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更新日:2017年1月9日

平成25年(2013年)7月12日(金曜日) 11時00分~11時25分 県庁:会見場

項目

知事からの説明

  1. 全国知事会議へ出席、婚活サポーターの募集について

取材者からの質問

  1. 日銀の景気判断について
  2. 子どもを性被害等から守る専門委員会について(1)
  3. 子どもを性被害等から守る専門委員会について(2)
  4. 婚活サポーターについて

配布資料一覧

国に行政改革を求める決議(PDF:50KB)
日本再生のための「人づくり」に重点投資を求める決議(PDF:212KB)
地域経済再生の緊急決議(PDF:238KB)
結婚した若者を応援する「婚活サポーター」を募集します(PDF:125KB)

本文

知事からの説明

 1 全国知事会議へ出席、婚活サポーターの募集について

長野県知事 阿部守一
 それでは、7月12日の会見を始めさせていただきたいと思います。私の方からは冒頭2点お話したいと思います。
まず1点目、全国知事会議が愛媛県の松山市で開催されました。私もフルに出席をさせていただいたわけでありますけれども、会議の場におきましては、地方分権改革の推進、地方税財源の確保・充実、あるいは道州制、地域経済の再生、教育委員会制度等々、都道府県として関わりが強い重要なテーマについてさまざまな協議をさせていただきました。特にお手元に資料を配布させていただいているかと思いますけれども、アベノミクスということで安倍政権の経済政策、さまざまな手を打ってきているわけでありますけれども、知事会としても知事会としての考え方を明確にしていこうということで、3つ決議をさせていただいているところであります。一つが、地方公共団体、私ども都道府県はもとより、行政改革をしっかり進めていかなければいけないわけでありますけれども、これは国もですね、ぜひしっかり行革に取り組んでほしい。大胆な行政改革を行うよう強く求めるという決議をさせていただいています。文書にも決議文の中にも書いてありますように、平成13年度からの10年間、都道府県の職員数は19パーセント削減したわけでありますが、同期間に国は、わずか3パーセントと。独法化によって見かけの定員が減っているところもありますけれども、実質的にはわずか3パーセントということで、国の財政も非常に厳しい状況である中で、もっともっと取り組んでいただくことが必要ではないかと思っています。特に知事会としても、例えば出先機関改革等については、これまでも求めてきているわけでありますし、片方で道州制という議論がありますけれども、まずは国の在り方ということをしっかりと見直してもらうことが必要だと思っています。それから、2番目の決議「日本再生のための『人づくり』に重点投資を求める決議」ということであります。今回、「しあわせ信州創造プラン」の中でも「『人』と『知』の基盤づくり」ということを政策推進の基本方針の大きな柱に位置付けているわけでありますが、地域経済を元気にしていく上では、やはり人づくり、人材が大事だということが、ほとんどの知事の共通認識であります。そうした人づくりを重点的に支援してもらいたいと、国としても投資をしてもらいたいと、そういう決議であります。それから3つ目が「地域経済再生の緊急決議」ということで、アベノミクスの効果、地域経済にはまだまだ十分効果が浸透しきれていないのではないかという問題意識の中で、まず、地方の安定的な財政運営のための地方一般財源の総額確保に加えて、地域経済再生戦略会議の創設であるとか、国の経済財政諮問会議や産業競争力会議に地域の代表者を加えていく必要があるんじゃないか、さらには地域戦略特区ということで、大都市のみならず、日本が元気になるためには、地域が、地方が元気にならなければいけないと、そういう思いで国に対して決議をして求めていこうということになったわけであります。長野県も産業イノベーション推進本部を作って、これから規制改革の提案をはじめとして、具体的な取り組みを進めていきますし、政府に対しても個別・具体的な要請をしたいと思っています。知事会とも歩調を合わせて、地域経済がしっかり元気になるような取り組みを進めていきたいと思っています。それから、知事会でもう一つ、道州制についてもさまざま議論が交わされました。今回、道州制についての意見集約、道州制の基本法案についての意見を取りまとめたわけでありますが、道州制の理念や姿を具体的かつ明確に示す必要がある。さらには道州制によって地域間格差が生ずる恐れがあるわけでありまして、そうしたことに対しての対応、考え方というものをしっかり示していただくことが、まずは議論の前提として必要ではないかということを知事会の総意として取りまとめたところであります。私はかねてから慎重な意見を申し上げてきているわけでありますけれども、知事会の中には道州制を基本的には推進してもいいんじゃないかというお考えの知事もいらっしゃいますけど、進めていく上でも、考え方をもう少ししっかり議論しなければいけないのではないかということは、多くの知事の一致している見方ではないかと思っております。この問題については、長野県としてもプロジェクトチームを作って取り組んでおりますので、引き続きしっかり対応していきたいと思っております。
 それから大きな2点目でありますけれども、皆さんのところに資料をお配りしているかと思いますが、婚活サポーターの募集です。「しあわせ信州創造プラン」の中で、結婚支援ということも大きな取り組みとして位置付けています。そういう中で県としては「結婚をしたい」という方々を社会全体で支えていくという趣旨で、婚活サポーターの募集を今日から行いたいと思っています。結婚・子育て支援ということで「出会い応援ポータルサイト」の構築であるとか、婚活セミナーの開催であるとか、そういうことも併せて行っていきますけれども、今回は、結婚したい若者たちに出会いの場等を提供してもらうということで婚活サポーターの募集をしていきたいと思っています。婚活サポーター、まず第一次の募集ということで9月13日まで当面の募集期間としたいと思っています。9月28日(土曜日)に婚活応援フォーラムを開催する予定でありまして、その場でサポーターに応募いただいた皆さま方への研修会の実施と認定証の交付を行っていきたいと思っております。婚活サポーターは2種類ございます。一つは「しあわせ信州婚活サポーター」ということで、結婚を希望される方に対して出会いの機会の拡大、あるいは婚活に関する情報提供等をボランティアとして行っていただける方を「しあわせ信州婚活サポーター」ということでお願いをしたいと思っています。それから、もう一つ。出会いの場となる交流イベント等の実施、企画・運営を行っていただける団体や企業、街コンも活発に行われていますけれども、そうした皆さま方を「しあわせ信州婚活応援団」ということで認定をしていきたいと思っております。認定された婚活サポーターの皆さんには、認定証をお渡ししたいと思いますし、しあわせ信州婚活サポーター、このボランティアの方々に対しては、名刺もお渡しをしたいと思っておりますので、活動に役立てていただきたいと思っております。サポーターの任期は原則2年と考えておりますが、初年度、年度途中の応募という形になりますので、今回は平成26年度末までの任期ということに致したいと思っております。しあわせ信州婚活サポーターは150名、しあわせ信州婚活応援団は50団体を目標にお願いをしていきたいと思っております。ぜひ多くの企業、団体、そして若者を応援したいと思ってらっしゃる県民の皆さま方には、積極的に応募をいただきたいと思っております。結婚支援を通じて活力のある長野県につなげていきたいと思っております。
 私の方から以上2点でございます。よろしくお願い致します。

