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更新日:2016年12月26日
おひさまBUN・SUNメガソーラープロジェクト概要(PDF:1,216KB)
平成25年度「集落“再熱”実施モデル地区支援事業」のモデル地区を選定しました(PDF:288KB)
AC長野パルセイロは、福島ユナイテッドFCとの試合に、東日本大震災で県内に避難されている方や被災地域出身で県内にお住まいの方を無料で招待します(PDF:224KB)
長野県知事 阿部守一
それでは5月31日の会見を始めさせていただきたいと思います。私の方から冒頭4点お話を申し上げたいと思います。
まず1点目でございますが、資料をお配りさせていただいているかと思いますけれども、おひさまBUN・SUNメガソーラープロジェクトの協定の調印についてであります。本日午前10時半から岡谷酸素株式会社、そして自然エネルギー信州ネット、私ども長野県、3者でおひさまBUN・SUNメガソーラープロジェクトにおける自然エネルギー普及のための協定ということで締結をさせていただきました。プロジェクトの特徴としては、県の施設を貸してメガソーラーを民間の事業者に設置をしていただくということであります。また、そこから得られた知見、ノウハウについては自然エネルギー信州ネットが分析・整理をして、事業マニュアルとして公開をしていきたいと思っています。この点、岡谷酸素には大変前向きなご提案・ご協力をいただいておりますこと大変感謝したいと思いますし、加えて売電収入の一部を自然エネルギー信州ネットを通じて自然エネルギーの普及活動に還元をしていくと、そういうプロジェクトでございます。
太陽電池モジュールを国産の3メーカー選定をして各発電量の比較公開、モジュールの設置角度によります発電量比較データを公開するなどして民間事業者が実施をされる公開型の試験場としては全国最大規模ということであります。現場の見学会、工事の着手直後、それから設置工事の途中、設置後概ね3回にわたりまして、小まめに開催をしていきたいと思っております。ぜひ大勢の皆さんに見ていただければと思いますし、またこうした屋根貸しのシステムが広がるように取り組んでいきたいと考えています。自然エネルギーの普及・拡大、いろいろ取り組んできておりますけれども、今回の協定、私としても大変ありがたく、うれしく思っております。引き続き県民との協働で自然エネルギーの普及・拡大を目指してまいります。
それから2点目でございますが、今年度の予算で集落“再熱”実施モデル地区支援事業という事業を創設しておりますが、そのモデル地区の選定についてでございます。これも資料をお配りしているかと思いますが、集落“再熱”実施モデル地区支援事業で今回モデル地区4地区と決定をさせていただきました。長野県、私は県が元気でいるためには農山村それぞれの地域・集落が元気でなければいけないだろうと思っております。また「確かな暮らしが営まれる美しい信州」と、確かな暮らし、そして美しい信州、集落の皆さま方に支えていただいているという部分が極めて大きいと考えております。その中で市町村と住民が一体となって集落を再び元気を取り戻りしてもらおうと、そうした取り組みを県としても積極的に応援していきたいと考えています。今回の選定地区のご提案。例えば移住者あるいは地元の後継者が生活が成り立つ、生計が成り立つ農家民泊などの体験事業であるとか、あるいは新規就農の支援、遊休荒廃地の解消につながる取り組みであるとか、また景観保全、Iターン者の受け入れのための空き家活用といった提案をいただいております。このプレゼンテーションでさまざま提案いただいたわけですけれども、この事業をきっかけとして、今立ち上がらなければ立ち上がる機会がないというご発言もあったと伺っております。市町村、地域の熱意、志、そうしたものを大切にして県としてもしっかりと支援をしていきたいと考えています。これ、モデル地区でありますので、ぜひこういう地区ごとの取り組みについては、私どもの方もからも積極的に情報提供していきたいと思いますし、メディアの皆さま方には、それぞれの地区でこんなことが行われている、あるいはこんなことが起きているということも、ぜひ取り上げて広げていただければ大変ありがたいなと考えています。よろしくお願い致します。
それから3点目でありますが、懲戒処分等の指針について教育委員会の定例会で、教職員の非違行為にかかる公表ガイドラインが決定され、5月30日以降に発生した非違行為適用という状況であります。残念ながら第1号が出てしまったということは、極めて私も遺憾な状況だと思っていますが、併せて知事部局、これもこの場でも以前ご質問があって、知事部局も並行して考えていきますというお話をさせていただいたわけですけれども、知事部局におきましても、教育委員会のガイドライン検討会議の検討結果を参考にしながら、懲戒処分等の指針を改正する方向で今最終的な詰めを行っています。改正の方向性としては、今懲戒処分等の指針におきましては、被害者等が公表しないように求めている事案は公表しないという規定になっていますが、この公表の例外規定を削除して、懲戒処分はすべて公表という形にしたいと思っています。ただ被害者等がある場合がありますので、公表の仕方等は工夫をすることが必要な場合もあると思いますが、少なくとも懲戒処分が行われた事案については、すべてそういうことがあったということについては、公表を行っていくようにしていきたいと思っています。また、これも教育委員会と同じような観点で、飲酒運転、あるいは懲戒処分相当と見込まれるような職員の逮捕事案等、社会的影響の大きな事案については懲戒処分前においても事実関係を確認した段階で、公表をしていきたいと考えています。最後の詰めを行った上で、改正指針をできるだけ早く改正して、運用していきたいと思っています。
