候危機突破プロジェクト」の始動、エシカル消費の協力店舗の拡大、「地域発 元気づくり支援金」におけるゼロカーボンの重点テーマ化などにより、若い世代を含む県民の皆様の多彩な活動を後押ししてまいります。

 

【誰一人取り残さない公正な社会づくり】

 SDGsの理念でもある「誰一人取り残さない」社会の実現を目指し、公正な社会づくりに取り組みます。

(多様性を尊重する共生社会づくり)

 全ての県民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し、多様な在(あ)り方を相互に認め合う社会を実現するため、「障がいのある人もない人も共に生きる長野県づくり条例案」を今定例会に提出しました。基本的人権の尊重、社会参加の推進、情報コミュニケーションのバリアフリーなどを基本理念とし、県の責務並びに県民及び事業者の役割を定め、障がい者の自立と社会参加に向けて県が取り組む基本的施策などを盛り込んでおります。

 この条例案の提出に合わせ、事業者の合理的配慮を促すための優良事業者認定制度の創設、県民意識の醸成を図るための県民フォーラムや全国最大規模でのボッチャ競技大会の開催、共生社会について学校で楽しく学ぶ「パラ学」の拡充、障がい者芸術文化活動支援センターや医療的ケア児等支援センターの新設、ユニバーサルツーリズムの発信強化など、様々な施策を充実してまいります。障がい者の就労を促進するため、障がい者雇用減税を延長するとともに、障がい者を新たに雇用する小規模事業所に対する助成金を創設します。さらに、JAとの協働による相談体制の充実等により農福連携を一層進めてまいります。

 総合リハビリテーションセンターについては病棟の現地建替えを前提とした建築方針の策定等に着手するほか、強度行動障がいがある方のための専用居住エリアを西駒郷に整備します。

(犯罪被害者等への支援)

 犯罪被害者やその御家族の皆様が安心して暮らすことができる社会を実現するためには、必要な支援が迅速に行われなければなりません。そのため、「長野県犯罪被害者等支援条例案」を今定例会に提出いたしました。

 取りまとめに当たっては、犯罪被害者の御遺族の方々から私自身も直接お話をお伺いし、御提案を踏まえて条例内容を一部見直しました。具体的な施策においても、経済的負担を軽減するための見舞金の給付、関係機関・団体等との連携による切れ目のない相談支援体制の構築、被害者等が置かれている状況や支援の必要性についての広報・啓発などに取り組むことにより、犯罪被害者とその御家族の皆様が平穏な生活を営むことができるよう取り組んでまいります。

(若者・子育て世代の希望実現)

 若者や子育て世代への支援を充実し、結婚や妊娠・出産、子育ての希望をかなえることのできる社会の実現を目指してまいります。

 若者の結婚を後押しし、結婚を社会全体で応援する気運の醸成を図るため、異業種で働く若者たちに新たな交流・出会いの場を提供するとともに、新婚夫婦等が割引などの特典を受けられる結婚応援パスポート制度を創設します。さらに、市町村との連携協議会を設置し、新婚世帯に対する住宅取得費用等の支援を行う「結婚新生活支援事業」を実施する市町村の拡大と補助率の引上げを図ってまいります。

 出産や子育てに係る経済的負担の軽減等も重要です。本年4月1日から不妊治療に公的医療保険が適用となることに合わせ、不妊検査や保険適用外の先進医療に対する助成を県独自に実施します。また、WEBサイト「妊活ながの」による情報提供や「不妊・不育専門相談センター」による相談体制の充実等により、妊娠を希望する夫婦を応援します。子どもの医療費については、市町村が実施する子どもの通院医療費補助に対する県費負担の対象を従来の未就学児から小学校3年生にまで拡大します。また、家事・育児等に不安を抱える子育て家庭を地域で支えるため、相談支援拠点の整備や家事・育児支援等に取り組む市町村を支援します。

 若者の正規雇用を促進するため、ジョブカフェ信州での就職情報の提供やキャリアコンサルティングを実施します。また、令和5年度からは、寄付金を原資として新たな大学生向けの奨学金制度を創設するとともに、従業員の奨学金返還を支援する制度を設けて人材確保に取り組む中小企業を支援します。

(困難を抱える方々への支援、看護職員等の処遇改善)

 家事や家族の世話を日常的に行っているヤングケアラーの存在は看過することはできません。そのため、小学生、中学生等に対する実態調査を行うとともに教育、福祉関係者等に対する研修を実施するなど、ヤングケアラーを早期に発見・把握し、必要な支援を行うための体制づくりを進めてまいります。