取材者からの質問

 1 日銀の景気判断について

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 経済の話ですが、昨日、日銀がですね、緩やかに回復、景気判断をですね、緩やかに回復しつつあると、総裁も、回復しつつある状況がはっきりしてきたと宣言したと。地方についても総裁は、ばらつきはあるが徐々に前向きの動きが出ていると言っていまして、明るい話のような感じもするんですが、ただ、われわれとすると、とてもじゃないけども実感を伴っていない感じもするんですが、知事はこの日銀の判断についてはどのように受け止めていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。日銀の判断は、私も詳細に見ていませんけれども、先ほど申し上げました通り、株価の上昇とか、一時の大変な円高基調からは円安になってきているということも含めて、ムードとしてはポジティブなムードが広がってきている部分が多いと思っております。ただ、われわれとしては、例えば有効求人倍率も長野県の場合、依然、全国平均を下回った状況が続いているという中で、本格的な回復軌道にしっかり乗せていく必要性がまだ非常に強いと、先ほど申し上げたように地方の経済を元気にしていく上では、まだまださまざまな取り組みが必要な現状だという認識であります。産業イノベーション推進本部をはじめとしてですね、知事会の中での認識も、今申し上げたような認識と近い認識だと思います。全体として明るい雰囲気は広がっているけれども、まだまだ実体経済においてプラスの方向付けをする上では、国としてのしっかりとした取り組みがまだまだ必要ではないかという認識だと思いますんで、ぜひ、参議院選挙終わると恐らく成長戦略の具体化ということが出てくると思いますんで、先ほど申し上げたような地方の側の声というものも十分聞いていただいた上でですね、経済が本当に明るくなったなあということを全国で実感できるような取り組みを進めていってもらいたいと思っています。