それから、最後4点目でありますが、これも資料をお配りしておりますが、AC長野パルセイロによります東日本大震災の被災者の無料招待についてのお知らせでございます。このたび、6月15日土曜日でありますが、南長野運動公園で行いますAC長野パルセイロ対福島ユナイテッドFCの試合に、東日本大震災の被災者で県内に避難されている方、あるいは被災地域出身で県内にお住まいの方を無料で招待をしていただくという形になりました。対戦相手の福島ユナイテッドFC、福島の復興の星として本年JFLに参入したクラブということで、パルセイロの試合では、試合の観戦を通じて、避難者相互の交流も深めていただければと願っています。昨年7月にプロスポーツチームと「スポーツによる元気な信州づくり包括連携協定」を締結しておりますので、今回も県としてこの企画の趣旨に賛同して、協定の一環として県としても広報に協力をさせていただくことと致しました。市町村を通じて、避難されている方々に周知されるようにしていきたいと考えています。被災者の皆さん、さまざまな困難・課題を抱えていらっしゃるわけですので、ぜひ故郷のチームの応援を通じて、少しでも励みになればと思っておりますし、県としてもしっかりとした応援を引き続き行っていきたいと考えています。私の方からは以上でございます。よろしくお願い致します。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
この後、「子どもを性被害等から守る専門委員会」の初会合で、知事もご出席のことかと思うんですけれども、その際にお聞きできるか分からないので、改めてお尋ねしておきたいんですが。これまで知事は、子どもが性被害を受けるというような状況を無くしていくために、ありとあらゆることに限定を掛けずに検討していただきたいという趣旨のことをおっしゃっておられたと思うんですが、一方で他県のように包括的・網羅的な条例ということは考えていないという趣旨のこともおっしゃっていまして、この包括的・網羅的という部分に、例えばよく言われています有害図書指定みたいな部分というのは、知事としては今回の検討会の対象からは、ややはずれているご認識でしょうか。
長野県知事 阿部守一
ちょっと私の説明も良くないところもあるのかもしれませんが、性被害から子どもを守るという観点でいろんな手段を講じてもらう、考えてもらうということは必要だと思っていますが、青少年健全育成条例は、非常に県によっても違いますけれども、長野県は今まで条例なしでやってきていますし、他の県の条例を見ると広範な規定が入っています。私は、全体を包括的、網羅的にですね、全て、これも規制、これもああです。これもこうします。あれもああしますというようなことではなくて、今当面、性被害の防止のところを中心に検討してもらおうと考えていますので、はなから他の県が青少年健全育成条例をつくっていることを参考にしながら、全体として青少年の健全育成を図っていきますという条例を視野に入れた検討ではなくて、青少年の性被害を無くすという観点から、これも条例ありきでは必ずしもないですけれど、そうした法的な側面での対応も含めて、どういう対応がベストなのかということ検討してもらいたいと考えています。今お話ありました有害図書の話みたいなもの。私の趣旨は今申し上げた話でありますので、どこを射程にとるかというのは、これは委員会でまたよく考えていただくことが必要なのか。ここからここは関係ないだろうとか、関係あるだろうとかいうところを、私が事前に線引きしているわけではなくて、委員会の中で性被害から子どもを守るという視点で、何が必要なのかという中で、おのずと射程が出てくるのかなと思っています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
それから、他県のような幅広く、あれも規制これも規制ではないというところは、なぜそういうふうに他県のようにあれも規制これも規制ではなくて、というふうな方向性を志向されるのか。
長野県知事 阿部守一
それは、私の思いでありますけれど、長野県として、これまで青少年健全育成条例を作らずに、地域の力で子どもたちを守っていこうと、健全な青少年を育てていこうという取り組みをしてきたわけで、私は、そのこと自体は非常に意義あることでありますし、そうした取り組みを尊重していくということが重要だと思っています。そういう観点で一足飛びにですね。そういうこととは全く違う、全部条例化して、何かを決めるというようなことは、私としては、取るのは適切ではないと考えているので、そう申し上げています。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
