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更新日:2013年12月13日

知事会見(平成25年(2013年)12月13日(金曜日)14時30分~15時35分会場:県庁)

項目 

知事からの説明

  1. 信州の美しい切花・鉢花(アルストロメリア、シンビジウム)について

    取材者からの質問

    1. 本州中央部広域交流圏結節機能強化に関する検討会議について
    2. 与党の税制改正大綱について(1)
    3. 中部縦貫道路松本波田道路について
    4. 特定秘密保護法案について(1)
    5. 特定秘密保護法案について(2)
    6. 今年の漢字について
    7. 特定秘密保護法案について(3)
    8. 特定秘密保護法案について(4)
    9. 与党の税制改正大綱について(2)
    10. 特定秘密保護法案について(5)

    本文

    知事からの説明

     1 信州の美しい切花・鉢花(アルストロメリア、シンビジウム)について

    長野県知事 阿部守一
     それでは12月13日の会見を始めたいと思います。私の方からは冒頭1点だけ、お伝えをしたいと思います。
     今日もきれいな花がいっぱいこの会見場を飾っていただいていますけれども、これまで4回、旬を迎えた長野県の美しい花を紹介してまいりましたが、今回はアルストロメリアとシンビジウムということで、2点紹介をさせていただきます。最初に、鉢花のシンビジウムでありますけれども、冬の洋ランとして、県の鉢花を代表する品目であります。こちらの方ですね。主な産地は、上伊那、松本地区であります。展示しておりますのは、長野県洋らん組合の皆さま方からご提供いただいたものでございます。シンビジウム、苗を植えてから出荷まで、足掛け3年掛かるということで、大変丹精込めて育てなければいけない特徴があります。艶やかな花で丈夫で長持ちします。管理も容易なことから、クリスマスやお歳暮の贈答用として人気が高く、現在出荷の最盛期を迎えているところであります。県産のシンビジウム、栽培環境に適した冷涼な夏と冬の豊富な日照の下に栽培されたことによって、花付きと発色が良く、大変に高い評価をいただいているところであります。これからの季節、ご家庭あるいはご贈答品として、ぜひご利用いただければと思っております。
     続いて、アルストロメリアであります。長野県の生産量は全国一ということで、全国の生産量の約3分の1が長野県産でございます。主な産地は、上伊那、諏訪、松本、佐久でございます。中でも、上伊那の生産量が群を抜いて多いという状況にあります。本日は上伊那から、産地を代表してJA上伊那の営農部指導販売課の吉澤栄治さんと、JA全農長野の生産販売部野菜花き課の西村啓司さんに会見場にお越しをいただいております。お二方から、花と産地のご紹介をお願い致します。