 2 子どもを性被害等から守る専門委員会について(1)

信濃毎日新聞 山越悌治 氏
 知事の発表された内容とはちょっと違うんですけれども、本日ですね、子どもを性被害から守る専門委員会の作業部会が開かれるということでお伺いしたいんですけれども、一つはですね、何度もお伺いしているんですけど、専門委員会あるいは作業部会がですね、法規制が前提になっているのではないということをちょっと一点確認しておきたいんですけれども。

長野県知事 阿部守一
 はい。もうこれ何度も繰り返して申し上げていますけれども、条例等での対応を排除しているわけではありませんけれども、初めに罰則規定ありきとか、条例による規制がありきということではなくて、幅広くですね、考えていただく中でどういう対応が必要なのかということを検討してもらいたいと思っています。

信濃毎日新聞 山越悌治 氏
 それで法規制が前提じゃないということなんですけれども、今日の作業部会の3人の方を見るとですね、元検察官の方、あるいは刑法の専門家の方で、どちらかというとこれまで他県でも同じような法規制の取り組みについて活動されてきた方とかですね、どちらかというとやはり法規制を進めるような作業部会のメンバー構成に見えるんですが、その辺はきちんと配慮されたんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 もちろん、法制的な検討を全くしないで法制的な部分が必要不必要という判断はできないんで、法律上の、法律的な専門家の視点も私は入れることが必要だと思っています。だけど、それはありき、ではないですし、最終的には作業部会の上の委員会でしっかり議論してもらうという形になるわけでありますから、そういう意味で法律の専門家が入っているから法規制ありきということでは全くないということははっきり申し上げておきたいと思います。

信濃毎日新聞 山越悌治 氏
 あとですね、前回、専門委員会の本体会合が開いたばかりで、2回目の今日がですね、作業部会ということで、法規制に関する作業部会ということで、終わりが今年12月には何とか方向性を出すと、それまでに専門委員会の本体会合は残り3回しかないということが決まってスケジュール案として示されているということで、手続き上ですね、ほんとに法規制の作業部会を開くにしてもですね、前段の、法規制が前提ではないとしてもですね、法規制が必要かどうかの検証というのがまず行われるべきじゃないかと思うんですけど、そもそも発端となった東御市の事件2件だとかですね、そういったことがきちんと検証されていて、本当に東御市の事件が条例できつく取り締まるべき事件だったのかとかですね、それと、県警によると東御市以外の事件でも、条例があれば摘発できたケースが何件あるという話なんですが、そのケース自体がですね、法律で取り締まるべきものなのかどうなのかといった検証が全然されてないような気がするんですが、その点はいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 だからその、法律とか条例で規制することありきという話でやっているわけではないわけですから、そういうことも含めてこれから検討してもらうという形になるわけで、今の筋立てだと、初めに結論があるのに何でそういうことを、検証しないで進めているんだということであれば、それはご指摘のことは分かりますけれども、そういう形で考えているわけではないわけでありますから、ご質問されている問題の趣旨が、今ひとつ理解しづらいなと思うのですけれども。

信濃毎日新聞 山越悌治 氏
 法規制やるやらないにしても、まず東御市の事件の検証だとか、今長野県の実態がどうなっているのかとかそこがまず最初にあって、それから、いよいよこれは大変だと、法規制が本当になければならないとかですね、そういった議論に入っていった時に。

長野県知事 阿部守一
 それは、なんていうか、ここの性被害の委員会の話だけ非常に特に細かくご質問いただくのですが、それは私としては、先ほど申し上げている通りですね、担当部局にはまず法規制前提じゃないと、投網を掛けるような他の県の青少年県育成条例は作る前提じゃないということ、はっきり言っているわけですし、ここでもそういうふうに言っているわけですから、その他の細かいどう進めるのかっていうのは、できれば担当部局の方に聞いてもらえばですね、今お話しされているようなことは、ここで明確にお答えしているわけですので、進め方がどうするのかという手順の話は、担当部局の方にぜひ聞いていただいて、それはちょっとおかしいんじゃないかということであれば、また私の方に問い合わせていただければと思いますので。

信濃毎日新聞 山越悌治 氏
 分かりました。

 3 子どもを性被害等から守る専門委員会について(2)