関連してですけれども、改めてお伺いしたいのですが、知事が考える性被害とは、具体的にどういったものですか。
長野県知事 阿部守一
性被害もいろいろあると思いますが、例えば、今日も残念ながら報道に教員の児童買春という記事が載ってしまったわけですけれども、当然それは性被害ですよね。それから、児童を性的な対象として児童ポルノみたいな話も、性被害の範疇(はんちゅう)に入り得ると思いますので、そうしたことをどうやって防ぐことができるのか、どういう手段が考えられるのかということを、ぜひ考えていってもらいたいと思っています。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
知事が今おっしゃられた児童買春、それから児童ポルノ。いずれも現在、法律でこのように逮捕可能な罰則規定もある法律があるわけですが。それはそれで対応できるのではないでしょうか。
長野県知事 阿部守一
もちろん、今の現行法で対応できる部分もあると思っています。それで、私は法令的な対応も含めて考えると申し上げているので、法令的な対応、法的な対応だけが、全て絶対ではないだろうと思っていますので、そうしたことも含めてどういう形の対応ができるのか。あるいは、いわゆる淫行処罰規定、淫らな行為ということを処罰するという規定を持っている県もあるわけですけれども、そういうことが本当に必要なのかどうかということも考えてもらうと。これからご議論いただくので、あまり私が踏み込んだ意見を申し上げるというのは適切ではないんじゃないかと思いますけれども、少なくとも検討の前提としては、これまでの長野県の取り組み、在り方というものを前提にして考えていっていただければありがたいなと思っています。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
別件です。今日からJR東日本と西日本が、北陸新幹線の列車名について募集を始めました。県内からは、現在の「あさま」という名称の存続を望む意見が、いろんな団体から出ていますけれども、知事のお考えと、それから県としての取り組みを教えてください。
長野県知事 阿部守一
まずJRが公募されているということで、ぜひ県民の思いとか声というのは、しっかりJRに伝えていってもらうということは必要なのかなと思います。長野県としては、市町村等からそういう名称についてのご意見は伺ってきているわけでありますけれども、今の時点でですね、私が、これが良いとかこれがだめだとかということを申し上げるのは適当ではないのかなと思っています。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
その適当でないというのをもう少し詳しく。
長野県知事 阿部守一
適当でないというのは要するに、県民の皆さんにもいろんな思いがあるわけで、まさに今ご質問をされたタイミングというのは、JRが公募しますと、JRが公募しているときに、県民の代表である私がですね、県民の声をJRが聞いてくれるというときに私はこうあるべきだよと声高に主張するタイミングではないだろうなと思っています。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
県立大学についてです。長野県とすれば、基本構想素案、出ておりますけれども、これについて見直しを進められているということで、かねがね問題になっている管理栄養士の課程といいますか、管理栄養士の国家資格も取れるような教育課程についても検討されているということですけれども、昨日松商学園が、管理栄養士養成課程設置に反対するという決議をされました。これについて知事の所感といいますか、受け止めと、県とすれば今後どのようにこの問題について対応されていくか教えてください。
長野県知事 阿部守一
受け止めと対応ということですが、受け止めというのは、私はまず直接松本大学からお話を伺っていないので、前にも申し上げたこともあるかもしれませんが、メディアの報道を通じてコメントしだすとですね、実は本心と違うことを捉えてコメントしちゃったりすることがありますので、私としては今の時点でどうこう申し上げる必要性はないのかなと思っています。これ、準備委員会でも松本大学からもご意見を伺ってきた経過もあるわけでありますし、私としては県内の高等教育全体がですね、振興されるようにという思いを持っておりますので、松本大学と新しい県立大学とが、同じ県民の期待に応えられるような大学として発展していくことが私としては望ましいと思っています。
共同通信 小田智博 氏