 依然として増加し続ける児童虐待に対する対応は喫緊の課題です。引き続き児童相談所の専門職員を増員して体制強化に努めるほか、住民からの養育相談や市町村支援等に対応する児童家庭支援センターを新たに佐久児童相談所管内に開設し、全ての児童相談所管内で相談・支援を受けられる体制を整備します。

 ひきこもりの当事者とその御家族の方々を地域で支えるため、ひきこもりに対する理解を深めるフォーラム等を開催するとともに、地域の支援団体が行う社会とのつながりをつくり安心して過ごせる居場所づくりの取組を支援します。

 「誰も自殺に追い込まれることのない信州」を目指して、各種相談会やゲートキーパー養成研修会等を実施します。特に、子どもの悩みや不安に寄り添った相談支援体制を強化するため、「子どもの自殺危機対応チーム」の充実、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの増員、LINE相談窓口の開設日数の増加などを行います。

 また、救急医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員や、介護・障がい・児童福祉施設、幼稚園等の職員の処遇改善を図るため、給与の引上げに必要な経費を助成します。

 

【誰もが主体的に学び続けられる社会づくり】

 変化の激しい時代にも対応できる資質・能力を育むための教育環境の充実や、働く人たちに対する学び直しの機会の提供など、誰もが主体的に学び続けられる社会づくりを進めます。

(学びを支える環境の充実)

 個別最適な学びや協働的な学びを実現するために、小・中学校を含む教育現場がICT機器を活用した教育を効果的に実施することができるよう、「ICT教育推進センター」を中心に、先端的な教育ソフトウェア教材の導入や、教員のICT活用能力向上のための研修などを進めます。

 高校の第2期再編等に伴う県立学校の施設整備においては快適で多様な学習空間づくりを進めるとともに、老朽化した学校施設を改修・修繕するための予算を一層拡充します。特別支援学校については、松本養護学校・若槻養護学校の改築等のための基本計画を策定するほか、教室の増築やスクールバスの増車などを進め、教育環境の充実を図ってまいります。

 本年4月、長野県立大学は「ソーシャル・イノベーション研究科」と「健康栄養科学研究科」の二つの研究科からなる大学院を新たに開設します。専門的な学びを深めたい学生や、公共政策や企業活動に携わる社会人を受け入れ、高度な専門人材を育成してまいります。

(リカレント教育・リスキリングの推進) 

 働く人の学び直しのためのリカレント教育・リスキリングの充実を図るため、夜間・休日やオンライン等を活用して専門知識や資格を取得することができる講座の新設を支援するほか、「社会人学びの総合ポータルサイト」を構築し、リカレント教育等に関する情報発信を強化します。また、産業界でのニーズが高いデジタル人材を育成するため、若年求職者を対象にしたプログラミングスキル等を習得するためのオンライン訓練や、農業法人などを対象としたスマート農業先端機器の体験講座を新たに実施するとともに、在職者訓練事業や民間活用委託訓練事業においてもデジタル分野の職業訓練を充実してまいります。このほか、長野県看護大学における感染管理認定看護師教育課程の開設や、観光業の生産性向上を促すセミナーの開催など、様々な産業分野で必要とされる人材の育成に取り組んでまいります。

 

【その他の主要施策】

(文化芸術の振興)

 県内における文化芸術活動を一層活発にするためには、アーティスト・イン・レジデンスや、県内学芸員のネットワークなど、芸術監督団事業等により培ってきた県民主体、地域主体の文化芸術活動の芽を更に力強い幹へと育て上げていかなければなりません。そのため、県内の文化芸術活動に対して、専門人材による助言や事業費助成などを行う寄り添い型の中間支援組織としてアーツカウンシルを設立することといたしました。様々な関係団体の参画を促し、文化芸術活動の持続的な発展と担い手の育成に努めるとともに、文化芸術の力を他の分野にも波及させ、地域の課題解決や新たな価値の創造にもつなげてまいります。

 昨年4月に開館した長野県立美術館には、コロナ禍の中にあっても先月末までに約72万人もの皆様にお越しいただきました。「東山魁夷 唐招提寺御影(みえい)堂障壁画(しょうへきが)展」をはじめとする七つの企画展はもとより、子どもたちを対象にした造形体験を行うワークショップ等も盛況で、「開かれた美術館」として県内外の皆様に親しんでいただいております。本年春には、善光寺御開帳にあわせ「善光寺さんと高村光雲」展を開催します。今後も善光寺や長野市などの関係者としっかりと連携しながら、文化・観光の拠点として更に多くの皆様に足を運んでいただけるよう取り組んでまいります。

(スポーツを通じた地域の活性化)