    JA上伊那営農部指導販売課 吉澤栄治課長代理
     ただいま紹介をいただきました、JA上伊那で花の担当をしております、吉澤と言います。実は、私の家もアルストロメリア生産農家でありまして、花の担当もさせていただいているということで、ちょうど良い機会をいただきましたので、アルストロメリアの特徴、それから上伊那の歴史等、簡単にですね、説明をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。まず、飾っていただいておりますアルストロメリア、原産は南米・チリというふうに言われておりますけれど、日本にも古くから在来種があったということであります。アルストロメリアというのは、夏非常に冷涼な気候を好み、そしてまた冬ですね、ある程度良い日照条件のところを好むという、こういう性質を持った花です。ですので、この長野県がアルストロメリアの産地として成長してきた過程の中ではですね、夏場が冷涼という部分が非常に重要なポイントだったのかなというふうに思っております。それから、アルストロメリアの今栽培している苗でありますけれど、ほぼ100パーセント、オランダからの輸入による苗の取り扱いとなっております。オランダの方からですね、注文を上げた苗が約半年かかりまして、苗が出来上がり、それが約4月から5月ぐらいにこの日本に入ってまいります。生産者はその苗を4月・5月にほ場の方へ植えまして、それから約4カ月から5カ月くらいの間管理をしながら、株づくりをします。そうすると、その後9月から10月くらいからですね、切り花がスタートということで、おおよそ、今オランダの会社との契約になりますけれども、4年から5年のパテントが付いておりますので、4年から5年間栽培ができると、こういうふうになっております。アルストロメリアの最大の特徴でありますけれども、特徴としたらですね、今日いくつかの品種しか持ってきてございませんが、非常に色とりどりで、色が豊富であるということと、それからもう一つ、大事な特徴としたら、非常に花持ちが良いという、これがアルストロメリアの最大の特徴であります。毎年オランダの方で、品種改良・育種されたものがですね、多くのものが日本の方へ紹介をされるわけでありますけれども、やはり彩りの良いもの、そういったものを日本でも好んで栽培をするようになってきていると、こういう内容であります。主な用途としましては、専門店、それから量販店というような用途もありますけれど、私事需要としたら、結婚式、それから葬儀需要といったような、そういった形で、ここにもありますけれど、白系統なんかはですね、特に葬儀需要、それからピンク系統なんかは主に結婚式の需要というような形で使われております。またその他ですね、量販店と呼ばれるスーパーマーケットですとか、デパート関係では、手軽に買っていただける花束として、あるいはアレンジメント用のフラワーとして、その用途はさまざまでありまして、幅広く使われているというのが現状であります。元来、このアルストロメリアというのは、初期の段階ですと、初夏から夏に向かって咲く花というふうに昔は言われておりましたけれど、オランダの育種家による品種の改良、それから日本の生産者の努力というふうに私は言っておりますけれど、先ほど言いました冷涼な気候を好むというところからですね、夏場冷たい水を作りまして、それを栽培ほ場の土の中に冷たい水を回すと、そうするとどうなるかっていうと、地温が下がるわけですね。温度が下がることによって、花が促進をされて、年間を通じて切り花がされるようになったということであります。ですので1年中使える花ということで、お薦めをしているという内容であります。それから、栽培しているところはですね、もちろん温室というか、温室ハウスで栽培をしておりますけれど、夏はですね、先ほど言ったように、できるだけ涼しく管理をして、これから向かってくる冬についてはですね、ハウス内の温度をできるだけ保つようにということで、温風加温器によって、ハウス内を温めて、凍らないように温度調節をしていくわけでありますけれど、やはり温風暖房機を使うにあたっては、灯油ですとか、あるいは重油といったような燃料を使わざるを得ないということで、ここ数年続きます燃料高騰に対してはですね、生産者も非常に経営を続けていく上で、非常に深刻な問題になっているというのが実情であります。続いてですね、アルストロメリアのJA上伊那での歴史というところを少し触れさせていただきたいというふうに思いますけれど、導入はですね、昭和50年ごろ既存する在来品種を作り始めたといわれております。本格的にオランダから導入が始まりましたのでは昭和55年というふうに記録に残っておりますので、55年ごろから、オランダから苗を導入するようになり、現在に至っているということでありますから、本格栽培、始まってから33年というような、こんな年数だというふうに思います。現在、上伊那のアルストロメリアの生産者は70名。それから生産面積でありますけれど、15ヘクタールということであります。15ヘクタールといっても、何か例を出せと言われているもので、東京ドームが4.67ヘクタールだそうですので、大体東京ドーム3.2個分くらいの栽培面積ということであります。生産本数は、年間で1400万本の生産をしております。栽培品種でありますけれども、栽培品種につきましては、JA上伊那の場合には、生産者それぞれ受け持ちをいただきまして、130から140品種の商品をですね、生産をしているということでありますから、厳密にいうと、130通りから140通りの色があるということになるので、花色が豊富というのもその辺に出てくるのかなというふうに思います。おもな切り花の行き先でありますけれど、主な切り花の行き先については、関東、関西、中京、北海道、沖縄、全国津々浦々、花が行くわけでありますが、主な流通の内容としては、そこらの市場を経由して、花が販売をされているという経路でありますけれど、近年はその市場を経由した先の、実需者と言われる、花を買っていただいている皆さんと積極的に話を進めまして、その皆さんとタイアップをして産地フェア等のですね、フェア活動、販売促進活動を展開していると、こういう内容であります。その中ではですね、どういう活動かと言いますと、その責任者の方、あるいはバイヤーの方とですね、話を詰めた中で、店舗の方へ直接出向かせていただいて、そこで販売の応援をするということで、年間で40回以上、店舗数でいくと100店舗以上のところに私たち、それから全農長野もそうですし、市場の方もそうですし、それから生産者の方もですね、そこにで出掛けていただいて、一緒に対面販売のお手伝いをいただきながら、消費者の皆さんと触れ合う機会の中で販売をしていくということであります。そうしますと消費者の皆さんからですね、思いもかけないようなヒントをいただいたり、また、話をいただいたりしますので、そういった部分の中で特に気が付くのは、やはり生産者もですねいいと思って作っているのではなくて、買う立場の皆さんに立ってみると、こういう花が欲しいんだなっていうことが分かるというのがですね、最大のポイントにもなってきますけれど、そういった場面をまた栽培に生かしていくということで、例えば、ここに飾ってありますけれど、これも新しい品種なんですけれど、やはり花が前面に出てきて、上の方に出てきて、色が鮮やかであるというような部分についてはですね、やはり単純にどの花がいいというのではなくて、色鮮やかだとか、色のピンクならこういうピンクがいいとかいろいろ、二つを比べてもですね、ちょっとこっちは紫系、ちょっとこっちはピンク系っていうような形になりますけれど、やはり商品の形、年齢にもよりますけれど、こういったきれいなピンクの方を好まれるんだなというような部分がですね、直接消費者の口からいただけることによってですね、それを栽培に生かすことができるということで、そういった活動もですね、行く先の店舗側の理解が無いとなかなかできませんけれど、販売応援それから消費拡大ということでそんなことも進めております。その他ですね、平成12年から日持ち保証販売というのに取り組みをしてきております。なかなかこの点についてもですね、店舗の方の理解等が無いと、買っていただくための日持ち保証販売ですので、それが無いとなかなか進まないわけですけれど、これも継続して進めてきているということで、少しでもですね花の良さ、花持ちをする、あるいは花って本当に長く楽しんでいただけるんだということをですね、皆さんにお伝えができる機会として日持ち保証販売にも取り組んでいると、こういう内容であります。アルストロメリアはですね、これから春、5月まであるいは6月まで最盛期を迎えて出荷がされるようになります。専門店の花屋さんあるいは量販店の方でこのアルストロメリアをですね、見かける場面がこれから多くなってくると思いますので、ぜひともですね、見かけられたら一度、この長野県産のアルストロメリアをですね、ありますかと聞いていただいても最高にうれしいですけれど、手に取っていただいて、一度お試しいただけるとこの良さがですね、本当に分かっていただけるというふうに思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。どうもありがとうございました。

    長野県知事 阿部守一
     吉澤さんありがとうございました。今紹介致しましたアルストロメリアとシンビジウム、来週の月曜日から仕事納めの時まで、約2週間県庁の玄関ホールで展示をさせていただきますので、ぜひ、近くでご覧を、大勢の皆さんにいただければと思いますし、「確かな暮らしが営まれる美しい信州」を目指そうということで、この間も林農林水産大臣のところにお伺いした時に、農林水産省は、オリンピック・パラリンピック、花を積極的に活用されるということで報道されたので、ぜひ長野県の花を使ってくださいということをお願いさせていただいておりますので、どんどんまた発信していきたいと思いますので、よろしくお願い致します。私の方からは以上でございますので、後は質問をお受けしたいと思います。お願い致します。