先ほどの牛山さんの性被害のお話の続きなんですけれども、先ほど知事が挙げられた例というのは、いずれも性犯罪というふうにいえる例だと思うんですけれども、重ねて伺いますが、知事が考える性被害というのが何なのか改めてまたご説明いただけないでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは、長野県は青少年健全育成条例無しに今までやってきている中で、例えば、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、淫行処罰規定、他の県では置いているけれども長野県は無い、だからそういう性犯罪が起きるのではないかというご意見も聞きます。それが唯一絶対その通りかどうかというのは、私は今の段階で確信をしているわけでは必ずしもありませんけれども、そういう意見もあります。そういう中で、現実に被害を受けている子どもたち、青少年がいる中で、どういうふうに対応していくべきかと。特に、最近はインターネット等でも、昔と違って、いろんな人と気軽に出会う機会というのは増えてきているわけでありますから、そういう環境の中で子どもたちをどういう形で守れるのか、あるいは守っていかなければいけないのかということを考えていただく必要があるだろうということで、今度の委員会で議論いただくということです。
共同通信 小田智博 氏
今のお考えというのは、先ほどおっしゃったような児童買春であったり、児童ポルノであったり、そういった性犯罪につながる危険性があるから、あるかもしれない行為を規制すべきかどうか考えるべきではないかと、そういう趣旨と受け止めてよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
あるかもしれないというか、今回、青少年健全育成条例が長野県は全国で唯一無い県であります。私自身は、これまでの長野県の取り組みは非常に尊重されるべきものだと思っています。しかしながら、インターネット環境等時代が大きく変わってくる中で、これまで通りの対応だけで本当にいいのかどうかということを、しっかりと検討していくことが必要だというのが私の考えです。
共同通信 小田智博 氏
その件に関しては、知事が以前から重ねておっしゃっているかと思うので、その件に関しては理解しておるつもりなんですが、先ほどおっしゃっていた、淫行処罰規定がないことをもって性犯罪が起きるのではないかという考え方も中にはあると、それは知事は、必ずしもそうかどうかは分からないけれども、そういった考え方も検討してほしいと私は受け止められたのですが、そういう理解でよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
何度も申し上げて恐縮ですが、要するにこういう手法は採らないとか、こういう手法を採れということを必ずしも事前に考えているわけではないので、幅広く委員会において検討してもらうということです。
中日新聞 森若菜 氏
先日、精神障害者の個人情報7,000人分を紛失したという件についてお聞きしたいのですが、個人情報の中でも最も紛失してしまっていけない情報の一部が無くなったんだと思いますが、会見でお聞きしてますと、床から積み上がった書類の上にCDなりを置いていたかもしれないということですとか、ちゃんと常時鍵を掛けておける場所になかったということですとか、持ち運びがCDになるというのは理解できますが、その中の情報を使ってしまった後にもCDで大量の情報を保管しているということで、民間の会社であれば、もう少しちゃんと管理されているのではないかという印象を受けました。聞いていてここの部署だけでこういう管理が行き届かなかったとは思えなくて、県庁全体でですね、もし再発防止のために知事が考えておられることがあれば、お聞かせください。
長野県知事 阿部守一
はい。今回の個人情報を含む情報が紛失したということについては、私からもお詫びを申し上げたいと思います。今のご質問でありますけれども、私も報告を受けて、これ健康福祉部だけの問題にしてはいけないだろうと思っています。情報公開・私学課あるいは人事課で全庁的に個人情報の管理の在り方というのをしっかり考えていく必要があるということで検討指示致しました。もちろん保管の仕方とかですね、鍵をかけてという、そういうことももちろんしっかりしていかなければいけないし、そういう検討も必要だと思いますが、私から特に指摘したのは、誰が管理責任を持っているのかということをはっきりするようにと。今回も課長への報告がかなり時間があったわけで、要するに誰が一義的に責任を持っているかということを明確にしないと、たぶん報告、連絡もですね、例えば担当者は責任感があれば私が見つけるまで何とかしようともしかしたら思うかもしれないですね。でもそれはあなたが責任者じゃなくて、課長補佐ですよとか、課長ですよということになっていれば、それは当然責任者に速やかにですね、自分がもしかしたら失くしたかもしれないということを報告しなければいけないわけでありますので、そういう物理的な保管の仕方みたいなことと合わせて、人的な責任分担、報告連絡の在り方そうしたものについても検討していかなければいけないだろうと思っています。
中日新聞 森若菜 氏
ありがとうございます。今回の件で、すごく報告までに非常に時間がかかっていたというところは、すごく気になっていまして、ちなみになんですけど、この件が知事のところに届いたのはいつだったんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
