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更新日:2020年4月28日

令和2年4月県議会臨時会における知事議案説明要旨(令和2年4月28日)

 ただいま提出いたしました議案の概要につきまして、御説明申し上げます。

 【命を守るための取組】

 「新型コロナウイルス感染症の脅威から、県民の皆様の命を守ること。」このことが目下の最重要課題です。刻々と変化する状況を踏まえ、先手先手で対応するべく、対策に全力で取り組んでいます。

 医療提供体制を上回る患者の発生を防ぐため、県民の皆様に対して手洗いの徹底や人との接触機会の削減など、感染拡大を防ぐための行動を呼びかけてまいりました。今月9日からは県として独自に「感染対策強化期間」を開始したほか、圏域ごとのリスクを踏まえ、14日には長野・松本両圏域に、23日には北信圏域に「警戒宣言」を発令するなど、あらゆる手段で注意喚起を行ってまいりました。長野県を含む全都道府県に緊急事態宣言が発令されたことを踏まえ、17日からは新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態措置等の第一弾として、「徹底した外出自粛」、「県域をまたいだ移動の自粛」などを県民の皆様に要請しています。

 長野県における感染拡大を食い止めるため、現在、最も必要なことは、クラスターの発生リスクが高い場所を極力減らすことと、感染が拡大している地域との往来を最大限少なくすることです。そのため、21日には緊急事態措置等の第二弾として、遊興施設、運動・遊技施設、劇場等に対しては使用停止等を、食事提供施設に対しては営業時間の短縮等をそれぞれ要請するとともに、観光・宿泊施設等に対しては休業を検討するよう協力を依頼いたしました。また、25日からは「信州の観光はお休み中」キャンペーンを実施しており、大型連休中の人の往来を抑制するべく取組を展開しています。来月6日までの緊急事態宣言発令中に、県内における感染拡大に何とか歯止めがかかるよう、お一人お一人の県民の皆様、事業者の皆様の御理解と御協力をいただきながら対策を進めてまいります。

 【検査・医療提供体制の強化】

 検査体制や医療提供体制の強化にも取り組んでまいりました。新型コロナウイルスの検査可能検体数は、当初、1日当たり28検体でしたが、信州大学医学部附属病院への業務委託や民間検査機関の御協力などにより、今月末には約200検体を取り扱うことが可能となりました。医療提供体制については、帰国者・接触者外来を当初の11病院から28病院に拡大したほか、感染者の受入病床数等についても、医療機関の皆様の御協力をいただく中で、500人程度の受入体制を構築することができました。現在までに51の医療機関の300を超える病床で感染者を受け入れることが可能となっており、また、軽症者等を受け入れる宿泊施設の借上げについても200人分以上の確保に目途がついたところです。

【産業や暮らしを支える取組】

 新型コロナウイルス感染症が、県民の暮らしや産業に与えている影響は極めて甚大です。海外からの入国制限やイベント・外出の自粛、サプライチェーンの毀損や外需の減少などにより、人の流れや物流が急激に縮小し、観光・宿泊業や飲食業をはじめとする幅広い業種で、著しい業績の悪化が懸念されています。経済団体等と連携した経営・雇用に関する相談窓口の設置、中小企業融資制度資金の新型コロナウイルス対策向けメニューの拡充、一斉休校やイベント自粛等の影響により需要が低迷している牛乳・生花などの県産品の消費支援キャンペーン等をこれまで行ってまいりましたが、更に踏み込んで、県内経済の下支えと雇用の維持、生活困窮世帯等に対する家計支援に取り組むことが急務となっています。

 今回の補正予算案では、現下の状況に鑑み、緊急に対応するべき産業、生活支援策を計上いたしました。今後とも、県内経済の状況等を注視しつつ必要な対策を機動的に講じることにより、県民の皆様の暮らしや事業活動を積極的に支援してまいります。

 【補正予算案など】

 補正予算案は一般会計278億8,683万6千円、特別会計3,913万8千円です。

 一般会計は、検査・医療提供体制の強化と県内経済・県民生活の下支えに特に重点を置いて編成したほか、遠隔教育環境の整備を積極的に進める内容となっています。

 まず、検査機器等の整備により検査可能検体数を1日当たり300検体を目標に拡大します。また、医師会をはじめとする関係者の皆様の御協力をいただきながら、20箇所程度の「新型コロナウイルス感染症外来・検査センター(仮称)」を圏域ごとに設置して、簡易な診察と検体採取を集中的に行ってまいります。