    取材者からの質問

     1 本州中央部広域交流圏結節機能強化に関する検討会議について

    信濃毎日新聞 牛山健一 氏
     すいません。遅参してしまってお花の質問がよくできればよかったのですが、申し訳ございません。午前の部で、松本で本州中央部広域交流圏結節機能強化に関する検討会議が行われて、新幹線の延伸、それからリニアの進展という中で、相対的に高速交通網から取り残された感がある地域の危機感と言うんですかね、そういったもの自治体の関係者、商工会議所の関係者から発せられたと思うのですが、そもそもこの動きなんですが、伊那谷の交通会議は地元の要望があったりして、そもそもいきさつ的にですね、この会議を設けようと思われた経緯からまずお伺いしたいのですが。

    長野県知事 阿部守一
     いきさつと言うと、これは後で事務方で、ちゃんとしたいきさつがあれば補足してもらいたいんですけれども。今日も会合のときに私からも申し上げましたけれども、「しあわせ信州創造プラン」を進めていくことと並行して、新しい総合交通ビジョンを進めていかなければいけないわけですけれども、その中で広域交流圏を設定していこうということを打ち出しているわけであります。そういう中で、東北信は新幹線の金沢延伸の関係で、観光面も含めてですね、いろいろな取り組みを再来年に向けて進めてきているわけでもありますし、それからもう一方、質問にもありましたが、リニア関連では伊那谷会議を設けて取り組んできているわけであります。広域的な交流を考えたときには、交通ビジョンで提示している広域交流圏というものは、長野県外も視野に入れた、日本全体を視点に捉えての広域交流圏でありますから、そういうことを考えたときに、例えば日本海側と太平洋側との連結をどうするか、あるいは北陸新幹線とリニアとの関係性をどうするかというようなことを考えていかなければいけないわけでありますが、そうしたことを考えていく上で、松本、諏訪、あるいは大北、これらの地域というのはそういう意味でハブ的な機能、広域的な連携・交流の核となっていかなければいけない地域であります。そういう所に対して、これまでどちらかというとそれぞれの地域でという感じ、大北地域は例えば、松本糸魚川道路であったり、大糸線の問題があるわけです。それから松本・諏訪は、これもかねてから中央東線の利便性向上ということは議論に上っているわけでありますけれども、そうした事も含めて、もう少ししっかりとした方向付けをですね、具体化をしていって、そして地域の皆さんと力を合わせて、働き掛けるべきものは働き掛ける。あるいは県として取り組むべきことは取り組んでいくということが必要だということで、今回の検討会議を作ったものであります。事務方の方であれば。

    企画部交通政策課長 堀田文雄
     この度の本州中央部広域交流圏の結節機能の研究会についてでございますが。まず本年3月に新総合交通ビジョンを策定させていただきました。その中で、高速交通網を最大限に使った交流の拡大ということで、本州中央部の広域交流圏の実現というものを考えさせていただきました。ビジョンの中におきましても、さまざまな課題があるという中で、「今後の実現に向けた研究の場を設け、取り組みの方向性を明確にするものとする」ということでビジョンの中でうたわせていただいております。今回の研究会はこの取り組みの一環ということでご理解いただければと思います。

    信濃毎日新聞 牛山健一 氏
     タイミングがこの時期になったというのは特段の意味があるんでしょうか。

    企画部交通政策課長 堀田文雄
     申し訳ありません。夏頃から調整をしていたんですが、いろいろな調整の結果としてこの時期になったということでご理解いただければと思います。

    信濃毎日新聞 牛山健一 氏
     お伺いしていて、会議ですけれどもね。知事もおっしゃられた「あれもこれもというよりは」という部分において優先順位を決めていくという、財政的にも厳しいという中では重要だと思うのですが、ただ地元にとってみればどれもこれも重要だと思うんですね。ここら辺はかなり、同じ3つの、同じというか、この3つの地域だけでもどれが重要かということは違いますし、どのように調整と言うんでしょうか、イニシアチブを県としてとられていくのか。

    長野県知事 阿部守一
     これは調整が難しいとはいえ、進めていかなければいけない話でありますし、従来のような消極的な対応ではなくて、水面下でやればやり易いところもあるのかもしれませんけれども、そんなやり方では、例えば対JRとか、そういうところに対しての、統合された長野県のパワーが発揮できないわけですから、ああいう所でしっかりと方向付けを持って、例えばJRに対してもいくつか課題があると思っています。その中で県としては、あるいはそれぞれの地域の声を踏まえて、何をもっとも優先的にやっていくのかということを真剣に議論して、方向付けをしていくことが必要だろうと思います。JRに対しては並行していくつも言ってもいいのかもしれませんけれども、だけどJR側としても何を一番にやっていくのかというようなことは、われわれとしともしっかりとメッセージを出していかなければならないと思いますし、また、道路整備等についても国にしっかり進めてもらわなければいけないところと、県として責任を持ってやっていかなければならないところと両面あるわけでありまして、地域の理解と協力がなければ進められないものもいっぱいありますから、そういう意味で県と市町村、そして地元の経済界の皆さんが、同じ問題意識で、同じ方向を向いて進めていくということが重要だと思っておりますし、そのために必要な場だと思っております。

     2 与党の税制改正大綱について(1)

    信濃毎日新聞 牛山健一 氏
     別件ですいません。昨日、税制大綱ですとか補正予算案ですとか国の関係でいろいろなものが決定しましたけれども、そもそも論的になんと言うのか、地方の税金が、国の場であんまり地方も、こう言っては何ですが、あんまり関与していない中で地方の税金のことが決まっちゃうという、私個人的にはふに落ちない部分もあるんですが、いくつか観点があると思うのですが、昨日の税制大綱の決定について、全般的にどのように知事は思われておりますでしょうか。
     