いつかなあ。毎日、時間の区切りの感覚がないんではっきり覚えてないんですけど。24日だそうです。公表するという段階以前の段階で、そういう可能性があるので今探していますという話の報告が最初にありました。
中日新聞 森若菜 氏
分かりました。知事の最初のお話の中でも、職員の懲戒処分について今回県教委でガイドラインが策定されたということで、それに基づいて懲戒処分については速やかに公表していくということなんですけれども、今回のような重大な個人情報の流失ですとか、そういった不祥事も事実確認次第すぐに公開するという方向性で考えていらっしゃるんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね、事案、事案によって違うと思いますけれども、今回のようなケースは、例えば今確認しているんですっていう形で、探していますって言って引っ張れば、2カ月でも3カ月でもいくらでも引っ張りようがある話になってしまいますので、そういうことではいけないだろうなと。例えば紛失を了知したら、どれぐらいは探すけれども、そうじゃなければ今一生懸命探して、やっぱり紛失していましたということを公表していかなければいけないと思いますんで、そういうことも含めて今回のことを反省材料として、どういうことが必要なのかということを検討していきたいと思います。
日本放送協会(NHK) 梅村洋次 氏
先ほど、知事も触れられていたんですが、中学校の教諭がですね、教え子くらいの年代の女の子を児童買春した、というので警察に逮捕されたという事案が今朝出ましたけれども、この件についての知事の率直な受け止めを聞かせてください。
長野県知事 阿部守一
まず、この問題も、私は大変残念な思いでいっぱいでありますし、被害者の方には申し訳ないなと思います。昨年のこの行為が行われた時期というのは、まさに教員の不祥事にどう対応するかということを検討して、報道でもですね、教員の在り方というのが報道されていた時期であるにも関わらず、こうしたことが起きてしまうということはまことに信じがたいと思いますし、教育委員会でさまざまな教員の不祥事防止の対策をこれから具体化していくわけでありますけれども、それだけではなくで、やっぱり一人ひとりの先生方がしっかりと自覚を深めてもらうと、当たり前、私が言うまでもない話でありまして、大変残念ですけれども、こういう事件が起きるとやっぱりそういうふうに申し上げざるを得ないのかなと思います。
長野朝日放送(abn) 草田敏彦 氏
今の質問に関連してなんですけれども、逮捕容疑が、11月の上旬でしたか、ということなんですけれども、まさにその時期は教員の資質についての検討委員会が開催されている時期で、知事も当時は危機感という言葉を常におっしゃっていましたけれども、そういったその危機感がですね、末端というと言い方、おかしいですけれども、現場の教員と共有できていたのかと。こういう事案が出てくるということは、必ずしも浸透していないということの証ではないかと思うんですが、その点についていかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね、共有されていないし、一人ひとりがそういうことに対して問題意識を持っていないということの表れだと思わざるを得ないんですけれども、他方で、本当に一生懸命やっている先生方もいるわけでありますので、全てが全て問題ばかりの学校現場だとは私は思っていませんが、しかしながら、この場で申し上げたかもしれないんですけれども、山口教育長と、不祥事が相次いでいるとき話したことは、普通のこれが私立学校だったらもう子どもは来ないと。そういう危機感もってやってくれと申し上げたわけですけれども、本当にこういうことが繰り返されるということは、教員の皆さんの中でもですね、やっぱり、自分は一生懸命やっているんだと、自分たちは頑張っているんだということだけじゃなくて、周りの同僚との関係性においても、ぜひ一緒になって子どもたちを守っていこうよと、一緒になって長野県の教育良くしていこうよと、そういう思いをぜひ持ってもらいたいと思いますし、教育委員会とも一緒に私もですね、ぜひ、学校現場の先生方とこういう点も含めて今後も話をしていくようにしたいなと思います。
長野朝日放送(abn) 草田敏彦 氏
ありがとうございました。
長野放送(NBS) 常盤英樹 氏
またこの今回の不祥事の件についてお聞きしたいのですけれども、11月の事件が起きてしまった時点でも再発防止は言われていたと思うのですが、再発防止が言われている段階でまた不祥事が起きてしまったことについて、知事はどうお考えかお願いいたします。
長野県知事 阿部守一