 上松町出身の御嶽海関が、先月行われた大相撲初場所で三度目の優勝を飾り、本県出身力士としては実に227年ぶりとなる大関昇進の快挙を達成されました。本県スポーツ界において特筆すべき偉業であり、ふるさと・木曽地域のみならず、長野県全体に大きな感動と希望を与えていただいたことから、その栄誉を讃(たた)え、県民栄誉賞を授与することといたしました。御嶽海関には、県民の期待を背負って一層の御活躍をされますことを心から願っております。

 令和10年に本県で開催予定の第82回国民スポーツ大会・第27回全国障害者スポーツ大会はいよいよ6年後に迫ってまいりました。先般開催された準備委員会において、大会の愛称とスローガンがそれぞれ決定されました。愛称の「信州やまなみ国スポ・全障スポ」、スローガンの「行こう。それぞれの頂(いただき)へ。」には、大会に関わる全ての人が信州の山々のようにつらなり、手を取り合いながら、自分の想(おも)い描くゴールを目指し、未来へとつながる大会にしたいとの思いが込められています。新年度は、この愛称・スローガンを用いて広く広報を行い、大会の開催気運の醸成を図るとともに、開催基本構想の策定や競技力向上などの取組を進めてまいります。また、今定例会に長野県国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会開催基金を新設するための一部改正条例案を提出しました。大会開催に備えて資金の積立てを行い、財政負担の平準化を図ってまいります。

(地域公共交通の維持・発展)

 地域公共交通は、通勤・通学や通院など日常生活に欠くことのできない移動手段であると同時に、地域の持続的な発展と脱炭素社会実現のための重要な社会基盤です。人口減少と高齢化が進む中で、公共交通という財産を次の世代へと確実に引き継ぐためには、県をはじめとする行政がこれまで以上に積極的に関与し、新しい地域公共交通システムを官民連携で創り上げていかなければなりません。

 こうした考え方から、昨年11月、事業者や国・市町村とともに全県レベルの公共交通活性化協議会を立ち上げました。本年1月からは、10圏域ごとに設けた地域別部会において、地域事情に応じたダイヤ編成、各地域が目指すべき公共交通の将来像などについての議論を開始したところです。利用者はもとより事業者の意見にも真摯(しんし)に耳を傾けながら検討を進め、来年度末までには各地の実情を踏まえた持続可能で最適な地域公共交通の姿を明らかにしてまいります。

(本州中央部広域交流圏の形成)

 本州中央部広域交流圏の形成に向け、高速交通網の整備を進めます。

 高規格道路については、中部横断自動車道や中部縦貫自動車道、三遠南信自動車道の整備を引き続き促進するとともに、伊那木曽連絡道路の整備、松本糸魚川連絡道路「安曇野道路」の本格的な着手に向けた取組を進めます。

 また、市町村や民間団体等と連携したリニアバレー構想実現に向けた取組や、リニア中央新幹線の整備効果を広く県内に波及させるための道路整備などを着実に進めるとともに、JR東海に対してはトンネル工事事故を踏まえた再発防止対策の徹底などを強く求めてまいります。

 「松本空港利活用・国際化推進室」を「松本空港課」に改組し体制を強化します。これにより、本県の「空の玄関口」である松本空港の一層の発展・活性化に向け、民間の資金やノウハウの活用による利便性の向上や運営の効率化、賑わいの拠点づくりなど、空港の機能強化に取り組みます。また、新型コロナウイルスの感染収束後も見据え、昨年複便化した神戸線をはじめとする既存路線の利用促進や更なる路線の拡充、沖縄とのチャーター便の運航促進など、関係団体とも連携して取組を強化してまいります。

 

【条例案ほか】

 最後に、条例案などについて申し上げます。

 

 条例案は、新設条例案3件、一部改正条例案21件であります。

 このうち、「創業及び障害者、母子家庭の母等の雇用を行う法人等を応援する県税の特例に関する条例の一部を改正する条例案」は、県内で創業等を行い、又は障がい者を雇用する法人等を応援するため、事業税の軽減措置の適用期限の延長及び対象者の拡大等を行うものであります。

 「資金積立基金条例の一部を改正する条例案」は、「信州学生協会・信濃寮」大学修学等支援基金及び長野県国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会開催基金の新設などを行うものであります。

 

 事件案は、20件であります。

 このうち、「高等学校の統合について」は、小諸商業高等学校と小諸高等学校の統合、伊那北高等学校と伊那弥生ケ丘高等学校の統合に係るものであります。

 

 専決処分報告は、「令和3年度長野県一般会計補正予算(第12号)の専決処分報告」など7件であります。

 

 以上、今回提出いたしました議案につきまして、その概要を申し上げました。何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。

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