    長野県知事 阿部守一
     全般的にと言われても、何を話せばいいかあれですけれど、一つは地方法人特別税をどうするかということで、地方の税収の偏在税制をどうするかというところが議論の一つの焦点だったわけでありますけれども、これについては、法人住民税の一部を交付税の原資化して再配当していきましょうと、地方法人特別税・譲与税については縮小していこうということになったわけで、税財源の分権化という観点からはやや足踏みという形ではありますけれども、しかしながら当面の対応として税源の偏在を縮小していこうという方向性になったことは一定の評価をしたいと思っています。ただ今後、地方分権と言いながら、なかなか税財源の分権進まない中で抜本的に見直しをする際には国税・地方税総体をしっかり見比べて、その中で安定的かつ偏在性の少ない税源をより地方税に手厚く配分してもらうということが必要だろうと思っています。

    信濃毎日新聞 牛山健一 氏
     一つどうしても交通ネタ気になっちゃうんですけれども、リニアの関連で言えば、不動産取得税が県税なんですけれども、これを免税と言いますか免除と言いますかという方向性が出されましたけれども、整備新幹線と同じようにというJRや国土交通省の考え方を認めた方向ですけれども、ただ、上場した民間企業のしかも高収益を上げている会社の、しかも自己負担で進めると言っているリニア中央新幹線の中で何かちょっとふに落ちないというか、この部分については、どうして結果的に地方に負担を求めるような形になるようなことを対応しているのかなという気もしないこともないのですが、このことについて知事はどのように受け止めてらっしゃいますか。

    長野県知事 阿部守一
     整備新幹線と同じようなスキーム、全幹法(全国新幹線鉄道整備法)に基づいてリニア中央新幹線も整備をしていくという中で、整備新幹線と同じ形で不動産取得税非課税という対応になっているわけで、これについては税源という観点からすると減らされている形になるわけですけれど、ある意味やむを得ない、これまでの整備新幹線とのバランス等を考えればですね、やむを得ないものだろうと思っています。先ほどおっしゃっていたように地方税について国のところで議論されざるを得ない現状について、私も本来は地方税については地方がもっと主体的に関わって議論するべきものだと思いますが、しかしながら今の体系は地方税といえども地方税法で国が大枠を決めている中で、われわれが賦課徴収、一部いろいろな減免等やっているわけですけれども、大枠は国が地方税法で決めているという中ではやむを得ないのかなと、加えて、地方の財政も地方財政計画で歳入・歳出の見通しを立てて、必要な財源措置が交付税等で行われているわけでありますから、そういう全体の中でしっかり対応をしていただくということが必要だろうと思っています。

    信濃毎日新聞 牛山健一 氏
     分かりました。

     3 中部縦貫道路松本波田道路について

    市民タイムス 渕上健太 氏
     午前中の交通結節点の検討会議ともちょっと関係してくるんですけれども、今週から長野国道事務所の方で中部縦貫道の松本波田道路について12年ぶりですか、住民説明会を再開したということで、来週も1カ所であるということなんですけれども、まず中部縦貫道については松本波田道路より西側のルートについてはまだ決まっていなくて、かつまだ必要性についてもジャンクションができる地元の町会なんか反対しているという実情もあると思うんですが、知事の方で説明会が十何年ぶりに始まったということの受け止めをまずお聞きしたいんですが。

    長野県知事 阿部守一
     中部縦貫道については、これは長野県広域的な視野で見たときには極めて重要な路線だと思っています。先般も岐阜県、山梨県知事との懇談の中でも中部縦貫、あるいは中部横断一緒になって進めていきましょうという話をさせてきていただいておりますから、そういう意味で着実に事業を進めてもらうということが重要だろうと思っています。

    市民タイムス 渕上健太 氏
     交通量もですね、なかなか増えないというかむしろ減っていくような状況に今あると思いますし、158号について言えば、今国の方の直轄で奈川渡改良というのが県の方で管理する部分も直轄代行でしている部分もあると思うんですけれども、あえて中部縦貫を奈川渡改良とはまた別にですね、構想というか造るという部分の必要性というのはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

    長野県知事 阿部守一
     奈川渡改良とは別にというか、そもそも例えば今、上高地に行くのに長野県側よりはむしろ岐阜県側の方が交通アクセス便利になってしまっているという現状もある中で、長野県の観光振興であったり、あるいは中部縦貫道は別に長野県のためだけの道路ではないわけでありまして、日本の国土全体を有効に活用していこうという観点に立ったときには、北陸方面との、これ新幹線で北陸と今度つながるわけでありますけれども、道路の面でもより近接性を高めていくということが必要だろうと思います。そういう意味でこの中部縦貫道、中部横断道、それから三遠南信自動車道、こうしたものについては、長野県としても基幹的な、これ全国的な道路ネットワークを構成するものとしてしっかり整備を進めていってもらいたいと思っております。

    市民タイムス 渕上健太 氏
     そうするとその、中部縦貫は必要であるということなんですけども、奈川渡改良は中部縦貫ができるまでのあくまでも補完的な位置付けというような理解でいいんでしょうか。

    長野県知事 阿部守一
     まだ全体の路線がどういう形になってくるかというのは、まだこれからだろうと思いますので、今現在国の代行で進めてもらっている中で非常に利用される方からは、今の状況、すれ違うのもやっとの状況で非常に交通アクセスとしては課題が多いと思っていますので、そういう意味では、できる改良はしっかり反面行っていくことが重要だろうと思っています。

    市民タイムス 渕上健太 氏
     それに関連してなんですけれども、中部縦貫、松本波田道路のアクセス道路として、県の方で昨年から渋滞対策道路と呼ばれている道路の建設も再開した状況があると思うんですけれども、渋滞対策道路についても地元で反対している方がいらっしゃいますし、昨年着工した部分は、多分だいたい半分、全体の半分ぐらいというか4.何キロっていう区間が着工していると思うんですが、その先についても同じくらいの距離を先線区間ということで県の方で構想として持っていると思うんですけれども、それについては形的にも、もし中部縦貫道ができると、ある意味ちょっと少し並行するような形になって、少し重複感というかですね、同じ方向に向かう道路が二つできるという状況もあると思うんですが、必要性というか、今後の渋滞対策道路の先線区間も含めた進め方をちょっと改めてお聞きしたいんですが。