何というか、学校の、私は先ほど問題意識が共有されていなかったという話を申し上げましたし、一人ひとりが自覚を持ってもらいたいということを申し上げました。重ねて同様の質問なので、もう少し違う角度から申し上げれば、学校の先生方は一体誰に対して、誰の指揮命令に入っているのかという自覚があるのかどうか。多分、私ではないんですよ。知事部局の職員は私が任命権者ですけれども、学校の先生方は私は任命権者ではありません。懲戒処分を行う権限もありません。だけど、県民から負託を受けて教育について予算を付けているのは私です。何度も申し上げますけれども、教育行政の責任の在り方が不明確だということを改善すべきだと、私は考えておりますけれども、学校の先生方、私はできるだけ学校の先生方ともコミュニケーションを持ちたいと思っていますし、学校現場の先生方も一生懸命頑張っていらっしゃる方が多いと思います。だけど皆さま方から、知事はどう思いますかと私は言われる立場です。選挙で選ばれて県民から負託を受けている立場ですから、当然だと思いますし、そのことに対してお答え申し上げます。だけど私はこの先生に対して直接的に、こうしなさい、こういうことを改善しなさいという権限がない。こういうやりとりが行われているのが、やはり私は教育行政の一つの課題ではないかなと率直に思っています。ですから、今回、国においては教育委員会制度の在り方の見直しの議論がされているわけでありますけれども、ぜひ責任の所在を明確になるような見直しを行ってもらいたいと強く思っています。
長野放送(NBS) 常盤英樹 氏
ありがとうございました。
テレビ信州(TSB) 藤原里瑛 氏
去年からさまざまな対策を行っているということですけれども、それでもこういった不祥事が止まらないというのは、何か対策に問題があるのかと、何か考えていることはありますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
対策はこれからですよね。人事・採用であったり、あるいは具体的な研修の強化であったり、あるいは評価の在り方であったり、まだ実際に効果を出していくのはこれからだと思っています。この時点では、とはいえですよ、あれだけ騒がれているのに、どうしてこんなに問題意識が低いというか、騒がれていたらいけないという話でなくて、こんなことは平時であっても論外な話だと思いますけれども、それだけ意識が希薄すぎるんじゃないかと、希薄すぎる職員が中にはいるということが極めて問題だろうなと思っています。あり方検討会議でさまざま御議論いただいていたことについては、しっかりと具現化をしていかなければいけないと思いますし、そうした仕組みづくりだけではなくて、やっぱり学校現場、私は校長がマネジメントをしっかり行って統率していくと。今は校長にも法律上は人事権がないわけですから、そういうところはやはり変えていかないと本質的な改善がなかなかなりづらい、とはいえ現行制度の中でできることについては全力で行っていくということが必要だと思います。
テレビ信州(TSB) 藤原理瑛 氏
今の話で研修というのがありましたけれども、教員一人ひとりの問題意識が足りないことの表れということでしたが、果たして研修で意識というものは改善させられることができるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
研修のやり方だと思います。研修も教室方式で「こんなことやってはいけませんよ」、みたいな話を通り一遍しているだけではいけないだろうなと思います。例えばいろいろな犯罪であれば被害者がどれだけ辛い思いをするとか、しっかりと自覚できるような研修をしていかないと、単に頭では皆分かっているんですよ、こういうことはしちゃいけないことだと。それを繰り返しても意味がないので、研修の在り方ももう少し本質的なところまで踏み込んで、教育委員会には考えてもらう必要があるんだろうなと思います。
市民タイムス 渕上健太 氏
県立大学の管理栄養士課程の関係ですが、一昨日松商学園の方で管理栄養士の資格設ける課程の設置案の反対が決議されたということなんですが、県として今後構想案の調整、策定ということになると思うんですが、それにあたってそういう決議を踏まえたり、もしくは配慮したり念頭に置いたりといったかたちでの策定を進められるということはありますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは準備委員会で今議論されてきているわけで、当然県民からの意見であるとか、あるいは前回は松本大学も含めて大学の皆さま方からも、私は直接出席をしていないので現場の雰囲気はなかなか分かりづらいところも正直ありますけれども、とはいえ、ある意味非常に県立大学に期待する意見も含めて、ご意見あるいはご提言をいただいています。そうしたもの、準備委員会でいろいろ出ている委員の意見、あるいは大学からの意見、県民からのパブリックコメント等もあるわけでありますから、そういうものを当たり前ですけれども、総合的に、もちろん意見がそれぞれ人によって違う部分もありますけれども、そういう中でどういう案がベストなのかということをまずは準備委員会でまとめていくというかたちになると思います。
市民タイムス 渕上健太 氏
その発表される時期なんですけれども、6月定例会の開会前を目指していらっしゃるということで、現段階はそういうことになるんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