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 今、細かい話は担当課へという話を聞いたばかりで恐縮なんですけれども、今日の作業部会も以前に次世代サポート課長からも説明あったんですけれども、やっぱり非公開でなされるということで、それは今知事がおっしゃったように担当課には聞いたけどなかなか本当にそれでいいのかなという思い、専門家なんかにお聞きする中でも、作業部会とは言いながら今後の議論の方向性を左右する可能性も持っているような段階だと思っていまして、改めて非公開でやることの妥当性を知事はどのようにお考えですか。

長野県知事 阿部守一
 これは担当課の方にちゃんと聞いてもらった方がいいと思いますけれども、私が認識しているのは親会議での議論を作業部会でこんな意見、あんな意見があったということが詳細に伝えられることによって、何となく予見を与えてしまうんじゃないかということもあってむしろ作業部会のところはしっかりと論点を詰めてもらって、その上で全体会議のところでしっかりと議論していただくことが適切だという判断だと思っています。もちろんどういう考え方でこういう対応をするのかというのは県としてちゃんと説明責任を果たさなくてはいけない話でありますから、もちろんプロセスも大事であると思いますが、親会議の方はちゃんとそういう形で議論のプロセスが分かるようになると思いますし、県として方向を決めるという場合には当然私がしっかり説明責任を果たすべくお伝えしていかなければいけない重要な案件だと思っています。何というかプロセスのところで、私はいろいろな価値観や考え方がある意見をぜひしっかりと出し合ってもらいたいと率直に思っていますから、そういう意味でちょっと公開度が足りないんじゃないかというご指摘だと思いますけれども、全体としてはしっかりと説明責任を果たしていますし、公開度が高いものにしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 後々今日の作業部会での議論がどういうものであったのかというのは当然親会の方にも報告されるんでしょうし、期待するところなんですけれど基本的なところで議事録を後日公開されるかどうかというのも担当課にお尋ねする限りではあまり積極的ではないようにも聞いていまして。

長野県知事 阿部守一
 そこら辺の公開のプロセスについて強くご懸念をお持ちだということはよく分かりましたので、ちょっと担当課とよく話をして、考え方を整理したいと思います。

 4 婚活サポーターについて

テレビ信州(TSB) 山田成恵 氏
 今日出ました、結婚したい若者を応援する婚活サポーター募集に関してなんですけれども、28日のフォーラムですとか、あとポータルサイトといった形で、県としてもだいぶ力を入れていると思うのですが、やはり知事としても危機感を強く抱いているのかどうか、また、これもし公開されていたら申し訳ないのですが、結婚によって、またその子育て支援によって人口の増加を見込まれているとしたらどのくらいの人口増加を目標として、どういった形で将来の県の支援につなげていきたいかということを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 そうですね、まず目標のところは婚姻件数も含めてしっかり目標設定をしろということで今言ってますんで、それはちゃんとやっていきたいと思います。ただ前段の方のですね人口増加、これ人口を例えば自然増にもっていくという形は正直厳しいなと。そもそも結婚適齢年齢の人たちの数がどんどん減ってきているという状況にあるなかで、よほどの劇的な転換がないと自然増にはなかなかもっていけないと。むしろ自然減の傾向をなるべく少なくすると。加えて社会増減の方は社会減が続いていますけれども、極力長野県にお越しいただけるように移住・交流も進めていますので、そういう政策とか企業の立地を促すことによって、社会減もできればこっちは社会増にもっていくように取り組みたいと思っています。少子化の問題、この間の知事会でも議論になったわけでありますけれども、例えば高齢者一人を支える現役世代の人数が、2010年で2.77ですけれども、これが合計特殊出生率、今の現時点よりもやや高めの1.6のケースでずっと推移したときに50年後、それでも1.42人で一人の高齢者を支えると。これが合計特殊出生率2.07、要は人口を維持できるであろうという数字で推移したとしても、50年後1.67人が一人の高齢者を支えるところまでしかいかないと。これは、2.07になっても要は人口はしばらく減り続けるという形になっているのが今の現状であります。これは長野県に限らず、全国的にそういう厳しい状況にあるということをまずはしっかり認識しなければといけないと思っていますので、そういう意味で、とはいえ、何もしないとですね、もっとひどい状況になってしまうわけですから、結婚あるいは子育てについては、多くの県でも真剣に取り組み始めてきていますし、私どもも、ここの部分については全国に負けない取り組みをこれからもしっかり行っていきたいと思っています。

長野県知事 阿部守一
 はい、どうもありがとうございました。

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