    長野県知事 阿部守一
     重複感があるとはあんまり私は思わないんだけれども、道路を整備するにあたっては、もちろん、例えば利用される方からは必要だと、だけど実際に周辺に住まわれている方からは、これについては反対だという、全ての人たちが賛成でもなければ全ての人が反対ということもほとんどあり得ないわけでありますから、そういう意味で、われわれとすれば、県全体の考え方をですね、お話する中で、関係する皆さんのご理解を得ながら進めていきたいと思います。

    市民タイムス 渕上健太 氏
     先線区間も含めて、今後も進めていくという、今、位置付けという理解でよいわけでしょうか。

    長野県知事 阿部守一
     今、現場でどこまでどういう説明しているのかって、私は詳細は承知していないので、必要であれば建設事務所なり建設部に今の事業計画の中身は問い合わせてもらえばよろしいかと思います。

     4 特定秘密保護法案について(1)

    長野放送(NBS) 上原結樹 氏
     今日公布された特定秘密保護法案に関してなんですけれども、特定秘密の範囲が不明確だというような声もあるんですが、県政をあずかる身として、知事は不安や懸念されている点などありますでしょうか。

    長野県知事 阿部守一
     県政をあずかる身と言われると、県庁の情報そのものが直接的に特定秘密という形で指定されることは基本的にはないだろうと思います。警察の持っている情報は一部あり得ると思いますけれども、それは私が指揮・管理するところではなくて、公安委員会なり県警本部長の所管の範囲内でありますから、一般の行政を進める上で、県政が直ちにですね、影響を受けるというような感覚は、今の時点で私は持っておりません。ただ、県政ということでなくて、一般的に申し上げれば、これまでも何度も申し上げておりますけれども、秘密の指定の範囲、いろんな第三者的な場で議論されて、指定の基準等が決められていくという形にはなっていますけども、しかしながら、具体的にどういう運用がなされるかっていうのは、必ずしも今の時点ではっきりしていませんし、国会の関与の在り方も考え様ということが、法成立後、議論として出てきているようでありますから、そうしたものの議論を、国会においてさらにしっかり行ってもらいたいと思います。特定秘密の必要性というのは、おそらく極めて防衛、外交の重要なものについて秘密指定することもやむを得ないのじゃないかと感じてらっしゃる国民の方、私は多いんじゃないかと思いますが、他方で、その半面、知る権利とかですね、あるいは国の役所の恣意的運用がなされてしまうのではないかというような懸念も、これまた多くの国民の方々がお持ちになっていると思いますので、そうした不安を払拭(ふっしょく)するようなですね、しっかりとした対応を行っていただくということが重要だと思います。

    長野放送(NBS) 上原結樹 氏
     ありがとうございます。

     5 特定秘密保護法案について(2)

    信濃毎日新聞 島田誠 氏
     今の特定秘密保護法に関連するところですけれども、知事は当然、県行政のトップであって県行政を回していくという責任もありますけれども、一方で県民から選ばれている県民の代表としてですね、県民の不安や懸念であるとか、そうしたものをですね、国に伝えるという、そういう立場でもあると思うので伺うんですけれども、今おっしゃったところで、もう少し具体的に改めて伺えればと思いますが、今日公布になりましてですね、1年以内に施行されると。施行に向けてですね、これとこれについては国の方、政府なり国会なりでですね、さらに議論して詰めていくべき点というのは、どういう点だというふうに思われますか。

    長野県知事 阿部守一
     法案そのもの、法律そのものを持っていれば、こことここじゃないかという話をできると思いますけれど、今、手元に持っていないので、非常に漠とした話になってしまいますけれども、やはり一つは、どういうものを秘密として捉えていくのかということが何ですかね、政府の中の最初の法案の原案だと有識者に意見を聞いてそれを定めていきますという形に、確かなっていたと思いますけれども、そういう部分を、有識者といってもいろんな有識者がいらっしゃるわけですから、どういう人たちがどういう観点で基準を定めていくのかというようなことであるとか、あるいは第三者機関、私は基本的にこの特定機密保護法の全体的なものを見たときに、行政機関の長が行って、いろんな仕組みも全て基本的には行政機関内部の構成になっているわけですけれども、国民の代表である国会との関係とかですね、そうした側面でまさに国会の関与を議論していく方向で検討されていると報道されていますけれども、あくまでも行政組織の中だけなのか、それとも国民の直接的な代表者である国会も関わる仕組みになるのかという話は非常に重要な論点だろうと思っています。

    信濃毎日新聞 島田誠 氏
     大きくは今おっしゃったようなところだということですね。分かりました。もう一つ、今の担当大臣が森少子化担当相でいらっしゃって、この間知事も少子化対策を主に、要望される機会があったかと思うのですが、私どもの取材の方で聞いている範囲では、特定秘密保護法については特段ご意見などされなかったというふうに伺いますが、以前にも会見でもどなたか聞いていらっしゃいましたけれども、やはり法成立後も、一般県民もそうですし、われわれ取材している範囲では首長さんなどもですね、一般の住民からの不安・懸念というものを受け止めていらっしゃって、そういうものを表現していらっしゃる。ということを考えるとですね、県としても国に正式にこうしたものを、こうした意見が出ているということを、議会ルートでは意見書がたくさんあがっていますけれども、県行政としても国にそうした懸念などを伝えていく必要があるのではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。