いたずらに引き延ばすことはしないということで申し上げていますが、今の時点でいつやるかということが決まっているわけではありません。
市民タイムス 渕上健太 氏
ローカルな話になってしまって恐縮なんですけれども、今週は松本の中心市街地にあるカタクラモールという大きいイオンが入っている商業施設があるのですけど、そこについて再開発をイオンさんの方でしてですね、また大きなショッピング施設を造るという構想が発表されまして、非常に松本城ですとか、中町通りといったある意味県内を代表する観光地の一つが立地する場所と非常に近接している場所での大きな開発ということで県内でも最大規模に近い商業施設の再開発になるのではないかということなのですが、一義的には県が何か関わって対応ということはそういう場面はあんまりないかと思うのですが、知事、今回のイオンの方の発表ですとか、今後の開発について何か所感というか、思いがありましたらちょっと一言お聞きしたいのですが。
長野県知事 阿部守一
所感というか、これ松本市がまず一義的にお考えになる話だと思いますので、菅谷市長をはじめ松本市の皆さんの対応に委ねるというか、まあ私が委ねる話じゃない、適切に対応されるだろうなと期待はしています。
「未来への提言~コモンズからはじまる、信州ルネサンス革命~」を取り戻す長野県民の会 吉江健太朗 氏
阿部知事さんいつもお疲れさまです。「未来への提言~コモンズからはじまる、信州ルネサンス革命~」を取り戻す長野県民の会共同代表の松本市在住の吉江健太朗と申します。今日は塩尻市の小野光明さんと一緒に参りましたが、中長期的なビジョン、未来への提言が今年3月県議会で廃案されたことについて2点お伺いしたいのですが。一つ阿部知事はかつて副知事として未来の提言を作られたのですが、なぜ未来への提言を廃案にしてしまったのか県民に分かりやすく教えていただきたいと思います。県としては説明をされたと思うのですが、分かりやすく教えていただきたいということが一つと、加えて県のホームページを開きますと、今年3月から未来への提言に関する文書は全て削除されています。阿部知事さん、なぜホームページから削除をする必要があるのか教えていただきたいです。関連で、県民から未来への提言を引き続きホームページにアップして、いつでも閲覧できるようにしてほしいという声が届いていますので教えてください。
長野県知事 阿部守一
なるほど。未来への提言については私も副知事の時に関わってきた経過がありますので、あそこに書かれている中身がおかしいとかですね、そういうことで廃止をしているというよりは、私の感覚は、未来への提言自体が非常に中長期ビジョンといいつつも表現内容が全体的な方向付けには必ずしもなり得てないと率直に思っています。例えば教育のところも当時宇沢先生に入っていただいてご起草いただいたところもありますので、宇沢先生の思いも非常に色濃く反映されています。私宇沢先生の社会的共通資本的な考え方には共鳴する部分も強く持っているわけですけど、ただ、県としての中長期ビジョンとして維持した方がいいかというと、私は少し考え方、その中長期ビジョンとしては違うのではないかなと考えているところであります。このビジョンについては県議会の議決を経て廃止というプロセスをとらせていただいたわけでありますので、そういう意味では県議会の皆さま方も同じような思いを持たれている方が多いのではないかなと思っています。あと、ホームページからの削除の話は、これはちょっと私は直接関与してないですが、過去の文章を残すのか残さないのかというルールが多分あるんだと思います。それは企画課の方でコメントがあれば。
企画部企画課長 角田道夫
ホームページからの削除につきましては、廃止というですね決議がなされて手続上のですね廃止ということが明確になったのを踏まえてですね、明確にするために削除させていただいたということでありまして、反対から言うとですね、新しい計画の方に着目いただきたいという趣旨でございます。
「未来への提言~コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命~」を取り戻す長野県民の会 吉江健太朗 氏
知事さんと課長さん教えていただきましたけども、ぜひですね、ホームページから削除していますが、県民はこれ信州のバイブルですので、ぜひ継続してアップしていただきたいので、廃止されていますけど、ホームページにアップしていただきたいという要望だけしたいと思います。2点目の質問だけ、時間が限られていますので。本日、「中長期的なビジョン、未来への提言廃止に異議あり抗議の申し出」を先ほど私たち県民の声を知事室と議長室、知事と議長に提出させていただいたんですが、ぜひ信州のバイブルを復活してほしいという県民の声が届いています。知事さんのこの抗議の申し出に対する知事の見解を教えてください。
長野県知事 阿部守一