 医療提供体制を強化するため、感染者の受入れに必要な人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)、医療用シェルターをはじめとする医療機器等の整備を進めるとともに、感染者を受け入れていただく医療機関に対して協力金を支給します。また、軽症者や無症状感染者が療養する宿泊施設の借上げ等に要する経費も計上いたしました。

 医療提供体制の確保にとって喫緊の課題は人と物資の確保です。そのため、医療従事者を派遣する医療機関に対する人件費等の支援や、現在医療現場で必要とされている防護服、マスク等の購入を行うほか、防護服等の生産に取り組む県内企業の設備整備を支援します。

 厳しい状況におかれている県内企業を最大限支援することが急務です。大幅な売上げの減少に直面している中小企業への対応として、3年間実質無利子・無担保で、既往の信用保証付き融資の借換えも可能な「新型コロナウイルス感染症対応資金」を創設します。速やかな融資の実行に努め、県税の納税猶予等とも組み合わせて企業等の資金繰りを総合的に支援します。特措法に基づく休業要請等に応じていただいた事業者に対しては、協力金又は支援金という形で、市町村と協調して30万円を支給します。

 厳しい経営環境の中、様々な工夫をされている事業者への支援も重要です。テイクアウトや宅配など、サービス事業者等がグループで行う新たな取組や、クラウドファンディングを活用した食事券等を販売する仕組みの構築を支援するとともに、インターネット通販サイト「NAGANOマルシェ」を活用した農産物等県産品の割引販売「信州ふるさと割」を実施します。 

 個人の暮らしを支えるため、所得の減少が続く住民税非課税世帯については償還が免除される生活福祉資金の特例貸付を行うほか、収入減少により住居を失うおそれがある方に対しては住居確保給付金により家賃の支援を行います。また、イベントの自粛等により活動の場がなくなっているアーティストを支援するため、インターネット上で鑑賞可能な作品の創作等を支援します。

 以上のほか、売上げが大きく減少した中小企業等に対して最大200万円が給付される持続化給付金、休業手当等を支援する雇用調整助成金、地方税はじめ国税や社会保険料の徴収猶予、一人10万円の特別定額給付金(仮称)など、必要な支援策が十分に活用されるよう、国の制度も含めた分かりやすい周知を徹底してまいります。

 子どもたちの学びへの影響を最小限に抑えるため、「学校を閉じても学びは止めない」仕組みを構築します。小中高校生がインターネットを活用して自宅で学習できる教材閲覧サービスの構築や、県立高等学校へのタブレット端末導入の前倒し等により、早急に環境整備を進めてまいります。

 以上申し上げました補正予算案の財源として、諸収入143億4,179万1千円、国庫支出金120億5,787万2千円、繰入金14億8,717万3千円を見込み、計上しました。新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(仮称)など国の支援策を最大限活用するとともに、県民生活・県内経済が非常事態であるとの認識のもと、財政調整基金を取り崩して対応いたしました。今後、不要不急な事業の取りやめなど県としてもできる限りの努力を行うとともに、国に対しては臨時交付金の増額など更なる財政支援を強く要請し、必要な財源確保に努めてまいります。

 今年度の一般会計予算は、今回の補正を加えますと9,755億7,344万3千円となります。

 特別会計の補正予算案は、国民健康保険特別会計であり、傷病手当金の支給等を行った市町村に対し財政支援を行うものです。

 今月24日、「助け合いふるさと寄付金」の募集を開始しました。最前線で働く医療関係者や厳しい経済環境でも頑張っている事業者を善意の寄付を通じて応援する仕組みです。多くの県民の皆様に御賛同いただき、きめ細やかな支援に活用していきたいと考えています。

 専決処分報告は、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応に係る「令和元年度一般会計補正予算の専決処分報告」であります。

 以上、今回提出いたしました議案につきまして、その概要を申し上げました。 何とぞよろしく御審議の程お願い申し上げます。

 最後に、一言申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症との闘いを進める中で、大変残念なことに、感染者や医療関係者、その御家族などに対する偏見や差別が問題となっています。私たちが立ち向かう相手はウイルスであり、県民同士の絆(きずな) が分断されることは決してあってはならないと考えています。多くの人が不安を抱え、困難に直面している今こそ、互いに支え合い助け合う時です。県民の皆様には、お一人お一人の適切な行動が、大切な人の命を守り、医療と社会を守ることにつながることを強く訴えてまいります。

 県民一丸となってこの難局を乗り越えることができるよう、私も全力を尽くす決意です。

 議員各位におかれましても、どうか御協力御支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

 

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