    長野県知事 阿部守一
     特定秘密のこと、私自身は法案を読んで先ほど申し上げたような視点で、物事を見てきていますけれども、県議会で意見書の議論があったりはしましたけれども、直接的に私のところに県民の皆さんから、県行政としてこういうことが懸念されるのではないかというお話は、伺っていませんし、県にはそういうの来ているのかしら。基本的にこれは国政レベルの話ですし、県が関係する法律ではないだろうと思っています。警察は確かに少し関係しますけれども、条文の中にも県の情報公開審査会については、きちんと配慮された条文等も入っていますし、正式な形で政府から説明をされているわけではないですが、われわれの問い合わせに対しては、県の持っている情報が特定秘密として直接的に指定されることはないというのが、情報調査室の回答ですから、そういう意味では、県として今直ちに、何というか具体的な条文の解釈をわれわれが把握しているわけではなくて、私が申し上げたのも県知事の立場というよりは、一政治家、県民の皆さまから選ばれている立場としてあの条文を見たときに私自身がどう感じているかということで申し上げているので、そういう意味では県の組織として発信・対応することとは少しレベル感が違うかなと今の時点では受け止めています。

    信濃毎日新聞 島田誠 氏
     今おっしゃってらっしゃるところはよく分かります。それは、まさに知事今最初に申し上げたように県行政のトップとして県行政を回していく立場と、もう一つご自身がおっしゃられたように県民から選ばれた政治家としての立場があるわけであって、県組織としての国に対する、政府に対する意見なり要望なりという形というよりは、むしろ政治家としてやはりこれだけの県民だとかの声、確かに県組織にはメールなり手紙などが来ていないのかもしれませんが、これだけ言われている中で、私どもの新聞社にもいろいろな声が来ますけれども、そういったものを含めて、これだけ県民の不安・懸念というものが実際にある中で、メールがないからということではなくてそれを受け止めて、むしろ先ほどの森大臣との面会の場があるのであれば、そうしたところで一政治家としておっしゃるような大切な場面だったのではないかと思うのですよ。そうしたところで、個人的というか、県民を代表する政治家として、ご発言するべきだったのではないかと思うのですがいかがでしょう。

    長野県知事 阿部守一
     私もこの間、メディアの報道等を見ていて、いささかちょっとあおり過ぎではないかなと感じるところも正直あります。確かに議論は必要な部分が、まだ施行されるまで時間があるので、運用等しっかり議論されなければいけない点があろうかと思いますけれども、これ私の感想みたいな話で担当大臣のところで議論するレベルではないだろうと思います。多くの皆さんが、まさにわれわれの国民の代表である国会議員の皆さんが議論してきているわけでありますし、今でもそういう議論が行われているわけでありますから、私が感想めいたことを言う、しかもわれわれが時間を取っていただいたのは少子化担当大臣として時間を取っていただいているわけでありますから、そんなこと言ったってというところもあるかもしれませんけれども、通常の儀礼としては、大臣も少子化担当大臣として対応されるときには、少子化担当の職員が周りにいる中で対応されているわけでありますから、そこで私が全く違う話をやるというのは適切な話ではないと思います。 

     6 今年の漢字について

    信濃毎日新聞 島田誠 氏
     立場は分かりました。最後に一つ、別の質問になりますけれども、昨日恒例の今年の漢字「輪」が発表になりましたけれども、阿部県政も任期4年目に入られて、今年を振り返って阿部県政を象徴する漢字というのは、どのようにお考えでしょうか。

    長野県知事 阿部守一
     そうですね。いろいろ思うところはありますが、一つ言えと言われれば「創」ですかね。一つは今年から新しく「しあわせ信州創造プラン」をスタートさせて、私もいたるところで「しあわせ信州創造プラン」がこういう中身です、県民の皆さんと目標を共有して一緒にやっていきたい、ということをすっと言ってきていますから、そういう意味では「しあわせ信州創造プラン」をずっと言い続けている中で、しかもそれをスタートさせたということで「創」ですよね。併せて、今年は新しいことを進めていく方向性についての議論をだいぶ行った年だと思っています。例えば、人づくりの関係でいけば、県立大学の基本構想も策定して大学設置の方向付けをさせていただきましたし、また南信地域に工科短大を造っていくという方向も出させていただいたわけであります。加えて、来年から「山の日」をスタートさせましょうということで、新しい仕組みだとか、新しいものだとか、そういうものをかなり議論して作っていく方向を指し示した年だなと思っていますので、そういう意味で「しあわせ信州創造プラン」と合わせて、ほかの取り組みをつくる創造の「創」、あえて言えばこの漢字だと思います。 

     7 特定秘密保護法案について(3)

    共同通信 小島佳祐 氏
     先ほど、特定秘密保護法をめぐる質問の中で、知事のご回答で報道があおりすぎではないか、というご発言があったかと思うんですけれども、どういう部分を指してあおりすぎだと捉えていらっしゃるのかお聞かせいただきたいと思います。

    長野県知事 阿部守一
     あおりすぎという表現は必ずしもよい表現ではないのかもしれませんけれども、例えば何でもかんでも秘密になっちゃって危なそうだという感覚を持たれている方も中にはいらっしゃるんじゃないかなと思います。先ほども申し上げたように、例えば県の関係の、われわれ長野県が持っている情報が特定秘密に指定されるということは基本的にはないと思っています。もし、そういうことがあるとすれば、それは大変問題だと思いますけれども今の時点ではないと思っていますので、そういう意味では、世の中のいろんな人たちの受け止めを報道等で見ていると、あれも秘密、これも秘密、もしかしたらこれも秘密かもしれないという形に何でもかんでもなってしまうんじゃないかというような受け止めが広がっている。広がってしまったような感覚があるんですけれども、必ずしもそういうことではないだろうと。ただ申し上げているように、これからどういうプロセスで秘密の指定、どういう観点で指定かということが具現化されていくわけですから、そういうところではしっかりと範囲が限定されるようにしていただくことが重要だろうと思っています。