見解、「未来への提言」の廃止についての考え方は先ほど申し上げた通りであります。ちょっと今拝見をしていますが、私としてはちょっと違和感があるのは「かつての翼賛的で官僚的な県政運営に戻りつつある」というご指摘は私は違和感ありますが、そういうふうにご指摘いただいているということであれば、これは謙虚に受け止めなければいけないと思いますけれども、とはいえ、この「未来への提言」自体、新しい「しあわせ信州創造プラン」の中で中長期的な方向も示させていただいているところでありますので、ぜひ私も先ほど申し上げたように「未来への提言」の理念を全て否定しているわけではありません。ただ県としての方向性を示す文書としては、今後とも維持するのは適切ではないんじゃないかということで、今回廃止をさせていただいたわけでありまして、ぜひこれからは「しあわせ信州創造プラン」をですね、皆さんと共有したいと私は考えておりますし、いろいろなところで発言をさせていただいておりますので、ぜひそちらの方を見て、そちらの「しあわせ信州創造プラン」の目標をぜひ一緒になって実現していこうと考えていただければ、私としては大変ありがたいと思っています。
信越放送(SBC) 清水秀行 氏
先ほどの県立大学の関係で、知事に以前新年度できるだけ早い時期に基本構想を策定したいというふうにおっしゃられていましたけれども、先ほどの発言で今の時点でいつやるかというのは決まっているわけではないというふうにおっしゃられていましたが、そこの以前の発言は変わりなくという認識でよろしいですか。新年度のできるだけ早い。
長野県知事 阿部守一
できるだけ早く、何ていうかいたずらに時間を置くのではなくて、やっぱり取りまとめていくということは私は必要だろうと思っています。これは準備委員会ベースで議論をしてもらっているわけですので、これは副知事が責任を持ってしっかりとまとめてもらうということがまずは必要だろうと思っています。
信越放送(SBC) 清水秀行 氏
今日一部報道で管理栄養士課程に関しては30人程度の養成コースを設けるという報道もありましたけれども、なかなか議論が委員会の回数も減ってきていますし、見えにくい中で、現状県としてですね、管理栄養士の養成課程をどう盛り込んでいくのかもしくは盛り込まないのかというのは、知事の中ではどのようにお考えなんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは先ほど言っているように、準備委員会で議論をしてもらっているわけです。前回も松本大学も含めて各大学からご意見いただいています。各委員からも意見がさまざま出ています。それは委員会としてどうまとめるかということは、まさに今検討されているわけでありまして、そういう意味では、私に聞くよりも、副知事に質問してもらった方がいいのではないかなと率直に思いますが、これは私の思いということで申し上げれば、今ご指摘あったように、全体的なところが議論されずに、管理栄養士のところだけどうも着目されてしまっているというのは、私は非常にちょっと不幸な状況かなと正直思っています。むしろ大学全体をどうするかという中で、その学部学科の在り方というもの位置付けられるべきものでありまして、学部学科のこれがマルこれがバツというところから、逆に学校全体の理念とか方向性が導き出されるわけじゃないので、そういう意味でもう少し私どもの反省点としては、議論のプロセスも県民の皆さんに分かりやすくしていかなければいけなかった部分があるんじゃないかなと率直に感じています。とはいえ、今こういう形で進んできていますので、できるだけ私としては、分かりやすい形、見やすい形で準備委員会の議論等も行ってもらいたいなと思っています。
信越放送(SBC) 清水秀行 氏
もう一点だけお願いします。先日県教委の話になってしまうんですけれども、飲酒運転に関して原則免職としている基準について裁判所の判断で、免職を取り消すという高等裁判所の判断も出ましたけれども、その点についてやはり一定期間、相当な時間が経過した場合は停職とするという。原則免職という中で、そういう曖昧(あいまい)な部分を、裁判所の判断で免職は相当ではないという判断が人事委員会も含めて、ここ2例続いておりますけれども、県も同様の指針をもっていられるということで、そこの部分について、相当な場合というのはなかなか難しいかなと思うんですが、見直す時期というか、改めて検証する時期にきているのかなと思うんですけど、そこら辺はいかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。今回の教員の事案で裁判の判決が県の考え方、教育委員会の考え方とは違う考え方を示されたわけであります。これは教育委員会がどう対応されるかというのは、教育委員会がご判断される話だと思いますが、今回のケースではなく、一般論で申し上げれば、公務員の飲酒に対しての考え方というのは、ひと頃極めて厳しい風潮にあったと思います。ただ、裁判の判決等が出てくる中で、少し限界事例についての判断、裁判所の判断というものも一定程度蓄積されてきている分もあるのかなと思いますので、そうしたことを踏まえてこれからの処分の在り方というのは考えていく必要があるんじゃないかと思います。
長野県知事 阿部守一
はい、ありがとうございました。
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