    共同通信 小島佳祐 氏
     それはもちろん範囲をしっかりすることが大事だという前提をもってわれわれも報道しているかと思うんですけれども、そもそも何でもかんでも秘密だと一般の方が疑念を持たれるというのは、明らかにしていない、やや曖昧(あいまい)にされている部分があるがために、そのような印象を持たれているというところがあると思うんですけれども、それを報道があたかも何でもかんでも秘密にするようなことを、国民を洗脳するかのような形でしているというは違うのではないかと思うんですけれども。

    長野県知事 阿部守一
     これは報道の皆さんとこの件で議論するつもりは全然ないですけれども、先ほど知事としてどうですかという質問いただいたわけですけれども、少なくとも私が県政運営をしていく上で、この特定秘密保護法案が県民とのコミュニケーションであったり、県民に対する情報公開に対して支障となるものではないだろうなと現時点では受け止めています。そういう観点で私は行政のトップの立場でありますから、あまり私が今発言したようなことが報道はされてきてないような感覚を私は受けています。ですから、もちろん報道各社の皆さんがどういう視点でどういう声を拾って報道されるかっていうのは、これは報道される皆さんのお考えだと思いますけれども、ただ私とすれば、例えば県議会での答弁でも情報公開について、まさに明文化して、県の情報公開審査会についても入っているわけでありますから、そういう点、私は答弁させていただいています。ただ、あまりそういう答弁が報道されてきてはいないのではないかなと感じていますので、そういうことを申し上げているところであります。 

     8 特定秘密保護法案について(4)

    信濃毎日新聞 島田誠 氏
     先ほどあおりすぎじゃないかとおっしゃったことについては、どこをどういうふうにおっしゃるかというのは主観の捉え方なんで、ちょっと私もそのまま話を進めましたけれども、その具体的なところをどういうふうなところをという今お話で、何でもかんでも秘密になっちゃうんじゃないかというというようなことを一般の方は思ってるとおっしゃいましたけれども、まさにそこが問題点というか、知事ご自身もおっしゃったように範囲が明確になっていないからこそ、そういうふうな皆さん一般の方はそういうふうに思っているということですね。そこのどこが、そのあおっているのかちょっと私には理解ができないので、あおりすぎっていう発言については、おっしゃりすぎじゃないですか、今理由を聞くと・・・

    長野県知事 阿部守一
     いや、そういう意味では、あおりすぎっていう発言の仕方はあまり適切じゃないとこもあるのかもしれませんが、私が申し上げた趣旨は、私は条文を見てですね、例えば第三者機関の話であったり、秘密の範囲であったり、もう少し明確にしていく必要があるんじゃないかと僕は何度も申し上げてきています。そうしたことと併せて、しかしながら、他方で県の情報公開については、条文の中にも入っているわけでありますから、そういう点も県知事として議会で答弁させていただいたりしているわけであります。私が読み落としているのかもしれませんけれども、そういうあまりなんというかこういう配慮があるんじゃないかと、まあ、これはここがもっと明確にするべきじゃないかっていうことと、同時にこういう配慮もあるんじゃないかということを、私は申し上げてきていますけれども、こういう配慮が必要じゃないかっていう方は、いろんな報道をされていると思いますが、実はこういうことも法案には書いてあるよねというところが、私が拝見する限られた範囲内ではありますけれども、あまり見かけないと思っております。そういう意味で、もちろんここは、何が本当の中立だとかいう話はないのかもしれませんけれども、私が県議会、まあこれ県議会でも質問を受けて、いろいろ条文読んだりして答弁させていただいてきていますけれども、そういう観点からすると、やっぱりそういうところも広く国民・県民の皆さま方に伝えて、しっかりとした主体的な判断をですね、国民の皆さまにしていただくということも必要ではないかなと思います。

    信濃毎日新聞 島田誠 氏
     分かりました。一番ご心配なところは、おそらく先ほどの別の質問でも申し上げたみたいに県行政のトップでらっしゃるので、この特定秘密保護法っていうものが基本的には県情報というのは指定されるものではないと、まあ県警情報については指定されますけれども、ということをご心配されている。そこのところがうまく伝わっていないということをご心配をされているとすれば、私自身は、というか私どもの新聞では、そうした県の情報は基本的に除外されていて県警の情報については指定されますよという話も書いているので、残念ながら読み落としではないかと思いますし、まあ、それが、そのたくさん何度も毎日出ているわけじゃないということなのかもしれませんけれども、だとすれば、そこの御心配の向きはよく分かりましたけれども、それと先ほどのあおりすぎか否かというのは若干話がずれて、違う話だと思いますし、先ほどそういう言い方は適切じゃなかったのかもしれませんけれどもというふうにおっしゃいましたけれども、適切でなかったんであれば適切でなかったというふうにもう一度はっきりおっしゃってください。

    長野県知事 阿部守一
     これはですね。適切なのか適切じゃないのかというのは、あおるとかあおらないとかっていう、私の言葉を捉えてそれは適切じゃなかったら訂正しろというご発言なんですかね。

    信濃毎日新聞 島田誠 氏
     主観でね、それは主観の捉え方の問題なので、政治家として報道のこういう部分があおりすぎなんだというふうに具体的に言っていただいて、自信を持って発言されるんだったら、それはそれで私もそれも一つの見解だと思いますが・・・

    長野県知事 阿部守一
     あの、まず申し上げなければいけないのは、私が申し上げたのは、まず特定の記事だとか、特定の新聞社でこう書いているから、これがあおりすぎだという発言ではまずないわけであります。で、いろんな報道のされ方とかいろんな議論があるわけでありますけれども、しかしながら、ややもすれば、全てが秘密になってしまうかのような言われ方をされてきている部分もあるんじゃないかなと感じています。で、そういう部分については、これはもう少し冷静にですね、法律の中身を把握して論じていくことが必要ではないかなという観点で申し上げているわけでありまして、例えば信濃毎日新聞があおりすぎじゃないかということであれば、それは、今のお話で、例えばそういう整備していますよということで、私は訂正させていただかなきゃいけないかなと思いますけれども、特定の記事とかですね、特定のものではなくて、中にはそういうものもあるということで申し上げているわけでありまして、やっぱり受け止め方によって、あるいはどこの部分を強調するかによって、もちろん違ってくると思いますけれども、私は、ものによって、やっぱりそういう受け止め方をせざるを得ないようなものにも、接したなとに感じているということであります。 

     9 与党の税制改正大綱について(2)

    時事通信 本間賢彦 氏
     最初の質問にあった与党の税制改正大綱に関して改めてなんですけれども、県民生活に直接的な影響がある軽自動車税の引き上げについてご所見をお聞かせください。

    長野県知事 阿部守一
     軽自動車税については、平成27年4月1日以降に新規取得される四輪車等の税率を、自家用自動車は約1.5倍、営業自動車等は約1.25倍という形で、大綱が取りまとめられたわけでありますけれども、この軽自動車税の話っていうのは、一つは自動車取得税の廃止ということが前提にある中で、その代替財源をどうするかと、これは代替財源をしっかり確保してほしいということで、地方団体から意見を出してきたわけで、そうしたものを反映していただいた結果であろうと思っています。県議会でも答弁したんですけれども、普通車と軽自動車の性能であったり、価格差というものも、ひと頃に比べると縮小してきている中で、税負担の不均衡性ということも指摘をされてきていました。そういう中で、軽自動車のユーザーの方にとっての負担増ということはもちろんありますけれども、しかしながら、そうした状況に鑑みれば、ある意味やむを得ない部分があるんじゃないかと思っています。ただ、軽自動車は、地域の住民の皆さんにとっては、生活の足、あるいは、農作業だったり、事業活動の足として、大変重要な乗り物であるわけでありますので、そうしたこともしっかり配慮してもらう必要があろうと思います。この点については、今申し上げたように平成27年4月の購入者からということで、既存の車は税額据え置きであるというようなことであるとか、あるいは農業用だったり営業用の車両については軽減をされてるといったようなことが盛り込まれているわけでありますので、そうした観点についても、一定の配慮、議論の結果、なされていると受け止めています。

    時事通信 本間賢彦 氏
     あともう一点なんですけれども、償却資産に係る固定資産税と、あとゴルフ利用税の減免は見送られたということで、これに関する評価もお聞かせください。

    長野県知事 阿部守一
     今、お話しあった償却資産の話と、ゴルフ場利用税については、地方の重要な財源だということで、われわれ地方団体は認識してきたわけでありますので、そういう意味で今回維持されたということは、私ども地方財政を預かる立場からすると、ありがたい方向性だと考えています。 

     10 特定秘密保護法案について(5)

    共同通信 小田智博 氏
     先ほどのあおりすぎの有無のお話で、もう一度伺いたいのですが、先ほど知事としてはですね、全てが秘密になるのではないかという懸念を抱かせるような記事、特定のものではないけれども、そういう報道もあったように思うということを根拠として、先ほどの発言に至ったんだというふうにおっしゃったんですけれども、ただなんて言いますか、そういったあおりすぎのような面もあるというようなですね、ご発言っていうのが、ややもすれば、メディア自体がですね、メディア全体としてですね、そういうなんというんですか、冷静さを欠いた問題のある報道をしていたというふうにも受け止められるのかなというふうにも思ったんですけれども、改めてちょっと伺いたいのですが、今のご発言、ちょっと言い過ぎの面もあったと思うというお話はありましたが、これについては、それ以上訂正するなら訂正する。それは問題がある発言だったということなのか、それともそこまでじゃないというふうにお考えなのか、もう一度伺えますでしょうか。

    長野県知事 阿部守一
     特定の社のですね、記事を捉えて、そういうことを言った、かつそれが、私の認識不足だということであれば訂正しますけれども、私が例えば受け止めている形とすれば、今申し上げたように、これが問題だとか、あれが問題だということで申し上げているんじゃなくて、むしろ私がこれについて県議会等で答弁させてもらったりしてるものの、だけどこれだけ議論になっているけれども、知事は例えば県の情報については、こういうことだと、答弁しているということは、あまり報道されていないような気がするんですよね。そういうことを私の立場から見ていると、やはり基本的には国民主権ですから、国民の皆さんがしっかり判断をしてもらう上で、そうした部分も伝えていただくということももう少しあってもよかったんじゃないかなと感じた部分もその答弁した時は、ありましたんで、そういうことも含めて、申し上げたところであります。

    共同通信 小田智博 氏
     逆にですね、その特定の社を取り上げていないにも関わらず、全体としての印象論を知事の口からお話しになっていることが、いかがなものだろうかという考え方もあるかと思うんですが。

    長野県知事 阿部守一
     なんていうか、メディアも今やなんていうか、新聞社、いわゆる全国的な新聞社、あるいは地方の新聞社だけじゃなく、いろいろな発信媒体があるわけでありますから、そうしたものをいろんな方たちがいろんな発信をされてる中で、そうしたものの総体を捉えて言っているわけでありまして、しかもこれは私の一部のですね、一部の部分の、私としての主観的な受け止めとして、そういうふうに感じたということ申し上げているわけで、個々具体的に、これがおかしいとか、あるいはメディアの報道の仕方を変えなきゃいけないということを申しているわけではないので、そういう意味では、ちょっとそこの部分だけ取り上げられてしまうと、全体の私の真意はなかなか伝わらないんじゃないかと思いますけれども。この問題については、やはり国民一人一人が、しっかり正確な情報を持つ中で考えていくということが重要だというのが私の基本的な思いでありますから、その点はぜひご理解いただければと思います。

    長野県知事 阿部守一
     はい、よろしくお願いします。 

お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7110

ファックス:026-235-7026

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